6 / 34
誰ですか?
しおりを挟む
俺は人を殺したのかもしれない。
手足が俺の意思に反して震えているし、心臓が大きく鳴っている。
高揚感のような気持ちの良い鳴り方ではない。
何か心臓内に液体を並々に注がれ、その液体によって内から強引に鳴らされているようだ。
その液体とはなんだろう。
色はおそらく黒、人をちょうど不安にさせるような冷たさ。
俺はその液体は墨汁を想像した。
「俺は本当に俺なのか」
そんな俺の哲学的呟きに答えてくれる存在は無い。哲学的呟きは二酸化炭素と共に虚空に消えた。
「てかさ、狭い道を大地を踏みしめるが如くゆったり歩いてるカップルってなんなん。抜けられるスペースを見つけて、俺が早足で追い抜く時に決まってカップルに嫌な顔されるのなんなん。早足で追い抜かれるのが嫌なら二列になるな。一列でいちゃつけクソが」
関係のない嫌な感情が唐突に湧き出てくる。どうやら俺の思考までも墨に犯されているらしい。
「いけない...このままでは俺が俺を保持できない。落ち着け俺よ...そうだ、一円玉、一円玉はどこだよ」
俺は財布が爆発してから、財布替わりに使っているパッチン袋をまさぐる。
「キョホホホあったぞ、一円玉が13枚もありやがる」
13枚の一円玉から適当に3枚を手元に残し、残りはパッチン袋に投げ入れた。
「一円玉を並べて、寄り目をして、さぁ俺よ何枚に見える」
オセロだったら俺もゴミになるぐらいにゴミだらけの六畳の部屋から小さめのダンボールを手に取り床に置き、そのダンボールの上に表裏関係なく一円玉を横に並べる。
「...やばい6枚に見えてしまう、おかしなもう一回だ...うわぁぁ6枚だ、俺の瞳に6枚が存在している」
一円玉を3枚横に並べて寄り目をした時に、強めに寄り目をすると6枚に見えるが、弱めに寄り目をすると5枚に見えるものだ。他人からはバカに思われるかもしれないが、5枚に見える時が平常心を保っているという俺の特殊な合図だった。
「瞳までもが、墨に犯され黒いのか。そうだよ、俺は日本人です、だから瞳は黒いんだよ。あぁ瞳が青かったらモテルのだろうか、うんモテルだろうな。
瞳が青いということは白人の血が入っているからな、女で白人が嫌いなんて奴いないですよね、いるわけねぇーよ、女と白人は女とショッピングの相性なんだろうなクソが」
霊でも払うような勢いのある手刀をダンボールにおみまいした。
一円玉が宙を舞いゴミ町ゴミ丁目ゴミ番地に移住した。
「てかさ、思ったんだけど俺もう人殺してるかもしれないなら、何人殺しても同じじゃね。
やる、やるしょ、やらねば、殺ってやるよ」
俺の頭上で悪魔がニヤニヤしながら俺に付いている糸を自在に動かしているのかもしれない。だがそんなことはどうでもいいんです。
俺はこの気持ちが、悪魔の意思なのか俺の意思なのか知らないがもう決めたのです。
「昨日のカップル確かこの駅の近くの住宅街に入っていったな、よし、今日から楽しく笑顔で気合いを入れて張り込みますか」
俺は嬉々としながら、ゴミ屋敷のドアを開けた。
手足が俺の意思に反して震えているし、心臓が大きく鳴っている。
高揚感のような気持ちの良い鳴り方ではない。
何か心臓内に液体を並々に注がれ、その液体によって内から強引に鳴らされているようだ。
その液体とはなんだろう。
色はおそらく黒、人をちょうど不安にさせるような冷たさ。
俺はその液体は墨汁を想像した。
「俺は本当に俺なのか」
そんな俺の哲学的呟きに答えてくれる存在は無い。哲学的呟きは二酸化炭素と共に虚空に消えた。
「てかさ、狭い道を大地を踏みしめるが如くゆったり歩いてるカップルってなんなん。抜けられるスペースを見つけて、俺が早足で追い抜く時に決まってカップルに嫌な顔されるのなんなん。早足で追い抜かれるのが嫌なら二列になるな。一列でいちゃつけクソが」
関係のない嫌な感情が唐突に湧き出てくる。どうやら俺の思考までも墨に犯されているらしい。
「いけない...このままでは俺が俺を保持できない。落ち着け俺よ...そうだ、一円玉、一円玉はどこだよ」
俺は財布が爆発してから、財布替わりに使っているパッチン袋をまさぐる。
「キョホホホあったぞ、一円玉が13枚もありやがる」
13枚の一円玉から適当に3枚を手元に残し、残りはパッチン袋に投げ入れた。
「一円玉を並べて、寄り目をして、さぁ俺よ何枚に見える」
オセロだったら俺もゴミになるぐらいにゴミだらけの六畳の部屋から小さめのダンボールを手に取り床に置き、そのダンボールの上に表裏関係なく一円玉を横に並べる。
「...やばい6枚に見えてしまう、おかしなもう一回だ...うわぁぁ6枚だ、俺の瞳に6枚が存在している」
一円玉を3枚横に並べて寄り目をした時に、強めに寄り目をすると6枚に見えるが、弱めに寄り目をすると5枚に見えるものだ。他人からはバカに思われるかもしれないが、5枚に見える時が平常心を保っているという俺の特殊な合図だった。
「瞳までもが、墨に犯され黒いのか。そうだよ、俺は日本人です、だから瞳は黒いんだよ。あぁ瞳が青かったらモテルのだろうか、うんモテルだろうな。
瞳が青いということは白人の血が入っているからな、女で白人が嫌いなんて奴いないですよね、いるわけねぇーよ、女と白人は女とショッピングの相性なんだろうなクソが」
霊でも払うような勢いのある手刀をダンボールにおみまいした。
一円玉が宙を舞いゴミ町ゴミ丁目ゴミ番地に移住した。
「てかさ、思ったんだけど俺もう人殺してるかもしれないなら、何人殺しても同じじゃね。
やる、やるしょ、やらねば、殺ってやるよ」
俺の頭上で悪魔がニヤニヤしながら俺に付いている糸を自在に動かしているのかもしれない。だがそんなことはどうでもいいんです。
俺はこの気持ちが、悪魔の意思なのか俺の意思なのか知らないがもう決めたのです。
「昨日のカップル確かこの駅の近くの住宅街に入っていったな、よし、今日から楽しく笑顔で気合いを入れて張り込みますか」
俺は嬉々としながら、ゴミ屋敷のドアを開けた。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる