お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 燦聖教編

パールとメフィスト

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あれは……穢れてはおるがメフィスト魔力じゃ。姿はかなり異形化しておるがの。
あんなに姿が変われば魔力を見ん事にはメフィストじゃと分からんじゃろうの。
……しかし何でじゃ?彼奴あやつ程に力のある魔族なら、燦聖教なんぞが好きなように出来ん筈……じゃがあの姿は燦聖教が好きな様に改造しておる。
特に穢れが酷い、普通の奴なら魔族であろうと疾うに死んでおろうな。

ああ……穢れの原因は魔石か、穢れた魔石を埋め込まれたんじゃの……苦しいじゃろうに。
メフィストに一体何があったと言うんじゃ。

パールは自分の姿を魔王の姿へと戻した。

『主?何で姿を変えたんだ?』

スバルが不思議そうにパールを見る、パールは少し寂しそうに笑い答えた。

「スバルよ、彼奴は魔王であるワシの大切な部下じゃ。ワシが魔王として助けてやりたいんじゃ。じゃからそこで見ておれ」

『あっあいつが部下?……分かったよ、大人しくココで見てる』

「ジャイコブ達もじゃ!」

ジャイジャーイ♪

パールは異形化したメフィストへと、何もせずただ歩き近付いて行く。

メフィストは近付くパールに攻撃魔法を何度も放つ。
濁っていた瞳は少し輝くと、それは涙の粒となって何個も瞳から落ちて行く。
メフィストは攻撃している相手が魔王だと分かっている。
姿を現し魔力を解放したパールの魔力に、四天王であるメフィストが気付かない訳がないのだ。

一番攻撃したくない相手に自分は今攻撃している。
それが嫌で苦しくて……でもメフィストは会いたかった魔王に会えた事が嬉しくて涙が止まらない。

パールは一気に距離を詰めメフィストにかけより強く抱きしめた。

それによりメフィストは何も攻撃出来なくなった。

「…………くっまっ魔王様……すみませんっ攻撃してっ」
「ーーっ何を泣いとるんじゃ、痛かったじゃろう?」

「……魔王様……私は約束を守り……ましたよ。人族に手を出して……ません」

そのメフィストの一言にパールはハッとし、全てを察した。

そうか……ワシがあんな事を言うたから、メフィストは燦聖教に逆らわんかったんじゃな。
もっとちゃんと詳しく説明すべきじゃった。
此奴らは何も知らんのじゃからっ。
なんて事じゃっ!その所為でメフィストをこんな辛い目に合わせてしもうた。
ワシの所為じゃ……。

「メフィストすまなんだ」

パールは片手でキツく抱きしめながら、空いたもう片方の手でメフィストの頭を優しく撫でた。

「よく頑張ったのう。もうワシが来たから大丈夫じゃ、安心せい」

「あっああああああああっ」

メフィストはパールの優しい言葉に、声にならない様な声で泣き叫んだ。
その間もパールはメフィストを離さなかった。
少し落ちつくとメフィストはパールの目を見て懇願した。

「……魔王様……お願いです。私を殺して」

「なっ……何を言うんじゃっワシがお主を殺すなどっ」

パールが否定するもメフィストは話を続ける。

「……私が死んだら……後ろに隠れている……獣人の子供達を助けてくれませんか?」

メフィストが後ろにある大きな岩に視線を送る。
よく見ると獣人の子供達が岩に隠れながらこちらの様子を心配そうに伺っている。

「……あの子達を……この危険な街から離れて……安全な場所へ……送り届けて欲しいのです」

「それはメフィストお主がしたら良いじゃろう?」

「…………ふっ魔王様、私はこれでも四天王ですよ?私を纏うこの穢れが浄化出来ないって事くらい簡単に分かります……あと少ししたら私は闇に飲まれ自我を全て失い狂化するでしょう。そうなる前に!……まだ人の心が分かった自分のまま……死にたいのです!」

「……メフィスト」

「お願いです。この私を殺せるのは魔王様しかいません」

メフィストは涙を流し必死にパールに殺してくれと頼む。

「ワシはお前を殺さん」

「なっ……どうして」

メフィストはその言葉に肩を落とし呆然とする。

「ワシにはお主の穢れを浄化出来る仲間がおる。じゃから殺さん」

「えっ?」

パールの言ってる意味が全く理解出来ないメフィスト。

「まぁ……ちょっと待っておれ」

混乱した表情のメフィストに少し待てと声をかけ。

ーースバル!ティーゴを急いで連れて来てくれっ。

奥で待機していたスバルに念話を送るパール。

『ティーゴ?分かったよ直ぐに連れて来るぜっ』

スバルはグリフォンの姿に戻り飛び立った。

数分もすると、虹色の眩い衣装を来たティーゴを背中に乗せてスバルは帰って来た。
そしてパール達の近くに降り立ちティーゴを下ろす。

ティーゴは突然この場所に連れて来られたもんだから、少し困惑した表情をしている。

「急ぎって……どうしたんだパール?——んんっその抱きしめてる人は……って!わぁっ穢れた魔石が三つも埋め込まれてるじゃないかっ!今すぐ楽にしてあげるからなっもう大丈夫だから」

ティーゴは急いでパールの所に行こうとするも、プルプルと生まれたての子鹿の様なおぼつかない足取りでなかなか前に進まない。

「ブッッ!」

その姿を見たパールは思わず吹いた。

いやいやティーゴよ?まだ足に車輪着けてたのか?
それとったら普通に歩けるじゃろ!っと思うパールだった。
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