【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます!幼女篇

愚者 (フール)

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第3章  学園生活

第6話 お兄様のボヤキ

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 すっかり仲良くなった彼女たちと食堂に行くと、何故か特等席に誰も座らない。
そこにちょこんと、プリムローズがいる。
いつの間にか、この席は私たちの専用になったみたいだわ。

「フローラ様、私って怖いのかしら?
皆さま、私が歩くと横に綺麗にけますのよ。
やはり、あの初日が不味まずかったのかしらね。
あれでも、かなり手加減てかげんしていたのよ」

その言葉に、3人は無言になった。

あの事件で倒れた3人は、プリムローズと知り合いになったことに後悔していた。

しかし、噂を聞くと幼い頃に家族に虐待ぎゃくたいされている。
祖父母はかなり凄い方々だし、特殊なんだと3人は話し合った。

幼い妹だと思って接しようと、3人の中で誓いあったのだった。
昼休み時間、プリムローズたちは会話しながらお茶を楽しんでいた。
 
 
    この時間帯に高等部の兄ブライアンが、また無理を押し通し担任に特別許可をもらってやって来た。

そして、妹に会いに中等部の食堂に入ってくる。
腐っても筆頭ひっとう公爵の長男なので、皆は黙って見ないふりをしていた。
それに、あのプリムローズの兄である。 
恐ろしくて、誰も何も言えるわけがない!

「プリムローズ、明日行ってしまうのかい。
仲良くなれたのに、私を忘れないでおくれ~」

勝手に許可なく妹プリムローズの手を握る、兄ブライアン。
何故かその態度に、気味悪さを感じる周りの人たち。

初日を思い出すような発言に、テーブルにいる少女たちは耳を静かに傾けていた。

「あの~、話し中に失礼します。
プリムローズ様は、何処どこかに行かれるのですか?!」

黒髪のマリーは、つい我慢できずに質問してしまった。

「あれ?!話しておりませんでしたかしら?
祖父母と私は、両親と姉とこちらの兄とは別居していますのよ。
祖父いわく、気が合わないそうなんです。
お兄様だけなら、いつでも歓迎します。
あの人たちといると、大変でしょう?!」

話題の提供ていきょうの多さと軽さに、聞いていた周り者は聞き耳をたて始めた。

「父上は最近、家に帰って来るのが遅いんだ。
家族がバラバラになりそうで、私は不安なんだよぉ!
プリムローズ、どうしても行かないとダメか?!」

家族内の話題を話すので、友達3人はこの場に留まって良いかを考える。
目線で会話した結果、好奇心が勝ってしまう。

「まぁ、お父様がー!
仕事人間だと思ってましたが、もしかしたら…。
母以外に、女性でもいるんじゃなくて?! 
お兄様、父の女性関係を調査したらどう?!」

浮気疑惑をサラーっと言う、末娘。

「姉も最近は、感情の起伏きふくが激しくてね。
どう接すればいいのか、困っているんだよ!」

「くすっ、感情は元々ですわ!
それより、もう少し勉学に励んだ方が宜しいわよ。
上の学年にいけるのかしら?!お兄様、お勉強を教えてあげなさいな」

「この前の試験の結果が悪くて、父上が怒鳴っていたよ」

3人は黙って聞いていたが、姉リリアンヌ様の学園内の悪い噂は知っていた。

「あの方は、中等部からやり直した方が宜しいわ。
とても私たちと同じ血が、流れてるとは思えないわよ!」

姉を鼻で笑い馬鹿にする、妹。

周りは筆頭である公爵家は、大丈夫かと思って聞いていた。

「母上も、最近何だか外国語を習い始めたよ。
だが上手く上達しないから、物にあたっているんだ。 
プリムは、ネイティブだろ?!お願いだ、母に教えてくれないかぁ?」

「お兄様は、本気で仰っているの。
あの歳で3ヵ国語も、まともに出来ない頭では無理よ。
大体、お茶会やパーティーしか興味ない方です。
頭の中が、とっても綺麗なお花畑なのでしょう?
息子として母に、諦めなさいとキチンと言ってあげなさい!」

実母をダメ出しした、娘。

少女たちも下を向いて、笑うのをこらえていた。
辛口のプリムローズは、容赦ようしゃなかった。

「お兄様、そう言えば?!
お姉様の婚約者は決まりましたか?
この前、かなり食事中にめていましたわよね?!」

「それが、全然相手がいないんだ。
顔は、そう悪くないんだけど。問題は、あの性格なんだ!
このままだと、隣国まで探しに行かなくてはならないね?!」

プリムローズが大きくため息をつき、そして笑いだした。

「オーホホホッ!
お兄様、笑わせないでくれまし!
お姉様は隣国の言葉を、片言しか話せませんのよ。
もう、この国では事故物件扱いではなくて?!」

「……、事故物件って?
それって、余程得しないと嫁げないって意味かい?!」

「あらあら、よく分かっているじゃない。
駄目ならキッパリ諦めて、修道院にでも入れたらいかがぁ?
あちらも、来られてはご迷惑でしょうけどね!」

兄は、妹の話に無言になってしまった。

「色々聞いてくれて有り難う。君がいるから、我が家の未来はまだ明るそうだ。
私たちで、将来は家をますます栄えさせよう」

「あぁ、そうですわね」と、兄の話に興味なくチョコレートを口にポイッと入れた。

「君の方が、我が家を栄えさせるんではと思っている。
私は、君の補佐が向いている気がするんだ」

兄ブライアンは、自信にかける男であった。

少女たちは思う、二人を足して割れば上手くいくのに残念で仕方ない。 

家督かとくはまだ先の事ですし、何か困ったら来てくださいな。
こうして、学園でいつでも会えますしね。
辛くなったら、邪魔物は私が消して差し上げますわよ」

プリムローズの危険な発言に、兄はビビりまくる。

「え~っ?!!
それってどういう意味?
可愛い妹よー?!」

「ご自分で、よくよく考えてね。
色々方法はいくらでもありましてよぉー」

鋭い目付きでと笑うプリムローズに、3年A組のクラスメートたちはあの日を思い出して顔色を悪くした。

そして明日学園の休みにプリムローズと祖父母3人は、大勢の使用人たちを引き連れて屋敷を去って行った。
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