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第4章 王家の陰り
第4話 暗い噂
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早いもので3日後には、冬の年末年始の休暇を迎える。
約1ヶ月の休みを、プリムローズとジェイクは各々の領地で過ごす予定だ。
「良かったですわ。
トーマスさんとアンナさんが、此方に戻って来られて安心してお屋敷をお願い出来ますわ」
メイドのメリーが、領地へ向かう馬車の中で話しかけた。
「結構、引き継ぎに時間がかかったわよね。
2人に比べたらかなりランクは下がったけど、人材が見つかって良かったわ」
レース編みをしながら、プリムローズが話す。
馬車の後ろには、愛馬ヴァンブランを引かせて走っている。
時たま窓から様子を見るプリムローズに、メリーはお嬢様危のうございますと注意された。
ほのぼのとした空気を打ち破り、メリーの噂話が始まった。
「お嬢様、私カリスの貴族専用部屋に給仕をしてました。
そうしましたら伯爵夫人と子爵夫人の会話が、聞きたくないのに聞こえてきたのです」
やたら白々しい話し方をする。
「へーえ、どんな噂話?!
私が聞いても平気なのかしら?」
メリーが、喜ぶようにワザとらしく関心を示す。
「もう、貴族中の噂になっておりますよ。
何せ伯爵夫人は、そのお話がお好きですからね」
あの方なら、あり得ると頷く。
「第1王子の怪我の原因と、王族たちの暗雲のお話です」
メリーが、目をキラキラさせる。
「学園の食堂で、皆が噂話していたわよ。
えーと、殿下の成績の件よね。
2人の側近候補がケンカして、止めに入った殿下が階段から落ちたんでしょう?」
思い出しながら話す、プリムローズは考えた。
どんだけ側近候補に恵まれないんだよって、胸の中で叫んだ。
もう少し良い人はいないのかしら、こんなんなら要らないだろう。
「そうでございます!
何と、5番から40番になってしまったんです!
どうも試験前から、様子が変だったそうでございますよ」
レース編みを止めて話す、メリー。
「えぇっ!そんなに下がったの?!
それは、心配でしゅう」
私も編むのを止めて、話に集中する。
「友だち2人は、どうして殿下の様子に気付かなかったんだと言い争いになりました。
そして、掴み合いを始めたそうです。
その場が運悪く、階段の近くでした。
とうとう押し合いになり、2人の間に入った殿下が落ちてしまったんですわ」
そこまでは私も知っているが、その後が気になる話ぶりをした。
「怪我はどうなの?
落ちたのは知っているけど、状態はわからないの?!」
メリーに、先を急がせるように誘導した。
「左足を骨折と左肩打撲で、足は3ヶ月かかるそうですわよ!」
何故か自分が痛そうに話す、メリー。
「それは、かなり重症ね。
ベッド生活は苦痛でしょう、子供は?」
自分も子供なのに大人び話し方をする、プリムローズ。
「お嬢様、そうなんです。
殿下は、周りに八つ当たりしてますわ。
食事は食べたくない。王妃様がお見舞いに来られても、会いたくないと怒鳴ったり。
弟君であるルイ王子にも、あっち行けと言って泣かせてるそうです。
2人のご夫人たちが、ご熱心に話されてました」
「王もお困りでしょう。
殿下や王妃様と弟君の間を、私たちがあれこれ言ってもねぇ?」
私は思わず、ため息をひとつついた。
「王妃様もショックで、お部屋で寝込んでしまい。
ご公務に、支障が出ているみたいですよ」
メリーが、水筒のお茶をカップに注いで渡してきた。
「ありがとう、メリー!
しかし、公務は疎かに出来ないわ。
王妃様は、公私混同が多すぎるわ。
駄々でさえ、公務を御一人で捌けてないのに」
話してからお茶を飲むプリムローズに、真剣な顔をしてまた話すメリー。
「私は思うんです。
王族方々には、自由が無いんだと。
周りに人が居たら、話すことも制限されるんではと思います。
殿下はそれが積み重なって、爆発したんではと感じるんですわ」
苦悶に満ちた表情で語る。
「そうね。私も殿下とは会う機会が無いから、人柄はよく知らないけど。
メリーの言うとおりだと思う。
王族も色々と大変ね」
メリーにはこう話したが、王族とは関わりたくないプリムローズ。
けして逃げてる事を、口に出さないのであった。
また2人はレース編みを始めて、クラレンス領地を目指すのであった。
約1ヶ月の休みを、プリムローズとジェイクは各々の領地で過ごす予定だ。
「良かったですわ。
トーマスさんとアンナさんが、此方に戻って来られて安心してお屋敷をお願い出来ますわ」
メイドのメリーが、領地へ向かう馬車の中で話しかけた。
「結構、引き継ぎに時間がかかったわよね。
2人に比べたらかなりランクは下がったけど、人材が見つかって良かったわ」
レース編みをしながら、プリムローズが話す。
馬車の後ろには、愛馬ヴァンブランを引かせて走っている。
時たま窓から様子を見るプリムローズに、メリーはお嬢様危のうございますと注意された。
ほのぼのとした空気を打ち破り、メリーの噂話が始まった。
「お嬢様、私カリスの貴族専用部屋に給仕をしてました。
そうしましたら伯爵夫人と子爵夫人の会話が、聞きたくないのに聞こえてきたのです」
やたら白々しい話し方をする。
「へーえ、どんな噂話?!
私が聞いても平気なのかしら?」
メリーが、喜ぶようにワザとらしく関心を示す。
「もう、貴族中の噂になっておりますよ。
何せ伯爵夫人は、そのお話がお好きですからね」
あの方なら、あり得ると頷く。
「第1王子の怪我の原因と、王族たちの暗雲のお話です」
メリーが、目をキラキラさせる。
「学園の食堂で、皆が噂話していたわよ。
えーと、殿下の成績の件よね。
2人の側近候補がケンカして、止めに入った殿下が階段から落ちたんでしょう?」
思い出しながら話す、プリムローズは考えた。
どんだけ側近候補に恵まれないんだよって、胸の中で叫んだ。
もう少し良い人はいないのかしら、こんなんなら要らないだろう。
「そうでございます!
何と、5番から40番になってしまったんです!
どうも試験前から、様子が変だったそうでございますよ」
レース編みを止めて話す、メリー。
「えぇっ!そんなに下がったの?!
それは、心配でしゅう」
私も編むのを止めて、話に集中する。
「友だち2人は、どうして殿下の様子に気付かなかったんだと言い争いになりました。
そして、掴み合いを始めたそうです。
その場が運悪く、階段の近くでした。
とうとう押し合いになり、2人の間に入った殿下が落ちてしまったんですわ」
そこまでは私も知っているが、その後が気になる話ぶりをした。
「怪我はどうなの?
落ちたのは知っているけど、状態はわからないの?!」
メリーに、先を急がせるように誘導した。
「左足を骨折と左肩打撲で、足は3ヶ月かかるそうですわよ!」
何故か自分が痛そうに話す、メリー。
「それは、かなり重症ね。
ベッド生活は苦痛でしょう、子供は?」
自分も子供なのに大人び話し方をする、プリムローズ。
「お嬢様、そうなんです。
殿下は、周りに八つ当たりしてますわ。
食事は食べたくない。王妃様がお見舞いに来られても、会いたくないと怒鳴ったり。
弟君であるルイ王子にも、あっち行けと言って泣かせてるそうです。
2人のご夫人たちが、ご熱心に話されてました」
「王もお困りでしょう。
殿下や王妃様と弟君の間を、私たちがあれこれ言ってもねぇ?」
私は思わず、ため息をひとつついた。
「王妃様もショックで、お部屋で寝込んでしまい。
ご公務に、支障が出ているみたいですよ」
メリーが、水筒のお茶をカップに注いで渡してきた。
「ありがとう、メリー!
しかし、公務は疎かに出来ないわ。
王妃様は、公私混同が多すぎるわ。
駄々でさえ、公務を御一人で捌けてないのに」
話してからお茶を飲むプリムローズに、真剣な顔をしてまた話すメリー。
「私は思うんです。
王族方々には、自由が無いんだと。
周りに人が居たら、話すことも制限されるんではと思います。
殿下はそれが積み重なって、爆発したんではと感じるんですわ」
苦悶に満ちた表情で語る。
「そうね。私も殿下とは会う機会が無いから、人柄はよく知らないけど。
メリーの言うとおりだと思う。
王族も色々と大変ね」
メリーにはこう話したが、王族とは関わりたくないプリムローズ。
けして逃げてる事を、口に出さないのであった。
また2人はレース編みを始めて、クラレンス領地を目指すのであった。
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