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本編 燦聖教編
燦聖塔
しおりを挟む「あっ魔法鳥!」
ファラサールさんからだ!相変わらず仕事が早いな。
俺は獣人族を奴隷購入し、酷い事をした貴族達の情報を全て、ファラサールさんに魔法鳥を使って連絡したのだ。
貴族達の細かい情報は奴隷商に書かせた。俺には分からないからな。
もちろん虚偽な情報など書かせないように、パールが魔法を使っていた。
嘘をついたら雷が落ちる魔法だって。
色んなオリジナル魔法があるな!この魔法はその昔、王様から頼まれて作った魔法らしい。
奴隷商も初めは「そんな魔法無いだろう」と高を括っていたが、二回ほど雷が頭に堕ち髪の毛が全て無くなった時点で、本当だと確信したのか震えながら高速で書類を仕上げてくれた。
「ファラサールは何て書いておるのじゃ?」
パールも内容が気になるらしく、手紙を覗き込む。
「ほう……もうすでに貴族達を拘束する騎士団をこの街に送ったのか!仕事が早いのじゃ!
これで腐った貴族はこの街にはおらん様になるのう」
「だな!後は糞領主と燦聖教だな」
「塔までどうする?歩いて行くのか?距離は大分あるぞ?」
『俺の背中に乗れよ!どうせ成敗するんだろ?目立った所で問題ないぜ?』
確かにな……俺はアライグマ姿だし。その方が早いな!
「そうだな。スバルにお願いするよ」
『任せとけ!』
スバルはグリフォンの姿に戻った。その背中には猫パール、アライグマティーゴ、黒犬三号、人化銀太が乗った。
んん?このメンバーで人は獣人族っぽい銀太だけか?
後は喋る謎の動物達……
何このメンバー!今更だけど物凄く怪しいじゃないか!今更だけど!
スバルが飛び立つと燦聖塔に一瞬で着いた。
燦聖塔の周りには突然現れたグリフォンにパニック状態だ!
武装した騎士達が燦聖塔からワラワラと出て来て、必死に弓を飛ばして来る。風魔法を防御壁の様に纏っているスバルには全く効かないが……。
スバルは我関せずと騎士達を無視し、燦聖塔の前に舞い下りた。
目の前にグリフォンが現れた騎士達はパニックになりながらも攻撃して来た。
「ティーゴの旦那?コイツらウザイ!」
スバルはそう言って雷魔法を放った。
俺達の前に居た騎士達は全て気絶した。
「凄いなスバル……」
『余裕だぜ!』
「さぁ!中に入るのじゃ!」
燦聖塔の中に入ると、何も無いだだっ広い空間があり奥には祭壇か?何かを祀っている。
何にせよ異様な空間だ。
バァーーン!
奥の扉が勢いよく開いた!
「グリフォンが現れたと聞き慌て魔獣兵器を用意したんですが……おかしいですね?動物に獣人族の子供?」
青い法衣を来た初老の男性が、謎の村で見た魔獣兵器を引き連れ現れた。
「お主が燦聖教の司祭か?」
「なっ!猫が喋った!」
「お前が獣人族を奴隷にしたのか?」
「はぁ!タヌキまで喋るのか?」
タヌキじゃねーよ!アライグマだ!
「質問に答えるのじゃ!」
「ふははっ!何故私が下等生物とまともに話をしないと行けないんですか?
まぁ?せっかく魔獣兵器を連れて来たんですし?
遊ばせて貰いますか」
「何も答えぬなら、お主が司祭かどうかはワシが調べるだけじゃ!」
「ダナ司祭様!あの獣人族の子供は私に下さい!痛めつけず綺麗な状態で捕獲して欲しいのです!お礼は弾みますから!」
扉からダラァー侯爵が飛び出してきた。
「ほう?ダラァー侯爵はあの獣人が欲しいのですか?分かりました。生捕にしましょうか」
ダナ司祭は口角を上げほくそ笑む。
「お主が司祭なんじゃな?その男が今言うておった!」
「すっすみません!」
ダラァー侯爵は慌て頭を下げる。
「良いのですよ。どうせ此奴らはこの後死ぬ運命」
「ワシらはお前達!司祭と侯爵に用があったのじゃ!獣人族に酷い扱いをした事、後悔するんじゃの」
「猫が何を喋って……この魔獣兵器を前に良くそんなセリフが言えましたね?褒めて上げましょう」
オークとダークウルフの百匹以上はいる集団が襲いかかって来た。
パールが無詠唱で魔法を放つとオークとダークウルフ達に雷が堕ち全ての魔獣が消し炭となった。
「ななっ!何が起こったんだ!」
「何って……ワシが魔法で此奴らを消し炭にしただけの事じゃ!」
「ねねっ猫がこんな高ランク魔法を使えるとかあり得ない!」
司祭と侯爵は少しパニック状態だ。
「わわっ分かりました!ここは最強の魔獣兵器を……これには勝てませんよ?」
扉の奥から四メートルはあるオーガキングが出て来た。
ーーしい……痛い。助けてくれ。
この声は……オーガキングの声か?脳に声が直接響く……。
「パール!あのオーガキングは俺に任せてくれないか?アイツはまだ自我が残ってるんだ!俺にはアイツが苦しんでる声が聞こえるんだよ!」
「声が聞こえる?本当か?」
「うん!」
「分かったのじゃ!ティーゴのやりたい様にせい」
「ありがとう」
俺はオーガキングに近づき話しかける。
「お前苦しいんだよな?俺にはお前の声が聞こえるんだ!助けてやるからな?」
ーー助け……て?俺を?
「そうだ!俺は以前にもお前見たいに魔石を埋め込まれ無理矢理兵器にされていた奴を、助けた事がある!」
ーー本当か?……俺を……助け…て
オーガキングの瞳から涙が溢れる。
その時!
オーガキングの大きな拳がティーゴ目掛けてに飛んで来る。
それをティーゴは飛んで躱す。
ーーごめ……体が勝手に……殴りたくない。
「大丈夫だ!分かってる!」
俺はオーガキングが次に殴って来た時に、腕に飛び乗り魔石が埋め込まれている額まで一直線に走って行く。
額に埋め込まれていた魔道具に触れると、黒い魔石は綺麗な青色になった。浄化出来た……のか?
「どうだ?痛くないか?」
異形化していたオーガキングの姿が元の姿に戻って行く。
ーー大丈夫!もう、体支配されてない。ありがとう……タヌキよ。
「タヌキじゃないけどな?アライグマだ!って言うか俺は人族だ!」
ーーそっそうなのか!
「今は訳あってアライグマの姿をしてるだけだ!」
「浄化完了した見たいじゃな?」
「おう!」
俺はオーガキングの肩に乗りパールの所に戻った。
「おい!オーガキングよ!何をしている!早く目の前にいる奴らを殺せ!」
グオォォォォォォォォォ‼︎
オーガキングはダナ司祭とダラァー侯爵に向かって咆哮を上げた!もうお前達の言うことは聞かないと言わんばかりに!
「「ヒィッ!」」
オーガキングの咆哮に二人は腰を抜かした。
「ククッお前達のお仕置きはこれからじゃ!」
パールがニヤリと悪い顔で微笑んだ。
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