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第2章 王都の生活
第3話 セパヌイールと領民への想い
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独りになると、昨日の父とのやり取りを領地の祖父母に手紙に書く。
父は話さえ聞いてやれば、私が満足すると思っているように感じる。
そう考えていたら、未来のクラレンス公爵家が頭に浮かんだ。
祖父は私を領主に、父は兄だ。
まだ先のことなので、自分のしたい事をするつもりでいる。
大人の考えには、振り回されたくないのが私の本音だ。
祖母には部屋の家具購入のために商会への橋渡しをお願いし、王都に出店した店の様子を見に行く訪問日時の予定を頼んだ。
クラレンス領地の様子を書き出していた。
そうしていたら、ふと王都に出店した想いを思い出していた。
「セパヌイール」の意味は、努力してきたものが開花する言葉。
3歳で領地に行って間もなく、祖父は領地を案内してくれたわ。
領民の代表たちにも、会わせてくれて挨拶ができた。
どんな作物を領地で作っているか、どんな暮らしをしているかをー。
服もドレスではなく、飾りのない汚れてもいいような服にエプロンを上から被り着ていた。
ポケットがついていて、ハンカチを入れられ便利だったわ。
私はその服を気に入って領地では、豪華なドレスは着ていなかった。
祖母の礼儀作法と食事の時は、着替えてドレスにしていたけどね。
うまく使い分けをしてた。
領地の子供たちとはかくれんぼや木登りをしていて、王都では経験したことがないことばかりで夢中になったわぁ。
いつも1人で、本を読むしかなかった昔の私。
その私に友達ができ、会って話をするのが嬉しくてしかたなかった。
もう王都にいた時のように、独りぼっちに戻りたくないと心から思ったのよ。
平民の友人の家に、初めて遊びにお邪魔した時は驚いたわ。
あまりにも小さく、そして寒かったの。
理由はわかった、薪を節約しているからだ。
家族の集まる夜に使う。
昼は動けば寒くないから。
お茶も、ただのお湯に近かった。
自分の家とお茶を比べる。
これが身分差なのかとー。この人たちは普通で、私たちが恵まれた少数派。
帰って屋敷で食事をしていると、何故か思い出し暗い気持ちになってしまった。
祖父母は、そんな私の態度が可怪しいのに気づいて問いかける。
今日感じた思いを、2人に語った。
「そうか、身分差は儂らの代では変えられんじゃろう。
だが、少しずつ差を縮める手助けは出来る」
祖父は公爵家の領地に、無料で字の読み書きや計算を教えられる学校までとは言えないがそのような場所を作っていた。
「素晴らしいですわ!
文字や計算が出来れば、不当な扱いをされなくなります」
たまに計算が出来ないのをいいことに、商品を高く売り付けると友達のお父様が仰っていたわ。
そうだわ、領民たちに他に収入になる仕事はないかしら?
冬の間は外に出ないで、暇と話していたわ。
その間に何か作って、それを売ってお金にすれば…。
「お祖父様!
領民に何か作ってもらって、王都で売ったり出来ないかしら?!
少しでも、稼ぎを増やす手助けをしたいと思います」
なるほど、冬は閑散期だ。
儂らが王都で店を出して、売りさばけば良いではないか!
「プリムや、よい考えだ!
何が良いかのう?!」
考え込んでいた祖母ヴィクトリアは、思い付いたかのように話し出した。
「刺繍やレース編みでは、どうでしょう?
プリムも習う頃だし。
領地の夫人たちに教えて、作って頂きましょう!」
ぱぁーと、3人の表情が明るくなった。
「そうしましょう!
生地とか備品は、我が家で負担してもいいですか?
