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第1章 隣国への逃亡
第25話 領民の苦悩
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あの時二人は抱き合いながら神に感謝をし、お互いに生きていた喜びを話し合っていた。
「近くの者に、橋の事を知らせないと危険だな。
長年この仕事をしているが、橋が崩れたのは初めてだ。
グレースには、怖い思いをさせてしまったな」
私たちは1度馬車から降りて、落ちた橋の残骸の残りを見ていた。
エテルネルには、もう帰れないのではないか?!
グレースは橋が無くなってしまったことで、この先に不安を感じてしまう。
ゆっくりと馬車を走らせると、住宅が3軒くらいある場所に到着した。
馬車から降りて急ぎ足で向かうタイラー、家の者に橋の事を詳しく知らせているのをグレースは離れた場所で目で追う。
私も馬車から降りて、頑張ってくれた馬の顔を撫でていた。
「お前のお陰で命拾いしたわ。
大丈夫、怖かったよね?」
馬が一度ブルブルって首を振って、返事をくれたような素振りをする。
「グレース、待たせた。
もう少し行くと村があるから、ちょっと昼ご飯を我慢してくれよ。
悪いが俺は、一杯ワインを飲ませて貰うぜ!
いいかなぁ?!」
彼がおどけてそう話すと、グレースは堪らなくなり吹き出し笑って何度も頷いていた。
気づけばいつの間にか、タイラーはグレースと呼び名が変わっていた。
彼女自身も気づかなかったが、両者はふとした瞬間に互いに気づいた。
タイラーは直ぐに気づき謝っていたが、グレースはそう呼んでくれてとても嬉しかった。
故郷の父が呼び掛けてくれているような、そんな温かい気持ちになっていたからだ。
二人は命拾いし緊張したせいか、喉がカラカラで安心したのかお腹も空いていた。
「グレース、あそこで何か食おう。
少しゆっくりと、味わって食べようぜ?」
タイラーがグレースに、片目をつぶり誘ってくる。
彼の気さくな態度にまたまた思わず吹き出し、そんな彼女を見ては彼も向かい合い笑いだした。
死にかけたあとで生きているんだと、そんな実感が2人の胸の中で気持ちが残ってまだ忘れない。
食堂では、近くの領民たちがお昼を食べて話をしていた。
彼はそんな客たちに、橋か崩落した話を始めた。
「そりゃ、災難だった。
お嬢さんも、怖い思いをしたよな」
「やっぱり、あの橋はとうとう落ちたのか!
古くて危険だから、新しくしてくれと頼んでいたのによぉー」
「あの領主は駄目だ!
俺たち平民のことなど、まるで考えてない。
汗水垂らして働いても、全部あいつら宝石に変わるのさぁ~」
グレースは食事をしながら、領民たちの不平不満を聞いていた。
橋が危なかったのは、みんな知っていたの?!
何で、橋を新しく変えないのかしら?
エテルネルの自分の領地を思い出した。
貧しくても最低限の事はしていた、ここの領地はそれすらしていないなんて!
「お前さんの家とは、正反対だな。
だが大半はこんなもんだ!
俺たちの税金は、貴族の贅沢な暮らしに使われてしまう」
貴族である彼女の顔色を見てタイラーが話していると、もっと辛辣な話が聞こえてきた。
「家族が居なければ、他の領地に行けるんだが!
俺たちでは、どうすることもできん」
「前の領主さまは、立派なお方だった。
息子に代替わりしてこれだぜ」
「領主夫人と娘のせいだ!
前に見たが、宝石を沢山つけて着飾っていたぞ。
特に娘は、派手に着飾っているって噂だしな」
貴族とは何なんだろうか。
こんな話を聞いて、いつかは平民たちの怒りが爆発すると思ってしまった。
「私の行く場所も、同じなのでしょうか?!」
そうでなければいいなぁと、願いながら思いながら下を向き話す。
「あちらの領主は優しい方で有名だ。
グレースは運がいいぞ。
橋をちゃんと渡れたし、これからは良いことがあるに違いないぜ!
あんな話は気にすんな」
タイラーは周りを見てから、そっと最後の言葉は語尾を弱めて彼女に伝えた。
同じ貴族の悪口を聞き、心配になる気弱な令嬢を見つめる。
自分の娘の様な気になる、目の前でうつ向く彼女の幸せを祈るつもりで励ました。
グレースみたいな令嬢が領主夫人になれば、ここで文句を言ってる人も変わるのに…。
平民のタイラーは、くだらない考えをしてしまった。
王妃さまのご友人は、お優しい方なのね。
領民に慕われていて、本当に本当に良かった。
鞄を無自覚に触っていた。
この中には、王妃さまがわざわざ私のために書いてくださった侯爵夫人宛の手紙がある。
私のような下女でただの子爵令嬢なのに、こんなにも気遣ってくれたのだ。
目が潤みそうになった時に、タイラーから行くぞと声をかけられた。
「近くの者に、橋の事を知らせないと危険だな。
長年この仕事をしているが、橋が崩れたのは初めてだ。
グレースには、怖い思いをさせてしまったな」
私たちは1度馬車から降りて、落ちた橋の残骸の残りを見ていた。
エテルネルには、もう帰れないのではないか?!
