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本編 燦聖教編
新しく出現した森
しおりを挟む「ティーゴよ……コレは一体何が起こったんじゃ!?」
『おいおい?急に森が広がってるぞ?』
『これで木材の心配はなくなったな』
突然現れた森にパールとスバルは驚き、何故か二号は見当違いな事を言っている。
確かにこんなに木が生えてたら困らないけどな?
二号よそれより先に言う事があるだろ?
俺は驚くパールとスバルに森の説明をする事に。
「キノ小人達が異空間に住んだ事により、異空間の住人が五百人を超えたんだ。
そしたらランクアップって頭に音声が流れてきて、森が出現した」
「なるほどのう……ランクアップで森か、次は一体何が出現するんじゃろうのう?」
「本当だよな」
パールと異空間に現れた森を見ながら話していたら何とも間抜けな声が聞こえて来た。
『トレーント♪』
やっぱりお前か……トレント。いつの間に異空間に入って来てたんだ?全く気が付かなかったよ。
トレントは嬉しそうにクルクルと回りながら、森に吸い込まれる様に入って行った。
『トレント♪』
トレントの間抜けな声が森から聞こえてくる。
何がしたいんだトレントよ。
『ティーゴの旦那。森がどこまであるかキラと一緒に空から探索して来るよ』
「何っワシも背中に乗せるのじゃ」
パールを背中に乗せスバルとキラは飛んで行った。
さてと……俺は何しよっかな?そうだ、皆にキノ小人達を紹介しないと。
キノ小人達の村に行くと誰も居ない……あれ?皆で森の探索にでも行ったのか?
俺は仕方なく家の方に歩いて行くと、ハクとロウがキノ小人達を引き連れ皆に挨拶回りをしていた。
キノ小人達は挨拶と一緒に、皆にキノコを配っている。
獣人のアレク達やキューやベヒィと、キノコを初めて食べる者達は、不思議な顔でキノコを食べ余りの美味しさに驚いていた。
キノ小人達嬉しそうだ。良かったな。
時間も遅いし……もう寝る時間なんだが、皆まだ帰って来ないだろうしなぁ。自分だけ寝るのもちょっと寂しい。
よーしっ明日の食材でも取りに行くか?
主~♪どこかに行くのか?
俺がウロウロとして居たせいか銀太がやって来た。
「釣りに行こうかなと思ってな?」
『我も行くのだ!主背中に乗るのだ』
俺は銀太の背中に乗り異空間を走って行く。
初めは何もないただっ広いだけの平原が、今は色々な種族の魔獣達に獣人さらにはキノ小人まで住み、海や森まで出現し、ここはもう異空間とは思えない空間になっている。
異空間を手に入れた時は、こんな風に異空間が広がるなんて考えもしなかった。
ここに住む仲間達を俺は絶対幸せにしないと。
なんて感慨深く思いに耽っていたら海に着いた。
銀太のスピードは早すぎる。
「わっ……今日の海は凍ってる!」
『本当なのだ……凍ってるのだ』
ある一線を超えて海に近付くと……凍える様な寒さが!
「ささっ寒いっ」
『主~風魔法を纏って温度を調節するのだ。前に教えたであろ?』
ああっあれか。体中に魔力を流し風を纏うだよな?
「でっ……出来た!寒くない」
俺と銀太は凍った海を歩いて行く。
こんな凍った場所に魚はいるのか?
ピコン
厚い氷に穴を開けてその穴から、ワカサーギが釣れる。
衣をつけ姿揚げで食べると美味しい。
わっ!釣れるのか。創造料理スキル教えてくれてありがとう。
「穴を開けてその穴に釣り糸を通して魚が釣れる見たいだぞ」
『ほう……また変わった釣りなのだ』
「よしっ穴は俺に作らせてくれ」
風魔法で丸く小さな穴を開ける……出来た!
『ほう……主、中々上手く出来たのだ!』
「へへっ風魔法のコントロール上手くなっただろ?」
俺は嬉しくって、銀太に得意げに自慢する。
銀太はそんな俺をにこにこ褒めてくれた。くうっ銀太は優しくて可愛い。
「さぁ釣るぞー!」
『負けないのだ』
ワカサーギは入れ食いだった。釣り糸をたらせば直ぐに釣れる。
三十分程で俺と銀太はワカサーギを五百匹以上釣り上げた。
ワカサーギの大きさは十五センチ位の小さな魚。
沢山釣っておかないと腹の足しにもならないからな。
「明日の朝ご飯はワカサーギの姿揚げだ。楽しみにしといてくれよ?」
『美味そうなのだ……ゴクリッ』
銀太はしっぽブンブン今すぐ食べたそうだ。
「ちょっとだけ味見するか?」
『やったー!嬉しいのだ』
俺は魔導コンロを出し、フライパンに油を流し入れる。
ワカサーギに小麦粉と卵を混ぜた衣を付けて油に投入。
カラッと黄金色に揚がれば完成だ。
これに塩をかけて食べてみる。
サクッ!
「うんまーっ」
引き締まった身はぷりぷりで旨味が凝縮されている。
塩とまた合う。
はふっはふっ
『熱いけどっ……美味いのだ』
俺と銀太は思いの外ワカサーギを食べてしまった。だって美味かったんだよ。
仕方ないので。もう少し釣り皆の所に帰った。
明日はこれを食べたら、街に向けて出発だな。
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