ジャッジメント・エース

舘あがる

文字の大きさ
1 / 3

彼の名はエイジ

しおりを挟む
この世界は非情だ

数多くの非道行為によって、
あらくれた地にはまさに地獄絵図じごくえずそのもの、
延々えんえんと続くように、
一握りの正しき心を持つものが希望をずっと願っていた。

だが、奇跡きせきは起こった。
闇を照らすかのように13の天使が舞い降りまおてきた。

彼らは道を外す者に対してさばきを下し、
荒地あらじもすべて緑色に染まっていった。

そして現代いま

(車の走る音)
走行中の大きなワゴン車には、
3人と4人が乗っていた。

3人はみずぼらしいツナギを着用していて、
手には手錠がかけられていた。

前座席には運転者、助手席に座っており、
残り2人は3人をずっと監視するかのように、
ずっと見続けていた。

少しの間が過ぎたころ、
後座席のソファに座っている3人のうち、
左端に座っているコーンロウの髪をした男が、
隣に向かって

「オレぁ、かっぱらっただけでこのザマさ」
「なぜこうなった?」
「それに留置場じゃない、行く先ゆくさき刑務所ムショになっているようだ」
「早く解放してぇ」

右端の位置は、
スキンヘッドでごつい体型にいかつい面した男だ。
この状況、一方的に話しかけたことで癪に障ったのか不機嫌そうにこう言った。

「うるせえ、黙ってろ!」

コーンロウの男は、チッと舌打ちをしつつ視点の真ん中の方に向く。

「なあ、お前はどうなんだ?」
「そういえば、ここにぶち込んで以来喋ってないのだが…」

中央には、容姿からみて若く見えるところ少年だろう。
コーンロウが唾飛ばしかけても、
無反応のようだった。

「チェッ、だんまりかよ」

と諦める口調に声も裏返っていた。

丁度、刑務所のような施設に到着したのだった。

刑務所に強制入居させられた3人は、
所長らしき人が出迎えに待っていたようだ。
看守はそれぞれの名前を呼んだ。

「コーンロウの男は鷺森さぎもりトオル
罪名は窃盗容疑です。次に

スキンヘッドの男は椋梨むくなしタクヤ
罪名は傷害罪で被害者は全治2週間の軽傷です。

それから中央の少年は大月エイジ

罪名はんん…名誉棄損罪ですッ!」

どれも軽犯罪に相当するものだった、
けど本格的にムショ行きとは考えられない事である。

ポンポン

所長らしき人が手を2度叩き、

「ご苦労であった、下がれ」

といい、看守を遠さげた。

「キミたちに問おう、何故ここに送られたかは?」

その問いに、トオルは頭を傾げているようだった。
タクヤは興味がない素振りをみせた。

エイジは車に乗せてから一度も口を開くことはなかった。

所長らしき人は葉巻をふかして、

「ここの人材も不足していてね、丁度良くお前たちに働いて貰いたいのだよ」

「…人材…?」

トオルは微妙な問いに反応したようだった。

所長らしき人は緩やかな感じの不気味な笑みを浮かべていた。

(続く)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

処理中です...