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本編 燦聖教編
奴隷を購入した貴族
しおりを挟む「美味い!こんなに美味しい肉……食べた事ない!はぁ幸せだ」
「もう私はいつ死んでも良い!こんなに幸せが訪れるなんて!」
「ここは天国なの?はぁ……おいし」
「オレはカラアゲが好き。タレが最高」
「おいちいねー♪」
初めは戸惑い遠慮して、中々食べようとしなかった獣人族だったが、この美味そうな匂いや肉の焼ける音には勝てなかった。
我慢が出来なくなり……肉に飛びついた。
皆美味そうに涙を流し肉を頬張っている。
子供達にはカラアゲが良いかなと思って出してみたら大正解だった。
口いっぱいにカラアゲを頬張り銀太やスバルと楽しそうに取り合いをしている。
「あー!我のカラアゲ!」
「あー!お前何個目だ?俺より先におかわりするとは!」
「早いもの勝ちだよーだっ!」
獣人族の子供達は、銀太の事を同じ獣人族の子供と思ってるな。
じゃないとカラアゲを取り合いしたりとか……しないよな。
獣人族達はキラやベヒィ、さらにはジャイコブウルフ達の事でさえ、馴染んではいるがまだ少し怖がってるのに。
これは正体を明かすタイミング考えないといけないな。
⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎
ジャイジャイジャイコブ♪ジャイジャイジャイコブ♪キュッキュウ♪
肉祭りの後はジャイコブ達百匹とキューによる壮大なダンスを獣人族達に披露している。
この迫力あるダンスを初めて見た獣人族達からは拍手喝采だ。
うんうん!その気持ち分かるよ!
俺が少し離れた場所でジャイコブダンスを見ていたらパールが走り寄り隣に座った。
「ティーゴよ、この後じゃがの?先ずは貴族達に捕まっておる獣人達を助けに行くんじゃよな?」
「そのつもりだ!」
「腐った貴族達には法的な仕置きが必要じゃ!
ファラサールに魔法鳥を飛ばし、糞貴族達の情報を全て送るのじゃ!
我が国ヴァンシュタイン王国では奴隷は禁止されておるからの?
奴等は貴族爵位剥奪だけではすまん筈じゃ!
奴隷を購入した事を一生後悔すると良いんじゃ!
ワシは奴隷とか好かぬ!許せんのじゃ!」
パールが怒っている……猫の姿だけど、パールの怒りがひしひしと伝わって来る。
俺も奴隷は嫌だ!
しかもあんな酷い扱い方をする貴族達は許せない!
「ありがとうパール!さすがだよ!糞貴族達は全てファラサールさんに報告するよ」
⭐︎★⭐︎★⭐︎
俺達は奴隷を購入した貴族の屋敷を、奴隷商に案内させ順番に訪れて行く。
「次はここか?」
「はいっ!間違いございません」
「では呼び鈴を鳴らし扉を開けよ」
「はいぃっ!」
奴隷商が呼び鈴を鳴らすと身なりの良い白髪の男性が出て来た。
「おや!これはクソヤン様何か御用でしょうか?」
「ロンダール様に用がありまして、御目通り宜しいでしょうか?」
「約束はされていますでしょうか?」
男性は奴隷商の横に居る俺達を不思議そうに見る。
「約束はしてないのですが……」
「ええい!もういい!お主らは違法奴隷を購入しておるじゃろ?」
「なっ?猫が喋った!」
パールは待ちきれなくズカズカと中に入って行く。
「えっ⁉︎ちょっとお待ち下さい!」
白髪の男性はパールを追いかけて走って行く。
奴隷商以外は皆動物なのだから……男性が訝しむ気持ちも分かる。
奴隷商と一緒にいるのは、アライグマティーゴ、黒犬三号、猫パールの三匹だからな。
俺達もパールの後を追い中に入ると……パールの前には、綺麗な服を着た獣人族の子供が立っていた。
その後ろにはこの屋敷の主人?らしき男女が獣人族の子供を守る様に抱きしめ立っていた。
「お主らはこの国では違法の奴隷を購入したのう?それは許されない事じゃ!」
「分かっております。奴隷が違法な事も……。
奴隷を購入した時点でいつかこの様な時が来る事も。
ですが私共は、奴隷を購入した事を後悔しておりません。
この子ルキアと出会えて、私達は幸せでしたから。
この子から私達は沢山の幸せを貰ったのです。
どの様な処分も受ける覚悟は出来ております。
ですが……私共が居なくなった後!このルキアが悲しい思いをしない様!それだけは絶対に約束して下さい!お願いします!」
獣人族の子供が泣きなら貴族の男女を庇う様に前に出る。
「お願いだよ……オレのお父さんとお母さんに酷い事しないで!
オレはお父さんとお母さんに出会えてやっと楽しいとか悲しいとか……幸せを知ったんだ。
罰を与えるならオレにしてよ!お願いだ!」
「分かったのじゃ。お主が全て罰を受けるのじゃな?」
「うん!」
パールが獣人族の子供に歩みよる。
「待って下さい!この子は何も悪くない!罰を受けるのは私共です!」
ロンダール夫妻が獣人の子供を庇う様に必死に抱きしめる。
「分かったのじゃ!」
パールは獣人族の子供に付いている。隷属の首輪を取った。
「お主らにはこの様な首輪は必要ないのじゃ」
「……えっ?」
ロンダール夫妻と獣人族の子供ルキアは何が起こったのか分からないって顔をしている。
「ここには奴隷はおらんかった。そうじゃのティーゴ?」
「そうだな!奴隷は居ないな!」
俺達の言葉を聞きロンダール夫妻と獣人族の子供ルキアは泣き崩れた。
「ああ……ありがとうございます」
俺達はそれ以上は何も言わずロンダール邸を後にした。
「パール?中々カッコ良かったぜ?」
「ティーゴよ茶化すでない!」
幸せになってる奴隷が居る事が分かって良かった。
皆が皆、奴隷に酷い事をする為に購入するんじゃないんだな。
俺達は少し笑顔になりながら、奴隷を購入した貴族がいる次の屋敷に向かった。
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