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第1章 隣国への逃亡
第18話 希望の光
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出版社の部屋の窓から、明るい光が差し込んでいた。
編集長の話を聞いていると、その日差しが希望の光に思えてくる。
神さまは今の私に、希望をお与えになられたの。
そんな思いが、胸いっぱいに広がっていた。
私は婚約者を自分から平然と奪った、あの女性の名を告げる。
「そうか、シャロンか!
この本にピッタリの名前だね。
本の中の令嬢たちは気位が高く、そして時に意地悪だ。
その名は悪女ぽい印象と、響きがする」
フフフッと、意地悪く笑って見せた。
そんな私を見て、彼は意外な一面を知り驚いたようだ。
大人しそうで生真面目そうに見えて、そんな表情とは無縁な目の前の女性に…。
編集長はわざわざ、いろんなことを詳しく調べてくれていた。
母の病気には、そんなにお金がかからないこと。
私の実家の経済状態を、悪いが調べてみたそうだ。
気にして謝る編集長に彼女は、その優しさと親切な人柄に自然と頭を下げて感謝していた。
「この原稿料は、君の報酬だ。
君のために使うことを勧めるよ。
今まで我慢して、出来なかったことをしてみてはどうか」
「よく考えてみます。
でも、編集長さん!
この本、売れるのかしら?
もし、損してしまったらなんだか悪いわ」
グレースは不安になり、しかめっ面を編集長に向けていた。
「君は本当に気にしすぎだよ。
これは売れるし、私の勘は当たる!
これで食べているからね。
君は大事な作家さんだよ。
私たちを食べさせてくれるのだから…」
「作家?私が?たった1つの話しか書いてなくても?」
あんな八つ当たりの動機で書いて、作家と呼ばれて良いのだろうか。
いきなり椅子から立ち上がり、大声で部屋中に聞こえるように怒鳴った。
「いいか!ここにいる者は、彼女のことは他言無用だ!
少しでも漏らしたら、この世界に私がいられなくするぞ!返事をしろー!」
脅す様な言葉のせいで、部屋の空気が重くなった。
皆が一斉に返事をした。
この人は、凄い人だわ!!
ここにいる全員から、信頼されているのが肌で感じる。
私も、彼を一緒に信じよう!
編集長が同年代の男性と、話して席に着く。
「我が出版社1番の添削担当者だ。
出来たら渡す、君が再考して納得したら文字の誤りがないかを確認して印刷し製本する」
「再考?私が考えてくれた文章を、また直してもいいのですか?!」
私より文章を知っている人に、ダメ出ししていいのかしら?
「これはあくまでも、君の作品だよ。
何度か打ち合わせをするが、場所は私の自宅にする。
万が一を考えて、代理人を通じて契約を結ぶ。
君にたどり着かないようにしないといけない!」
ずいぶんと用心深いと、その時はそう思った。
だが、後日それは大変な助けとなるのだった。
「そこまでするんですか?
随分と念入りですね」
「私の勘かなぁ。
マロー子爵には私との出会いは、君が休日に外出したら具合の悪い人を助けた。
まぁ、この私だ!しっこくお礼と言われて、つい母親の事を話してしまった。
で、こうなった!良い案だろう?!」
子供っぽく言われて、思わず首を縦に振ってしまった。
あれから、静かに穏やかな気持ちで日々を過ごしていた。
打ち合わせで彼の自宅に行くと、編集長の家族ともすっかり知り合いになっていく。
驚いたことに、彼はご家族にも嘘をついていた。
本人に聞いてみると、仕事を家庭に持ち込まないそうだ。
何かが違うと思うが、不思議とどこか納得してしまう。
そして、とうとう本が完成した。
私にも、作者用の本が届いた。
作家と出版社で一冊ずつ。
保管用の特別な本がー。
その他の本は、世に出て売れる事になる。
私の手元から離れた本は、誰にも予想がつかない事態となるのだった。
編集長は、私事はグレース。
作家としては、シャロンと私を呼んでいる。
「シャロン、本はものすごい勢いで売れているぞ。
私もかなり驚いているよ!
女性たちは、君の本に共感しているんだね」
編集長の喜ぶ、この笑顔が嬉しい。
まるで生み出した私が、子のような本を褒められているようであった。
母もあれから王都の病院へ入院したし、私も休みの度に会いに行っている。
会うたびに、顔色も良くなってきた。
父も弟も、母の病院へ見舞いに行く余裕ができたようだ。
あぁ、なんて幸せなの!
