31 / 32
春巻(7)
しおりを挟む
『はい。では、園内博士に樋口博士のアバターデータを送信し、園内博士から受信する3D映像を、座標を固定して表示します。送信するデータに問題がないかご確認ください。また、受信する映像を固定する座標をご指示ください』
どこかに保存してあったのだろう自分の画像に、今と同じ作業服と眼鏡を身に着けているアバターが視界の隅に表示され、OKと許可を出す。
絢人の姿を表示する座標の方は、あの辺、と適当に作業しながらでも目に入りそうな位置を指し示した。
『バン!』
「おう。悪ぃな忙しいのに」
さきほど示した位置に、ソファに腰掛けた絢人が現れたのを見ながら、機械アームの誘導に戻り。
拡張現実でそこにいるかのように見えるが、実際にはもちろん画像は眼鏡のレンズに映っている。
絢人が座っているソファは、おそらく調整用のグラフィックで、実際のものとは違うはずだ。顔もこちらを向いているが、その場に行って見てみれば、絢人はなんらかの端末のカメラか、もしくは向こうは向こうで人工知能が作った自分のアバターを見ている。
『なに言ってんだよ、てかまず、そんなことある!?』
HGB023を厳重に保護する小部屋を外部からこじ開けながら、だよな、と、脱力するように笑った。
「あったんだよなあ、これが」
信じらんねえとか、人の土地のよりによって下を掘るなとか、半分はもう冗談交じりに、勢い任せに二人でわいわいと喋りまくり。
『てか、イグニス、死んだってこと……?』
フフッと、思わず笑ってしまうが、ギリリと締め上げられたように、胸は痛みを感じた。
駆動音のひとつも立てないHGB023は見たところ無傷で、ロボット達に手伝わせながら、慎重に機械アームに固定して。
まだ、キッチンの床に伸びているはずの、イグニスの姿が脳裏によぎる。
「人工知能のロボットだから、死んだとは言わねえな。データもバックアップがあるから、次のロボットにコピーする予定」
そっか、と、けれど。骨伝導のスピーカーから伝わる、絢人の声は曇ったままだ。
『けど、バン、んな状況で目の前でイグニスがブッ壊れるとこ、ずっと見てたんだろ』
「ああ、……まあ」
今まさに痛む胸の芯を掴まれたようで、短く言葉に詰まる。
さっきとは逆に縮んでいくアームについて歩き、指示を出しながら、HGB023を輸送車に積み込んだ。
理解してもらいたいと思っていたわけではないが、理解されればやっぱり安堵する、気持ちの柔らかさと。逆の立場だったら、自分はこれを言えただろうかと考えるつまらない劣等感。
『でもまー、次もやる気があんなら安心した。イグニスが元気になったら、またパーティしようぜ。バン、なんか美味いもん作ってよ』
痛む心を掴んでも、絢人の声は包むようにやわらかい。
それが、短い言葉の間に励ますように明るく色を変えて、ははと声を立てて笑った。
「俺が作んのかよ」
『バン、俺が作った飯食う時より、自分で作って食わせてる時の方が楽しそうだから』
急に真顔の声をつくられて、ああ、まあと反論の余地もなく頷いた。
絢人の料理がどうこうではなく、自分が、自分の技術で人を喜ばせるのが好きなのだ。
「っても、自前工場が傾いちまって、何がどんだけ戻ってくるかもまだ分かんねえしなあ。まあまあ先の話だぜ」
入って歩いても、運び出しても問題ないとのシミュレーション結果だが。
さてと思わず腕まくりして、傾いた自宅へと、こじ開けられた玄関から土足で上がり込んだ。
座標を家の外に固定した絢人の姿は見えなくなるが、遠くなる声はきちんと調整されて聞こえなくはならない。
『そっかー。日本にいる間はもちろん一緒に遊ぶけど、でも、イグニスがいねえと寂しいな、バンが』
廊下を歩きながら、短い間、返答に詰まる。
イグニスがいなくなると寂しいという風には、考えていなかった。
寂しいだろうか。
考え直しても、寂しがる暇もなさそうな日々を過ごす未来しか見えない。
『バン、』
「ン?」
記憶通りの場所に仰向けのイグニスの姿を見ても、小さな動揺だけで、苦痛は感じない。
固定用の梱包をお持ちしますか? と、HGB022の声が聞こえるが、基幹ユニットが焼けてるだけだと断って。
『まさかと思うんだけど、自覚ないとか……?』
イグニスの冷え切った身体を抱き上げながら、聞こえた絢人の声に再び詰まった。今度は数秒だけ。
「いや、あるよ。さすがにある」
髪を掻きながら、みなまで言うなと笑って。
冷却液で濡れ、それが乾いたのだろう、放熱素材の衣服はパリパリとした感触で、腕をくすぐった。
相手が人間じゃなく、人工知能でもロボットでも、同じように接する絢人が引き出した、イグニスの砕けた様子が切っ掛けだったと思っていた。
だが、その時点で絢人がそう感じていたというなら、そもそも、絢人は関係なかった可能性が出てくる。
なんだか急に体温が上がってきて。だが、不快ではない。
この喜びを知らぬほど若くもない。
ヒヒ、と絢人が笑う声が聞こえて、返す言葉はなく、こちらでも笑う吐息を伝えるばかりだ。
『パーティの飯は何がいい? たまにはバンが決めてもいいぜ』
玄関を出た、ちょうどそこで、親指を立てる絢人が見えて、わざとおどけているのだと知りながら、バカと笑って返す。
「そうだな。久々に春巻食いてえかなあ」
『おっいいね。パリパリのトロトロのやつ。俺、生春巻も食いたい』
はいはい、と相槌を打ちながら、頭の中で思い浮かべる。
具は何にしようか。旬の新鮮な野菜、これから寒くなってくれば、たとえば白菜。
柔らかく、けれど歯触りが残るように炒める。タケノコの細切り、食いでがあるよう豚肉もミンチじゃなく細切りにして。
餡で絡めて香り立つ具材を、皮に包み込んで封じ、温度の高い油で香ばしく揚げる。
春雨も口の中でツルツルとして楽しいし、海鮮や、たまには変わり種のチーズなんかもいい。
よっと、イグニスを抱いたままで再び輸送車に上がり込み、自分の目で固定をチェックして。二機を破損しないよう、細かく輸送の指示を出した。
生春巻はそれほど作ったことがないが、生野菜のハリハリとした感触と酸味のあるタレが、揚げたものでくたびれる口の中をサッパリとリフレッシュさせるだろう。
イグニスはきっと、何度か失敗して、けれどすぐに完璧な形成ができるようになる。
食卓を共にしたがっていたから、次のボディには水を飲める機能でも、もうどうせならものが食えるようにしたっていいのかもしれない。
他にもきっと、色々ある。
額と髪を少し撫でてやって、輸送車から降りる。
苦しい矛盾だが、イグニスしかおらず誰も人が見ていないなら、抱かれるのはそれほど嫌ではない。
だがやっぱり、本音は抱きたい。
好き放題の愛撫や責めに喘ぐ、彼の声や吐息が、演算だとしても。
『バーンー』
荷台の扉が閉じるのに身をかわし、荒れた台地にソファを置いて寛いでいる絢人の姿を振り返った。
そうだ。
「生春巻いいな。あんま作ったことねえから、どっか食いに行こうぜ。事前調査しねえとな」
『お、いいね。俺の最先端じゃないふつうの人工知能に相談してみよ』
「お前言い方」
どうせなら、イグニスに人間の真似をさせるより、あいつが人間じゃないことを味わい尽くしたい。
『てかいいなー、自分好みの外見に作れるヒューマノイド』
ベッドに押し倒したイグニスの顔の横にでもホログラフィの画面を出させて、どんな風に感じているのか、リアルタイムのログを出させて、それを読みながらいじめてみようか。
「流通が決まったら教えてやるよ」
『グッ、……でも、お高いんでしょう……?』
腰に手をやり、フフンとわざと片頬に吊り上げて笑ってやる。
「我が社で家を建てるよりはお財布にも優しくなるはずですよ」
受け入れたボディの内部が変形する様子をモニターさせるのも面白いかもしれない。
