65 / 91
第4章 王家の陰り
第1話 大会後の余波
しおりを挟む
剣大会の疲れもあってぐっすりと寝てしまったプリムローズは、メリーに起こされてビックリしてしまった。
慌てて朝、食堂で祖父母に挨拶をした。
「お祖父様、お祖母様。
おはようございます。
昨日は、あれから寝てしまいました。
夕食を共に出来ませんで、申し訳ありません」
2人に頭を下げる、プリムローズ。
「良いのじゃ。
あれだけ活躍すれば、疲れるわい。
なぁ、お前!」
「そうですよ、プリムローズ。
剣大会、優勝おめでとう。
ジェイクの件は、スローン伯爵と話がついているわよ」
祖父母は、大会前から私の勝利を確信してくれていたのね。
「ありがとうございます。
しかし、成績が学年15番以内とは…。
そこまで考えておらず、詰めが甘かったですわ」
「それは、仕方あるまい。
世の中そんなに、上手くいかんじゃろ。
皆で協力すれば、大丈夫だ」
やはりお祖父様だわ。
すべてがお見通しなのね。
「それより、私はかなり大会でやらかしましたわ。
今日あたり、誰かが来るんではないかと心配ですことよ」
「剣大会の話はプリムが寝てから、友人が教えに来てくれたわ。
いいんじゃない?!
特に王族には、いいお灸になったはずよ。ホホホ」
祖母は扇で、口を隠しながら笑った。
「あの愚息がもし来たら、返り討ちにしてやるわい。
プリム、気にするんでないぞ」
祖父は腕を組んで力強く言う。
夕食を抜いてしまったので、いつもより多めに頂きましたわ。
ジェイクの部屋の支度をしていたら、階下でなにやら騒がしくなっている。
メイドのメリーが、部屋に急ぎ足で入ってきた。
「お嬢様、大変ですわ!
王様と近衛隊長がお見えになりました。
ただいま、大旦那様と大奥様がお話をしております。
至急、お呼びです!」
え~っ、嫌な感じですわ。
はぁ~、この服で良いわよね。
先触れもなしに、勝手にそっちが来るのが悪い。
まったく、失礼な方々。
階段を降りサロンに行くと、ノックして部屋に入った。
ソファーに王と近衛隊長、反対に祖父母が座っている。
「おおっ、来たか。
プリム、さぁお座り。
あの者たちに、挨拶はしなくてよい。
先触れもなしに来る、無礼者じゃあ。
たとえ王とて、許さんー!」
いちおう、カーテシーして祖母の隣に座った。
暫し無言で、メイドたちがお茶をテーブルに置いて去ると王が話しかけてきた。
「昨日は、素晴らしい日でした。
流石は、戦の神の孫。
戦った相手は、すべて潰されましたよ」
皮肉を言う王に、皮肉で返す祖父。
「そうじゃろ。
儂が育てたプリムローズが、お前さん達の育てた者と質が違うわ。
のう、隊長!?」
「王子も息子も私が教えましたが、ご令嬢にダメ出しをされました。
私も、この先の進退を考えております」
この隊長の言葉で、プリムローズは表情が急に固まる。
『なに、勝手なことを言っているんだ?
全部、私のせいにするなー』
口にできない罵声を浴びせていた。
「あらあら、隊長。
私たちのところまで来るのは、まだ少し早いんではなくて?
これから、頑張れば宜しいのではないかしら?フフフ」
祖母が扇で口元を隠しながら、冷たい目線で近衛隊長を睨んだ。
「王妃がご令嬢に、息子に謝りに来いってうるさくてな。
形だけでも見舞ってくれないか?」
一国の王が、申し訳げに頼む。
「1番手加減をしたのに。
ずいぶんと軟弱ですこと。
その方が、未来の国王になるのですか!?」
それらを無言で、プリムローズの言葉を聞いていた。
「それに、王様が自ら不問にすると宣言したのではありませんか。
昨日の事を、もうお忘れですか?」
次々に言葉をたたみかけるプリムローズは、一国の王さまでも容赦なかった。
その様子を見ていて、祖父は馬鹿にした様な顔を前に向けた。
「これで、話は終わりかなぁ。
そちらは、甘いのではないか。
儂が若い頃は、気骨が今よりあったぞ!」
祖母も負けずに参戦してきた。
「王妃様も人前で、僅か9歳の娘を怒鳴ったとか。
ましてや捕らえよとは。
もしやご乱心では、1度医師に診察された方がよいかと存じますよ?」
祖母ヴィクトリアの痛烈な批判に固まる。
プリムローズ達の強烈な言葉に、王はあえなく負けた。
「余が…、悪かった。
王妃には、余から良く伝える。
それで、プリムローズ嬢。
よかったら、アルフレッドに剣を教えてくれまいか?」
王は、今日の本題を出してきた。
「嫌ですわ!