手間賃を払えば、少しは家計の足しになりますわ!」
話が決まったので、3人は王都での出店の準備を始めることにした。
領地では祖父から、領地経営や剣術、乗馬。
祖母からは、礼儀や刺繍は領地の平民の夫人たちと楽しく学んだ。
友人になったリンドール伯爵にプリムローズは手紙を送った。
毎日、運動して食べる量が増え背も伸びたこと。
今は祖父母と王都で出店を目指して、商品を集めていることなどを書いた。
祖父は王宮で伯爵にお会しているので、王都に戻ると挨拶することがあるそうだ。
祖父母も、リンドール伯爵夫妻の人柄を好ましく感じていた。
それになんといっても、王都で私つきのメイドのケイトがニコライ・ラッセル先生と婚約したのよ。
これには本当に驚いたわよ。
ケイトが平民街で迷った貴族夫人を助けたのがきっかけになり、お見合いみたいな紹介であった。
2人とも、紹介して会った瞬間に大爆笑をしたみたい!
私もその場を見たかったわぁ!
偶然とはいえ、これも縁ですわねと両家は笑いあったそうよ!
何か特別な縁を感じて、リンドール伯爵家との共同出資で事業する話が進んでいく。
私の体調が戻り王都へと帰る準備していたら、王都で流行り病が発生し延期になってしまった。
あっという間に5年が経過して、本当に帰って来なさいと父から催促がきたわ。
王子様のお茶会とは、まさか思わなかったですがねぇ?!
領地の生活の方が気楽で楽しかったから、セパヌイール以外は全く興味ないわよ。
帰る1年前に、長い準備期間を終えてからセパヌイールを出店した。
王都では、今では注目され人気が1番の店。
小物、美容用製油、お菓子、茶葉は王都1の品揃えを誇る。
祖母の祖国、大国アルゴラからの協力のお陰である。
私もアルゴラは何度も訪れているが、いつも大歓迎で良い思いしかしなかった。
あぁ、思い出した。
領地の夫人たちの小物を、送って下さるように依頼しなくてはいけない。
メイドの噂だとかなり売れているようだし、在庫が心配だわ。
私も一緒に、ハンカチの刺繍やレース編みで稼いでますのよ。
実は、それを元手に投資してますの。
こちらの家族には秘密ですが、かなり財産がありましてよ!
平民の料理は、友達の家のお手伝いで簡単なものは出来ますわ。
本当にこんな家で過ごさなくても、構いません。
早く大人になり、自立したいと願うプリムローズだった。
父は話さえ聞いてやれば、私が満足すると思っているように感じる。
そう考えていたら、未来のクラレンス公爵家が頭に浮かんだ。
祖父は私を領主に、父は兄だ。
まだ先のことなので、自分のしたい事をするつもりでいる。
大人の考えには、振り回されたくないのが私の本音だ。
祖母には部屋の家具購入のために商会への橋渡しをお願いし、王都に出店した店の様子を見に行く訪問日時の予定を頼んだ。
クラレンス領地の様子を書き出していた。
そうしていたら、ふと王都に出店した想いを思い出していた。
「セパヌイール」の意味は、努力してきたものが開花する言葉。
3歳で領地に行って間もなく、祖父は領地を案内してくれたわ。
領民の代表たちにも、会わせてくれて挨拶ができた。
どんな作物を領地で作っているか、どんな暮らしをしているかをー。
服もドレスではなく、飾りのない汚れてもいいような服にエプロンを上から被り着ていた。
ポケットがついていて、ハンカチを入れられ便利だったわ。
私はその服を気に入って領地では、豪華なドレスは着ていなかった。
祖母の礼儀作法と食事の時は、着替えてドレスにしていたけどね。
うまく使い分けをしてた。
領地の子供たちとはかくれんぼや木登りをしていて、王都では経験したことがないことばかりで夢中になったわぁ。
いつも1人で、本を読むしかなかった昔の私。
その私に友達ができ、会って話をするのが嬉しくてしかたなかった。
もう王都にいた時のように、独りぼっちに戻りたくないと心から思ったのよ。
平民の友人の家に、初めて遊びにお邪魔した時は驚いたわ。
あまりにも小さく、そして寒かったの。
理由はわかった、薪を節約しているからだ。
家族の集まる夜に使う。
昼は動けば寒くないから。
お茶も、ただのお湯に近かった。
自分の家とお茶を比べる。
これが身分差なのかとー。この人たちは普通で、私たちが恵まれた少数派。
帰って屋敷で食事をしていると、何故か思い出し暗い気持ちになってしまった。
祖父母は、そんな私の態度が可怪しいのに気づいて問いかける。
今日感じた思いを、2人に語った。
「そうか、身分差は儂らの代では変えられんじゃろう。
だが、少しずつ差を縮める手助けは出来る」
祖父は公爵家の領地に、無料で字の読み書きや計算を教えられる学校までとは言えないがそのような場所を作っていた。
「素晴らしいですわ!
