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本編 燦聖教編
新しい街 ガドウィン
しおりを挟む……うう~んっ
よく寝た……。
俺は起き上がり、座ったまま手を上げて伸びをする。
皆はまだ気持ち良さそうに寝てるな。
特にスバルとパールは新しい森が余程楽しかったのか、昨日は中々帰って来なかった。
一緒に行った筈のキラは飽きたらしく先に帰って来ていた。
流石に眠くて待てなかったので、俺と銀太達聖獣は先に寝た。
パールとスバルはいつの間にか帰って来てて、スバルはいつも通り俺の腹の上で、スヤスヤと気持ち良さそうに眠っている。
さてと……皆が寝てる内に、ワカサーギの姿揚げを沢山作るか。
スバルをベッドにそっと置き、調理場へと移動する。
俺はワカサーギの姿あげを作っていく。
創造料理スキルが姿揚げを、甘酢につけて冷やして食べても美味しいと教えてくれたので、甘酢漬けも作って見た。
味見してみるとコレが何ともサッパリとしてて美味しくて、何個でも食べれそうだ。
ワカサーギ料理は大好評で沢山釣っていたワカサーギはすぐに無くなってしまった。
『えーっもうなくなったの?!』
『まだ食べたりねーぜっ』
まだまだワカサーギを食べたいと、スバルと三号それにパールがワカサーギを釣りに海に行き。
「今日は凍ってなかったのじゃ」
『くそーっ何で凍ってないんだよっ』
『まだワカサーギ食べたいのに!』
ーーっともの凄く悔しそうに帰って来た。
ぷぷっ
⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎
さてと気を取り直して俺達はシガーの森を歩き進めている。
『この森は庭みたいなもんだから任せろジャイって言ってるジャイ』
ハクとロウに弟子入りしたキラーウルフ達が、次の街【ガドウィン】への近道を案内してくれるらしい。
俺達はキラーウルフ達それにハクとロウの後を歩いて行く。
どうやら、キラーウルフ達は木に目印を付けているらしくそれを見ながらドンドン森を進んで行く。
そりゃ……キノ小人達すぐ見つかる筈だわ。
シガーの森を抜けると、整備された綺麗な街道が広がっていた。
こんなに広いのに誰も歩いていない。
きっと今は燦聖教の所為で街の交流などないんだろう。
こんなんで、この国はやっていけてるのか?交流が無ければ街が死んでいくだけだ……。
広い街道を一時間程歩くと、大きな壁で囲われた。要塞みたいな街が見えて来た。
キラーウルフ達は案内が終わったので、異空間でのジャイコブダンスレッスンがあるらしく帰って行った。
何だよ?ジャイコブダンスレッスンて!
「あの鉄で出来た大きな扉が入り口か?」
「じゃろうのう。扉は閉まっておるが行ってみるか」
俺達は入り口の検問所に向かう。
シガーの森村にいた【司祭バカナ・ンデス】によると、街の行き来は燦聖教の奴等しかしてないと言うので、俺とパールは燦聖教の服に着替えた。
パールには人化して貰った。
猫が、喋ると変だしそれに俺一人で上手く交渉出来る自信なんてないんだ。
パール様頼りにしてます。
銀太やジャイコブ達は目立つので一旦異空間に戻って貰い、一号は可愛い黒犬の姿、スバルは小鳥の姿で一緒に行く事にした。
俺とパールはシガーの森にいた、助祭の身分証を奪って付けている。
司祭は顔バレしているが、助祭なら沢山いるから大丈夫だとペラペラと司祭バカナ・ンデスが話してくれた。
俺の名前は今からアタマガウ・スイ。パールがキレテナ・イデスだ。
……何となくこの名前……嫌だけど仕方ない。
この身分証を首から下げ、俺達は検問所に向かった。
怪しまれない事を祈る。
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