お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

文字の大きさ
88 / 314
本編 燦聖教編

燦聖塔

しおりを挟む

「あっ魔法鳥!」

ファラサールさんからだ!相変わらず仕事が早いな。
俺は獣人族を奴隷購入し、酷い事をした貴族達の情報を全て、ファラサールさんに魔法鳥を使って連絡したのだ。
貴族達の細かい情報は奴隷商に書かせた。俺には分からないからな。

もちろん虚偽な情報など書かせないように、パールが魔法を使っていた。
嘘をついたら雷が落ちる魔法だって。
色んなオリジナル魔法があるな!この魔法はその昔、王様から頼まれて作った魔法らしい。

奴隷商も初めは「そんな魔法無いだろう」と高を括っていたが、二回ほど雷が頭に堕ち髪の毛が全て無くなった時点で、本当だと確信したのか震えながら高速で書類を仕上げてくれた。

「ファラサールは何て書いておるのじゃ?」

パールも内容が気になるらしく、手紙を覗き込む。

「ほう……もうすでに貴族達を拘束する騎士団をこの街に送ったのか!仕事が早いのじゃ!
これで腐った貴族はこの街にはおらん様になるのう」

「だな!後は糞領主と燦聖教だな」

「塔までどうする?歩いて行くのか?距離は大分あるぞ?」

『俺の背中に乗れよ!どうせ成敗するんだろ?目立った所で問題ないぜ?』

確かにな……俺はアライグマ姿だし。その方が早いな!

「そうだな。スバルにお願いするよ」

『任せとけ!』

スバルはグリフォンの姿に戻った。その背中には猫パール、アライグマティーゴ、黒犬三号、人化銀太が乗った。

んん?このメンバーで人は獣人族っぽい銀太だけか?
後は喋る謎の動物達……
何このメンバー!今更だけど物凄く怪しいじゃないか!今更だけど!

スバルが飛び立つと燦聖塔に一瞬で着いた。

燦聖塔の周りには突然現れたグリフォンにパニック状態だ!

武装した騎士達が燦聖塔からワラワラと出て来て、必死に弓を飛ばして来る。風魔法を防御壁の様に纏っているスバルには全く効かないが……。

スバルは我関せずと騎士達を無視し、燦聖塔の前に舞い下りた。

目の前にグリフォンが現れた騎士達はパニックになりながらも攻撃して来た。

「ティーゴの旦那?コイツらウザイ!」

スバルはそう言って雷魔法を放った。

俺達の前に居た騎士達は全て気絶した。

「凄いなスバル……」

『余裕だぜ!』

「さぁ!中に入るのじゃ!」

燦聖塔の中に入ると、何も無いだだっ広い空間があり奥には祭壇か?何かを祀っている。
何にせよ異様な空間だ。

バァーーン!

奥の扉が勢いよく開いた!

「グリフォンが現れたと聞き慌て魔獣兵器を用意したんですが……おかしいですね?動物に獣人族の子供?」

青い法衣を来た初老の男性が、謎の村で見た魔獣兵器を引き連れ現れた。

「お主が燦聖教の司祭か?」

「なっ!猫が喋った!」

「お前が獣人族を奴隷にしたのか?」

「はぁ!タヌキまで喋るのか?」

タヌキじゃねーよ!アライグマだ!

「質問に答えるのじゃ!」

「ふははっ!何故私が下等生物とまともに話をしないと行けないんですか?
まぁ?せっかく魔獣兵器を連れて来たんですし?
遊ばせて貰いますか」

「何も答えぬなら、お主が司祭かどうかはワシが調べるだけじゃ!」

「ダナ司祭様!あの獣人族の子供は私に下さい!痛めつけず綺麗な状態で捕獲して欲しいのです!お礼は弾みますから!」

扉からダラァー侯爵が飛び出してきた。

「ほう?ダラァー侯爵はあの獣人が欲しいのですか?分かりました。生捕にしましょうか」

ダナ司祭は口角を上げほくそ笑む。

「お主が司祭なんじゃな?その男が今言うておった!」

「すっすみません!」

ダラァー侯爵は慌て頭を下げる。

「良いのですよ。どうせ此奴らはこの後死ぬ運命」

「ワシらはお前達!司祭と侯爵に用があったのじゃ!獣人族に酷い扱いをした事、後悔するんじゃの」

「猫が何を喋って……この魔獣兵器を前に良くそんなセリフが言えましたね?褒めて上げましょう」

オークとダークウルフの百匹以上はいる集団が襲いかかって来た。

パールが無詠唱で魔法を放つとオークとダークウルフ達に雷が堕ち全ての魔獣が消し炭となった。


「ななっ!何が起こったんだ!」

「何って……ワシが魔法で此奴らを消し炭にしただけの事じゃ!」

「ねねっ猫がこんな高ランク魔法を使えるとかあり得ない!」

司祭と侯爵は少しパニック状態だ。

「わわっ分かりました!ここは最強の魔獣兵器を……これには勝てませんよ?」

扉の奥から四メートルはあるオーガキングが出て来た。

ーーしい……痛い。助けてくれ。

この声は……オーガキングの声か?脳に声が直接響く……。

「パール!あのオーガキングは俺に任せてくれないか?アイツはまだ自我が残ってるんだ!俺にはアイツが苦しんでる声が聞こえるんだよ!」

「声が聞こえる?本当か?」

「うん!」

「分かったのじゃ!ティーゴのやりたい様にせい」

「ありがとう」

俺はオーガキングに近づき話しかける。

「お前苦しいんだよな?俺にはお前の声が聞こえるんだ!助けてやるからな?」

ーー助け……て?俺を?

「そうだ!俺は以前にもお前見たいに魔石を埋め込まれ無理矢理兵器にされていた奴を、助けた事がある!」

ーー本当か?……俺を……助け…て

オーガキングの瞳から涙が溢れる。

その時!
オーガキングの大きな拳がティーゴ目掛けてに飛んで来る。
それをティーゴは飛んで躱す。


ーーごめ……体が勝手に……殴りたくない。

「大丈夫だ!分かってる!」

俺はオーガキングが次に殴って来た時に、腕に飛び乗り魔石が埋め込まれている額まで一直線に走って行く。

額に埋め込まれていた魔道具に触れると、黒い魔石は綺麗な青色になった。浄化出来た……のか?

「どうだ?痛くないか?」

異形化していたオーガキングの姿が元の姿に戻って行く。

ーー大丈夫!もう、体支配されてない。ありがとう……タヌキよ。

「タヌキじゃないけどな?アライグマだ!って言うか俺は人族だ!」

ーーそっそうなのか!

「今は訳あってアライグマの姿をしてるだけだ!」

「浄化完了した見たいじゃな?」

「おう!」

俺はオーガキングの肩に乗りパールの所に戻った。

「おい!オーガキングよ!何をしている!早く目の前にいる奴らを殺せ!」

グオォォォォォォォォォ‼︎

オーガキングはダナ司祭とダラァー侯爵に向かって咆哮を上げた!もうお前達の言うことは聞かないと言わんばかりに!

「「ヒィッ!」」

オーガキングの咆哮に二人は腰を抜かした。

「ククッお前達のお仕置きはこれからじゃ!」

パールがニヤリと悪い顔で微笑んだ。
しおりを挟む
感想 1,519

あなたにおすすめの小説

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?

水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」 「はぁ?」 静かな食堂の間。 主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。 同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。 いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。 「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」 「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」 父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。 「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」 アリスは家から一度出る決心をする。 それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。 アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。 彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。 「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」 アリスはため息をつく。 「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」 後悔したところでもう遅い。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。