お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 燦聖教編

獣人達の幸せ

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「ただいまー!」

『お帰りー!どうだった?あの糞達の後始末は?』
『お帰りなのだ!』

銀太がしっぽプリプリ俺の所に急いで走って来た。
その姿が余りにも可愛いくて、思わず銀太の頭を撫でる。

『むう……気持ち良いのだ』

三号は領主達にどんな裁きが下されたのかが気になるみたいで、パールに興味津々に話しかけている。

「バッチリじゃ!王に直接言うて来たからのう……」
『もしかして……暗部のお仕事?』
「そうじゃ!」
『ふふっじゃあ死んだ方がマシって思うわね……こっそり覗きに行こうかな?』

三号!覗きに行くって?暗部って怖い所なんだぞ!
そんな子供が新しい玩具を貰った時みたいなワクワクした顔して……!

「ティーゴ!おい何なんだこの!モグッ美味いパンは!」

アレクが豪華肉バーグサンドを頬張りながら俺の所に走って来た。

いい大人が走りながら食べるとかダメだぞ?

「アレク?落ち着け。とりあえず口に入っている肉を飲み込んでから喋れ!」

アレクはコクコクと頭を上下に振る。

ゴクンッ
「はぁ……美味い!それに心が幸せで満たされて行く。こんな食べ物俺は初めて食べた!」

後ろでシファさんもそうだと言わんばかりに、頭をコクコクと上下に動かし涙を流し肉バーグサンドを頬張っている。

「そっそうか。そんなに気に入ってくれて良かったよ!また作ってやるからな?」

「ーーまた?食べて良いのか?俺……嬉しいよ!」

アレクは俺を抱きしめて来た。
何故かその後ろからシファさんまで重なる様に抱きしめて来た。

食いしん坊な恋人同士だな!

「ちょっ!気持ちは貰ったから離してくれ!俺を絞め殺すきか?」
「すっすまん!興奮しちゃってな?」

シファさんもコクコクッっと頷く……。
シファさん……口いっぱいに肉バーグが入ってるから喋れないんだな。
なんだろう……凄く綺麗なのに残念な感じがするのは……。


 さてと……一旦アレク達を連れて異空間へ戻るか。

『ティーゴの旦那!三号と買い物に行った時に見つけたんだけど、この塔の奥にデカい建物があるんだよ!そこはまだ獣人達がいるか調べてないぞ?』


デカい建物?もしかしてダラァー侯爵の屋敷じゃ!

『そうそう!もしかして領主邸?って私は思ったんだけど……。』

「よし!行ってみるのじゃ!」

『じゃあ皆?俺の背中に乗れよ!』

グリフォンの姿に戻ったスバルを見て、シファさんが気絶しかけたけど、スバルが怖くないと分かるとシファさんはウットリと嬉しそうに背中に乗って行った。

空からこの街を見ると街の反対側は海だった。
ダラァー侯爵の大きな屋敷は、海に直接行ける様に断崖に階段が作られ侯爵邸から直接船に乗れる様になっていた。

なるほどな……あの場所から密かに獣人達をジャバネイル王国から連れて来てたのか……。

碇泊してる船も気になるな。

「なぁスバル?屋敷の裏に碇泊してる船の所に行ってくれないか?」

『良いぜ?』

俺と銀太それにアレクとシファさんは船に降りた。

「ではワシらは領主邸を見て来るのじゃ!」

三号とパールを乗せスバルは再び飛び立った。

船の中を調べていると……鍵のかかった部屋に獣人達が二十人ほど居た。全て大人の獣人だ。
皆怪我をしている。

俺は獣人達に回復魔法をかけていく。

  《リザレクト》


「ちょっ!ティーゴ!お前何をしたんだ?腕から下が切れて無いやつの手が生えてる!お前は……やっぱり天使様だったのか」

アレクが怪我を直した魔法を見てまた天使とか騒ぎだした!

「アレク?俺は普通の人族だ!」

怪我を治した獣人達まで頭を下げ俺に平伏す……。

「感謝の気持ちは分かったから!頼むから普通にしてくれ!」

ーーああ神様ありがとうございます!ー神は居た!ー私達を助けに来てくれたのだ!ー一生歩けないと思っていたのに歩けるー神よ!ー感謝いたしますーー


ねぇ?俺の話聞いてる?普通にしてくれよ。頼むから……!
こんな時に限ってタイミングよくアイツらがやって来るんだから!

『ティーゴの旦那?何してるんだ?獣人達に?……旦那は平伏させるの好きだなぁ』

何だよ!平伏させるの好きとか!スバル変な言い方するな!
たまたまだ!

侯爵邸を見に行ってたパール達が船に戻って来た。

「ティーゴは普通じゃと思ってたんじゃが……そうか……ゲフンッそんな変わった趣味が……」

パールが申し訳無さそうな目で俺を見る。
違うから!俺にそんな変わった趣味ないから!

俺はこの誤解を解くのにパールに長い長い説明をするのだった。
クソゥ!これも全てスバルの所為だからな!覚えとけ!


⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎



「侯爵邸には獣人はおらんかった。人族の召使いだけじゃった」

「そうなのか」

じゃあこの船にいる獣人で全てか!

「どうする?獣人達を連れて異空間に戻るか?」

「そうじゃの!異空間に戻ろう」

俺は異空間の扉を開けた。

「っ……ココは天国なのか?」

異空間に来てからアレクはずっと驚いたり泣いたりと忙しそうだ。

「何言ってるんだよ!アレク死んでないだろ?」

「じゃあ神様の住む世界か?」

「どっちも不正解だ!説明すると長くなるから……とりあえずお前達の仲間に会ってくれ!」

俺は先に異空間に連れて行った獣人達の所にアレク達を連れて行くと……前は無かった新しい建物が沢山建っていた。

「なっ……この建物は何だ⁈」

『ティーゴお帰り!どうだ?獣人達の家を建てたんだ!』

二号が凄いだろーと言わんばかりの顔をする。

「獣人達の家?」

『そうだ!いつまでこの異空間に居るかは分からないが、寝床は必要だろう?』

「確かに!二号お前凄いよ!ありがとうな」

俺は二号の頭を撫でた。

『ふふっティーゴの手気持ち良い』

「なぁティーゴ……こんなに多くの仲間を救ってくれてたんだな。すんっ……さらに俺達に家まで用意してくれたのか?ありがとう。ううっ……俺は幸せな夢を見てるみたいだ」

アレクがまた抱きついて来た。

「お前は俺を幸せで殺す気か!」

「そんな殺し聞いた事ねーよ!」

「すんっ……ありがとうな」




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