文字や計算が出来れば、不当な扱いをされなくなります」
たまに計算が出来ないのをいいことに、商品を高く売り付けると友達のお父様が仰っていたわ。
そうだわ、領民たちに他に収入になる仕事はないかしら?
冬の間は外に出ないで、暇と話していたわ。
その間に何か作って、それを売ってお金にすれば…。
「お祖父様!
領民に何か作ってもらって、王都で売ったり出来ないかしら?!
少しでも、稼ぎを増やす手助けをしたいと思います」
なるほど、冬は閑散期だ。
儂らが王都で店を出して、売りさばけば良いではないか!
「プリムや、よい考えだ!
何が良いかのう?!」
考え込んでいた祖母ヴィクトリアは、思い付いたかのように話し出した。
「刺繍やレース編みでは、どうでしょう?
プリムも習う頃だし。
領地の夫人たちに教えて、作って頂きましょう!」
ぱぁーと、3人の表情が明るくなった。
「そうしましょう!
生地とか備品は、我が家で負担してもいいですか?
手間賃を払えば、少しは家計の足しになりますわ!」
話が決まったので、3人は王都での出店の準備を始めることにした。
領地では祖父から、領地経営や剣術、乗馬。
祖母からは、礼儀や刺繍は領地の平民の夫人たちと楽しく学んだ。
友人になったリンドール伯爵にプリムローズは手紙を送った。
毎日、運動して食べる量が増え背も伸びたこと。
今は祖父母と王都で出店を目指して、商品を集めていることなどを書いた。
祖父は王宮で伯爵にお会しているので、王都に戻ると挨拶することがあるそうだ。
祖父母も、リンドール伯爵夫妻の人柄を好ましく感じていた。
それになんといっても、王都で私つきのメイドのケイトがニコライ・ラッセル先生と婚約したのよ。
これには本当に驚いたわよ。
ケイトが平民街で迷った貴族夫人を助けたのがきっかけになり、お見合いみたいな紹介であった。
2人とも、紹介して会った瞬間に大爆笑をしたみたい!
私もその場を見たかったわぁ!
偶然とはいえ、これも縁ですわねと両家は笑いあったそうよ!
何か特別な縁を感じて、リンドール伯爵家との共同出資で事業する話が進んでいく。
私の体調が戻り王都へと帰る準備していたら、王都で流行り病が発生し延期になってしまった。
あっという間に5年が経過して、本当に帰って来なさいと父から催促がきたわ。
王子様のお茶会とは、まさか思わなかったですがねぇ?!
領地の生活の方が気楽で楽しかったから、セパヌイール以外は全く興味ないわよ。
帰る1年前に、長い準備期間を終えてからセパヌイールを出店した。
王都では、今では注目され人気が1番の店。
小物、美容用製油、お菓子、茶葉は王都1の品揃えを誇る。
祖母の祖国、大国アルゴラからの協力のお陰である。
私もアルゴラは何度も訪れているが、いつも大歓迎で良い思いしかしなかった。
あぁ、思い出した。
領地の夫人たちの小物を、送って下さるように依頼しなくてはいけない。
メイドの噂だとかなり売れているようだし、在庫が心配だわ。
私も一緒に、ハンカチの刺繍やレース編みで稼いでますのよ。
実は、それを元手に投資してますの。
こちらの家族には秘密ですが、かなり財産がありましてよ!
平民の料理は、友達の家のお手伝いで簡単なものは出来ますわ。
本当にこんな家で過ごさなくても、構いません。
早く大人になり、自立したいと願うプリムローズだった。
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