私は全てのしがらみから、解放された気持ちになっていた。
私はこのときは有頂天になっていたのだ。
その後の起きる出来事を、なにひとつ知らずにいた。
光から闇へ、変わるのをー。
編集長の話を聞いていると、その日差しが希望の光に思えてくる。
神さまは今の私に、希望をお与えになられたの。
そんな思いが、胸いっぱいに広がっていた。
私は婚約者を自分から平然と奪った、あの女性の名を告げる。
「そうか、シャロンか!
この本にピッタリの名前だね。
本の中の令嬢たちは気位が高く、そして時に意地悪だ。
その名は悪女ぽい印象と、響きがする」
フフフッと、意地悪く笑って見せた。
そんな私を見て、彼は意外な一面を知り驚いたようだ。
大人しそうで生真面目そうに見えて、そんな表情とは無縁な目の前の女性に…。
編集長はわざわざ、いろんなことを詳しく調べてくれていた。
母の病気には、そんなにお金がかからないこと。
私の実家の経済状態を、悪いが調べてみたそうだ。
気にして謝る編集長に彼女は、その優しさと親切な人柄に自然と頭を下げて感謝していた。
「この原稿料は、君の報酬だ。
君のために使うことを勧めるよ。
今まで我慢して、出来なかったことをしてみてはどうか」
「よく考えてみます。
でも、編集長さん!
この本、売れるのかしら?
もし、損してしまったらなんだか悪いわ」
グレースは不安になり、しかめっ面を編集長に向けていた。
「君は本当に気にしすぎだよ。
これは売れるし、私の勘は当たる!
これで食べているからね。
君は大事な作家さんだよ。
私たちを食べさせてくれるのだから…」
「作家?私が?たった1つの話しか書いてなくても?」
あんな八つ当たりの動機で書いて、作家と呼ばれて良いのだろうか。
いきなり椅子から立ち上がり、大声で部屋中に聞こえるように怒鳴った。
「いいか!ここにいる者は、彼女のことは他言無用だ!
少しでも漏らしたら、この世界に私がいられなくするぞ!返事をしろー!」
脅す様な言葉のせいで、部屋の空気が重くなった。
皆が一斉に返事をした。
この人は、凄い人だわ!!
ここにいる全員から、信頼されているのが肌で感じる。
私も、彼を一緒に信じよう!
編集長が同年代の男性と、話して席に着く。
「我が出版社1番の添削担当者だ。
出来たら渡す、君が再考して納得したら文字の誤りがないかを確認して印刷し製本する」
「再考?私が考えてくれた文章を、また直してもいいのですか?!」
私より文章を知っている人に、ダメ出ししていいのかしら?
「これはあくまでも、君の作品だよ。
何度か打ち合わせをするが、場所は私の自宅にする。
万が一を考えて、代理人を通じて契約を結ぶ。
君にたどり着かないようにしないといけない!」
ずいぶんと用心深いと、その時はそう思った。
だが、後日それは大変な助けとなるのだった。
「そこまでするんですか?
随分と念入りですね」
「私の勘かなぁ。
マロー子爵には私との出会いは、君が休日に外出したら具合の悪い人を助けた。
まぁ、この私だ!しっこくお礼と言われて、つい母親の事を話してしまった。
で、こうなった!良い案だろう?!」
子供っぽく言われて、思わず首を縦に振ってしまった。
あれから、静かに穏やかな気持ちで日々を過ごしていた。
打ち合わせで彼の自宅に行くと、編集長の家族ともすっかり知り合いになっていく。
驚いたことに、彼はご家族にも嘘をついていた。
本人に聞いてみると、仕事を家庭に持ち込まないそうだ。
何かが違うと思うが、不思議とどこか納得してしまう。
そして、とうとう本が完成した。
私にも、作者用の本が届いた。
作家と出版社で一冊ずつ。
保管用の特別な本がー。
その他の本は、世に出て売れる事になる。
私の手元から離れた本は、誰にも予想がつかない事態となるのだった。
編集長は、私事はグレース。
作家としては、シャロンと私を呼んでいる。
「シャロン、本はものすごい勢いで売れているぞ。
私もかなり驚いているよ!
女性たちは、君の本に共感しているんだね」
編集長の喜ぶ、この笑顔が嬉しい。
まるで生み出した私が、子のような本を褒められているようであった。
母もあれから王都の病院へ入院したし、私も休みの度に会いに行っている。
会うたびに、顔色も良くなってきた。
父も弟も、母の病院へ見舞いに行く余裕ができたようだ。
あぁ、なんて幸せなの!
私は全てのしがらみから、解放された気持ちになっていた。
私はこのときは有頂天になっていたのだ。
その後の起きる出来事を、なにひとつ知らずにいた。
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