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第2章 王都の生活
第14話 母の涙
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案内の1人が用紙とペンを渡してきた。
初等部と中等部、高等部の最終学期末試験の試験問題用紙が渡された。
それを、スラスラと書き始めた。
全部時間内より早く解答する娘を、公爵夫妻は白に近い顔色で見守っていた。
そして何より5か国語をペラペラ話す子供を、大人たちは唖然として見てるようだった。
フーッと深い息を吐くと、学園長と3人の案内人兼教師。
「クラレンス公爵!
正直私たちは、教えることは何もありません。
しかし貴族のそれも上位の方が、学園に通わないのは問題があるのです!」
学園長は困って言いにくいのか、実に歯切れが悪かった。
「あの学園長、どのようにすればいいのですか?!
ご専門の意見を教えてくれませんか?!」
学園長に質問する父を無視して、何故か学園長は私を見て話し出した。
「君は、どうしたいんだい?!
聡明な貴女は、もう決めているのではないかなぁ?!」
お祖父様!
これは、引くのか押すのかどっち?
私はちょこっと首を傾げて、悩みながら答えてみた。
「学園長!
中、高等部を1年ずつ通い。
2年で卒業したいです!
その後に文官試験を受けて受かったら、3年後には他国に留学して見物を広めたいですの」
人生は一度きり、若いうちは冒険だよね。
失敗しても若い時の方が、立ち直りも早いわよ。
ちょっと、早いかもしれないけど。
「なに馬鹿な話をしているの?!
女の子が文官に留学?!
貴女は、黙って嫁に行けばいいのよぉー!!
学問より良家に嫁ぎ、旦那様に愛され子を生む!
それが、最高の女性の生き方よ」
今まで黙っておとなしかった母が、突然立ち上がり叫び出した。
すぐさま逆らう言葉を、目の前に立つ母に向けた。
「私は、貴女とは違いましてよ。
人それぞれ道は同じではありません。
では、貴女は今最高なの?!
何も悩みがなく、毎日が幸せなのかしら?!
お母様、答えて頂戴」
母は口をポカンとして、目からポロポロ涙を流す。
あらあら泣いてるわ、みっともないこと。
親を9歳児が、論破してしまったわ。
知らないわ、戦法を誤りましてよ。
お祖父様~!
ハンカチで目をおさえ泣く母、その肩を抱き慰める父。
それを白けて見てる人と、少し同情する人。
「ハハハ、いやぁ~!
流石は、戦の神のお孫さんだけありますなぁ!
攻めが的確すぎる!
正論でも相手に、思いやりと逃げ道は必要です!
それが人の情けですよ?!」
学園長の一言で、その場は緩んだ感じがした。
「申し訳ございません。
生意気な事を言いましたが、望みを叶えてくれませんか?!」
父と母に頭を下げた。
「いいえ、駄目よ。
絶対に許しません!
貴女まで婚姻で失敗するの?
リリアンヌをご覧なさい」
母が泣き声で話すのを、父が諌めた。
「コホン、こちらは要望を書面にしたものです。
期待し応援の気持ちがありましたら、サインをお願いします」
プリムローズの事務的で冷静な対処に驚きながら、書類を受けとる両者。
「学園としましては、首席を維持するならば了承致します」
ハイ、と答えて私たちはサインした。
父は、じっと文面を読み続けていた。
「成績が、もし振るわなかったら?!
私の考えに従うか」
私が答えたら、父はサインした。
「貴方、何をお考えですか?
プリムローズは第1王子のー」
「黙れぇー!
当主は、この私だぁー!」
父は怒声を上げ、母の言葉を遮った。
国の宰相にして、公爵が声を荒だてたのが恥ずかしかったのか。
父は大人しくなり、母は父の横でシクシク泣いていた。
そんな両親は黙って、私と学園側の会話を聞いている。
学園側も、両親よりしっかりした私を頼ってきた。
もうだから、一人で来たかったのよ!
プリムローズは、両親を見て憮然とする。
ますます、両親との仲の溝が深まった気がするのであった。
初等部と中等部、高等部の最終学期末試験の試験問題用紙が渡された。
それを、スラスラと書き始めた。
全部時間内より早く解答する娘を、公爵夫妻は白に近い顔色で見守っていた。
そして何より5か国語をペラペラ話す子供を、大人たちは唖然として見てるようだった。
フーッと深い息を吐くと、学園長と3人の案内人兼教師。
「クラレンス公爵!
正直私たちは、教えることは何もありません。
しかし貴族のそれも上位の方が、学園に通わないのは問題があるのです!」
学園長は困って言いにくいのか、実に歯切れが悪かった。
「あの学園長、どのようにすればいいのですか?!
ご専門の意見を教えてくれませんか?!」
学園長に質問する父を無視して、何故か学園長は私を見て話し出した。
「君は、どうしたいんだい?!
聡明な貴女は、もう決めているのではないかなぁ?!」
お祖父様!
これは、引くのか押すのかどっち?
私はちょこっと首を傾げて、悩みながら答えてみた。
「学園長!
中、高等部を1年ずつ通い。
2年で卒業したいです!
その後に文官試験を受けて受かったら、3年後には他国に留学して見物を広めたいですの」
人生は一度きり、若いうちは冒険だよね。
失敗しても若い時の方が、立ち直りも早いわよ。
ちょっと、早いかもしれないけど。
「なに馬鹿な話をしているの?!
女の子が文官に留学?!
貴女は、黙って嫁に行けばいいのよぉー!!
学問より良家に嫁ぎ、旦那様に愛され子を生む!
それが、最高の女性の生き方よ」
今まで黙っておとなしかった母が、突然立ち上がり叫び出した。
すぐさま逆らう言葉を、目の前に立つ母に向けた。
「私は、貴女とは違いましてよ。
人それぞれ道は同じではありません。
では、貴女は今最高なの?!
何も悩みがなく、毎日が幸せなのかしら?!
お母様、答えて頂戴」
母は口をポカンとして、目からポロポロ涙を流す。
あらあら泣いてるわ、みっともないこと。
親を9歳児が、論破してしまったわ。
知らないわ、戦法を誤りましてよ。
お祖父様~!
ハンカチで目をおさえ泣く母、その肩を抱き慰める父。
それを白けて見てる人と、少し同情する人。
「ハハハ、いやぁ~!
流石は、戦の神のお孫さんだけありますなぁ!
攻めが的確すぎる!
正論でも相手に、思いやりと逃げ道は必要です!
それが人の情けですよ?!」
学園長の一言で、その場は緩んだ感じがした。
「申し訳ございません。
生意気な事を言いましたが、望みを叶えてくれませんか?!」
父と母に頭を下げた。
「いいえ、駄目よ。
絶対に許しません!
貴女まで婚姻で失敗するの?
リリアンヌをご覧なさい」
母が泣き声で話すのを、父が諌めた。
「コホン、こちらは要望を書面にしたものです。
期待し応援の気持ちがありましたら、サインをお願いします」
プリムローズの事務的で冷静な対処に驚きながら、書類を受けとる両者。
「学園としましては、首席を維持するならば了承致します」
ハイ、と答えて私たちはサインした。
父は、じっと文面を読み続けていた。
「成績が、もし振るわなかったら?!
私の考えに従うか」
私が答えたら、父はサインした。
「貴方、何をお考えですか?
プリムローズは第1王子のー」
「黙れぇー!
当主は、この私だぁー!」
父は怒声を上げ、母の言葉を遮った。
国の宰相にして、公爵が声を荒だてたのが恥ずかしかったのか。
父は大人しくなり、母は父の横でシクシク泣いていた。
そんな両親は黙って、私と学園側の会話を聞いている。
学園側も、両親よりしっかりした私を頼ってきた。
もうだから、一人で来たかったのよ!
プリムローズは、両親を見て憮然とする。
ますます、両親との仲の溝が深まった気がするのであった。
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