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第2章 愛と希望とそして秘密
第8話 賽は投げられた
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祖母ヴィクトリアは、夫一筋の潔癖な清廉な心の持ち主。
大国の王女が恋のために、国を捨てたと言われている。
クラレンス公爵夫人の氷のような視線に、キャロライン王妃とルシアン王子殿下。
伯爵令息は息をのみ、冷や汗が出た。
「侯爵令嬢、はしたないわ。
許嫁のいる方が、他の殿方をそのように親しく触るのはいけない事です。
母である侯爵夫人は、どう教育されたのかしら?!」
祖母が、窘めながら侯爵令嬢を注意する。
「えっ?!ですが、本日は身分の垣根を払ったお茶会なのでしょう?
今日ぐらい宜しいのでは、クラレンス公爵夫人」
侯爵令嬢が、公爵夫人に逆らうとはあり得ない話である。
周りに控えていたメイドたちも、この言葉を聞き顔を青くする。
「ですが、体に触るのはやめた方が良い!
侯爵令嬢の婚約者に、嫉妬されるよ」
ルシアン王子がやんわり手を退けて、前に座る婚約者の男性を見るのであった。
「メーター伯爵令息は、そんな方ではございませんわ。
ねぇ、サミュエル様~!」
侯爵令嬢はブスーッとして、前にいる婚約者に目を向けて甘い声をだす。
「礼儀作法は大切ですよ。
皆様が不快になるなら、控えて欲しい。
セリーヌ嬢、君の家の恥になるからね?!」
皆がすぐに頷いて、ハッキリ意思表示する。
1人だけ納得いかない、セリーヌ嬢。
「もう、私がモテるからそんな事を言って!
皆さんの前で、サミュエル様は意地悪ですわ」
頬を膨らませて、婚約者にカワイイ素振りして文句を言い出した。
あざとい態度を見て、呆れる彼女は片眉をあげる。
そして、吹き出すように笑う。
「ぷっ、ふふふ。
あーら、ごめんなさいね。
余りにも、ご自分に自信がおありですのね?!」
プリムローズは、笑いながらバカにする。
「そこそこは、見られる程度の顔じゃな。
品の欠片もないがのう~!」
祖母も、孫娘と同じくらいバカにした態度を示した。
王妃は前回を思い出し、体が急に冷たくなる感覚に襲われてきた。
『あぁ、スザナ~。
今回もダメかもしれないわぁー。
お願いよ、誰が助けて頂戴な!』
隣の席で楽しそうに笑い話す側室スザナに、キャロライン王妃は悲痛な念を送り続けている。
「貴女、私をバカにするの。
サミュエル様、未来の妻がけなされてますのよ。
この娘に、何か仰ってよ!」
「おやめなさい!
身分の上のクラレンス公爵令嬢を、その様に言ってはなりませんよ」
王妃は何とか、場をおさめる努力をし始める。
「この場で大きな声を出して、そんな態度はいただけないよ。
前から思ってたけど、学園でも男性に馴れ馴れしいのは気分が悪い。
何度も、私は貴女に言いましたよねっ!」
堪忍袋の緒が切れたメーター伯爵令息は、日頃の不満を暴露してきた。
「殿下~、助けて下さいませ。
皆様が、私だけを責めておりますわ」
侯爵令嬢セリーヌは、王子にすがり付く。
「は、離して下さい!
たった今、会った令嬢に助けろと言われましても大迷惑ですよ」
腕を払いのけて、不愉快な顔で必死になっている。
あらっ、まっとうな態度してますわ。
やるではないの、プリムローズは少しだけ感心する。
「メーター伯爵令息。
将来、彼女が妻で良いのですか?
子を授かって、あの令嬢と一緒に育てるのですよ?!」
メーター伯爵令息を真剣に説得してみる、プリムローズ。
「そ…、それは?!
ちょっと、自信がありません」
彼は正直で素直な性格らしい。
取り付くわないで動揺が隠しきれない、伯爵令息。
「なら、婚約破棄なさいな!
今日は、ご両親がいらっしゃるのでしょう。
このクラレンス家が見届けてあげましょうー!!」
祖母ヴィクトリアが、いきなり婚約破棄を高らかに宣言する。
ギョッとする、プリムローズ以外の人たち。
不穏な空気は、お茶会の庭園全体に広がり始めるのである。
この空気は、後ろにいる席の者たちまで伝わっていった。
「ねぇ、伯爵夫人!
何やら前で子息が、王妃様のお席で揉めておりますわよ?!」
隣にいた夫人が、そっと耳打ちして教える。
「まぁ、どうしましょう?!