私は友人に勉強を教えないといけないし、他にもしなくてはならないことが多いのです。
陛下の子は、ご自分で教えて下さい」
キッパリと拒否するプリムローズを、近衛隊長は驚きの目で見る。
そんな隊長を、祖父母は攻め始めた。
「そうじゃ、隊長!
そちの息子は、黒バラと呼ばれておるとか。
綺麗なお飾り隊長に、将来させるつもりかのう?
プリムローズにやられるのでは、下につく者は何人いるかな?
もっと、精進致せよ」
「まぁ、黒バラですって?
薔薇って手入れが難しく、なにもしないと枯れますわよ。
そのあだ名、やめた方が宜しいと思いますよ。オーホホホ」
祖母の高笑いが部屋に響いた。
お茶のカップを覗く、客人2人。
「お祖父様もおばあ様も、お人が悪いですわよ。
だが、隊長?
基本からやり直せば、まだお若いんですもの。
希望はありますわよ。
殿下もご子息も、ねぇ?!」
祖父母に笑いかける、プリムローズ。
「そうだぞ!
プリムは優しい子だのう~。
良かったな、再起不能にならんでな。
五体満足で感謝致せ!」
「助言ありがとうございます。
息子は…、暫くは学園を休みます。
左手の指が5本折れまして、不自由ですので…」
近衛隊長が暗い表情で、黒バラの現状を語る。
「あら、それでは生活が大変ですわね?
早く回復することをお祈りしますわ。ホホホ」
祖母は黒バラにお見舞いの言葉をかけたが、その白々しい言い方を聞いていた2人の客人は唖然とした。
「まっ、お茶でも飲んでお帰りなさい。
お二人は、もう納得したじゃろうてな!ワハハハ!」
祖父の高笑いと共に、話は無理矢理に終わらせてしまった。
王と近衛隊長の帰る後ろ姿には哀愁が漂っていたと、メイドのメリーから報告を貰うプリムローズであった。
慌てて朝、食堂で祖父母に挨拶をした。
「お祖父様、お祖母様。
おはようございます。
昨日は、あれから寝てしまいました。
夕食を共に出来ませんで、申し訳ありません」
2人に頭を下げる、プリムローズ。
「良いのじゃ。
あれだけ活躍すれば、疲れるわい。
なぁ、お前!」
「そうですよ、プリムローズ。
剣大会、優勝おめでとう。
ジェイクの件は、スローン伯爵と話がついているわよ」
祖父母は、大会前から私の勝利を確信してくれていたのね。
「ありがとうございます。
しかし、成績が学年15番以内とは…。
そこまで考えておらず、詰めが甘かったですわ」
「それは、仕方あるまい。
世の中そんなに、上手くいかんじゃろ。
皆で協力すれば、大丈夫だ」
やはりお祖父様だわ。
すべてがお見通しなのね。
「それより、私はかなり大会でやらかしましたわ。
今日あたり、誰かが来るんではないかと心配ですことよ」
「剣大会の話はプリムが寝てから、友人が教えに来てくれたわ。
いいんじゃない?!
特に王族には、いいお灸になったはずよ。ホホホ」
祖母は扇で、口を隠しながら笑った。
「あの愚息がもし来たら、返り討ちにしてやるわい。
プリム、気にするんでないぞ」
祖父は腕を組んで力強く言う。
夕食を抜いてしまったので、いつもより多めに頂きましたわ。
ジェイクの部屋の支度をしていたら、階下でなにやら騒がしくなっている。
メイドのメリーが、部屋に急ぎ足で入ってきた。
「お嬢様、大変ですわ!
