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本編
2.お風呂は好きですか?
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「俺は狼の獣人。
俺の元いた世界では獣人の割合が多いんだけど、獣人と人間の両方が暮らしていたんだ。
かなり昔は獣人の方が身分が高かった。けど、今では大きくその身分に差はなくて、互いの得意分野を生かして、協力し合い生活をしてる。ついでに…獣人と人間でも問題なく婚姻は出来るよ。」
そう言って、レイはチラッとサーシャを確認する。
サーシャはレイのことをよく知ろうと、真剣な眼差しで話を聞いている。
「俺は元々傭兵をやっていたんだ。獣人は人間より身体能力が高いから、力仕事や傭兵などで生計を立てる者が多くてね。俺もガキの頃から傭兵として働いてる。」
宰相が口を開く。
「失礼ですが、レイ様はいくつでいらっしゃいますか?」
「二十五だよ。」
その後、宰相はレイのいた世界の時間の定義などを確認したが、それはこの国とそう変わりはなく、レイがこの世界でも二十五歳であることが判明した。
サーシャはレイの顔をじっと見ながら考える。
(二十五歳かぁ。私より五つも歳上なのね。
私のような小娘が世話役で嫌じゃないかしら…)
「サーシャは何歳なの?」
突然話しかけられたサーシャはハッとする。
「わ、私ですか?」
「うん。俺の世話役になるなら、知っておいたほうがいいかと思ったんだけど。」
「二十歳です。」
「そうか、俺の五つ下か。…もっと幼いかと思った。」
サーシャは確かに二十歳になった今でも十代半ばに間違われることがある。レイは子供に仕事をさせることに気が引けたのかもしれないな、とサーシャは思った。
「ご安心ください。もう子供ではございませんので。」
「あ…いや、気を悪くしたかな?ごめんね。」
レイは軽くサーシャに対して、頭を下げた。
「い、いえ!!」
頭を下げられたサーシャは驚いた。サーシャの周りの男性はそう簡単に女性に頭を下げたりしない。
(簡単に女性に頭を下げられるなんて…。元いた世界では男女の立場に違いがなかったのかしら。それに、私は世話役なのに私に頭を下げるなんて…すごく謙虚な方…。)
その後、宰相が元いた世界のことをより深く聞き込んだ。一通り終えたところで、レイを王宮内の本日の部屋へ案内することになった。
宰相からレイにローブが渡される。
レイはそれを訝しげに受け取った。
「これは?」
「渡り人様のお披露目はまだ先でございます。
それに…今回は、色々とイレギュラーでございますので、王宮内の混乱を防ぐ意味もあります。窮屈かと思いますが、ご協力頂きたくお願い致します。」
レイはローブを広げて、見る。
「そっか。男性の渡り人も、獣人の渡り人も初めてなんだったね。か弱い女性が来ると思ってたのに、来たのが人間よりも大きい獣人だもんね…確かにこれがなきゃ混乱になりそう。
分かった。じゃあ、今のところ俺が姿を晒していいのは、今日会った五人だけってこと?」
「はい。お披露目まではそうしていただけると助かります。ただ世話役はサーシャ一人じゃ足りないこともあるかと存じますので、他にも何人かー」
「いや。俺は身の回りのことは、ほとんど一人で出来る。サーシャだけいればいいよ。」
顔には微笑みを貼り付けながらも、その言葉に心の中でサーシャは、頭を抱えて、唸っていた。
(男性で獣人ってだけでも未知の存在なのに、それを一人でお世話するってこと?!一人で出来ると言っても手助けが必要な部分もあるだろうし…。た、大変なことになったわ。)
宰相はチラッとサーシャを確認したが、サーシャの微笑みを了承とみなしたのか、すぐにレイの言葉を了承した。
「…レイ様がそれで宜しいのでしたら…。
サーシャ、しっかりやるんだぞ。」
サーシャは焦った様子など微塵も出さずに礼を取る。
「かしこまりました。
レイ様、何卒宜しくお願い致します。」
「うん。じゃあ、早速案内してくれるかな?」
レイはそう言うと、真っ黒なローブをしっかりとかぶる。大きな足元までのローブは耳も尻尾もしっかりと隠した。
サーシャとレイは、二人で部屋へ向かう。
その道中、レイはものすごく人目を集めた。深くローブを被っているため、その姿は見えていないが、皆レイの大きさに驚愕していた。レイが通り過ぎた後に「今回の渡り人様は大女だな」「あそこまで大きい女は見たことない」などとコソコソ話しているのが聞こえる。
なんて失礼な奴らなんだと、サーシャは一人憤慨する。
(全くコソコソ話しちゃって気分が悪いわ。自分たちの行動が失礼なことだと気づけないのかしら!)
無事に部屋に着き、サーシャが扉を開ける。
そこは来賓用の部屋だ。
レイは部屋に入ると足を止める。
サーシャがしっかりと扉を閉めた。
「すごい…。
こんな豪華な部屋に俺が泊まっていいの?」
口を開けて驚いた様子のレイを見て、サーシャは微かに笑った。
(レイ様は随分と正直で可愛らしい方ね。)
「勿論でございます。過去の渡り人様も最初はこちらで皆様過ごされております。お披露目が終わった後は、水晶宮という渡り人様専用の宮で過ごしていただくことになります。」
レイはローブを脱ぎ、手を差し出すサーシャに渡す。
「渡り人は一生、その水晶宮とか言うところで過ごすのかな?」
「いえ、水晶宮は渡り人様の住まいでございますが、その後、皆様やりたい事を見つけたり、ご結婚なさったりして、住居を変えることが殆どです。実際、現在水晶宮に住んでいる渡り人様はお二人しかございません。」
「結婚…。
渡り人も普通にこの国の人と結婚できるの?」
「はい。出来ます。」
「ふーん。そうか。」
レイは少し照れたようにしている。
サーシャは気になり、聞いてみた。
「レイ様は元の世界でご結婚などはー」
「してない。してたら、もっと慌てたり、怒ったりしてたと思うよ。俺は両親ももう死んでるし、特段向こうの世界に未練はない。折角だから、第二の人生だと思って楽しませてもらうよ。」
レイは、部屋の中を色々と物色している。中には初めて見るものもあり、レイには新鮮なようだ。平然とした様子だが、亡くなった両親のことを思い出させてしまったことをサーシャは申し訳なく思った。
「失礼しました。配慮が足りず…。」
「いや、両親が亡くなったのも、かなり前だし、気にしてない。…サーシャは優しいんだね。」
レイはサーシャに笑いかける。
サーシャは原因不明の息苦しさに覆われた。
(な…っ!獣人とは言えとても整った顔立ちをされているから笑顔も素敵だわ…ちょっと心臓に悪いくらい。男性に耐性がないとは言え、ちょっとドキドキしすぎよ、私!)
サーシャはそれを隠しながら、微笑む。
「ありがとうございます。」
レイは一通り部屋の物色を終えたようで真ん中に大きく置かれたベッドに腰掛けた。
「すっごいフワフワ!
これは寝るのが楽しみだ。」
ベッドを手で押しながら、その柔らかさを確かめる。嬉しそうに目を輝かせるレイを見て、サーシャはまるで子供のようだ、と思った。
レイが尋ねる。
「この世界では風呂はどうしてる?毎日入るの?」
「はい。お風呂は部屋に備え付けてあります。この部屋のお風呂には浴槽がありますが、一般家庭では浴槽がないことも多いので、ほとんどがシャワーですね。でも、毎日入る人が多いと思います。
レイ様、お風呂はお好きですか?」
サーシャがそう尋ねた瞬間、レイの耳がぴこんと立った。
「大好きだよ!
でも、俺が元々いたところは水源がそんなに豊かじゃなかったから、風呂なんてかなりの贅沢品だった。」
目をキラキラさせて、レイはサーシャを見つめる。ふわふわの尻尾も我慢できないように揺れ始めた。サーシャは思わず笑った。
「そうなんですね。では、折角なので今日はたっぷりお湯を沸かして、お風呂に入りましょうか!」
「いいの?!」
目を丸くして尋ねるレイにサーシャは笑顔で答える。
「勿論です。この国では生活魔法が発達してますので、遠慮なくどうぞ。」
「魔法?ここには魔法があるの?」
「はい。生活魔法と言って、水や火、電気などは魔石の力を使うことで誰でも使えるよう環境が整っています。難しい魔法などもありますが、それは訓練を積んだ魔力を持った魔術師のみが使えるものです。」
レイは不思議そうに自分の掌を見つめて、手を握ったり閉じたりしている。
「俺に魔法が使えたりはしない?」
サーシャは首を横に振る。
「難しいと思います。渡り人様の中で、今まで魔力を持っていた方はいらっしゃいません。」
「そうなのか…それは残念だな。
…子供の頃、本を読んでいつか魔法を使いたいと思ってた。」
レイははにかんだように笑う。
サーシャはそれに微笑み返した。
(やっぱりレイ様は優しくて、可愛らしい方だわ。
素敵な渡り人様の担当になれて、良かった…。)
サーシャはこれからの生活が楽しくなる予感がした。
俺の元いた世界では獣人の割合が多いんだけど、獣人と人間の両方が暮らしていたんだ。
かなり昔は獣人の方が身分が高かった。けど、今では大きくその身分に差はなくて、互いの得意分野を生かして、協力し合い生活をしてる。ついでに…獣人と人間でも問題なく婚姻は出来るよ。」
そう言って、レイはチラッとサーシャを確認する。
サーシャはレイのことをよく知ろうと、真剣な眼差しで話を聞いている。
「俺は元々傭兵をやっていたんだ。獣人は人間より身体能力が高いから、力仕事や傭兵などで生計を立てる者が多くてね。俺もガキの頃から傭兵として働いてる。」
宰相が口を開く。
「失礼ですが、レイ様はいくつでいらっしゃいますか?」
「二十五だよ。」
その後、宰相はレイのいた世界の時間の定義などを確認したが、それはこの国とそう変わりはなく、レイがこの世界でも二十五歳であることが判明した。
サーシャはレイの顔をじっと見ながら考える。
(二十五歳かぁ。私より五つも歳上なのね。
私のような小娘が世話役で嫌じゃないかしら…)
「サーシャは何歳なの?」
突然話しかけられたサーシャはハッとする。
「わ、私ですか?」
「うん。俺の世話役になるなら、知っておいたほうがいいかと思ったんだけど。」
「二十歳です。」
「そうか、俺の五つ下か。…もっと幼いかと思った。」
サーシャは確かに二十歳になった今でも十代半ばに間違われることがある。レイは子供に仕事をさせることに気が引けたのかもしれないな、とサーシャは思った。
「ご安心ください。もう子供ではございませんので。」
「あ…いや、気を悪くしたかな?ごめんね。」
レイは軽くサーシャに対して、頭を下げた。
「い、いえ!!」
頭を下げられたサーシャは驚いた。サーシャの周りの男性はそう簡単に女性に頭を下げたりしない。
(簡単に女性に頭を下げられるなんて…。元いた世界では男女の立場に違いがなかったのかしら。それに、私は世話役なのに私に頭を下げるなんて…すごく謙虚な方…。)
その後、宰相が元いた世界のことをより深く聞き込んだ。一通り終えたところで、レイを王宮内の本日の部屋へ案内することになった。
宰相からレイにローブが渡される。
レイはそれを訝しげに受け取った。
「これは?」
「渡り人様のお披露目はまだ先でございます。
それに…今回は、色々とイレギュラーでございますので、王宮内の混乱を防ぐ意味もあります。窮屈かと思いますが、ご協力頂きたくお願い致します。」
レイはローブを広げて、見る。
「そっか。男性の渡り人も、獣人の渡り人も初めてなんだったね。か弱い女性が来ると思ってたのに、来たのが人間よりも大きい獣人だもんね…確かにこれがなきゃ混乱になりそう。
分かった。じゃあ、今のところ俺が姿を晒していいのは、今日会った五人だけってこと?」
「はい。お披露目まではそうしていただけると助かります。ただ世話役はサーシャ一人じゃ足りないこともあるかと存じますので、他にも何人かー」
「いや。俺は身の回りのことは、ほとんど一人で出来る。サーシャだけいればいいよ。」
顔には微笑みを貼り付けながらも、その言葉に心の中でサーシャは、頭を抱えて、唸っていた。
(男性で獣人ってだけでも未知の存在なのに、それを一人でお世話するってこと?!一人で出来ると言っても手助けが必要な部分もあるだろうし…。た、大変なことになったわ。)
宰相はチラッとサーシャを確認したが、サーシャの微笑みを了承とみなしたのか、すぐにレイの言葉を了承した。
「…レイ様がそれで宜しいのでしたら…。
サーシャ、しっかりやるんだぞ。」
サーシャは焦った様子など微塵も出さずに礼を取る。
「かしこまりました。
レイ様、何卒宜しくお願い致します。」
「うん。じゃあ、早速案内してくれるかな?」
レイはそう言うと、真っ黒なローブをしっかりとかぶる。大きな足元までのローブは耳も尻尾もしっかりと隠した。
サーシャとレイは、二人で部屋へ向かう。
その道中、レイはものすごく人目を集めた。深くローブを被っているため、その姿は見えていないが、皆レイの大きさに驚愕していた。レイが通り過ぎた後に「今回の渡り人様は大女だな」「あそこまで大きい女は見たことない」などとコソコソ話しているのが聞こえる。
なんて失礼な奴らなんだと、サーシャは一人憤慨する。
(全くコソコソ話しちゃって気分が悪いわ。自分たちの行動が失礼なことだと気づけないのかしら!)
無事に部屋に着き、サーシャが扉を開ける。
そこは来賓用の部屋だ。
レイは部屋に入ると足を止める。
サーシャがしっかりと扉を閉めた。
「すごい…。
こんな豪華な部屋に俺が泊まっていいの?」
口を開けて驚いた様子のレイを見て、サーシャは微かに笑った。
(レイ様は随分と正直で可愛らしい方ね。)
「勿論でございます。過去の渡り人様も最初はこちらで皆様過ごされております。お披露目が終わった後は、水晶宮という渡り人様専用の宮で過ごしていただくことになります。」
レイはローブを脱ぎ、手を差し出すサーシャに渡す。
「渡り人は一生、その水晶宮とか言うところで過ごすのかな?」
「いえ、水晶宮は渡り人様の住まいでございますが、その後、皆様やりたい事を見つけたり、ご結婚なさったりして、住居を変えることが殆どです。実際、現在水晶宮に住んでいる渡り人様はお二人しかございません。」
「結婚…。
渡り人も普通にこの国の人と結婚できるの?」
「はい。出来ます。」
「ふーん。そうか。」
レイは少し照れたようにしている。
サーシャは気になり、聞いてみた。
「レイ様は元の世界でご結婚などはー」
「してない。してたら、もっと慌てたり、怒ったりしてたと思うよ。俺は両親ももう死んでるし、特段向こうの世界に未練はない。折角だから、第二の人生だと思って楽しませてもらうよ。」
レイは、部屋の中を色々と物色している。中には初めて見るものもあり、レイには新鮮なようだ。平然とした様子だが、亡くなった両親のことを思い出させてしまったことをサーシャは申し訳なく思った。
「失礼しました。配慮が足りず…。」
「いや、両親が亡くなったのも、かなり前だし、気にしてない。…サーシャは優しいんだね。」
レイはサーシャに笑いかける。
サーシャは原因不明の息苦しさに覆われた。
(な…っ!獣人とは言えとても整った顔立ちをされているから笑顔も素敵だわ…ちょっと心臓に悪いくらい。男性に耐性がないとは言え、ちょっとドキドキしすぎよ、私!)
サーシャはそれを隠しながら、微笑む。
「ありがとうございます。」
レイは一通り部屋の物色を終えたようで真ん中に大きく置かれたベッドに腰掛けた。
「すっごいフワフワ!
これは寝るのが楽しみだ。」
ベッドを手で押しながら、その柔らかさを確かめる。嬉しそうに目を輝かせるレイを見て、サーシャはまるで子供のようだ、と思った。
レイが尋ねる。
「この世界では風呂はどうしてる?毎日入るの?」
「はい。お風呂は部屋に備え付けてあります。この部屋のお風呂には浴槽がありますが、一般家庭では浴槽がないことも多いので、ほとんどがシャワーですね。でも、毎日入る人が多いと思います。
レイ様、お風呂はお好きですか?」
サーシャがそう尋ねた瞬間、レイの耳がぴこんと立った。
「大好きだよ!
でも、俺が元々いたところは水源がそんなに豊かじゃなかったから、風呂なんてかなりの贅沢品だった。」
目をキラキラさせて、レイはサーシャを見つめる。ふわふわの尻尾も我慢できないように揺れ始めた。サーシャは思わず笑った。
「そうなんですね。では、折角なので今日はたっぷりお湯を沸かして、お風呂に入りましょうか!」
「いいの?!」
目を丸くして尋ねるレイにサーシャは笑顔で答える。
「勿論です。この国では生活魔法が発達してますので、遠慮なくどうぞ。」
「魔法?ここには魔法があるの?」
「はい。生活魔法と言って、水や火、電気などは魔石の力を使うことで誰でも使えるよう環境が整っています。難しい魔法などもありますが、それは訓練を積んだ魔力を持った魔術師のみが使えるものです。」
レイは不思議そうに自分の掌を見つめて、手を握ったり閉じたりしている。
「俺に魔法が使えたりはしない?」
サーシャは首を横に振る。
「難しいと思います。渡り人様の中で、今まで魔力を持っていた方はいらっしゃいません。」
「そうなのか…それは残念だな。
…子供の頃、本を読んでいつか魔法を使いたいと思ってた。」
レイははにかんだように笑う。
サーシャはそれに微笑み返した。
(やっぱりレイ様は優しくて、可愛らしい方だわ。
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