あぁー、サミュエルが…。
大変ですわぁ、貴方~!」
夫人は気が動転し慌てて席を立つと、伯爵である夫を呼びながら探し始めた。
侯爵夫妻も、他の方々に言われて王妃のテーブルに急いでいた。
隣で黙って聞き耳を立てていた、クラレンス公爵がおもむろに立ち上がり王に伺った。
「陛下よ!
なにやら、妻と孫娘が心配だのう。
少しだけ済まぬが、席を外すしてよいか?」
のしのしと王妃のテーブルに近づく、戦の神。
もうお茶会どころではなく、他の者たちも動向に注視した。
「サミュエル様!
プリムローズ様と浮気してますの?!」
意味不明な発言に、メイドたちは立ちすくむのであった。
侯爵令嬢の担当メイドは、今にも倒れそうである。
「貴女は、私の茶会を潰すおつもりなの?
いくら侯爵令嬢とはいえ、許しませんわよーっ!!」
王妃は、侯爵令嬢に閉じた扇を向けて抗議する。
その顔はもの凄い形相で、後ろで見ていた招待客たちも若干引いている感じがー。
本当にやめて頂戴、何ヵ月もかけたのよ。
この1日のためだけに、冗談ではないわよー!
側室スザナは泣きそうな顔で、王妃キャロラインに近づいた。
「キャロ様、何事ですの?!
この険悪な雰囲気は……」
2人の妃たちの目には、涙が溜まりかかっている。
「今のお言葉を聞きまして?!
今日、初めてお会いした者同士が浮気ですって?!
もう、笑っちゃうしかないわ。
この娘の頭の中身、腐って腐りきってしまっているんではなくって?!」
プリムローズは、うんざりした態度。
「あらあら、貴女の目の色!
ロイヤル・ゴッド・アイよ!
よっぽど怒っているのね。
小娘、我が孫娘に言いかがりは許せぬ」
祖母が持っていた扇を、怒りのあまりへし折った音が茶会に響くのだ。
プリムローズの瞳を見たものは、それぞれがその美しさに目が離せなかった。
「本当に、なんと珍しい瞳の色でしょう!」
「それも、あんなに美しく光輝いておるぞ!」
見ている方々の中には、拝んでいる人もチラホラ。
「そちは、我が孫娘を愚弄した。
何が浮気かじゃあ、世迷い言を言うな。
お前が元凶だろうがー。
戦友よ、息子の宰相に頼み。
ここに婚約破棄の書類を、今すぐ持って参るのじゃあ~!」
グレゴリーが怒りながら、戦友ブロイ前公爵に依頼する。
次の展開が読めない者たちは、沈黙して傍観しているしかなかった。
大国の王女が恋のために、国を捨てたと言われている。
クラレンス公爵夫人の氷のような視線に、キャロライン王妃とルシアン王子殿下。
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祖母が、窘めながら侯爵令嬢を注意する。
「えっ?!ですが、本日は身分の垣根を払ったお茶会なのでしょう?
今日ぐらい宜しいのでは、クラレンス公爵夫人」
侯爵令嬢が、公爵夫人に逆らうとはあり得ない話である。
周りに控えていたメイドたちも、この言葉を聞き顔を青くする。
「ですが、体に触るのはやめた方が良い!
侯爵令嬢の婚約者に、嫉妬されるよ」
ルシアン王子がやんわり手を退けて、前に座る婚約者の男性を見るのであった。
「メーター伯爵令息は、そんな方ではございませんわ。
ねぇ、サミュエル様~!」
侯爵令嬢はブスーッとして、前にいる婚約者に目を向けて甘い声をだす。
「礼儀作法は大切ですよ。
皆様が不快になるなら、控えて欲しい。
セリーヌ嬢、君の家の恥になるからね?!」
皆がすぐに頷いて、ハッキリ意思表示する。
1人だけ納得いかない、セリーヌ嬢。
「もう、私がモテるからそんな事を言って!
皆さんの前で、サミュエル様は意地悪ですわ」
頬を膨らませて、婚約者にカワイイ素振りして文句を言い出した。
あざとい態度を見て、呆れる彼女は片眉をあげる。
そして、吹き出すように笑う。
「ぷっ、ふふふ。
あーら、ごめんなさいね。
余りにも、ご自分に自信がおありですのね?!」
プリムローズは、笑いながらバカにする。
「そこそこは、見られる程度の顔じゃな。
品の欠片もないがのう~!」
祖母も、孫娘と同じくらいバカにした態度を示した。
王妃は前回を思い出し、体が急に冷たくなる感覚に襲われてきた。
『あぁ、スザナ~。
今回もダメかもしれないわぁー。
お願いよ、誰が助けて頂戴な!』
隣の席で楽しそうに笑い話す側室スザナに、キャロライン王妃は悲痛な念を送り続けている。
「貴女、私をバカにするの。
サミュエル様、未来の妻がけなされてますのよ。
この娘に、何か仰ってよ!」
「おやめなさい!
身分の上のクラレンス公爵令嬢を、その様に言ってはなりませんよ」
王妃は何とか、場をおさめる努力をし始める。
「この場で大きな声を出して、そんな態度はいただけないよ。
前から思ってたけど、学園でも男性に馴れ馴れしいのは気分が悪い。
何度も、私は貴女に言いましたよねっ!」
堪忍袋の緒が切れたメーター伯爵令息は、日頃の不満を暴露してきた。
「殿下~、助けて下さいませ。
皆様が、私だけを責めておりますわ」
侯爵令嬢セリーヌは、王子にすがり付く。
「は、離して下さい!
たった今、会った令嬢に助けろと言われましても大迷惑ですよ」
腕を払いのけて、不愉快な顔で必死になっている。
あらっ、まっとうな態度してますわ。
やるではないの、プリムローズは少しだけ感心する。
「メーター伯爵令息。
将来、彼女が妻で良いのですか?
子を授かって、あの令嬢と一緒に育てるのですよ?!」
メーター伯爵令息を真剣に説得してみる、プリムローズ。
「そ…、それは?!
ちょっと、自信がありません」
彼は正直で素直な性格らしい。
取り付くわないで動揺が隠しきれない、伯爵令息。
「なら、婚約破棄なさいな!
今日は、ご両親がいらっしゃるのでしょう。
このクラレンス家が見届けてあげましょうー!!」
祖母ヴィクトリアが、いきなり婚約破棄を高らかに宣言する。
ギョッとする、プリムローズ以外の人たち。
不穏な空気は、お茶会の庭園全体に広がり始めるのである。
この空気は、後ろにいる席の者たちまで伝わっていった。
「ねぇ、伯爵夫人!
何やら前で子息が、王妃様のお席で揉めておりますわよ?!」
隣にいた夫人が、そっと耳打ちして教える。
「まぁ、どうしましょう?!
あぁー、サミュエルが…。
大変ですわぁ、貴方~!」
夫人は気が動転し慌てて席を立つと、伯爵である夫を呼びながら探し始めた。
侯爵夫妻も、他の方々に言われて王妃のテーブルに急いでいた。
隣で黙って聞き耳を立てていた、クラレンス公爵がおもむろに立ち上がり王に伺った。
「陛下よ!
なにやら、妻と孫娘が心配だのう。
少しだけ済まぬが、席を外すしてよいか?」
のしのしと王妃のテーブルに近づく、戦の神。
もうお茶会どころではなく、他の者たちも動向に注視した。
「サミュエル様!
プリムローズ様と浮気してますの?!」
意味不明な発言に、メイドたちは立ちすくむのであった。
侯爵令嬢の担当メイドは、今にも倒れそうである。
「貴女は、私の茶会を潰すおつもりなの?
いくら侯爵令嬢とはいえ、許しませんわよーっ!!」
王妃は、侯爵令嬢に閉じた扇を向けて抗議する。
その顔はもの凄い形相で、後ろで見ていた招待客たちも若干引いている感じがー。
本当にやめて頂戴、何ヵ月もかけたのよ。
この1日のためだけに、冗談ではないわよー!
側室スザナは泣きそうな顔で、王妃キャロラインに近づいた。
「キャロ様、何事ですの?!
この険悪な雰囲気は……」
2人の妃たちの目には、涙が溜まりかかっている。
「今のお言葉を聞きまして?!
今日、初めてお会いした者同士が浮気ですって?!
もう、笑っちゃうしかないわ。
この娘の頭の中身、腐って腐りきってしまっているんではなくって?!」
プリムローズは、うんざりした態度。
「あらあら、貴女の目の色!
ロイヤル・ゴッド・アイよ!
よっぽど怒っているのね。
小娘、我が孫娘に言いかがりは許せぬ」
祖母が持っていた扇を、怒りのあまりへし折った音が茶会に響くのだ。
プリムローズの瞳を見たものは、それぞれがその美しさに目が離せなかった。
「本当に、なんと珍しい瞳の色でしょう!」
「それも、あんなに美しく光輝いておるぞ!」
見ている方々の中には、拝んでいる人もチラホラ。
「そちは、我が孫娘を愚弄した。
何が浮気かじゃあ、世迷い言を言うな。
お前が元凶だろうがー。
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