【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます!ー新たなる王室編ー

愚者 (フール)

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第2章  愛と希望とそして秘密

第9話 やっとお茶会ですわ

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 国1番の高貴なる王族たちがひとつに集まり固唾かたずを飲んで見守る先は、何を仕出しでかすか予測不能で傍若無人ぼうじゃくぶじんなクラレンス公爵家。
兄ブライアンは、王族たちの中では除かれている。

「母上、本日もダメでしたね。
お願いですから、寝込まないで下さい」

王子は近い未来を考え、この後に起きる行動を母にお願いをする。

あきらめよ!
あれは、誰にも止められん。
下手すると、此方こちらに飛び火をするぞ!」

王は無責任にも、完全に我関われかんせずにてっした。

無言で手を取り合う、本日主催者の2人の妃たち。

「お覚悟は宜しいわね。
伯爵令息、安心して頂戴な。
私が身分は少し低いが、聖母の様な心優しき女性の方をご紹介致しますわ!」

プリムローズが話すと、令息は赤くなり首を縦に振る。

「なに言っているのよ!
貴方もうなづいてんじゃないわよ!
小娘、許しませんからね!!」

侯爵令嬢を見ず、プリムローズは専属メイドに何やら指示する。
そのメイドは、女官長に説明していた。

庭の真ん中に机を用意し、机上にはペンとインクが置かれている。

「父上、何で婚約破棄の書類なんですか?」

宰相自さいしょうみずから書類を持参して、父に渡した。

「すまんな、忙しいのに。
お~い、戦友よ~!
ほれ、書類がきたぞー!!」

ブロイ前公爵が、お祖父様に書類を渡してくる。

「さぁ、皆様~!
此方こちらにお集まり下さいまーせー!
お祖父様はそこのテーブルに、書類を飛ばないように置いて下さいね」

彼女は、いつもどおりに的確に指示する。

「そうじゃ!
そなたは、どちらの侯爵なの?
わらわは、自分より下は分からないからのう?!」

祖母は何処から用意したのか、新しいおうぎで口元を隠し話しだす。

「おばあ様、その令嬢はハントリー侯爵ですよ」

兄はしょうがなく、祖母に家名を教えてあげた。

「まぁお兄様、よくご存知ね。
もしかして!
しつこく寄ってくる令嬢って、もしやこの方でしたの?!」

「そうなんだよ。
香水はキツイし、若いのに化粧は濃いしね。
すぐに腕をからませるから、非常に困るんだ!」

客人皆が、令嬢の顔を凝視ぎょうしする。

「確かに、濃いですわ。
お茶会で、あれはどうですの?」

「夜会なら?でも、濃いですなぁー!」

ざわざわと話し出す客人たち。

「では、ハントリー侯爵とメーター伯爵!
この書類に記名せよ!」

祖父が横柄おうへいな態度で、侯爵に命令口調で言う。

「困りますぞ!
クラレンス公爵、勝手に破棄とはメーター伯爵もご迷惑でしょう?」

「いいえ!!
我が家は、ご令嬢の素行そこうに何度も抗議しています。今日の騒ぎですので、書かせて貰います!」

伯爵夫人は、怒り心頭しんとうでキッパリ英断!

「良いな!サミュエル!」

口数は少ないが伯爵も、スッキリ決断!

「はい!父上、お願いします!」

息子は、別れられるとサッパリ決心!

