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本編 燦聖教編
ガドウィン街の調査
しおりを挟む門に向かって歩いて行くと、やはり大きな鉄の扉は閉じたまま。
これどうやって中に入るんだ?
門の周りをウロウロと歩いていたら、普通サイズの扉に気付く。
「なぁっあれって?門番とかが居る部屋への扉かな?」
「ふむ?開けて見るか」
パールが取っ手に手をかけ扉を開けようとする。
ガチャガチャ!
「むう?ちょっと硬いのう」
「パール!それって鍵っ」
それって鍵が掛かってるんじゃ?って言おうとした時には、ドアが壊れて中が丸見えになっていた。
「あっ……ありゃ?軽く引っ張っただけなんじゃが……まぁ良いではないか!これで風通しも良いじゃろうて」
なんて言いながらパールはズカズカと中に入って行く。
おいおいパールさん?既にこれ不法侵入ってやつだよね?
この服にわざわざ着替えた意味無くない?
「おおっ誰もおらんのじゃ」
「本当だ……」
八脚のイスと縦長のテーブルがあるだけの簡易な部屋。
横にまた扉がある。きっとこの扉を開けたら、街の中に入れるんだろう。
「今の内に扉を開けて街に入ろう」
「じゃな」
俺が扉に手を掛けようとした瞬間、先に扉が開き男達が二人中に入って来た。
「「へっ?あっ……?!」」
門番の男達は、中に居るティーゴ達に驚き固まっている。
「あっ……じょっ助祭様。何処から中に?」
「えっ?あっ扉が壊れたみたいだよ?」
「へわっほほっ本当だ!?どーして?」
パールと目配せし
「じゃっワシらはコレで……」
門番達が驚いてる隙に部屋をでようとするが。
「助祭様すみません。この街には何の用で?」
「ぬっ?何用じゃと……?それはぁじゃの……アレじゃよ。そのう……そう!司祭から呼ばれたんじゃよ!」
「マーヌ司祭様がですか?」
「そっ!そうその……何じゃ…」
ヒソッ
「マーヌ司祭」
「マーヌ司祭の手伝いに呼び出されたんじゃよ」
「そうだったんですね!
マーヌ司祭様は今、隣町【ミナトゥーク】に行ってまして、二日後にガドウィンに帰って来る予定です。
それまではこの街に燦聖教ファイブしか居なかったので助かります。
ささっどうぞっお手伝い宜しくお願い致します」
門番は扉を開け深々とお辞儀をし、俺達を送り出した。
はぁ?何だ燦聖教ファイブって……!?
「何かまた変なのか?燦聖教ファイブって何だよ」
「じゃのう……」
また変な奴じゃ無ければ良いのにと、パールと話しながら街を歩くが、殆ど人が歩いていない。
それに路面店の殆どが営業しておらず、街に全く活気がない。
すると……店から店主らしき人が慌て出て来て何処かに急いで走って行った。
気付くと何処から共なく人が出て来て、皆同じ場所に急いで向かっている。
「パールこれって……」
「何かありそうじゃな」
『俺は先に飛んで何があるか見て来るぜ!』
「ありがとうスバル」
スバルが飛んで街の人達の後を追って行った。
『皆何処に行ってるんすかねー?』
一号もしっぽプリプリ不思議そうだ。
「あんなに急いで……なぁ?とりあえず俺達も後を追おう」
⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎
「なっ……?!」
何だコレは……!街の広場には街中の人が全て集まってるんじゃないかってくらい、人でごった返していた。
そして一段高い場所にあるステージの様な場所を皆注目している。何かがステージに出て来るのを待っている様だ。
「何が始まるんだ?」
「あのステージで何かが始まるんじゃろうのう?」
俺達もステージに何があるのかと注目して見ていると……!
「なっ……!?」
ステージにマントを羽織った五人が姿を表した。
マントの色は赤、青、黄、緑、白といつも黒の燦聖教からしたらカラフルな配色だ。
途端に集まった人達からの大歓声が巻き起こる。
これは一体……?
よく見ると集まっている街の人達は全て女性だった。
皆頬を赤らめうっとりとした表情で声援を送っている。
「なぁ?何が始まるんだ?」
「ワシも分からぬ」
すると男達が話し出した。
「今日も燦聖教ファイブの歌に集まってくれてありがとう。子猫ちゃん達」
きゃーーーー!!
「可愛い子猫ちゃん達に今日も愛の歌を届けるよ」
キャァァァーーー!!!
集まった女性達は頬を赤らめ今にも倒れそうだ。
そんなに良い歌なのか?
ボヘ~~ボヘ~~僕達燦聖教~人気者~今日も皆の為に歌うんだ~ボヘ~ボヘ~
何これ……下手くそにも程があるだろ!
何でこんな歌にうっとりしてるんだよ。
「これは魅了魔法じゃ……奴らは歌で魅了魔法をかけておるんじゃ」
「歌で魅了魔法!?そんな事が出来るのか!?」
「見たいじゃのう……」
耳障りで下手くそな歌が終わると……街の女性達は競う用にステージに何かを投げていた。
「あれは……もしかして魔石?」
「そうじゃの」
ガドウィン……謎が多すぎる街の様だ。
⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎
この街の司祭様のフルネーム。何だと思います?(*≧艸≦)
マーヌ・◯◯◯◯
簡単に当てられそうw
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