グレースは橋が無くなってしまったことで、この先に不安を感じてしまう。
ゆっくりと馬車を走らせると、住宅が3軒くらいある場所に到着した。
馬車から降りて急ぎ足で向かうタイラー、家の者に橋の事を詳しく知らせているのをグレースは離れた場所で目で追う。
私も馬車から降りて、頑張ってくれた馬の顔を撫でていた。
「お前のお陰で命拾いしたわ。
大丈夫、怖かったよね?」
馬が一度ブルブルって首を振って、返事をくれたような素振りをする。
「グレース、待たせた。
もう少し行くと村があるから、ちょっと昼ご飯を我慢してくれよ。
悪いが俺は、一杯ワインを飲ませて貰うぜ!
いいかなぁ?!」
彼がおどけてそう話すと、グレースは堪らなくなり吹き出し笑って何度も頷いていた。
気づけばいつの間にか、タイラーはグレースと呼び名が変わっていた。
彼女自身も気づかなかったが、両者はふとした瞬間に互いに気づいた。
タイラーは直ぐに気づき謝っていたが、グレースはそう呼んでくれてとても嬉しかった。
故郷の父が呼び掛けてくれているような、そんな温かい気持ちになっていたからだ。
二人は命拾いし緊張したせいか、喉がカラカラで安心したのかお腹も空いていた。
「グレース、あそこで何か食おう。
少しゆっくりと、味わって食べようぜ?」
タイラーがグレースに、片目をつぶり誘ってくる。
彼の気さくな態度にまたまた思わず吹き出し、そんな彼女を見ては彼も向かい合い笑いだした。
死にかけたあとで生きているんだと、そんな実感が2人の胸の中で気持ちが残ってまだ忘れない。
食堂では、近くの領民たちがお昼を食べて話をしていた。
彼はそんな客たちに、橋か崩落した話を始めた。
「そりゃ、災難だった。
お嬢さんも、怖い思いをしたよな」
「やっぱり、あの橋はとうとう落ちたのか!
古くて危険だから、新しくしてくれと頼んでいたのによぉー」
「あの領主は駄目だ!
俺たち平民のことなど、まるで考えてない。
汗水垂らして働いても、全部あいつら宝石に変わるのさぁ~」
グレースは食事をしながら、領民たちの不平不満を聞いていた。
橋が危なかったのは、みんな知っていたの?!
何で、橋を新しく変えないのかしら?
エテルネルの自分の領地を思い出した。
貧しくても最低限の事はしていた、ここの領地はそれすらしていないなんて!
「お前さんの家とは、正反対だな。
だが大半はこんなもんだ!
俺たちの税金は、貴族の贅沢な暮らしに使われてしまう」
貴族である彼女の顔色を見てタイラーが話していると、もっと辛辣な話が聞こえてきた。
「家族が居なければ、他の領地に行けるんだが!
俺たちでは、どうすることもできん」
「前の領主さまは、立派なお方だった。
息子に代替わりしてこれだぜ」
「領主夫人と娘のせいだ!
前に見たが、宝石を沢山つけて着飾っていたぞ。
特に娘は、派手に着飾っているって噂だしな」
貴族とは何なんだろうか。
こんな話を聞いて、いつかは平民たちの怒りが爆発すると思ってしまった。
「私の行く場所も、同じなのでしょうか?!」
そうでなければいいなぁと、願いながら思いながら下を向き話す。
「あちらの領主は優しい方で有名だ。
グレースは運がいいぞ。
橋をちゃんと渡れたし、これからは良いことがあるに違いないぜ!
あんな話は気にすんな」
タイラーは周りを見てから、そっと最後の言葉は語尾を弱めて彼女に伝えた。
同じ貴族の悪口を聞き、心配になる気弱な令嬢を見つめる。
自分の娘の様な気になる、目の前でうつ向く彼女の幸せを祈るつもりで励ました。
グレースみたいな令嬢が領主夫人になれば、ここで文句を言ってる人も変わるのに…。
平民のタイラーは、くだらない考えをしてしまった。
王妃さまのご友人は、お優しい方なのね。
領民に慕われていて、本当に本当に良かった。
鞄を無自覚に触っていた。
この中には、王妃さまがわざわざ私のために書いてくださった侯爵夫人宛の手紙がある。
私のような下女でただの子爵令嬢なのに、こんなにも気遣ってくれたのだ。
目が潤みそうになった時に、タイラーから行くぞと声をかけられた。
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