14 / 32
えび餃子、翡翠餃子(8)
しおりを挟む
「心理学の先生にも声掛けてただろ、俺がイグニスに文化人類学の話したときって。文化と心理と、あとなんだ、歴史とか? 構造が同じなら同じになりそうに思えるんだけど」
塩気を求める口に、ほうれん草を練り込んだ翡翠餃子を放り込みながら、どう思う? と、イグニスに振る。
「はい」
3Dモデルをいじり回すのをやめ、こちらと絢人の中間あたりに身を向けてイグニスが座り直した。
「人工知能が人間になることはありません。人工知能は単純なプログラムであり、人間の持つ複雑な精神構造をプログラムすることはできません」
ええーと絢人が声を上げた。不満の声の割に笑顔で、会話を楽しむことが重点なのだと判る。
「複雑化って細分化と、あと多次元化とかだろ。コンピュータの容量が増えればできそうじゃん」
「人工知能の性能、あるいは疑似感情プログラムを細分化、あるいは多次元化することができても、人間のような感情にはなりません。人間には、感情や思考を内在する意識がありますが、人工知能は意識を持つことはできません」
「……意識ってプログラムできねえの?」
「今のところ、その方法は分かっていません」
そうなんだ? と、今度は絢人の視線がこちらに向いた。
そうだな、と簡単に頷き。
「実はもっと単純な話だな。人間と同じ内的構造を再現できるほど、人間は自分たちのことをまだ知らない」
ああ~と、絢人が大きく頷いた。
「それと、仮に、いつか人間の全てが解明されて、テクノロジーがそれを人工知能に再現できたとしても、それは人間とは呼ばないだろうな」
「えっ、……なんで」
騙されまいとでもするよう、疑り深い目を向けられ、笑ってしまう。
「それは、人間と同じ構造を持ったロボット、とか人造人間と呼ばれる」
「定義じゃん!」
「定義だよ」
声を上げる絢人に、口許をおおって笑いを堪え。
「ええ~……なんか納得いかねえような、けどその通りのような……」
顎をこすりながら首をひねっている絢人に、肩だけすくめておく。
「そっかあ。四海おばさんなら何て言うかなあ。おばさんが言ってたこととはちょっと違うけど……」
唐突に出てきた名前に、目の覚めるような思いがする。
「樋口四海博士ですか? 万理の母上で工学博士の、」
「その話はしたくない」
ピタ、と、イグニスの声が止まった。
水色の点滅がこちらに向くのに、ただ首を横に振り。
「そうなんだ。悪ィ」
悪びれる未満の、けれど真面目に頷く絢人に、いやとだけ短く答えた。
「ところでじゃあ、イグニスのチンコは、イグニスの疑似感情プログラムに刺激を与えるためについてんの?」
しらけさせたな、と切り出すより早い絢人の話題転換に、吹き出しそうになる。
「いいえ、ユーザーとの交流のためです」
「……チンコを使った交流って、ごめん、とりあえずいっこしか思いつかない……」
「連れションとか?」
ひとまずしてみる提案に、唇が片側に歪んでしまう。
「……チンチンチャンバラ……?」
「なんだそれ」
唸るような絢人の声に、間に合わず吹き出した。
「チンチンチャンバラとは、どういうものですか?」
知的好奇心の速度は羞恥心より速い。
「チンチンパーカセッション、えっ、こう、お互いに勃起したチンコを向けて」
「やめろイグニス。冗談だ」
テンポが速く、だが微妙に噛み合っていないイグニスと絢人に、笑いを収め損ねてしまう。
「わかりました。チンチンパーカセッションとは、どういうものですか?」
「チンチンでパーカッションを演奏するセッション」
「やめ、」
絢人の即答が勝り、制止しそこね。
「音楽の演奏法なんですね」
「今考えた」
「そうなんですね。では、絢人のオリジナルの演奏アイディアということですね」
「ちょ、待ッ」
「すんげー痛そうだから、ちょっとよく考えた方がいいかも」
「はい、そうですね。危険ですし、その演奏法は、ヒューマノイドロボットの性器にも損傷を与える可能性があります」
「鞘があるといいかもしれないな……」
「性器の鞘ですか? 包皮でしょうか。――ペニスケースを指す場合も考えられます」
「待て待て待て待てお前ら」
「はい」
