親友に彼女を寝取られて死のうとしてたら、異世界の森に飛ばされました。~集団転移からはぐれたけど、最高のエルフ嫁が出来たので平気です~

くろの

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第4章

第62話 ダンジョン!!!

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 俺が転移した森、ラストダンジョンのあるエルフの国とメアを指名手配しやがったクソ野郎のいる魔族の国、そして女子たちを残して来たノルミナの街があるのはミッドストック大陸という世界の中心に位置する巨大な大陸だ。

 逃亡犯となった俺たちは行く街行く街で身を隠しながら進み、遂に隣の大陸まで逃げてきた。
 そこから更に紆余曲折を経て辿り着いたのがこの世界最大のダンジョン都市アルメリアというわけだ。
 
 逃亡中、俺たちはずっと勇者の本に言われた通りダンジョン攻略をしようと試みて来た。
 けれど、この世界のダンジョンというのはその殆どが気まぐれに生成されるいわばボーナスステージのようなもの。
 とはいえ放っておけばスタンピードが起きてしまう為、発見情報は全てギルドによって管理され、そこから適正な者が攻略し霧散させることになっている。
 
 が、今の俺たちは逃亡中の身。堂々とギルドで依頼を受けてダンジョン攻略なんていう目立ったことは出来ない。
 どうにか情報を集めたり、野良のダンジョンを探している内にどんどんと手配書が出回り、結果的に巨大ダンジョンとして名高いこのアルメリアの迷宮をクリアする以外に手がなくなってしまった、というわけである。

「た、ただいまぁ」

 朝日が昇り切った、朝食の時間ギリギリに石紅は宿屋へと戻ってきた。
 背中には身長と同じくらいのバックパックを背負っていて、パンパンに物が詰まっている。

「おまっ……今までずっと買い物してたのか!?」
「まあね、必要なものはすぐ見つかったんだけど、値段交渉に手間取っちゃって……でもおかげでほら」

 石紅が返して来た財布には、まだ半分ほど中身が残っていた。

「めちゃくちゃ値切って来たよ! いやぁ、粘るの大変だったんだから。最後は店主さんがもう寝かせてくれ……って半泣きになって私が勝った」
「それはもう値切りじゃなくて脅しだからな……」

 相変わらずこいつの交渉力はとんでもない。

「めぁっ……メイさんと奏ちゃんもおはよ。ちゃんと起きれて偉いねぇ」

 深夜テンションの石紅にうざ絡みされ、浅海はさっと俺の陰に隠れる。

「もう、なんで私はダメで葛西はおっけーなの?!」
「……未来ちゃん、目がガチだから怖いんだもん。その点葛西くんは安心するし……」

 明らかに怯えている浅海を追い回し、俺の身体を挟んでぐるぐると回り続ける二人。

「未来さん、早く頼まないと朝食終わっちゃいますよ?」
「げ、嘘!?」

 メア(バレない為に人前ではメイと名乗っている)に言われ、石紅がカウンターの方を見る。
 すると確かに、店主のおっさんが掃き掃除を始めていた。

「す、すみませーん! 私にご飯を、何でもいいのでご飯をおおおおおおっ!」

 涙目になった石紅の絶叫が、宿屋に併設された酒場に響き渡った。

 

***


 朝食を摂った俺たちはその足でダンジョンへと向かった。
 石紅に寝なくて平気なのかと聞いたが、本人が「超元気! むしろ初ダンジョンの感動を前に置いてったりしたらメアさんに丸一日口聞いてくれなくなるような話吹き込むから」と脅されたので同行させた。

 ダンジョンは本当に街の中心にあって、入場の為の結構長い列が出来ている。
 身分証の確認はないが、金を払わないと入れない仕組みなのだ。

「あの金って透明化で誤魔化せないかな……」
「……やめておいた方がいいですよ。多分、そういう輩を感知するマジック・アイテムが配置されていますから」

 俺の言葉に、メアが小さく注意を入れる。

 逃亡生活が始まってから、メアは外であまり喋らなくなった。
 見つかってしまうかもしれない、という意識が働いているのだろうか。
 この大陸に来てから指名手配されている街はなかったが、どうにもそんな様子のままだ。
 昨晩もたっぷり愛し合ったというか、めちゃくちゃ搾り取られたので夫婦仲については心配ないのだが、楽しい事には人一倍目を輝かせていたメアが見れないのは寂しい。

 やがて列は俺たちの番になり、金を払って入場する。
 因みに例の馬鹿多い荷物は石紅の造るゴーレムに運ばせている。
 戦闘中になったら荷物を下ろしてそのまま戦わせればいいし、常時魔力を喰う以外はかなり使い勝手がいい。
 その魔力だって、ここまでの旅で土魔法の馬車を多用しまくったからな。俺と石紅は特に魔力量が伸びている。

「おお……なんか、ダンジョン! って感じだな」

 人生初ダンジョンの感想は、だいぶ浅い感じになってしまった。
 だが実際それ以外に感想も出てこない、四方を囲む何故か発光している土壁に、ぞろぞろと歩いていく剣士や斧使い、そして魔導士。
 思い描いていたRPGのダンジョンそのものの景色が広がっている。

「おおおおおおお! ダンジョン、ダンジョンだ!」

 石紅の感想は俺と全く同じだった。
 傍から聞いていると相当アホな感じだな。もう言うのやめよ。

 浅海も声こそ上げていないが目を輝かせている。
 まあこいつ、冒険者とか盗賊ごっことか、異世界イベント大好きだったしな。

 メアはというと、やはり静かなままだった。

「よし、行こう」

 そうして俺たちはやや緊張気味にダンジョンの中を進み始めたのだった。
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