【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます!幼女篇

愚者 (フール)

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第2章  王都の生活

第2話 両親との衝突

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  部屋に戻り専属メイドのメリーに、夕食の件を詳しく教える。
あった内容に目を輝かせ聞き終えたら、お嬢様は素敵ですわぁと叫んでいるメリー。
少しやかましいが、許すことにした。

5年前はまだ3歳で、どうして独りで寂しい環境だったのか理解できなかったわ。
あの時は、なにも出来ずにいたが今は違うわよ!
知識としたたかさを、祖父母から学んでいる。
それをいよいよ、実行じっこうに移す時がきた。

 精神的に疲れた朝食をしたのでお茶をして休んでいたら、誰かが部屋に来たようだ。
 
父と執事長しつじちょうトーマスが、ノックして私の部屋に入って中をジロジロ見ている様子。

「うっ、この色は酷い。
確かに、これでは休めないな」

父は独り言のように言い、執事長しつじちょうトーマスに何やら話しかける。

「お父様!こちらもご覧下さい。
こちらは私のドレスで、残りは入っていた服です」

色別とたけの長さで区別がハッキリとつけられている。
父と執事長トーマスは、クローゼットのドレスに目をやる。 
それから、どうやら机や椅子も見ている。

「では、夕食でお前が話していた事を聞こうではないか!」

「私はすでに、隣国とその他で5カ国語と中等部は終了してますの。
高等部も1年くらいなら習っていますので、高等部を教えられる家庭教師を雇って下さいませ」

あやしむ厳しい表情をしたので、試験して確認するように求めた。
学園に入ったら飛び級を望み、お店の経営の許可も続けてしてみる。

婚約や結婚も家の犠牲は嫌な事、それを書面にしてサインを書いて欲しいむねを伝えた。

父は第1王子との婚約をそれとなくすすめるが、私もそれは嫌だと引かなかった。

「お父様がその考えなら、すぐに領地に戻ります!
私は頭の中がクリームを詰め込んだ、甘々あまあまな女性にはなりたくありません。
言いなりで、婚姻はいたしませんわ」

キッパリと父に断然だんげんすると、部屋の中は険悪けんあくな空気が広まった。

メリーとトーマスは、ハラハラしながら二人を見ていた。

「だがなぁ、プリムローズ。
王妃は、国の母と呼ばれる。
国の最高の女性になれるかもしれないんだぞぉ?!
第1王子は将来有望なお方だし、1度お茶会でお会してから考えればよいではないかぁー!!」

結局は、父に押しきられてしまう形となってしまう。

「今回は仕方しかたありません。
お茶会には出席しますが、それだけです。
絶対に、期待しないで下さいませ」

父と娘の激しい戦いは、まずは引き分けに終わった。

5年振りとはいえ本当の親子なのかと、メイドのメリーと侍従長トーマスは側でやり取りを見て頭の痛い思いをしたのである。

プリムローズは父と書面を交わして、原本を領地の祖父母に送る手配をした。
領地から戻ってからの長い1日が、やっと終わりを迎えた。

 
  翌朝の食事中に、母が私に話しかけてきた。
父と兄はなんだという顔をして、私と母の話を聞いている。

「プリムローズ!
王都で評判の店セパヌイール、貴女のお店のことでお願いがあるの 。
そこの苺とマーマレードのジャムを、5個ずつ欲しいのだけどいいでしょう?!」 

当然という感じで、娘に上から目線で頼んできたのだった。
 
「無理ですわ。
そちらは人気商品で、毎日限定30個ずつです。
それに購入は、1人に付き1個ですわ。
誰か使って、並んで買って下さい」

パンを一口サイズにしながら、私は母に答えた。

「この母の言うことがきけないの?!
貴女は経営者でなんでしょう?!
融通ゆうずうをつけなさい」

朝っぱらから娘に命令する女主人を、給仕きゅうじする者たちは冷ややかに見つめる。

おどしても駄目です。
経営者だからこそ、規律を重んじ大事にしてます。
下にしめしがつきません。
たとえ、母とて無理です!!」

「いいわ、もう頼みません!
リリアンヌ、この娘は母や姉より客が大事にだそうよ!」

母ソフィアは不満を表しながら、姉リリアンヌに顔を向けて口調を強くした。

「朝から、いい加減にしろ!
プリムローズは、当たり前のことを言っている。
お前たちは、小さな子に思いやりがないのか?!」

父の怒声が、食堂の隅々すみずみに突き刺さる。

へぇー、なかなか言うじゃないの。
ちょっとは、昔よりマシになったわね。
プリムローズは、父の話を冷静に考察こうさつしていた。

不穏ふおんな空気の中、ただ普通に静かに食事をしたいと願うのてある。

帰ってから、毎日必ず家族と衝突しょうとつする。

プリムローズは、領地へ戻りたいと思いがつのるのだった。



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