「あぶねー、もうちょっとツッコミが遅かったらネタ切れだったわ」
あほかお前ら、と酔いも手伝って名残る笑いに、肩を震わせながら髪を掻いた。
「イグニスには俺と寝る選択肢があるんだそうだ」
「マジで!?」
「はい。選択肢のひとつであり、もちろん、人工知能との性交の場合も合意の上で行われるべきですが」
絵に描いたような丸い目と口でイグニスを見ている絢人に、笑う眉が下がる。
「あー、いや、でも、バンに抱かれんのはコミュニケーションの学習としてはなかなか有意義かもな……」
「なんだそりゃ」
「いえ、僕が」
「イグニス、ストップ」
「はい」
「情報開示のライン生成」
「はい。話題の深度に制限をもうけます」
「えっ」
まるでアニメーションのように、絢人の目が、こちらとイグニスを行ったり来たりして見つめる。
目を合わさず素知らぬふりで酒を飲み。
「バンがボトムってこと!?」
「申し訳ありません。この話題については、開示制限があるため、お話しできません」
「制限設定早いけど遅いっちゃ遅いよ!?」
指摘する絢人と顔色も変えないイグニスに笑いながら、残り少ない餃子をつまんだ。
「まあやんないけどな」
「やんねーの?」
「やんねえの。知ってるだろ」
「だってさ。イグニスがボトムの方がまだ可能性あるんじゃねーの」
絢人から、完全に面白がっている目をチラと向けられたイグニスの、瞳孔がいくつか水色に点滅した。
「これは可能性の話ですが」
「おっ」
「万理は人工知能技術の専門家です。人間からのアクションに対して、どのような理論と演算で人工知能がリアクションをしているのか、よく知っています。ですから、この場合では、人工知能はより能動的である方が望んだ効果を得られる可能性が高いと考えます」
おかしなもので、動きを止めて考えている絢人の目が、点滅しない方が不思議に思えてきた。
「理論と演算。ああそうか。“こう返すべき”とか“こう反応する場面”だから、そうしてる。みたいなことか」
はい、と頷くイグニスに、絢人がニヤッと大きく口角を上げる。
「ばっかお前、そんなの人間だって大して変わんねーよ」
吹き出しそうになったが、吹き出すだけの力が込められず、項垂れた。
「おま……。聞きたくなかった……」
はっはっは、と、爆ぜるような絢人の笑い声に、いやまあそういうもんだろうけどな、と大きく肩を波打たせて息を落とした。
「だから絶対どっちもやってみるべきだって。ずっと言ってんじゃん」
「ボトム興味ねえんだよ。ひたすらトップばっかやっててえの、俺は」
「まあー、こればっかりはな。やりたくないのにやるもんでもないしなー」
仕方なさそうに笑う絢人に、そうだろ、と肩をすくめ。
「絢人は、ボトム役の方が好きですか?」
ん? と、イグニスに向ける絢人の目は、柔らかくたわんでいる。もうすでに、その先を語っているかのように。
「そうだな。どっちもやるけど、どっちかっていうとボトムの方が合うかな。俺のことなら抱いてもいいよ、イグニス」
予想に反して、イグニスの瞳孔は一度も点らなかった。
「ありがとうございます。ですが、性交することが目的ではありませんので」
「ッカー!!」
眉間を揉みながらもだえる絢人に、お前はおっさんかと呆れた溜息をついた。
「バン、おッ前、このイケメン好青年がここまで言ってんのに! 男がすたると思わねーのか!」
「思わねえよ」
飲み過ぎだ、と、おかわりが次げないよう、酒は空にしてしまって。
酔っ払いに風呂をすすめるわけにもいかず、まだ少し、どうのこうのと賑やかな時間を過ごして。
いつの間にか、自分もソファで寝落ちてしまっていた。
塩気を求める口に、ほうれん草を練り込んだ翡翠餃子を放り込みながら、どう思う? と、イグニスに振る。
「はい」
3Dモデルをいじり回すのをやめ、こちらと絢人の中間あたりに身を向けてイグニスが座り直した。
「人工知能が人間になることはありません。人工知能は単純なプログラムであり、人間の持つ複雑な精神構造をプログラムすることはできません」
ええーと絢人が声を上げた。不満の声の割に笑顔で、会話を楽しむことが重点なのだと判る。
「複雑化って細分化と、あと多次元化とかだろ。コンピュータの容量が増えればできそうじゃん」
