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第4章 王家の陰り
第10話 過保護な親たち
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翌朝3人は気合いの入った格好で、玄関を歩く姿はザ・ロイヤルの出立ち。
その様子を見守る、ジェイクと他の大勢の使用人。
「ジェイク、昼前には戻るからのう。
昼食まで、待っているのじゃぞ!」
ジェイクに微笑み、実の孫のように可愛がる祖父。
「はい!お早いお戻りをお待ちしております。大旦那様!」
ジェイクは、笑顔でお辞儀をした。
「ジェイク、大丈夫よ。
あんなクズ達は、踏み潰してやるわよ!」
プリムローズが息巻きながら馬車に乗ると、王宮へ向けて出発した。
王宮のエントランスに立つ3人は、不機嫌を振り撒く。
侍従長と父である宰相が出迎えに出ていた。
「愚息、儂らを呼びつけてー。
用が下らんことなら、容赦せんぞ」
いきなりの出会い頭に牽制をする、祖父グレゴリー。
「お久しぶりですねぇ。
父上!そうそう、お姉様が行き遅れなくて良かったですこと。
ご婚約おめでとうございます」
プリムローズは嫌味を入れて話すと、軽くカーテシーする。
「でも、名も知らない伯爵でしょう?!
プリムローズなら、すぐに我が祖国の王女でも王妃にもなれますよ」
沈黙している宰相と侍従長と周りに控える女官たちは、3人を静かに案内するのだった。
優雅に歩く3人は威圧感があり、すれ違う人たちは膝をつきそうなほどである。
扉を開けると、王と王妃に前王妃までソファーに座って待っていた。
後ろに近衛隊長までもが、立って控えるのが目に入る。
お辞儀を各自すると、王が座って下さいと声をかけた。
プリムローズ3人は、ムスッと不機嫌な態度をして着席する。
しばし無言の両者、沈黙を破る王の発言。
「多忙の中、すまない。
少しだけ相談にのって欲しくて、そなたらを呼んだのだ」
「まったくもって、多忙じゃ!
また王都に、新しく店を出すんでな。
こんなところで、無駄な時間を使いたくない。
早う、要件を話せ!」
祖父グレゴリーは、大変失礼な言葉を王族に向かって言う。
「あらっ、どんなお店ですの?」
前王妃が、店に興味を示したらしい。
「王族の方々には、関係ない店ですわ。
それより、無駄口はお止めくださいませ」
祖母は扇で、目だけ出して前王妃を不敬にも睨んだ。
「王様や前王妃様に無礼ですよ。
父上、母上!」
宰相クリストファーが注意すると、祖母が言い返した。
「貴方にそんなことを、言われる筋合いはないはずです。
そちらが、私たちを呼びつけたのですよ」
祖母が、宰相でもある息子を一括した。
「お祖父様、おばあ様?!
私たち、屋敷に帰りませんか?
王族に相談されても、私は困ります」
プリムローズは、投げやりに祖父母を見て話す。
「実は、第1王子が反抗期のようでな。
そちらも同じではないが、似た事があったと聞き解決策を知りたくて呼んだのだ!」
王が、唐突に相談を持ちかけてくる。
「解決などしてんわ!
なぁ、愚息。
お前逃げて丸投げだったよな。
まぁプリムが賢く強いから、対面は保てた。
貴様の方は、兄は唯一まともだけどな!」
「私たちを馬鹿にするとは、父上でも許しません!」
息子クリストファーは、我慢できなくなり父親に言い返した。
「あーらっ、人って本当の事を言われると怒るそうよ。
父上、お祖父様のお言葉は間違ってなくてよ。
私が言っているんですもの、この本人がね!
王様、家族は仕事より大切なんでしょう?
ご自分で頑張って下さいませ」
プリムローズの言葉に、誰れひとり何も話せなくなった。
「王子が食事をとってくれぬ。
私たちを遠ざけるのだ」
「食わぬなら、食わさなければよい!
避けるなら、1人で暮らせばよかろう。
下らぬわ!」
祖父は鼻で、せせら笑った。
続いて、私たちもクスクス笑う。
「そんな、アルを餓死させるおつもり?
1人など可哀想ですわ」
王妃が突然話し出してきた。
「あらまぁ、過保護な事よのう?プリムなら、独りぼっちで森の中で狩りをして3日過ごしましたのよ!
たった7歳で!!
ねぇ、プリム?!」
祖母がプリムローズに微笑み質す。
「はい、おばあ様!
果物を採り、ウサギを10匹に狼を5頭仕留めましたわ。
ウサギは、自分で捌きましたのよ。
内臓を見た時は吐き気がしましたけど、最後は手際よくなりました。
人って切羽詰まると、何でも出来ますのね。
殿下で試されたら如何?!」
何事もなく普通に話すプリムローズに、静まり返る部屋。
「もう、話すことは無いようだ。
失礼するとしようかのう」
祖父グレゴリーは、勝手にしろや知らんがなの心境を言葉にして去ろうとしていた。
これで終われば良かったのにと、プリムローズは後日思った。
あるお方が、席を立とうとしたクラレンス公爵の方々に声をかける。
それが引き金になるとは、口は災いのもとになるのであった。
その様子を見守る、ジェイクと他の大勢の使用人。
「ジェイク、昼前には戻るからのう。
昼食まで、待っているのじゃぞ!」
ジェイクに微笑み、実の孫のように可愛がる祖父。
「はい!お早いお戻りをお待ちしております。大旦那様!」
ジェイクは、笑顔でお辞儀をした。
「ジェイク、大丈夫よ。
あんなクズ達は、踏み潰してやるわよ!」
プリムローズが息巻きながら馬車に乗ると、王宮へ向けて出発した。
王宮のエントランスに立つ3人は、不機嫌を振り撒く。
侍従長と父である宰相が出迎えに出ていた。
「愚息、儂らを呼びつけてー。
用が下らんことなら、容赦せんぞ」
いきなりの出会い頭に牽制をする、祖父グレゴリー。
「お久しぶりですねぇ。
父上!そうそう、お姉様が行き遅れなくて良かったですこと。
ご婚約おめでとうございます」
プリムローズは嫌味を入れて話すと、軽くカーテシーする。
「でも、名も知らない伯爵でしょう?!
プリムローズなら、すぐに我が祖国の王女でも王妃にもなれますよ」
沈黙している宰相と侍従長と周りに控える女官たちは、3人を静かに案内するのだった。
優雅に歩く3人は威圧感があり、すれ違う人たちは膝をつきそうなほどである。
扉を開けると、王と王妃に前王妃までソファーに座って待っていた。
後ろに近衛隊長までもが、立って控えるのが目に入る。
お辞儀を各自すると、王が座って下さいと声をかけた。
プリムローズ3人は、ムスッと不機嫌な態度をして着席する。
しばし無言の両者、沈黙を破る王の発言。
「多忙の中、すまない。
少しだけ相談にのって欲しくて、そなたらを呼んだのだ」
「まったくもって、多忙じゃ!
また王都に、新しく店を出すんでな。
こんなところで、無駄な時間を使いたくない。
早う、要件を話せ!」
祖父グレゴリーは、大変失礼な言葉を王族に向かって言う。
「あらっ、どんなお店ですの?」
前王妃が、店に興味を示したらしい。
「王族の方々には、関係ない店ですわ。
それより、無駄口はお止めくださいませ」
祖母は扇で、目だけ出して前王妃を不敬にも睨んだ。
「王様や前王妃様に無礼ですよ。
父上、母上!」
宰相クリストファーが注意すると、祖母が言い返した。
「貴方にそんなことを、言われる筋合いはないはずです。
そちらが、私たちを呼びつけたのですよ」
祖母が、宰相でもある息子を一括した。
「お祖父様、おばあ様?!
私たち、屋敷に帰りませんか?
王族に相談されても、私は困ります」
プリムローズは、投げやりに祖父母を見て話す。
「実は、第1王子が反抗期のようでな。
そちらも同じではないが、似た事があったと聞き解決策を知りたくて呼んだのだ!」
王が、唐突に相談を持ちかけてくる。
「解決などしてんわ!
なぁ、愚息。
お前逃げて丸投げだったよな。
まぁプリムが賢く強いから、対面は保てた。
貴様の方は、兄は唯一まともだけどな!」
「私たちを馬鹿にするとは、父上でも許しません!」
息子クリストファーは、我慢できなくなり父親に言い返した。
「あーらっ、人って本当の事を言われると怒るそうよ。
父上、お祖父様のお言葉は間違ってなくてよ。
私が言っているんですもの、この本人がね!
王様、家族は仕事より大切なんでしょう?
ご自分で頑張って下さいませ」
プリムローズの言葉に、誰れひとり何も話せなくなった。
「王子が食事をとってくれぬ。
私たちを遠ざけるのだ」
「食わぬなら、食わさなければよい!
避けるなら、1人で暮らせばよかろう。
下らぬわ!」
祖父は鼻で、せせら笑った。
続いて、私たちもクスクス笑う。
「そんな、アルを餓死させるおつもり?
1人など可哀想ですわ」
王妃が突然話し出してきた。
「あらまぁ、過保護な事よのう?プリムなら、独りぼっちで森の中で狩りをして3日過ごしましたのよ!
たった7歳で!!
ねぇ、プリム?!」
祖母がプリムローズに微笑み質す。
「はい、おばあ様!
果物を採り、ウサギを10匹に狼を5頭仕留めましたわ。
ウサギは、自分で捌きましたのよ。
内臓を見た時は吐き気がしましたけど、最後は手際よくなりました。
人って切羽詰まると、何でも出来ますのね。
殿下で試されたら如何?!」
何事もなく普通に話すプリムローズに、静まり返る部屋。
「もう、話すことは無いようだ。
失礼するとしようかのう」
祖父グレゴリーは、勝手にしろや知らんがなの心境を言葉にして去ろうとしていた。
これで終われば良かったのにと、プリムローズは後日思った。
あるお方が、席を立とうとしたクラレンス公爵の方々に声をかける。
それが引き金になるとは、口は災いのもとになるのであった。
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