王様と近衛隊長がお見えになりました。
ただいま、大旦那様と大奥様がお話をしております。
至急、お呼びです!」
え~っ、嫌な感じですわ。
はぁ~、この服で良いわよね。
先触れもなしに、勝手にそっちが来るのが悪い。
まったく、失礼な方々。
階段を降りサロンに行くと、ノックして部屋に入った。
ソファーに王と近衛隊長、反対に祖父母が座っている。
「おおっ、来たか。
プリム、さぁお座り。
あの者たちに、挨拶はしなくてよい。
先触れもなしに来る、無礼者じゃあ。
たとえ王とて、許さんー!」
いちおう、カーテシーして祖母の隣に座った。
暫し無言で、メイドたちがお茶をテーブルに置いて去ると王が話しかけてきた。
「昨日は、素晴らしい日でした。
流石は、戦の神の孫。
戦った相手は、すべて潰されましたよ」
皮肉を言う王に、皮肉で返す祖父。
「そうじゃろ。
儂が育てたプリムローズが、お前さん達の育てた者と質が違うわ。
のう、隊長!?」
「王子も息子も私が教えましたが、ご令嬢にダメ出しをされました。
私も、この先の進退を考えております」
この隊長の言葉で、プリムローズは表情が急に固まる。
『なに、勝手なことを言っているんだ?
全部、私のせいにするなー』
口にできない罵声を浴びせていた。
「あらあら、隊長。
私たちのところまで来るのは、まだ少し早いんではなくて?
これから、頑張れば宜しいのではないかしら?フフフ」
祖母が扇で口元を隠しながら、冷たい目線で近衛隊長を睨んだ。
「王妃がご令嬢に、息子に謝りに来いってうるさくてな。
形だけでも見舞ってくれないか?」
一国の王が、申し訳げに頼む。
「1番手加減をしたのに。
ずいぶんと軟弱ですこと。
その方が、未来の国王になるのですか!?」
それらを無言で、プリムローズの言葉を聞いていた。
「それに、王様が自ら不問にすると宣言したのではありませんか。
昨日の事を、もうお忘れですか?」
次々に言葉をたたみかけるプリムローズは、一国の王さまでも容赦なかった。
その様子を見ていて、祖父は馬鹿にした様な顔を前に向けた。
「これで、話は終わりかなぁ。
そちらは、甘いのではないか。
儂が若い頃は、気骨が今よりあったぞ!」
祖母も負けずに参戦してきた。
「王妃様も人前で、僅か9歳の娘を怒鳴ったとか。
ましてや捕らえよとは。
もしやご乱心では、1度医師に診察された方がよいかと存じますよ?」
祖母ヴィクトリアの痛烈な批判に固まる。
プリムローズ達の強烈な言葉に、王はあえなく負けた。
「余が…、悪かった。
王妃には、余から良く伝える。
それで、プリムローズ嬢。
よかったら、アルフレッドに剣を教えてくれまいか?」
王は、今日の本題を出してきた。
「嫌ですわ!
私は友人に勉強を教えないといけないし、他にもしなくてはならないことが多いのです。
陛下の子は、ご自分で教えて下さい」
キッパリと拒否するプリムローズを、近衛隊長は驚きの目で見る。
そんな隊長を、祖父母は攻め始めた。
「そうじゃ、隊長!
そちの息子は、黒バラと呼ばれておるとか。
綺麗なお飾り隊長に、将来させるつもりかのう?
プリムローズにやられるのでは、下につく者は何人いるかな?
もっと、精進致せよ」
「まぁ、黒バラですって?
薔薇って手入れが難しく、なにもしないと枯れますわよ。
そのあだ名、やめた方が宜しいと思いますよ。オーホホホ」
祖母の高笑いが部屋に響いた。
お茶のカップを覗く、客人2人。
「お祖父様もおばあ様も、お人が悪いですわよ。
だが、隊長?
基本からやり直せば、まだお若いんですもの。
希望はありますわよ。
殿下もご子息も、ねぇ?!」
祖父母に笑いかける、プリムローズ。
「そうだぞ!
プリムは優しい子だのう~。
良かったな、再起不能にならんでな。
五体満足で感謝致せ!」
「助言ありがとうございます。
息子は…、暫くは学園を休みます。
左手の指が5本折れまして、不自由ですので…」
近衛隊長が暗い表情で、黒バラの現状を語る。
「あら、それでは生活が大変ですわね?