「サミュエル様~。
私を棄てるんですかー!
そんなー、酷いですーう!!」

セリーヌは、ウソ泣きをしている。

「先ほど、自分でモテるってあんなに自慢してましたよね。
自信があるのでしょう。
頑張りなさいな。
新しい出会いをー」

プリムローズは、適当に応援してあげた。

ハントリー侯爵待ちの状況である。

「簡単に、おいそれとは書かん!
こちらから慰謝料をとるぞ!」

ハントリー侯爵が、駄々だだね始める。

「お主、バカなことを言うな!
その娘が男に色目を使うから、こうなったんじゃぞ!
破棄でも、解消扱いだぁー!!」

クラレンス公爵が大声で怒鳴ると、周りから侯爵令嬢を観察する冷やな視線。

「そうです!
それに、奥さまのそのドレスはなんですの?
お茶会に着るものではないわ。
それ、夜会用ではなくて?!
お化粧も濃いーしい!」

招待客たちも、公爵夫人の言葉に賛同している様子。

「夫人は何処のご出身?
伯爵、子爵まさか男爵なの?!
ちゃんとした、貴族ですわよね?!」

侯爵夫人の出身を知っている人たちは、顔色を悪くしうつ向いている。

「妻は後妻ごさいでしてな。
その~、貴族ではなくって…」

ハントリー侯爵は脂汗あぶらあせをかいて、しどろもどろする。

「ん、まぁー!
この方、平民の方?!
侯爵夫人が驚きですわぁ!
人それぞれ、考えがありますけどね!
我がクラレンス家では、ありえませんことよー」

プリムローズは、わざとらしく大袈裟おおげさに声を張り上げた。

「男には…。
いろいろと事情があるのじゃ。
我がクラレンス家は、血統を重んじるがのう。
お前は、そんな事はまだ知らんでよい」

祖父は困り顔で男の事情を何も知らないであろう、孫娘の頭を優しく撫でる。

往生際おうじょうぎわが悪い、時間の無駄です!
早くしなさい!
皆様がお待ちですわよー!」

祖母がキレ気味で、早速してうながした。
周りの客人たちはクラレンス公爵夫人を見て、ヤバイとハントリー侯爵に無言の圧力をかける。
やっとしぶしぶ書き始める、ハントリー侯爵。


  プリムローズが、大勢の招待客たちに向かい呼びかける。

「ロレアル大司教だいしきょう~!
ロレアル大司教~、いらっしゃる?!」

その小鳥が鳴くような可愛い声。
その呼び掛けに、すぐさま反応する者がいた。

「はい、プリムローズ様!
ロレアルはここにおりますぞ!」

プリムローズの前に飛んで行き、ひざをついてまでお辞儀した。
これを見た全ての人々は、何故に王様に膝をつかない人物がどうして?
ペコペコとお辞儀して、愛想笑あいそわらいをしているのか?

「ロレアル大司教にお願いがあります。
書類に承認記名して下さいませ!」

勿論もちろんでございます。
喜んで致します。
いつも多額の寄付ありがとうございます。
今年は王家の倍でした。
心より、感謝しております!」

招待客たちは、なるほどと納得する。
大司教とは、金と権力にめっぽう弱い。
それに反して、何故か弱く小さな者には優しい。 
見ていてうなづき、小さくて可憐な容姿のプリムローズを眺めた。
 
 公開処刑を見ている気分で、ハントリー侯爵家たちの顔をまともに見れなかった客人たち。

プリムローズが書類を封筒に手際よく入れ終わると、口元を扇で隠しながら大司教に何やら話している。

膝をつき言葉を聞くと、顔が笑顔になる。
感動している大司教に、頷いたプリムローズ。

「この書類は、教会で保管して下さいませね。
変なお願いをして、ごめんなさいね」

「いいえ、構いませんぞ。
これからも、このロレアルを頼って下さい。
貴女様なら、何でも致します」

立ち上がり、深くお辞儀して側を離れる。
何を言ったのかと、皆はプリムローズの権力を恐れた。

それを眺めていた王は、余より何故と疑問を抱くのである。

その王の側にプリムローズが近づくと、これは王室に保管と渡す。
近くにいた宰相が、代わりにサッと受け取った。

こちらは侯爵家で、そちらは伯爵家です。
その間に、さりげなくテーブルを片付ける女官たち。

「今日は1つの別れがあり、1つの門出がある!
2人の新しい未来に、祝福をささげるー!!」

大司教が空に両手を挙げると、クラレンス家一同が盛大に拍手する。
皆全員つられて続いた、ヤジまでかかる。

「若者、頑張れよ~!」

「もっと、良い殿方を探しなさいね!」

「そうじゃ、そうじゃ!未来は明るいぞ!」

騒ぎの中で、プリムローズはスーッと2人の妃たちの側に。

「お茶を新しく入れ替えなさい。
今からカリスのケーキが届きます。
上手くこの場を対処しなさいな」

どちらが大人か分からないプリムローズを見て、妃たちはキョドりながら目礼するのであった。
 
「皆様!
いろいろ御座いましたが、お茶を新しくします。
それからクラレンス公爵家より、カリスのケーキが届くので楽しみにして下さいませ!」

王妃キャロラインが、プリムローズの言葉通りに話して誤魔化ごまかした。

やっと色々ありすぎたお茶会が、再開することになった。  

落ち着いてお茶を頂けるのか、不安を胸に客たちは自分たちの席に向うのである。   
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