『クソ高級ラインじゃんよ……!』
当たり前に型通りの戯れに応じてじゃれる絢人を見ながら、楽しい妄想に区切りをつけ。
ああしよう、こうしようと頭の中で組み立てる計画を記憶にストックしておく。
そういえば、記憶が飛んでいるなら、イグニスが考えていた収納の話もしてやりたい。
重い音をゆっくりと響かせ、輸送車の扉が閉じた。
それを少し、見送って。
HGB022に指示して固定した座標を外させ、3Dの絢人の姿を閉じ、グラスの画面にライブ映像を映すよう切り替える。
どうでもいいような雑談を続けながら、輸送車とは別の自動運転車に乗り込んで。
長いようで短い時間を過ごした豪華な自宅から、離れる車列に加わった。
おわり
どこかに保存してあったのだろう自分の画像に、今と同じ作業服と眼鏡を身に着けているアバターが視界の隅に表示され、OKと許可を出す。
絢人の姿を表示する座標の方は、あの辺、と適当に作業しながらでも目に入りそうな位置を指し示した。
『バン!』
「おう。悪ぃな忙しいのに」
さきほど示した位置に、ソファに腰掛けた絢人が現れたのを見ながら、機械アームの誘導に戻り。
拡張現実でそこにいるかのように見えるが、実際にはもちろん画像は眼鏡のレンズに映っている。
絢人が座っているソファは、おそらく調整用のグラフィックで、実際のものとは違うはずだ。顔もこちらを向いているが、その場に行って見てみれば、絢人はなんらかの端末のカメラか、もしくは向こうは向こうで人工知能が作った自分のアバターを見ている。
『なに言ってんだよ、てかまず、そんなことある!?』
HGB023を厳重に保護する小部屋を外部からこじ開けながら、だよな、と、脱力するように笑った。
「あったんだよなあ、これが」
信じらんねえとか、人の土地のよりによって下を掘るなとか、半分はもう冗談交じりに、勢い任せに二人でわいわいと喋りまくり。
『てか、イグニス、死んだってこと……?』
フフッと、思わず笑ってしまうが、ギリリと締め上げられたように、胸は痛みを感じた。
駆動音のひとつも立てないHGB023は見たところ無傷で、ロボット達に手伝わせながら、慎重に機械アームに固定して。
まだ、キッチンの床に伸びているはずの、イグニスの姿が脳裏によぎる。
「人工知能のロボットだから、死んだとは言わねえな。データもバックアップがあるから、次のロボットにコピーする予定」
そっか、と、けれど。骨伝導のスピーカーから伝わる、絢人の声は曇ったままだ。
『けど、バン、んな状況で目の前でイグニスがブッ壊れるとこ、ずっと見てたんだろ』
「ああ、……まあ」
今まさに痛む胸の芯を掴まれたようで、短く言葉に詰まる。
さっきとは逆に縮んでいくアームについて歩き、指示を出しながら、HGB023を輸送車に積み込んだ。
理解してもらいたいと思っていたわけではないが、理解されればやっぱり安堵する、気持ちの柔らかさと。逆の立場だったら、自分はこれを言えただろうかと考えるつまらない劣等感。
『でもまー、次もやる気があんなら安心した。イグニスが元気になったら、またパーティしようぜ。バン、なんか美味いもん作ってよ』
痛む心を掴んでも、絢人の声は包むようにやわらかい。
それが、短い言葉の間に励ますように明るく色を変えて、ははと声を立てて笑った。
「俺が作んのかよ」
『バン、俺が作った飯食う時より、自分で作って食わせてる時の方が楽しそうだから』
急に真顔の声をつくられて、ああ、まあと反論の余地もなく頷いた。
絢人の料理がどうこうではなく、自分が、自分の技術で人を喜ばせるのが好きなのだ。
「っても、自前工場が傾いちまって、何がどんだけ戻ってくるかもまだ分かんねえしなあ。まあまあ先の話だぜ」
入って歩いても、運び出しても問題ないとのシミュレーション結果だが。
さてと思わず腕まくりして、傾いた自宅へと、こじ開けられた玄関から土足で上がり込んだ。
