【本編完結】渡り人の世話役ですが、業務内容に性欲処理は含まれますか?!

はるみさ

文字の大きさ
10 / 27
本編

10.口でしてみますか?

しおりを挟む
 レイも初めてのキスだという驚きの事実を知って、サーシャは唖然としていた。

 (え…レイ様みたいな容姿端麗な方がまだキスも済ませてないなんて!嘘でしょ?!レイ様のいた世界は美醜の感覚がこちらと違うのかしら…獣人にしか分からない美的感覚があるのかもしれない。
 でも、二十五歳でキスもしたことなかったら、確かにしてみたいと思うわよね。確かに私なら頼みやすいし…。そういうことなら協力しましょう!ついでに私のファーストキスも貰ってもらおう。)

 サーシャは不安げにこちらを見つめるレイに微笑みかけた。

 「分かりました。良いですよ。」

 「本当に?!」

 「えぇ。上手く出来るか分かりませんが。」

 「ううん、いいんだ。サーシャは楽にしてて。」

 レイはベッドから立ち上がり、サーシャにゆっくり近づいた。サーシャはどうして良いか分からず、直立不動で立っている。

 レイはサーシャの両肩に手を置くと、ゆっくりと顔を近づけた。微かに唇が触れる。小さくチュッと音を立てて、いったん離れたかと思ったら、もう一度しっかりと唇が重ねられる。

 (レイ様の唇…柔らかい…。キスって気持ちいいんだ。
 …もっと、欲しい。)

 サーシャがレイの背中にそっと腕を回すと、肩に置いてあったレイの手も移動し、サーシャの顔を包み込むように頬に添えられた。レイの尻尾はサーシャの身体に絡まるように動く。
 その間もキスは水音を増しながら、繰り返される。

 「ん…ふぁ。」

 キスの合間に空気を吸おうと、サーシャの唇が開けば、すかさずその長い舌を入れられる。口の中を隈なく舐め回される。

 (まるで…食べられているみたい…。)

 身体にゾワゾワした気持ち良いような、くすぐったいような感覚がもたらされる。それに伴って、お腹の奥がキュンキュンする…。

 (ん…?これは…。)

 下腹部に何かが当たっている。サーシャは気付いた。
 レイの陰茎が痛いくらいに張り詰めていることに。

 サーシャがそっとズボンの上から陰茎をなぞると、レイはキスを止めた。サーシャをギュッと抱きしめて、お腹に痛いくらいに張り詰めたそれを押し付けた。

 「サーシャ…いつものお願いしていい?」

 「はい…喜んで。」

 サーシャはその場で座り込んで、レイのズボンを下ろすと、既に愛着の湧いた陰茎を取り出して、心の中で挨拶をした。

 (今日もこんばんわ、レイちゃん!)

 サーシャはあまりにもレイの陰茎が愛おしいので、密かに愛称を付けて呼んでいた。サーシャの内心の呼びかけに答えるように陰茎はピクピクと震えている。

 まるでヨシヨシするように、ぷっくりと溢れている先端の液体を亀頭に塗りつけてやれば、レイからは熱を帯びた吐息が漏れる。

 (あぁ…レイちゃんにもキスしたい…)
 
 そう思っているうちに陰茎と顔が予想以上に近付き過ぎてたらしく、サーシャの唇とその先端がちょこんと触れた。

 「ん…っ!サーシャの唇…。」

 レイは情欲を宿した瞳でサーシャを見下げていた。

 (これってチャンスなのでは…?)

 サーシャは上目遣いで、レイに尋ねた。

 「レイ様は私の口がここに触れるのが好きなのですか?」

 「あ、いや……うん。…ごめん。」

 レイは申し訳なさそうにする。さっきまでゆっくり振れていた尻尾も今はしょぼんとしている。

 「いえ…良かったら、口でしてみますか?」

 「…え。」

 レイは目を見開いている。サーシャは慌てた。

 「も、勿論、レイ様が嫌でなければ!!わ、私はただレイ様がより気持ちよくなっていただければー」

 「いいの?」

 サーシャは笑みが溢れそうになるのを、必死に抑えて、「はい」と静かに言った。
 レイがゴクッと喉を鳴らしたのを合図にサーシャは舌を陰茎に伸ばした。

 まずは、初めにその先端をぺろっと舐めれば、レイからは小さく喘ぎ声が漏れる。

 「ん…っ。」

 (あ…やっぱり甘い…)

 サーシャはうっとりとしながら、陰茎を舐めていく。陰茎に浮き出た血管を沿うように舐めれば、レイが熱い声を漏らし、震える。サーシャは恥ずかしさなど忘れて、夢中になって、隅から隅まで余すところなく、レイのそれを味わう。

 (レイ様もレイちゃんも…可愛い。
 もっと…気持ちよくしてあげたい…。)

 そう思ったサーシャはカプッと優しく陰茎を咥えた。

 先端を口に含みながら、口内で舌をクルクルと動かす。唾液を増して滑りをよくすると、もう少し奥まで咥え込み、舌で陰茎を扱いていく。

 (本には顔を振って、刺激を与えるのも良いって書いてあったわね…。)

 サーシャは顔を前後に振りながら、自らの口から陰茎を出したり、入れたりする。

 「あっ…はっ…サ、サーシャ…。」

 レイの尻尾は天を指し、左右に振れている。
 耳はサーシャの口から漏れるジュプジュプとレイの陰茎を口で扱く音を聞き漏らすまいとピンっと三角に立っている。

 (あぁ…甘くて美味しい…。

 レイ様は気持ち良いかしら…?)

