【完結】魔がさし令嬢の国外逃亡は恋の予感

愚者 (フール)

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第2章  エーレンタール侯爵家 

第11話 侯爵家の裏事情

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 グレースが侯爵家に住むようになり、早くも10日目が過ぎようとしていた。
メイドの手伝いを勝手でて、3人で部屋の掃除で窓ガラスをいていると怒鳴どなり声がかすかに耳に聞こえてくる。

この侯爵家で、怒鳴る方なんていらっしゃったのかしら?
住み始めてそんなにってないが、いつも笑顔と笑い声が途切れない。
そんな、明るいお屋敷なのにー。

「またよ。
あれは、ベアトリスお嬢様の悪いくせが出たのね」

2人のメイドが、ベッドのシーツをがしながら話をし始めた。
気になるグレースは、返事をしてくれるか分からないが聞いてみる事にしてみる。

「すみません、うかがっても宜しいですか?!」

「えっ、何を?」

「ベアトリス様の悪い癖って、何ですか?
とても、いいお嬢様に見えますので気になるのです」

確かに侯爵令嬢だから、少しは我儘わがままかも知れない。
でも、優しい心を持っているとグレースは感じていた。

「そうか、グレース嬢はずっとこの屋敷には居ないんだったわよね。
なら、教えてもいいか!」

もう1人がそう話すと、仕事しながら聞いてねと言う。

「これは独り言よ。
だから、たまたま聞いた事にしてね。
お嬢様はお勉強が苦手なの。
容姿は綺麗で、社交とか刺繍ししゅうとかは良くお出来になるけど」

「そうなのよね。
勉強はダメみたいで、家庭教師を何人もつけてもらってるけど成績が一向いっこうに上がらないのよ」

初めて聞いた侯爵家の裏事情に、グレースは聞かなかった方が良かったかもと思いながら外を向いて窓をみがく。

「あの~、まさか嫡男ちゃくなんのカルロス様もですか?
確か、まだ学生さんでしたよね?」

彼女はまたしても、なんとなくと疑問を投げかけた。

「カルロス様は優秀よ。
ベアトリス様は女性だし、そんなに出来なくても問題ないじゃない」

「出来ないのも限度があるでしょう?
婚約者様は、公爵のご嫡男ちゃくなんよ。
旦那様も奥様も、あれには頭を痛めてると思うわ」

下っぱのメイドたちが、タメ息が出るくらいの問題なのね。
出来ないって、どれくらいの順位なのかしら?

グレースは、エテルネルでは首席入学で首席で卒業している。
身分が高くて実家に余裕があれば、彼女の人生は変わっていたと学園の先生方はひそかになげいていた。

「旦那様が、ベアトリス様をしかっているんだわ。
怒鳴る出来事は、それしか検討けんとうつかないわよ」

「またまたまた、家庭教師が代わるのかしら?
これで何人目になるの?!
国中の家庭教師をお呼びするのかもね。クスクス」

そんなに、家庭教師をコロコロ代えてますの?!

「一年間で、何人くらいなんですか?!
いくらなんでも代えすぎでは、これではお互いに信頼関係が築きませんわ」

「信頼どころか、不信ふしんでお互いにギスギスしてるわ。
あれじゃあ、上げるどころか。
下がる一方よ!」

えーっ、家庭教師を雇っても改善しないで悪くなっているって八方塞はっぽうふさがりではないの!

「質問の答えね、うーん確か…。
私は10人までは、顔だけ覚えているわ」

「違うわよ!
もっと多いはずよ!
10歳から雇って、今は15歳。最近は1ヶ月も持たないこともあるから、もっとでしょう」

10人以上って、それは異常ではない。
国中の家庭教師って話は、盛った話ではなかったのね!

「でも、どうして…?
たくさん家庭教師がいて、誰一人満足な方が現れないのでしょうか?」

疑問だらけの彼女は、窓の外の空を見上げて拭きながら話す。

「お嬢様の性格じゃない?!
出来ないとふてれるとか」

「私たちは主人様とは、滅多めったにお顔を会わせないしから想像だけだけどね。
それしか、頭に浮かばないわ」

グレースも話を聞いていて、それしか浮かばない答えであった。

ベアトリス様は、今はどうされているのかしら?
父君である、侯爵様に怒鳴られて泣いているの?

なぐさめてあげたいが、そっとしておいた方がいいかも知れないと彼女は考えていた。

そんな彼女を探す人がいた。

メイド長は泣いているお嬢様のお心をしずめるために、グレースにお茶を頼もうとしていた。

あのお茶を飲めば、きっと泣き止み機嫌がよくなる。
そして、元気になるはずだわ。
広い屋敷の中をメイドたちに聞きながら、彼女を探すメリッサであった。




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