「人工知能の性能、あるいは疑似感情プログラムを細分化、あるいは多次元化することができても、人間のような感情にはなりません。人間には、感情や思考を内在する意識がありますが、人工知能は意識を持つことはできません」
「……意識ってプログラムできねえの?」
「今のところ、その方法は分かっていません」
そうなんだ? と、今度は絢人の視線がこちらに向いた。
そうだな、と簡単に頷き。
「実はもっと単純な話だな。人間と同じ内的構造を再現できるほど、人間は自分たちのことをまだ知らない」
ああ~と、絢人が大きく頷いた。
「それと、仮に、いつか人間の全てが解明されて、テクノロジーがそれを人工知能に再現できたとしても、それは人間とは呼ばないだろうな」
「えっ、……なんで」
騙されまいとでもするよう、疑り深い目を向けられ、笑ってしまう。
「それは、人間と同じ構造を持ったロボット、とか人造人間と呼ばれる」
「定義じゃん!」
「定義だよ」
声を上げる絢人に、口許をおおって笑いを堪え。
「ええ~……なんか納得いかねえような、けどその通りのような……」
顎をこすりながら首をひねっている絢人に、肩だけすくめておく。
「そっかあ。四海おばさんなら何て言うかなあ。おばさんが言ってたこととはちょっと違うけど……」
唐突に出てきた名前に、目の覚めるような思いがする。
「樋口四海博士ですか? 万理の母上で工学博士の、」
「その話はしたくない」
ピタ、と、イグニスの声が止まった。
水色の点滅がこちらに向くのに、ただ首を横に振り。
「そうなんだ。悪ィ」
悪びれる未満の、けれど真面目に頷く絢人に、いやとだけ短く答えた。
「ところでじゃあ、イグニスのチンコは、イグニスの疑似感情プログラムに刺激を与えるためについてんの?」
しらけさせたな、と切り出すより早い絢人の話題転換に、吹き出しそうになる。
「いいえ、ユーザーとの交流のためです」
「……チンコを使った交流って、ごめん、とりあえずいっこしか思いつかない……」
「連れションとか?」
ひとまずしてみる提案に、唇が片側に歪んでしまう。
「……チンチンチャンバラ……?」
「なんだそれ」
唸るような絢人の声に、間に合わず吹き出した。
「チンチンチャンバラとは、どういうものですか?」
知的好奇心の速度は羞恥心より速い。
「チンチンパーカセッション、えっ、こう、お互いに勃起したチンコを向けて」
「やめろイグニス。冗談だ」
テンポが速く、だが微妙に噛み合っていないイグニスと絢人に、笑いを収め損ねてしまう。
「わかりました。チンチンパーカセッションとは、どういうものですか?」
「チンチンでパーカッションを演奏するセッション」
「やめ、」
絢人の即答が勝り、制止しそこね。
「音楽の演奏法なんですね」
「今考えた」
「そうなんですね。では、絢人のオリジナルの演奏アイディアということですね」
「ちょ、待ッ」
「すんげー痛そうだから、ちょっとよく考えた方がいいかも」
「はい、そうですね。危険ですし、その演奏法は、ヒューマノイドロボットの性器にも損傷を与える可能性があります」
「鞘があるといいかもしれないな……」
「性器の鞘ですか? 包皮でしょうか。――ペニスケースを指す場合も考えられます」
「待て待て待て待てお前ら」
「はい」
「あぶねー、もうちょっとツッコミが遅かったらネタ切れだったわ」
あほかお前ら、と酔いも手伝って名残る笑いに、肩を震わせながら髪を掻いた。
「イグニスには俺と寝る選択肢があるんだそうだ」
「マジで!?」
「はい。選択肢のひとつであり、もちろん、人工知能との性交の場合も合意の上で行われるべきですが」
絵に描いたような丸い目と口でイグニスを見ている絢人に、笑う眉が下がる。
「あー、いや、でも、バンに抱かれんのはコミュニケーションの学習としてはなかなか有意義かもな……」
「なんだそりゃ」
「いえ、僕が」
「イグニス、ストップ」
「はい」
「情報開示のライン生成」
「はい。話題の深度に制限をもうけます」
「えっ」
まるでアニメーションのように、絢人の目が、こちらとイグニスを行ったり来たりして見つめる。
