【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます!ー新たなる王室編ー

愚者 (フール)

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第1章  隣国の王族 

第1話 隣国からの新たな王族たち

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  春の暖かい日差しの中、6頭立ての馬車で隣国ウィルスターから妻の王妃キャロラインと息子である王子ルシアンがこの国エテルネルにやって来た。

王都の人々は歓声あげて、隣国から迎えた王族を歓迎している様子。
馬車の中から、民衆に向かい手を振ってみせた。
晴れやかな笑顔で、二人はおうじてみせる。

そんな国民たちとの初めての交流の中で、新たなる王妃は前に座って窓の外の人々に手を振る息子に声をかけた。

「ねぇ~、ルシアン!
お父様は、側室そくしつをお迎えになったわ。
貴方のもう1人の母親になる方、大事にしてあげなさいな!」

キャロライン王妃は、平然と普通に息子に語る。

「よいのですか、母上。
ずいぶんと理解がおありなんですね。
父上もこれまで側室も作らずに、この歳まで過ごされたしね」

ルシアン王子は突然の告白に、冷静に考えてから母である王妃に話しだす。
普通なら母から父の浮気女性の話をされて、動揺どうようするのが当たり前なはずであるが…。

「ルシアンも、薄々は気づいているんでしょ?
こんな母で、本当にごめんなさいね。
私たち政略結婚で、お互いにり切っていたのよ。
お父様も最初から知っていたの。私と彼のことをー!!」

母の不倫発覚ふりんはっかくを、堂々本人から直接聞かされた。
この息子はめているのか、思いのほか全然あわてることはなかった。

「まぁ…、そうですね。
彼とはいつも一緒でしたから。
父上よりもね。フっ…」

ルシアン王子は何を今更感いまさらかんただよわせ、笑いながら外を見て時折ときおり手を振るのである。

「貴方は14歳でまだ婚約者を持たないのも、私たち夫婦を見て恋も愛も絶望ぜつぼうしているからなんでしょう?!」

王妃は母として、息子の恋愛感情の淡白たんぱくさを気にしていた。

「そう思ってはないけど、女性たちを見てもトキメキが無いんです。
母上は、彼にするんですよね?」

息子は恥ずかしげもなく、母の恋愛を前に座る本人に直接投げかける。

母は不意をつかれたのか、瞳を見開くとだんだん笑顔になっていく。

「もう、毎日がドキドキよ!
夫にも、この気持ちを分けえあげたいの!
うふふっ」

本当に変な夫婦で、変な親子だよ。
この人は、何を考えているのか。
この歳で新しい国かー。
父の祖国で言葉は、だいたいは話せるけど。

興味があるのは、父に王の位をさずけた才女と呼ばれる女の子。
手紙では面白いって書かれていたが、私より5歳下になるのか。

その子が側室との仲を取り持ったのか、なんだか複雑だよな。
父の浮気相手の仲介ちゅうかいしたなんて、いったい全体どんな子なんだろう?!

 こんなことを考えていたら、王宮に到着してしまったルシアン。

「あら、もう着いた。
まぁ、お城は何処どこも同じね」

ルシアンも、これからの自分の居城きょじょうになる城を見上げていた。

馬車から降りる王妃が、これから住む場所の印象を述べた。
出迎えの人々と挨拶を一通りして、夫の王のもとへ。

 隣には息子と、斜め後ろには王妃の愛人がついてきていた。
母の好みは、背が高くガッシリした野性の味ある男性。
自分の父親とは、まるっきり正反対のタイプである。

息子ルシアンは、その母の愛人である護衛官を何気なにげに見ていた。
彼には、事実上は妻子がいない。

母に愛されて、彼は本当に幸せなんだろうか?!
無表情で寡黙かもくな男は、普段は空気のように存在がなく母にっている。

まるで、夜の闇の様に静かでー。
父と彼は、太陽と月みたいだと彼は思うのであった。

ルシアンには弟が居たが、彼はこの男の子だった。
成長していく中で、自分との違いを感じて彼は気づき始める。

その弟は、母の兄であるウィルスターの王に養子ようしになった。
何故か実の親より、両陛下をしたう。
彼は、自分の出生に気づいていたのかも知れない。

血が半分しか繋がらない弟のこれからの幸運を、ルシアンは願わざるを得なかった。

窓の外に咲く花たちを見つめて歩く、未来のエテルネル王は父のいる場所を目指す。


    
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