早く回復することをお祈りしますわ。ホホホ」
祖母は黒バラにお見舞いの言葉をかけたが、その白々しい言い方を聞いていた2人の客人は唖然とした。
「まっ、お茶でも飲んでお帰りなさい。
お二人は、もう納得したじゃろうてな!ワハハハ!」
祖父の高笑いと共に、話は無理矢理に終わらせてしまった。
王と近衛隊長の帰る後ろ姿には哀愁が漂っていたと、メイドのメリーから報告を貰うプリムローズであった。
32
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【完結済】破棄とか面倒じゃないですか、ですので婚約拒否でお願いします
紫
恋愛
水不足に喘ぐ貧困侯爵家の次女エリルシアは、父親からの手紙で王都に向かう。
王子の婚約者選定に関して、白羽の矢が立ったのだが、どうやらその王子には恋人がいる…らしい?
つまりエリルシアが悪役令嬢ポジなのか!?
そんな役どころなんて御免被りたいが、王サマからの提案が魅力的過ぎて、王宮滞在を了承してしまう。
報酬に目が眩んだエリルシアだが、無事王宮を脱出出来るのか。
王子サマと恋人(もしかしてヒロイン?)の未来はどうなるのか。
2025年10月06日、初HOTランキング入りです! 本当にありがとうございます!!(2位だなんて……いやいや、ありえないと言うか…本気で夢でも見ているのではないでしょーか……)
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※小説家になろう様にも掲載させていただいています。
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。
婚約破棄に、承知いたしました。と返したら爆笑されました。
パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢カルルは、ある夜会で王太子ジェラールから婚約破棄を言い渡される。しかし、カルルは泣くどころか、これまで立て替えていた経費や労働対価の「莫大な請求書」をその場で叩きつけた。
【完結】婚約破棄を3時間で撤回された足枷令嬢は、恋とお菓子を味わいます。
青波鳩子
恋愛
ヴェルーデ王国の第一王子アルフレッドと婚約していている公爵令嬢のアリシアは、お妃教育の最中にアルフレッドから婚約破棄を告げられた。
その僅か三時間後に失意のアリシアの元を訪れたアルフレッドから、婚約破棄は冗談だったと謝罪を受ける。
あの時のアルフレッドの目は冗談などではなかったと思いながら、アリシアは婚約破棄を撤回したいアルフレッドにとりあえず流されておくことにした。
一方のアルフレッドは、誰にも何にも特に興味がなく王に決められた婚約者という存在を自分の足枷と思っていた。
婚約破棄をして自由を得たと思った直後に父である王からの命を受け、婚約破棄を撤回する必要に迫られる。
婚約破棄の撤回からの公爵令嬢アリシアと第一王子アルフレッドの不器用な恋。
アリシアとアルフレッドのハッピーエンドです。
「小説家になろう」でも連載中です。
修正が入っている箇所もあります。
タグはこの先ふえる場合があります。
謹んで、婚約破棄をお受けいたします。
パリパリかぷちーの
恋愛
きつい目つきと素直でない性格から『悪役令嬢』と噂される公爵令嬢マーブル。彼女は、王太子ジュリアンの婚約者であったが、王子の新たな恋人である男爵令嬢クララの策略により、夜会の場で大勢の貴族たちの前で婚約を破棄されてしまう。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
転生令嬢、シスコンになる ~お姉様を悪役令嬢になんかさせません!~
浅海 景
恋愛
物心ついた時から前世の記憶を持つ平民の子供、アネットは平凡な生活を送っていた。だが侯爵家に引き取られ母親違いの姉クロエと出会いアネットの人生は一変する。
(え、天使?!妖精?!もしかしてこの超絶美少女が私のお姉様に?!)
その容姿や雰囲気にクロエを「推し」認定したアネットは、クロエの冷たい態度も意に介さず推しへの好意を隠さない。やがてクロエの背景を知ったアネットは、悪役令嬢のような振る舞いのクロエを素敵な令嬢として育て上げようとアネットは心に誓う。
お姉様至上主義の転生令嬢、そんな妹に絆されたクーデレ完璧令嬢の成長物語。
恋愛要素は後半あたりから出てきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる