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第4章 王家の陰り
第26話 買い取り現場
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お祖父様は、王都に出稼ぎに出ているごく一部の子分たちを呼びつけた。
4台の荷馬車の前には、そのもの達が約20名。
「親父様、ご無沙汰しております。
お元気そうで何よりです。
お嬢、いつも見ても可愛いいですなぁ~」
この中で1番若く、黙っていたら貴族と思えるほど品の良い若者が声をかける。
「おおっ、ギル久しいなぁ!
すまんな、今日は頼むぞ!!」
ギルはペコリと頭を下げてから、荷馬車に振り向き大声で活を入れた。
「おーいっ!てめえら、親父とお嬢の頼みだ!
気合いを入れるぞ、いいなー!!」
へーい、返事が喧しかった。
お祖父様と私と執事長トーマスが、馬車に乗り込んだ。
後ろには、荷馬車が4台が連なっている。
様子が気になり見ると、道を通りすぎる人々は恐がっている様子。
確かに、顔面が怖すぎる面子であった。
「お祖父様。皆様が来てくれて助かりましたわね。
家具の査定は何方がするのですか?」
「うむ!
知り合いに家具屋がおってな。
もう先に屋敷に出向き、買い叩いているはずじゃあ。ハハハ!」
「まぁ、偶然ですわね。
私もポレット夫人とラファエル様が、先に行って買い叩いてますわ。ホホホ!」
一行は、クラレンス公爵屋敷に向かって行った。
クラレンス公爵の屋敷に、私たちは到着した。
玄関前で新しい執事長が、1人出迎えに出てくれる。
表情は暗く困惑して、屋敷全体がどんよりしている様子。
祖父と私と執事長トーマスが、玄関に入ると何やら言い争う声が響いた。
「それは、年代物のキャビネットだ。
さる侯爵が何代か前の王様のお使いになったのを、譲り受けた由緒ある品だぞ!
何で、そんなに安いんだぁー!!」
父の声だわ。
公爵だった人が下品な!
プリムローズは、ため息が自然に出てくる。
「ちょっと、目が悪いんでなくて?
このエメラルドのブローチが、そんな値段なわけないわよ!
本当に、正式な宝石鑑定の方なの?」
母の声だわ、ラファエル様に対してなんと失礼な!!
あぁー、大丈夫かしら?!
「何処にシミがあるのよ!
貴女も目が悪いんでしょう!
お幾つにおなりなのかしら?!」
姉の声だわ。
恥知らずな!
女性に年齢を問うている。
それもあんな大声で、相変わらず耳障りな声ですこと!
こんな方々が、私たちの身内なんて…。
「お、お祖父様!
皆様、苦労しております。
助けないと申し訳ありませんわ。はぁ~…」
プリムローズは嘆き、また大きなため息をした。
「まったく、そうじゃの。
愚息め!
儂の知り合いに、なんと無礼な!
決して、許さんぞー!!」
祖父は、先ほどの会話を聞きお怒りのようだ。
父は無事に新しい領地に旅立てるのかしらと、横にいる祖父をチラリと見る。
「私も、ご足労願って来てくれた方々をー。
ああ、もう許しませんことよ!」
2人は、各々の持ち場に向かった。
「おおっ、今日はすまんのう。
愚息!何処で買ったのじゃ。
鑑定証でもあるんか!
大体、さる侯爵ってどこの侯爵だ!
その者に、嘘でもつかれたんじゃろ?!
バカ者がぁー!!」
凄いわ、2階にまで祖父の怒声が‥。
「ラファエル様、ポレット夫人。
本日はこんな場所まで来て頂き、有難うございます!」
2人に丁重に挨拶すると、プリムローズは母と姉に振り返り怒鳴り付けた。
「お母様!
乱暴に宝石を扱ったんではなくて?
キズが付いたら、価値は下がりますことよ!!」
「ご令嬢の仰る通りで、真ん中にキズがありますので妥当な値段です。
他なら買い取りませんよ!」
ラファエル様が、あの時とは違い低い声で脅す。
「お姉様!
ここにシミがございますわよ。
胸ですわね。
食事中につけたのかしら?
食べ方が下手なのね?!!」
プリムローズが、姉に汚れた場所を指差して教える。
「煩いわね。
そんなの良く見ないと、分からないじゃないの!」
姉が愚痴を溢し、私たちを睨んだ。
「失礼ですが、派手なお色に個性すぎる形ですわ。
本来なら値段はつきませんよ。
プリムローズ様のお身内なので、特別ですのよ。ふぅ」
ポレット夫人は、いつものほんわか笑顔が鳴りを潜めていた。
かなり、ご機嫌をお悪くされてますわ。
激しい攻防の末、決着はついた。
疲れたわ、何で素直に従わないのか。
その点父は祖父の言いなりだし、もう支払いは終わっているわ。
子分たちが手際よく、家具を運び出している。
私の方はメイドたちが、やっと急ぎ荷造りしているわ。
「やっと終わったか、プリム。女は時間がかかるのう。
ご苦労様だな」
祖父の呑気声が、非常に羨ましい限りだわ。
「お母様、お姉様。
こちらが代金です。
キチンと数えてから、署名して下さいね。
それと、これは餞別ですわ。
彼方で使いなさいな。
そんなドレスを着ていたら、虐められますよ」
プリムローズは、シンプルなドレスとエプロン数枚。
それから畑で、使用出来る手袋を渡した。
「こんなの着られるわけないでしょう?!
何よ、この手袋は分厚いわよ」
姉は、プリムローズの贈り物にケチをつける。
「お前は、何をいうか!
王都ではない!
そもそも荒れ地だ。
お前たちも、領民と同じで畑を耕すのじゃ!
プリムの優しさが、お前にはわからんのかぁ」
祖父の怒号が部屋に響く。
「代金は確かに。
プリムローズ、記名したわよ。
贈り物は頂くわ。
貴女、私たちのことを馬鹿にしているでしょう」
母ソフィアが感情のない声色で話しかける。
「はい、そうですね。
お母様は、王妃様の側にいて不安ではなかったの?
私なら助言してあげたわ。
お父様も一緒です!
わかっていた筈よ。
いつかこうなると、違いますか?!」
末娘は手厳しく、実の両親に指摘した。
「お前は容赦ないな。
私たち側近が支えられると思っていた。
しかし、王妃様までは手が回らなかった。
ソフィアには、王妃を庇い守る力量を持ち合わせてなかったのだ。
そして、そなた達の手の上で踊らされた訳だ」
部屋に静けさが漂った時に、祖父の声がした。
「まぁ、クラレンス家は我らで任せろ。
お前たちより、上手くやるわい。プリム、用は終わった。
帰るとするか、ハハハ」
祖父の乾いた笑いが、重苦しい部屋に悲しげに聞こえた。
屋敷の外に出ると、子分たちとポレット夫人にラファエル様が待っていた。
「今日はいろいろとありがとうございました。
全て、終わりましたわ。
私と一緒に、フルールに参りましょう」
プリムローズは、2人に声をかけた。
「ええ、私たちの馬車で行きましょう。
帰りの馬車を、後で迎えに寄越せばいいわ」
ポレット夫人がちょっと疲れた様子で、プリムローズの側に近寄るため歩いてきた。
祖父グレゴリーが、子分らを従えプリムローズに話しかける。
「では、儂らは行くからのう。
悪いがお前たち、もう少し頼むぞ!!」
ヘーイ!!と、子分たちの掛け声がまたしても空に向かい力強くとどろいた。
4台の荷馬車の前には、そのもの達が約20名。
「親父様、ご無沙汰しております。
お元気そうで何よりです。
お嬢、いつも見ても可愛いいですなぁ~」
この中で1番若く、黙っていたら貴族と思えるほど品の良い若者が声をかける。
「おおっ、ギル久しいなぁ!
すまんな、今日は頼むぞ!!」
ギルはペコリと頭を下げてから、荷馬車に振り向き大声で活を入れた。
「おーいっ!てめえら、親父とお嬢の頼みだ!
気合いを入れるぞ、いいなー!!」
へーい、返事が喧しかった。
お祖父様と私と執事長トーマスが、馬車に乗り込んだ。
後ろには、荷馬車が4台が連なっている。
様子が気になり見ると、道を通りすぎる人々は恐がっている様子。
確かに、顔面が怖すぎる面子であった。
「お祖父様。皆様が来てくれて助かりましたわね。
家具の査定は何方がするのですか?」
「うむ!
知り合いに家具屋がおってな。
もう先に屋敷に出向き、買い叩いているはずじゃあ。ハハハ!」
「まぁ、偶然ですわね。
私もポレット夫人とラファエル様が、先に行って買い叩いてますわ。ホホホ!」
一行は、クラレンス公爵屋敷に向かって行った。
クラレンス公爵の屋敷に、私たちは到着した。
玄関前で新しい執事長が、1人出迎えに出てくれる。
表情は暗く困惑して、屋敷全体がどんよりしている様子。
祖父と私と執事長トーマスが、玄関に入ると何やら言い争う声が響いた。
「それは、年代物のキャビネットだ。
さる侯爵が何代か前の王様のお使いになったのを、譲り受けた由緒ある品だぞ!
何で、そんなに安いんだぁー!!」
父の声だわ。
公爵だった人が下品な!
プリムローズは、ため息が自然に出てくる。
「ちょっと、目が悪いんでなくて?
このエメラルドのブローチが、そんな値段なわけないわよ!
本当に、正式な宝石鑑定の方なの?」
母の声だわ、ラファエル様に対してなんと失礼な!!
あぁー、大丈夫かしら?!
「何処にシミがあるのよ!
貴女も目が悪いんでしょう!
お幾つにおなりなのかしら?!」
姉の声だわ。
恥知らずな!
女性に年齢を問うている。
それもあんな大声で、相変わらず耳障りな声ですこと!
こんな方々が、私たちの身内なんて…。
「お、お祖父様!
皆様、苦労しております。
助けないと申し訳ありませんわ。はぁ~…」
プリムローズは嘆き、また大きなため息をした。
「まったく、そうじゃの。
愚息め!
儂の知り合いに、なんと無礼な!
決して、許さんぞー!!」
祖父は、先ほどの会話を聞きお怒りのようだ。
父は無事に新しい領地に旅立てるのかしらと、横にいる祖父をチラリと見る。
「私も、ご足労願って来てくれた方々をー。
ああ、もう許しませんことよ!」
2人は、各々の持ち場に向かった。
「おおっ、今日はすまんのう。
愚息!何処で買ったのじゃ。
鑑定証でもあるんか!
大体、さる侯爵ってどこの侯爵だ!
その者に、嘘でもつかれたんじゃろ?!
バカ者がぁー!!」
凄いわ、2階にまで祖父の怒声が‥。
「ラファエル様、ポレット夫人。
本日はこんな場所まで来て頂き、有難うございます!」
2人に丁重に挨拶すると、プリムローズは母と姉に振り返り怒鳴り付けた。
「お母様!
乱暴に宝石を扱ったんではなくて?
キズが付いたら、価値は下がりますことよ!!」
「ご令嬢の仰る通りで、真ん中にキズがありますので妥当な値段です。
他なら買い取りませんよ!」
ラファエル様が、あの時とは違い低い声で脅す。
「お姉様!
ここにシミがございますわよ。
胸ですわね。
食事中につけたのかしら?
食べ方が下手なのね?!!」
プリムローズが、姉に汚れた場所を指差して教える。
「煩いわね。
そんなの良く見ないと、分からないじゃないの!」
姉が愚痴を溢し、私たちを睨んだ。
「失礼ですが、派手なお色に個性すぎる形ですわ。
本来なら値段はつきませんよ。
プリムローズ様のお身内なので、特別ですのよ。ふぅ」
ポレット夫人は、いつものほんわか笑顔が鳴りを潜めていた。
かなり、ご機嫌をお悪くされてますわ。
激しい攻防の末、決着はついた。
疲れたわ、何で素直に従わないのか。
その点父は祖父の言いなりだし、もう支払いは終わっているわ。
子分たちが手際よく、家具を運び出している。
私の方はメイドたちが、やっと急ぎ荷造りしているわ。
「やっと終わったか、プリム。女は時間がかかるのう。
ご苦労様だな」
祖父の呑気声が、非常に羨ましい限りだわ。
「お母様、お姉様。
こちらが代金です。
キチンと数えてから、署名して下さいね。
それと、これは餞別ですわ。
彼方で使いなさいな。
そんなドレスを着ていたら、虐められますよ」
プリムローズは、シンプルなドレスとエプロン数枚。
それから畑で、使用出来る手袋を渡した。
「こんなの着られるわけないでしょう?!
何よ、この手袋は分厚いわよ」
姉は、プリムローズの贈り物にケチをつける。
「お前は、何をいうか!
王都ではない!
そもそも荒れ地だ。
お前たちも、領民と同じで畑を耕すのじゃ!
プリムの優しさが、お前にはわからんのかぁ」
祖父の怒号が部屋に響く。
「代金は確かに。
プリムローズ、記名したわよ。
贈り物は頂くわ。
貴女、私たちのことを馬鹿にしているでしょう」
母ソフィアが感情のない声色で話しかける。
「はい、そうですね。
お母様は、王妃様の側にいて不安ではなかったの?
私なら助言してあげたわ。
お父様も一緒です!
わかっていた筈よ。
いつかこうなると、違いますか?!」
末娘は手厳しく、実の両親に指摘した。
「お前は容赦ないな。
私たち側近が支えられると思っていた。
しかし、王妃様までは手が回らなかった。
ソフィアには、王妃を庇い守る力量を持ち合わせてなかったのだ。
そして、そなた達の手の上で踊らされた訳だ」
部屋に静けさが漂った時に、祖父の声がした。
「まぁ、クラレンス家は我らで任せろ。
お前たちより、上手くやるわい。プリム、用は終わった。
帰るとするか、ハハハ」
祖父の乾いた笑いが、重苦しい部屋に悲しげに聞こえた。
屋敷の外に出ると、子分たちとポレット夫人にラファエル様が待っていた。
「今日はいろいろとありがとうございました。
全て、終わりましたわ。
私と一緒に、フルールに参りましょう」
プリムローズは、2人に声をかけた。
「ええ、私たちの馬車で行きましょう。
帰りの馬車を、後で迎えに寄越せばいいわ」
ポレット夫人がちょっと疲れた様子で、プリムローズの側に近寄るため歩いてきた。
祖父グレゴリーが、子分らを従えプリムローズに話しかける。
「では、儂らは行くからのう。
悪いがお前たち、もう少し頼むぞ!!」
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