 サーシャは舐めながら、レイの様子を伺うと、二人の目線はバチっと合った。

 (レイ様ったら、なんて気持ちよさそう…。)

 「はぁ…サーシャ…。あぁ…なんて淫靡な…。
 くっ…俺のを、サーシャが咥えてるなんて…っ!」

 サーシャは嬉しくなって、レイを見つめたまま激しく顔を動かした。レイの陰茎がより大きくなった気がした。

 「サーシャ…はっ、あ…サーシャ…っ。」

 次の瞬間、サーシャの口内にレイの白濁が吐き出された。

 「んん゛っ!!」

 サーシャはタイミング悪く喉奥で、白濁を受け止めてしまった。

 「グ…ゴホッ!ゴホッ!!」

 咽せるサーシャを見て、レイは慌ててしゃがみ、背中を摩る。

 「ご、ごめん!大丈夫?!」

 サーシャは喉奥で出された白濁を飲み込んでしまっていた。粘ついたそれは喉にへばりついているようで、息をする度に甘い匂いがサーシャの鼻腔を刺激する。サーシャはレイの精液によって、完全に発情していた。

 (はぁ…もう駄目…。お腹の奥がキュンキュンして…。
 …早く…早く弄りたい。)

 サーシャは「大丈夫です」と言って、フラフラと立ち上がると、レイから差し出されたタオルを口に当てた。

 「本当に?平気?」

 レイは本当に心配してくれているようだ。陰茎をしまうのも忘れて、サーシャを気遣う。なかなか滑稽な光景だとどこか冷静に思う。

 「すみません、今日はこれで失礼していいですか?」

 「あぁ、勿論。ごめんよ…無理させて。」

 「いえ。では、失礼します。」

 レイは力なくフラフラと世話役の部屋へ消えていくサーシャの後ろ姿を見つめていた。

 部屋に戻ったサーシャはすぐにベッドに横になると、スカートを捲り、自分の秘裂に手を伸ばした。そこはパンツの上からでも十分に分かるくらい、濡れていた。

 「…はぁ、レイ様。」

 渡り人をこんな対象として見てはいけないとサーシャの世話役としての使命感が警鐘を鳴らすが、もう我慢できなかった。

 パンツをずらして、秘裂をそっと撫でる。溢れ出た愛液をぷくっと主張する陰核に塗り付ければ、ビクビクっと身体が震えた。頭の隅で駄目だとは思うものの、快感には抗えず、指は止まらない。

 陰核への刺激を少しずつ強くしていく。

 「あっ…はっ…んぅ。…レイさまぁ…。」

 サーシャはレイの陰茎がぐっと押し当てられるのを想像して、陰核をぎゅっと押した。

 「あっ、レイさまぁあー!!」

 絶頂したサーシャは、気怠さに襲われ、そのまま力尽きるように寝てしまった。

 一方その頃、レイは呆然と内扉の前で立ち尽くしていた。

 サーシャに口で奉仕をさせ、挙げ句の果てに口の中で射精をしてしまったレイは、申し訳なさと後悔に苛まれていた。キスまでは良い感じだったのに、サーシャからの申し出だったとはいえ欲を出して、口で抜いてもらってしまった。しかも、サーシャの潤んだ瞳での上目遣いと、その小さな口でレイの陰茎を咥えているという光景に堪らなく興奮した。結果、耐えられなかった。

 サーシャを見送った後にやはり申し訳なくて、一言しっかりと謝っておこうとレイは思った。そして、サーシャの部屋とつながる内扉に手を掛けたところで、あり得ない音が聞こえた。

 しかし、人より耳の良いレイには確かに聞こえた。

 サーシャが喘ぎながら、レイの名前を呼ぶのを。
 扉にピンっと立った耳を押しつけ、レイは少しも聞き漏らすことのないように集中した。

 サーシャの声を聞いていると、もう一度陰茎が立ち上がってくる。サーシャがレイの名前を呼ぶ度に陰茎がビクビクと震えた。

 レイは我慢できず、もう一度陰茎を取り出して、自分で扱いた。そして、サーシャがレイの名前を叫んでイったとほぼ同時にイったのだった。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

ずっと好きだった獣人のあなたに別れを告げて

木佐木りの
恋愛
女性騎士イヴリンは、騎士団団長で黒豹の獣人アーサーに密かに想いを寄せてきた。しかし獣人には番という運命の相手がいることを知る彼女は想いを伝えることなく、自身の除隊と実家から届いた縁談の話をきっかけに、アーサーとの別れを決意する。 前半は回想多めです。恋愛っぽい話が出てくるのは後半の方です。よくある話&書きたいことだけ詰まっているので設定も話もゆるゆるです(-人-)

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~

tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。 番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。 ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。 そして安定のヤンデレさん☆ ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。 別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。

前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!

ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。 前世では犬の獣人だった私。 私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。 そんな時、とある出来事で命を落とした私。 彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。

騎士団寮のシングルマザー

古森きり
恋愛
夫と離婚し、実家へ帰る駅への道。 突然突っ込んできた車に死を覚悟した歩美。 しかし、目を覚ますとそこは森の中。 異世界に聖女として召喚された幼い娘、真美の為に、歩美の奮闘が今、始まる! ……と、意気込んだものの全く家事が出来ない歩美の明日はどっちだ!? ※ノベルアップ+様(読み直し改稿ナッシング先行公開)にも掲載しましたが、カクヨムさん(は改稿・完結済みです)、小説家になろうさん、アルファポリスさんは改稿したものを掲載しています。 ※割と鬱展開多いのでご注意ください。作者はあんまり鬱展開だと思ってませんけども。

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

波間柏
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

番から逃げる事にしました

みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。 前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。 彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。 ❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。 ❋独自設定有りです。 ❋他視点の話もあります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

処理中です...