座標を家の外に固定した絢人の姿は見えなくなるが、遠くなる声はきちんと調整されて聞こえなくはならない。
『そっかー。日本にいる間はもちろん一緒に遊ぶけど、でも、イグニスがいねえと寂しいな、バンが』
廊下を歩きながら、短い間、返答に詰まる。
イグニスがいなくなると寂しいという風には、考えていなかった。
寂しいだろうか。
考え直しても、寂しがる暇もなさそうな日々を過ごす未来しか見えない。
『バン、』
「ン?」
記憶通りの場所に仰向けのイグニスの姿を見ても、小さな動揺だけで、苦痛は感じない。
固定用の梱包をお持ちしますか? と、HGB022の声が聞こえるが、基幹ユニットが焼けてるだけだと断って。
『まさかと思うんだけど、自覚ないとか……?』
イグニスの冷え切った身体を抱き上げながら、聞こえた絢人の声に再び詰まった。今度は数秒だけ。
「いや、あるよ。さすがにある」
髪を掻きながら、みなまで言うなと笑って。
冷却液で濡れ、それが乾いたのだろう、放熱素材の衣服はパリパリとした感触で、腕をくすぐった。
相手が人間じゃなく、人工知能でもロボットでも、同じように接する絢人が引き出した、イグニスの砕けた様子が切っ掛けだったと思っていた。
だが、その時点で絢人がそう感じていたというなら、そもそも、絢人は関係なかった可能性が出てくる。
なんだか急に体温が上がってきて。だが、不快ではない。
この喜びを知らぬほど若くもない。
ヒヒ、と絢人が笑う声が聞こえて、返す言葉はなく、こちらでも笑う吐息を伝えるばかりだ。
『パーティの飯は何がいい? たまにはバンが決めてもいいぜ』
玄関を出た、ちょうどそこで、親指を立てる絢人が見えて、わざとおどけているのだと知りながら、バカと笑って返す。
「そうだな。久々に春巻食いてえかなあ」
『おっいいね。パリパリのトロトロのやつ。俺、生春巻も食いたい』
はいはい、と相槌を打ちながら、頭の中で思い浮かべる。
具は何にしようか。旬の新鮮な野菜、これから寒くなってくれば、たとえば白菜。
柔らかく、けれど歯触りが残るように炒める。タケノコの細切り、食いでがあるよう豚肉もミンチじゃなく細切りにして。
餡で絡めて香り立つ具材を、皮に包み込んで封じ、温度の高い油で香ばしく揚げる。
春雨も口の中でツルツルとして楽しいし、海鮮や、たまには変わり種のチーズなんかもいい。
よっと、イグニスを抱いたままで再び輸送車に上がり込み、自分の目で固定をチェックして。二機を破損しないよう、細かく輸送の指示を出した。
生春巻はそれほど作ったことがないが、生野菜のハリハリとした感触と酸味のあるタレが、揚げたものでくたびれる口の中をサッパリとリフレッシュさせるだろう。
イグニスはきっと、何度か失敗して、けれどすぐに完璧な形成ができるようになる。
食卓を共にしたがっていたから、次のボディには水を飲める機能でも、もうどうせならものが食えるようにしたっていいのかもしれない。
他にもきっと、色々ある。
額と髪を少し撫でてやって、輸送車から降りる。
苦しい矛盾だが、イグニスしかおらず誰も人が見ていないなら、抱かれるのはそれほど嫌ではない。
だがやっぱり、本音は抱きたい。
好き放題の愛撫や責めに喘ぐ、彼の声や吐息が、演算だとしても。
『バーンー』
荷台の扉が閉じるのに身をかわし、荒れた台地にソファを置いて寛いでいる絢人の姿を振り返った。
そうだ。
「生春巻いいな。あんま作ったことねえから、どっか食いに行こうぜ。事前調査しねえとな」
『お、いいね。俺の最先端じゃないふつうの人工知能に相談してみよ』
「お前言い方」
どうせなら、イグニスに人間の真似をさせるより、あいつが人間じゃないことを味わい尽くしたい。
『てかいいなー、自分好みの外見に作れるヒューマノイド』
ベッドに押し倒したイグニスの顔の横にでもホログラフィの画面を出させて、どんな風に感じているのか、リアルタイムのログを出させて、それを読みながらいじめてみようか。
「流通が決まったら教えてやるよ」
『グッ、……でも、お高いんでしょう……?』
腰に手をやり、フフンとわざと片頬に吊り上げて笑ってやる。
「我が社で家を建てるよりはお財布にも優しくなるはずですよ」
受け入れたボディの内部が変形する様子をモニターさせるのも面白いかもしれない。
『クソ高級ラインじゃんよ……!』
当たり前に型通りの戯れに応じてじゃれる絢人を見ながら、楽しい妄想に区切りをつけ。
ああしよう、こうしようと頭の中で組み立てる計画を記憶にストックしておく。
そういえば、記憶が飛んでいるなら、イグニスが考えていた収納の話もしてやりたい。
重い音をゆっくりと響かせ、輸送車の扉が閉じた。
それを少し、見送って。
HGB022に指示して固定した座標を外させ、3Dの絢人の姿を閉じ、グラスの画面にライブ映像を映すよう切り替える。
どうでもいいような雑談を続けながら、輸送車とは別の自動運転車に乗り込んで。
長いようで短い時間を過ごした豪華な自宅から、離れる車列に加わった。
おわり
0
あなたにおすすめの小説
宵にまぎれて兎は回る
宇土為名
BL
高校3年の春、同級生の名取に告白した冬だったが名取にはあっさりと冗談だったことにされてしまう。それを否定することもなく卒業し手以来、冬は親友だった名取とは距離を置こうと一度も連絡を取らなかった。そして8年後、勤めている会社の取引先で転勤してきた名取と8年ぶりに再会を果たす。再会してすぐ名取は自身の結婚式に出席してくれと冬に頼んできた。はじめは断るつもりだった冬だが、名取の願いには弱く結局引き受けてしまう。そして式当日、幸せに溢れた雰囲気に疲れてしまった冬は式場の中庭で避難するように休憩した。いまだに思いを断ち切れていない自分の情けなさを反省していると、そこで別の式に出席している男と出会い…
まるでおとぎ話
志生帆 海
BL
追い詰められて……もう、どうしたら……どこへ行けばいいのか分からない。
病弱な弟を抱えた僕は、怪しげなパーティーへと向かっている。
こちらは2018年5月Twitter上にて募集のあった『絵師様アンソロジー企画』参加作品の転載になります。1枚の絵師さまの絵に、参加者が短編を書きました。
15,000程度の短編になりますので、気軽にお楽しみいただければ嬉しいです。
はじまりの朝
さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。
ある出来事をきっかけに離れてしまう。
中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。
これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。
✳『番外編〜はじまりの裏側で』
『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【完結】毎日きみに恋してる
藤吉めぐみ
BL
青春BLカップ1次選考通過しておりました!
応援ありがとうございました!
*******************
その日、澤下壱月は王子様に恋をした――
高校の頃、王子と異名をとっていた楽(がく)に恋した壱月(いづき)。
見ているだけでいいと思っていたのに、ちょっとしたきっかけから友人になり、大学進学と同時にルームメイトになる。
けれど、恋愛模様が派手な楽の傍で暮らすのは、あまりにも辛い。
けれど離れられない。傍にいたい。特別でありたい。たくさんの行きずりの一人にはなりたくない。けれど――
このまま親友でいるか、勇気を持つかで揺れる壱月の切ない同居ライフ。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる