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本編
3.何でもおっしゃって下さい
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その後、サーシャは部屋の中を案内し、それぞれの使い方などを説明した。レイは物覚えが良く、サーシャの言うことをすぐに理解した。
「もう夕方になりますが、お腹は空いてらっしゃいますか?もしもう召し上がるようでしたら、この部屋にお持ちいたします。」
「いや、まだ大丈夫。
それより先に風呂に入っていい?」
レイの尻尾が左右に揺れる。それに銀色の瞳が期待を込めて、サーシャを見つめる。
(ふふっ!本当に可愛らしい人だわ。獣人だから、こんなに可愛く感じるのかしら、耳と尻尾のせいね。あぁ…なんて柔らかそうなんでしょう、触りたーい!!)
そう思うものの、勿論表情には出さず、いつも通りサーシャは微笑んだ。
「かしこまりました。
すぐに準備いたしますので、お待ち下さい。」
「ありがとう!!」
サーシャはお風呂場に行って、準備をする。レイは後ろから覗き込むようにして、その様子を観察している。サーシャはいつも通り準備をするが、どうも落ち着かない。おそらくどのように準備しているのか見てみたいのだとは思うが、なんだか熱心に見つめられるとドキドキしてしまう。
「レイ様。準備は私が行いますので、どうぞお部屋でお休みになってください。」
サーシャの申し出にレイは首を横に振った。
「いや、見てみたいんだ。それに、覚えられたらサーシャの手を煩わせなくて済むだろう?」
「いえ、私の仕事ですのでお気になさらず。」
サーシャが毅然として言うと、レイは真剣な顔つきになった。
「どんどんやれることはやっていきたいんだ。人の力を借りないと生きられないなんて、まっぴらごめんだからね。」
「レイ様…。」
(今日こちらに来たばかりなのに、初日でそんな風に考えることが出来るなんて…なんて心の強い人なんだろう…。それに今後のことまでもう考えてるなんて…。
この調子ならすぐに世話役は必要なくなりそうね。)
少し寂しく思いながらもサーシャが微笑み、「わかりました」と言うと、レイはポリポリと頬をかいて言った。
「でも、サーシャがお世話してくれるなら、それもいいかな。」
(私が寂しがってるのに気付いてくれたのかしら…。
本当に優しい…。)
「では、暫くは私がやらせていただきますが、レイ様も出来るように今日は説明だけ。」
サーシャはレイに手順を詳しく説明しながら、お風呂の準備をした。
一通り説明が終わり、サーシャはレイに尋ねた。
「お背中は流しますか?」
「へ?!」
レイから間の抜けた声が出る。
こんな表情もするのかと、笑いを堪えながら、サーシャは続ける。
「渡り人様の中には元々貴族でご自身で身体を洗わない方もいらっしゃいます。レイ様は大丈夫かと思いますが、念のため確認致しました。」
「あ…あぁ。そ、そうだね。
大丈夫…一人で出来る…。」
レイは目線を外し、足元を見ている。尻尾がしょぼんと垂れ下がっている。
(なんか…残念そう?)
「大丈夫ですか?腰にタオルさえ巻いていただければ、私も一緒に入りますよ?」
「い、一緒に…。」
レイはごくりと喉を鳴らす。サーシャを見つめる瞳が熱っぽい。
サーシャはそこで初めてレイがサーシャも裸になって…と勘違いしていることに気付いた。
「あっ…え…えーと、わ、私はこの服のまま…です。」
「あ、あははー。そうだよな。
ご、ごめん。冗談だよ、冗談!」
「で、ですよね!私も分かりきったことを言いました。申し訳ありません。」
二人の間に気恥ずかしい空気が流れる。
先に口を開いたのはサーシャだった。
「あの、お召しになっていた服は洗濯いたしますので、こちらに。お風呂が終わった後のお召し物は、入浴中に準備致しますので、どうぞごゆっくりご入浴ください。
失礼致します。」
サーシャはそう言って、お風呂場の扉を閉めた。
(あー、びっくりしたわ。まさか、私のような平凡な容姿に反応すると思ってなかったから、完全に油断してたけど…レイ様も男性なんだ…。
まぁ、別に私の身体が惜しいわけじゃないけど、ね。
私は誰にも求められない身体だもの…。)
サーシャはふと目を閉じて、頭から嫌な記憶を振り落とした。
「やる事は山積みだわ!行くわよ、サーシャ!」
そう自分に喝を入れ、サーシャは仕事を始めた。
◆ ◇ ◆
レイはお風呂を出て、部屋で食事を取っていた。
「どれも美味しいね。…量が少ないけど。」
「申し訳ありません。一応予定の倍量は用意させたのですが…明日はもっと量を増やすように言っておきます。」
「ありがとう。ごめんね。
それにそれも。」
「いえ、裁縫は得意ですので、任せてください。」
サーシャは今、針仕事をしていた。
男性用の服は、騎士団長に頼んで手配してもらったのだが、問題は尻尾を出す部分がないということだった。そのため、服を受け取った後にサーシャが尻尾を出す部分を作っているのだった。
サーシャがスイスイと作業をしていくのをレイはじっと見つめる。
「…サーシャはいい奥さんになりそうだね。」
一瞬サーシャの手が止まる。サーシャは引き攣る顔を隠すように俯いたまま、再度手を動かし始めた。
「ははっ。私は結婚するつもりはないんです。
…私はこれからも渡り人様に仕えていくつもりです。」
「そうなの…?まだ若くて、可愛いのに…。」
不思議そうにレイは首を傾げる。
(レイ様に悪気がないのは分かってる。分かってるけど…この話題は辛いわ…。)
そう思ったサーシャは微笑みを貼りつけて、レイに尋ねた。
「そう言うレイ様はどんな女性が好みですか?レイ様は端正なお顔立ちですし、世話役の中には可愛い子もいますから、良い出会いがあるかもしれませんね。」
レイは苦笑する。
「別にもう出会いは探してない。」
(当分結婚などをするつもりはないってことかしら?まぁ、こちらに来たばかりで、恋人だの結婚だの考える余裕なんてないわよね。)
サーシャは自分の中でそう結論付けた。
レイはもう食べ終わったようで、サーシャの針仕事をじっと見つめている。その視線に落ち着かず、サーシャはうっかり針で指を刺してしまった。
「…っ!」
「大丈夫?!」
レイがサーシャに駆け寄る。
見ると、血がぷっくりと指先に乗っている。
レイはそれを口に含むと、血を舐めた。
(な、な、舐めたぁー!
それに舌が長くて、あったかくて、柔らかい…。)
衝撃で固まるサーシャとは反対にレイは指を口から出すと、心配そうに指先を見つめている。
ようやくサーシャの様子に気付いたレイが顔を赤くする。
「わ、悪い!
…つい、その、癖で…ごめん。」
レイの耳が垂れ下がる。
「だ、大丈夫です。少し驚いただけです。
心配してくださったんですよね…?
ありがとうございます。」
サーシャは少し頬を染めて、微笑んだ。
その瞬間、レイがパッと顔を背ける。
「いや…こっちこそごめん…。」
(目を合わせてくれる時もあるのに、時々目を逸らされるのよね…。どうしてなのかしら。)
サーシャは少し不思議に思いながらも、血が止まった指先を見つめ、針仕事を再開した。
◆ ◇ ◆
ポツポツと二人は会話を交わしながら、時間を過ごした。サーシャがいない方が落ち着けるだろうと途中退室しようとしたが、「色々と聞きたいことがあるから」とレイが言うので、結局針仕事をしながら、ずっと会話していた。
聞きたいことがあると言う割にそんなに多くを質問してこないレイに疑問を抱いたが、こちらに来たばかりで一人は心細いのかもしれないと、サーシャはレイの言う通りにした。
「全て終わりました。明日からはこの中からどれでも好きなものをお召しください。こちらに来た時の服は洗って、明日またお持ちします。」
「ありがとう。助かった。」
「いえ。他にも困ったことがあれば、なんでもお申し付け下さい。」
そうは言うもののもう夜だ。流石にあとは寝るだけだろうと思いながらも、サーシャはそうレイに告げた。
しかし、予想に反し、ベッドに腰掛けているレイは何かを考え込んでいる。
眉間に皺を寄せ、目を瞑っている。
その姿は何か困っていることが一目瞭然だった。
サーシャは口を開いた。
「レイ様。私は貴方様の不安や疑問を取り除くのが役目です。何かお手伝いできることがあれば、やらせていただきます。どうか、お話だけでも聞かせて頂けませんか?」
サーシャがそう言っても、レイは「いや…でも」とか「駄目だ…」とか呟いている。
仕方なくサーシャはレイに歩み寄り、レイの前にしゃがみ込む。そして、膝の上で固く握りしめられているレイの両拳に手を重ねて、微笑んだ。
「大丈夫です。何でもおっしゃって下さい。」
レイはゆっくりと顔を上げ、サーシャを見る。
その瞳にはどこか熱っぽさが感じられる。
(なんだろう…具合でも悪いのかしら?)
レイはじっとサーシャを見つめて、ようやく口を開いた。
「…何を言っても嫌わないと約束してくれる?」
「勿論です。私はレイ様の世話役ですもの。」
それでも、レイは迷っている。しかし、意を決したように顔を上げると、言った。
「…性欲処理を手伝ってほしい。」
「もう夕方になりますが、お腹は空いてらっしゃいますか?もしもう召し上がるようでしたら、この部屋にお持ちいたします。」
「いや、まだ大丈夫。
それより先に風呂に入っていい?」
レイの尻尾が左右に揺れる。それに銀色の瞳が期待を込めて、サーシャを見つめる。
(ふふっ!本当に可愛らしい人だわ。獣人だから、こんなに可愛く感じるのかしら、耳と尻尾のせいね。あぁ…なんて柔らかそうなんでしょう、触りたーい!!)
そう思うものの、勿論表情には出さず、いつも通りサーシャは微笑んだ。
「かしこまりました。
すぐに準備いたしますので、お待ち下さい。」
「ありがとう!!」
サーシャはお風呂場に行って、準備をする。レイは後ろから覗き込むようにして、その様子を観察している。サーシャはいつも通り準備をするが、どうも落ち着かない。おそらくどのように準備しているのか見てみたいのだとは思うが、なんだか熱心に見つめられるとドキドキしてしまう。
「レイ様。準備は私が行いますので、どうぞお部屋でお休みになってください。」
サーシャの申し出にレイは首を横に振った。
「いや、見てみたいんだ。それに、覚えられたらサーシャの手を煩わせなくて済むだろう?」
「いえ、私の仕事ですのでお気になさらず。」
サーシャが毅然として言うと、レイは真剣な顔つきになった。
「どんどんやれることはやっていきたいんだ。人の力を借りないと生きられないなんて、まっぴらごめんだからね。」
「レイ様…。」
(今日こちらに来たばかりなのに、初日でそんな風に考えることが出来るなんて…なんて心の強い人なんだろう…。それに今後のことまでもう考えてるなんて…。
この調子ならすぐに世話役は必要なくなりそうね。)
少し寂しく思いながらもサーシャが微笑み、「わかりました」と言うと、レイはポリポリと頬をかいて言った。
「でも、サーシャがお世話してくれるなら、それもいいかな。」
(私が寂しがってるのに気付いてくれたのかしら…。
本当に優しい…。)
「では、暫くは私がやらせていただきますが、レイ様も出来るように今日は説明だけ。」
サーシャはレイに手順を詳しく説明しながら、お風呂の準備をした。
一通り説明が終わり、サーシャはレイに尋ねた。
「お背中は流しますか?」
「へ?!」
レイから間の抜けた声が出る。
こんな表情もするのかと、笑いを堪えながら、サーシャは続ける。
「渡り人様の中には元々貴族でご自身で身体を洗わない方もいらっしゃいます。レイ様は大丈夫かと思いますが、念のため確認致しました。」
「あ…あぁ。そ、そうだね。
大丈夫…一人で出来る…。」
レイは目線を外し、足元を見ている。尻尾がしょぼんと垂れ下がっている。
(なんか…残念そう?)
「大丈夫ですか?腰にタオルさえ巻いていただければ、私も一緒に入りますよ?」
「い、一緒に…。」
レイはごくりと喉を鳴らす。サーシャを見つめる瞳が熱っぽい。
サーシャはそこで初めてレイがサーシャも裸になって…と勘違いしていることに気付いた。
「あっ…え…えーと、わ、私はこの服のまま…です。」
「あ、あははー。そうだよな。
ご、ごめん。冗談だよ、冗談!」
「で、ですよね!私も分かりきったことを言いました。申し訳ありません。」
二人の間に気恥ずかしい空気が流れる。
先に口を開いたのはサーシャだった。
「あの、お召しになっていた服は洗濯いたしますので、こちらに。お風呂が終わった後のお召し物は、入浴中に準備致しますので、どうぞごゆっくりご入浴ください。
失礼致します。」
サーシャはそう言って、お風呂場の扉を閉めた。
(あー、びっくりしたわ。まさか、私のような平凡な容姿に反応すると思ってなかったから、完全に油断してたけど…レイ様も男性なんだ…。
まぁ、別に私の身体が惜しいわけじゃないけど、ね。
私は誰にも求められない身体だもの…。)
サーシャはふと目を閉じて、頭から嫌な記憶を振り落とした。
「やる事は山積みだわ!行くわよ、サーシャ!」
そう自分に喝を入れ、サーシャは仕事を始めた。
◆ ◇ ◆
レイはお風呂を出て、部屋で食事を取っていた。
「どれも美味しいね。…量が少ないけど。」
「申し訳ありません。一応予定の倍量は用意させたのですが…明日はもっと量を増やすように言っておきます。」
「ありがとう。ごめんね。
それにそれも。」
「いえ、裁縫は得意ですので、任せてください。」
サーシャは今、針仕事をしていた。
男性用の服は、騎士団長に頼んで手配してもらったのだが、問題は尻尾を出す部分がないということだった。そのため、服を受け取った後にサーシャが尻尾を出す部分を作っているのだった。
サーシャがスイスイと作業をしていくのをレイはじっと見つめる。
「…サーシャはいい奥さんになりそうだね。」
一瞬サーシャの手が止まる。サーシャは引き攣る顔を隠すように俯いたまま、再度手を動かし始めた。
「ははっ。私は結婚するつもりはないんです。
…私はこれからも渡り人様に仕えていくつもりです。」
「そうなの…?まだ若くて、可愛いのに…。」
不思議そうにレイは首を傾げる。
(レイ様に悪気がないのは分かってる。分かってるけど…この話題は辛いわ…。)
そう思ったサーシャは微笑みを貼りつけて、レイに尋ねた。
「そう言うレイ様はどんな女性が好みですか?レイ様は端正なお顔立ちですし、世話役の中には可愛い子もいますから、良い出会いがあるかもしれませんね。」
レイは苦笑する。
「別にもう出会いは探してない。」
(当分結婚などをするつもりはないってことかしら?まぁ、こちらに来たばかりで、恋人だの結婚だの考える余裕なんてないわよね。)
サーシャは自分の中でそう結論付けた。
レイはもう食べ終わったようで、サーシャの針仕事をじっと見つめている。その視線に落ち着かず、サーシャはうっかり針で指を刺してしまった。
「…っ!」
「大丈夫?!」
レイがサーシャに駆け寄る。
見ると、血がぷっくりと指先に乗っている。
レイはそれを口に含むと、血を舐めた。
(な、な、舐めたぁー!
それに舌が長くて、あったかくて、柔らかい…。)
衝撃で固まるサーシャとは反対にレイは指を口から出すと、心配そうに指先を見つめている。
ようやくサーシャの様子に気付いたレイが顔を赤くする。
「わ、悪い!
…つい、その、癖で…ごめん。」
レイの耳が垂れ下がる。
「だ、大丈夫です。少し驚いただけです。
心配してくださったんですよね…?
ありがとうございます。」
サーシャは少し頬を染めて、微笑んだ。
その瞬間、レイがパッと顔を背ける。
「いや…こっちこそごめん…。」
(目を合わせてくれる時もあるのに、時々目を逸らされるのよね…。どうしてなのかしら。)
サーシャは少し不思議に思いながらも、血が止まった指先を見つめ、針仕事を再開した。
◆ ◇ ◆
ポツポツと二人は会話を交わしながら、時間を過ごした。サーシャがいない方が落ち着けるだろうと途中退室しようとしたが、「色々と聞きたいことがあるから」とレイが言うので、結局針仕事をしながら、ずっと会話していた。
聞きたいことがあると言う割にそんなに多くを質問してこないレイに疑問を抱いたが、こちらに来たばかりで一人は心細いのかもしれないと、サーシャはレイの言う通りにした。
「全て終わりました。明日からはこの中からどれでも好きなものをお召しください。こちらに来た時の服は洗って、明日またお持ちします。」
「ありがとう。助かった。」
「いえ。他にも困ったことがあれば、なんでもお申し付け下さい。」
そうは言うもののもう夜だ。流石にあとは寝るだけだろうと思いながらも、サーシャはそうレイに告げた。
しかし、予想に反し、ベッドに腰掛けているレイは何かを考え込んでいる。
眉間に皺を寄せ、目を瞑っている。
その姿は何か困っていることが一目瞭然だった。
サーシャは口を開いた。
「レイ様。私は貴方様の不安や疑問を取り除くのが役目です。何かお手伝いできることがあれば、やらせていただきます。どうか、お話だけでも聞かせて頂けませんか?」
サーシャがそう言っても、レイは「いや…でも」とか「駄目だ…」とか呟いている。
仕方なくサーシャはレイに歩み寄り、レイの前にしゃがみ込む。そして、膝の上で固く握りしめられているレイの両拳に手を重ねて、微笑んだ。
「大丈夫です。何でもおっしゃって下さい。」
レイはゆっくりと顔を上げ、サーシャを見る。
その瞳にはどこか熱っぽさが感じられる。
(なんだろう…具合でも悪いのかしら?)
レイはじっとサーシャを見つめて、ようやく口を開いた。
「…何を言っても嫌わないと約束してくれる?」
「勿論です。私はレイ様の世話役ですもの。」
それでも、レイは迷っている。しかし、意を決したように顔を上げると、言った。
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