【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます!幼女篇

愚者 (フール)

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第3章  学園生活

第7話 赤毛との別れ

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 あれから引っ越して、新店舗の準備を同時に行った結果。
意外に早くすべて整った。 

3階は私たちの居住スペース、1階と2階はお店に使われる。

メイドたちは屋敷に住めないので、近くの家を各々借りる事になった。

近くに少し小さめの屋敷が欲しいと、祖父母が考えてるようで物件を探しまくっていた。

ちょうど運良く5軒先に、伯爵の屋敷の売出し物件を見つけた。
今は住んでいて中は見られないが、祖父母が知り合いに聞いたらいい物件らしい。

祖父母はメイドたちと侍従たちと、離れるのが不便で面倒だと買う気満々だ。

将来は価値が上がりそうな土地で、投資になるみたい。

祖父母はニヤニヤした顔で、嬉しそうに話している。

「急ですわね?
何か家で、問題でもおありかしら?」

「どうも嫡男ちゃくなんが身分の上のご令嬢と問題があり、伯爵の王都の事業に影響が出たらしい。
もともと、領地経営は良いらしいから出直すらしいぞ。
よくある普通の話じゃあな」

祖父は、あごを手に当てながら教えてくれた。

「まぁまぁ!お幾つなのか知りませんが、やんちゃが過ぎましたことですこと!ホーホホッ」

祖母もあきれた顔で、得意の高笑いをしながら話に入ってきた。

「また、引っ越しですの?!
落ち着きませんわね。
お二人のお体が、私は心配でしてよ?
体調は如何いかがですか?!」

「おおっ、優しい孫娘じゃ!
無理はしないので、安心いたせ」

家の話は、ここで一先ずは終わっていた。

しかし、この家はいわく付きの物件になる。
プリムローズもこの時は、まだ思いもよらなかった。

 新店舗オープン前のお茶会の準備が進み、名前が2人の前公爵からプリムローズに伝えられた。

「カリス」と、名付けられた。

美と優雅をつかさどる女神たちの意味。

これには、夫人たちもプリムローズもウットリする。
貴族の夫人たちがお茶をするのに、相応ふさわしいと喜びましたわ。

 
 翌日機嫌よく学園に行き教室に入ると、何やら様子がおかしいですね?!

赤毛と黒毛のまわりに男子生徒たちが集まっていて、哀愁あいしゅうが漂っていますこと。

「おはようございます。プリムローズ様!」

リザが近寄り、プリムローズに挨拶をしてくる。

「ええ、おはよう!
いつも可愛い髪型ね、リザ様?あれは、なんの集まりかしら?曇り空のように、どんよりとした空気ですわね?!」

「どうも赤毛が領地に、一家で引っ越するみたいですの」

「えっ!王都から、学園から消えるってこと?!
あらまぁ、急ねぇ~!
何故なのかしら?」

プリムローズは本当にわからないのか、不思議そうに眉をひそめている。

クラスメートたちは、まさに心が1つになった瞬間であった。

貴女さまのせいですわ!
お前のせいだよ!

「では、私も別れをしまないとね?!
ホントに残念だわぁ!」

空気が読めないし、読まない彼女である。

「赤毛ー!そなた、王都から離れると伺いました。
色々ありましたが、そなたの私に対する。
その暴挙や気概きがいは、勝算にあたいする。
お見事です、達者たっしゃで過ごすのですよ!」

色々と突っ込みどころが多い別れの挨拶を、静かに聞くクラスメートたち。

「俺も!貴女さまから、身分の上下を肌で感じ勉強しました。絶対に一生忘れません!!」

プリムローズに深く頭を下げる赤毛の姿に、皆は複雑な気分になった。

「遠く離れても、僕たちの友情は続くよ!
手紙を書くからなぁ~!」

黒毛は、悲しげに赤毛に話しかける。

「うん、有り難う!
家も売って無いけど、俺の領地に遊びに来てくれよ!」

赤毛は、親友の黒毛の肩を優しく叩く。

まさに、美しい友情!
クラスメイトたちは、二人を尊い者も見る目つきで眺めていた。

はい?!家を売る?!

プリムローズは、祖父母の買った家を思い出す。
確か、え~っと!
嫡男が身分の高い令嬢って、赤毛と私のことに似ているわね。

まさかなのかしら? 

プリムローズの何気ない質問から、教室内に騒ぎにもたらすのである。
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