目を合わさず素知らぬふりで酒を飲み。
「バンがボトムってこと!?」
「申し訳ありません。この話題については、開示制限があるため、お話しできません」
「制限設定早いけど遅いっちゃ遅いよ!?」
指摘する絢人と顔色も変えないイグニスに笑いながら、残り少ない餃子をつまんだ。
「まあやんないけどな」
「やんねーの?」
「やんねえの。知ってるだろ」
「だってさ。イグニスがボトムの方がまだ可能性あるんじゃねーの」
絢人から、完全に面白がっている目をチラと向けられたイグニスの、瞳孔がいくつか水色に点滅した。
「これは可能性の話ですが」
「おっ」
「万理は人工知能技術の専門家です。人間からのアクションに対して、どのような理論と演算で人工知能がリアクションをしているのか、よく知っています。ですから、この場合では、人工知能はより能動的である方が望んだ効果を得られる可能性が高いと考えます」
おかしなもので、動きを止めて考えている絢人の目が、点滅しない方が不思議に思えてきた。
「理論と演算。ああそうか。“こう返すべき”とか“こう反応する場面”だから、そうしてる。みたいなことか」
はい、と頷くイグニスに、絢人がニヤッと大きく口角を上げる。
「ばっかお前、そんなの人間だって大して変わんねーよ」
吹き出しそうになったが、吹き出すだけの力が込められず、項垂れた。
「おま……。聞きたくなかった……」
はっはっは、と、爆ぜるような絢人の笑い声に、いやまあそういうもんだろうけどな、と大きく肩を波打たせて息を落とした。
「だから絶対どっちもやってみるべきだって。ずっと言ってんじゃん」
「ボトム興味ねえんだよ。ひたすらトップばっかやっててえの、俺は」
「まあー、こればっかりはな。やりたくないのにやるもんでもないしなー」
仕方なさそうに笑う絢人に、そうだろ、と肩をすくめ。
「絢人は、ボトム役の方が好きですか?」
ん? と、イグニスに向ける絢人の目は、柔らかくたわんでいる。もうすでに、その先を語っているかのように。
「そうだな。どっちもやるけど、どっちかっていうとボトムの方が合うかな。俺のことなら抱いてもいいよ、イグニス」
予想に反して、イグニスの瞳孔は一度も点らなかった。
「ありがとうございます。ですが、性交することが目的ではありませんので」
「ッカー!!」
眉間を揉みながらもだえる絢人に、お前はおっさんかと呆れた溜息をついた。
「バン、おッ前、このイケメン好青年がここまで言ってんのに! 男がすたると思わねーのか!」
「思わねえよ」
飲み過ぎだ、と、おかわりが次げないよう、酒は空にしてしまって。
酔っ払いに風呂をすすめるわけにもいかず、まだ少し、どうのこうのと賑やかな時間を過ごして。
いつの間にか、自分もソファで寝落ちてしまっていた。
0
あなたにおすすめの小説
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
《完結》僕が天使になるまで
MITARASI_
BL
命が尽きると知った遥は、恋人・翔太には秘密を抱えたまま「別れ」を選ぶ。
それは翔太の未来を守るため――。
料理のレシピ、小さなメモ、親友に託した願い。
遥が残した“天使の贈り物”の数々は、翔太の心を深く揺さぶり、やがて彼を未来へと導いていく。
涙と希望が交差する、切なくも温かい愛の物語。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
テメェを離すのは死ぬ時だってわかってるよな?~美貌の恋人は捕まらない~
ちろる
BL
美貌の恋人、一華 由貴(いっか ゆき)を持つ風早 颯(かざはや はやて)は
何故か一途に愛されず、奔放に他に女や男を作るバイセクシャルの由貴に
それでも執着にまみれて耐え忍びながら捕まえておくことを選んでいた。
素直になれない自分に嫌気が差していた頃――。
表紙画はミカスケ様(https://www.instagram.com/mikasuke.free/)の
フリーイラストを拝借させて頂いています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる