24 / 75
第2章 愛と希望とそして秘密
第6話 王家からのお茶会
しおりを挟む
サロンでは3人が、和やかに笑いながら話をしていた。
兄ブライアンが妹に、ここ座るように手招きして呼んでくれる。
すっかり緊張感もなく、祖父母に接するようになった兄ブライアン。
私が一礼して座ると、メイド長アンナがお茶をいれテーブルに置いてくれた。
席に着き次第、前から声が聞こえてくる。
「懲りもせずに、またお茶会を開くそうじゃあ。
今度は、我が家全員に招待状を寄越してきたわい!
フーン!」
祖父グレゴリーが機嫌悪く、プリムローズに見せるためテーブルに招待状を置く。
「今回は、王妃様と側室の共同開催よ。
2人で仲良く力を合わせてとは、ほんに健気だの~う!オッーホホホ」
祖母は、憐れんだ表情を見せながらもバカにして笑っている。
「私は学園で殿下に捕まり、直接お茶会の時は宜しくと言われ。
いきなりでビックリしました。
何が宜しくなのかと思いましたよ!」
兄もクラレンス家の色に染まり、皮肉が上手くなったわね。
なかなかのリアクションです!
プリムローズは招待状の端っこを、汚いものでも触るように摘んで話しだした。
「私は嫌よ、行かないわ。
絶対に何か起きる。
そして必ず巻き込まれるのよ!
私の予想はよく当たるの。
ですから、王宮でのお茶会は3人で行って下さいませね!!」
なりふり構わずとはこのような状況なのだろうか、彼女は必死に逃げにはいった。
「お前が行かんとならぬ!
王妃はお前と仲良くなったのを、皆に見せつけたいのじゃあ。
我が家は、迷惑至極だがな」
祖父はしょうがなくも、孫娘を説得にかかった。
「別に、私は仲良くなりたくありませんわよ。
前の王妃様よりは、多少は頑張っているのは評価しますけどね。
出来ることなら、会いたくありませんことよ!」
プリムローズは、ふて腐れて3人に話す。
「プリムローズ、大丈夫です。
今度は、私たちが側にいるからね。
ブライアンには、この前は荷が重かったのよ」
兄ブライアンは、下を向き心の中で訴える。
祖父母がいたら、もっと酷くなった筈だ。
自分はあれが精一杯だったと、言い訳を胸の内でする。
例え家族でも、死んでもここでは口に出せない言葉をー。
「わかりました。
仕方ありませんわね!
そのお茶会は、いつですの?!」
プリムローズは、諦めた表情で予定を聞くのである。
「再来週の週末です。
挨拶して茶と菓子を飲んで食べて、あんな場所にはさっさと帰りますよ。
なんで、妾たちを呼びつけるのか!失礼な!」
祖母はたかだかエテルネルの国のクセにと言いかけて、グッと我慢していた。
愛する夫グレゴリーの手前、耐えに耐え忍んでいる
しかし、またしてもや。
その願いを神様は、徹底的に無視した。
参加者全員が、忘れられない事件が起きるのである。
後世に長く語り継がれるお茶会になるとは、主役になるクラレンス家一同はこの時は思いもしなかった。
2人の貴婦人は、朝から支度に余念はなかった。
この2人は、前世は姉妹と語られるぐらい。
いい意味で馬が合う。
見た目は水と油だが化学反応でも起こしたのかと、王宮内で陰でひっそりと噂をされている。
「スザナ宜しくて!
今日のお茶会に成功して、王室の威信を必ずや回復するのです!」
王妃キャロラインは、持っている扇を握りしめる。
その姿は今からどちらの戦場へと、聞いてしまう顔立ちであった。
「はい、王妃様!
2人であれほど考え抜いた、招待客に間違いはありませんわ!」
憂いのある顔をした側室スザナは、期待と不安の胸中を表していた。
「気を付けるのは、あのクラレンス公爵家のみ!
我ら王族で目を光らせば、絶対に平気だ!」
王は会話を聞き、2人の愛妻に励ますように声かけた。
「父上、過信は禁物です。
あの方々は、普通の考えの持ち主ではありませんから!
本当に、お覚悟はおありですか?!」
こちらも、戦場に戦でも行くかのような言い回し。
王子ルシアンは、大人より大人の15歳である。
これから始まる喜劇、いや悲劇をこのとき予想はし難い。
王族たちもまさかここまでになるとは、誰一人思わなかったのであった。
兄ブライアンが妹に、ここ座るように手招きして呼んでくれる。
すっかり緊張感もなく、祖父母に接するようになった兄ブライアン。
私が一礼して座ると、メイド長アンナがお茶をいれテーブルに置いてくれた。
席に着き次第、前から声が聞こえてくる。
「懲りもせずに、またお茶会を開くそうじゃあ。
今度は、我が家全員に招待状を寄越してきたわい!
フーン!」
祖父グレゴリーが機嫌悪く、プリムローズに見せるためテーブルに招待状を置く。
「今回は、王妃様と側室の共同開催よ。
2人で仲良く力を合わせてとは、ほんに健気だの~う!オッーホホホ」
祖母は、憐れんだ表情を見せながらもバカにして笑っている。
「私は学園で殿下に捕まり、直接お茶会の時は宜しくと言われ。
いきなりでビックリしました。
何が宜しくなのかと思いましたよ!」
兄もクラレンス家の色に染まり、皮肉が上手くなったわね。
なかなかのリアクションです!
プリムローズは招待状の端っこを、汚いものでも触るように摘んで話しだした。
「私は嫌よ、行かないわ。
絶対に何か起きる。
そして必ず巻き込まれるのよ!
私の予想はよく当たるの。
ですから、王宮でのお茶会は3人で行って下さいませね!!」
なりふり構わずとはこのような状況なのだろうか、彼女は必死に逃げにはいった。
「お前が行かんとならぬ!
王妃はお前と仲良くなったのを、皆に見せつけたいのじゃあ。
我が家は、迷惑至極だがな」
祖父はしょうがなくも、孫娘を説得にかかった。
「別に、私は仲良くなりたくありませんわよ。
前の王妃様よりは、多少は頑張っているのは評価しますけどね。
出来ることなら、会いたくありませんことよ!」
プリムローズは、ふて腐れて3人に話す。
「プリムローズ、大丈夫です。
今度は、私たちが側にいるからね。
ブライアンには、この前は荷が重かったのよ」
兄ブライアンは、下を向き心の中で訴える。
祖父母がいたら、もっと酷くなった筈だ。
自分はあれが精一杯だったと、言い訳を胸の内でする。
例え家族でも、死んでもここでは口に出せない言葉をー。
「わかりました。
仕方ありませんわね!
そのお茶会は、いつですの?!」
プリムローズは、諦めた表情で予定を聞くのである。
「再来週の週末です。
挨拶して茶と菓子を飲んで食べて、あんな場所にはさっさと帰りますよ。
なんで、妾たちを呼びつけるのか!失礼な!」
祖母はたかだかエテルネルの国のクセにと言いかけて、グッと我慢していた。
愛する夫グレゴリーの手前、耐えに耐え忍んでいる
しかし、またしてもや。
その願いを神様は、徹底的に無視した。
参加者全員が、忘れられない事件が起きるのである。
後世に長く語り継がれるお茶会になるとは、主役になるクラレンス家一同はこの時は思いもしなかった。
2人の貴婦人は、朝から支度に余念はなかった。
この2人は、前世は姉妹と語られるぐらい。
いい意味で馬が合う。
見た目は水と油だが化学反応でも起こしたのかと、王宮内で陰でひっそりと噂をされている。
「スザナ宜しくて!
今日のお茶会に成功して、王室の威信を必ずや回復するのです!」
王妃キャロラインは、持っている扇を握りしめる。
その姿は今からどちらの戦場へと、聞いてしまう顔立ちであった。
「はい、王妃様!
2人であれほど考え抜いた、招待客に間違いはありませんわ!」
憂いのある顔をした側室スザナは、期待と不安の胸中を表していた。
「気を付けるのは、あのクラレンス公爵家のみ!
我ら王族で目を光らせば、絶対に平気だ!」
王は会話を聞き、2人の愛妻に励ますように声かけた。
「父上、過信は禁物です。
あの方々は、普通の考えの持ち主ではありませんから!
本当に、お覚悟はおありですか?!」
こちらも、戦場に戦でも行くかのような言い回し。
王子ルシアンは、大人より大人の15歳である。
これから始まる喜劇、いや悲劇をこのとき予想はし難い。
王族たちもまさかここまでになるとは、誰一人思わなかったのであった。
20
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』
放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。
「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」
身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。
冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。
「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」
得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。
これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
乙女ゲームっぽい世界に転生したけど何もかもうろ覚え!~たぶん悪役令嬢だと思うけど自信が無い~
天木奏音
恋愛
雨の日に滑って転んで頭を打った私は、気付いたら公爵令嬢ヴィオレッタに転生していた。
どうやらここは前世親しんだ乙女ゲームかラノベの世界っぽいけど、疲れ切ったアラフォーのうろんな記憶力では何の作品の世界か特定できない。
鑑で見た感じ、どう見ても悪役令嬢顔なヴィオレッタ。このままだと破滅一直線!?ヒロインっぽい子を探して仲良くなって、この世界では平穏無事に長生きしてみせます!
※他サイトにも掲載しています
婚約破棄されたので、愛のない契約結婚を選んだはずでした
鍛高譚
恋愛
王太子の婚約者だった伯爵令嬢・カーテンリンゼ。
しかし、王太子エドワルドは突然の婚約破棄を言い渡し、彼女を冷たく突き放す。
――だが、それは彼女にとってむしろ好都合だった。
「婚約破棄? 結構なことですわ。むしろ自由を満喫できますわね!」
ところが、婚約破棄された途端、カーテンリンゼは別の求婚者たちに目をつけられてしまう。
身分を利用されるだけの結婚などごめんだと思っていた彼女の前に現れたのは、冷徹と噂される若き公爵・レオポルド。
「契約結婚だ。君の自由は保証しよう」
「まあ、それは理想的ですわね」
互いに“愛のない”結婚を選んだ二人だったが、次第に相手の本当の姿を知り、想いが変わっていく――。
一方、王太子エドワルドは、自分が捨てたはずのカーテンリンゼを取り戻そうと動き出し……!?
婚約破棄されたら、多方面から溺愛されていたことを知りました
灯倉日鈴(合歓鈴)
恋愛
卒業パーティーの当日、王太子に婚約破棄された公爵令嬢フルール。
それをあっさり受け入れた瞬間から、彼女のモテ期が始まった。
才色兼備で資産家の娘である彼女は、超優良物件にも拘らず、生まれた時から王太子の婚約者ということで今まで男性から敬遠されていたのだ。
思ってもみなかった人達にアプローチされて戸惑うフルールだが……。
※タイトル変更しました。
※カクヨムにも投稿しています。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
掟に縛られたブキミ令嬢ですが3大国宝イケメンを翻弄してます
ハートリオ
恋愛
ルミエ・ラマンジェは16才。
母の愛の掟に縛られて窮屈な毎日を過ごしている。
掟により長厚前髪にしているせいで『ブキミ令嬢』なんて呼ばれているし。
大好きな兄リーとも思うように接する事が出来ずかなり辛い。
家は借金苦。更に日中体が重いという謎の現象にも悩まされ公爵令嬢にも急に攻撃されるようになり…
何だか八方塞がりなある日、兄リーの知り合いのザート達が声を掛けて来る。
ルミエが母の掟により絶対に男と関わってはいけないと知ったザートはルミエを救う会を発足すると宣言。
ルミエも少しずつ問題を解決しようと動き出し盲目的に守り続けて来た掟との付き合い方も変わっていく。
そしてとうとう…
異世界でのお話です。
【完結】破滅フラグを回避したいのに婚約者の座は譲れません⁈─王太子殿下の婚約者に転生したみたいだけど転生先の物語がわかりません─
江崎美彩
恋愛
侯爵家の令嬢エレナ・トワインは王太子殿下の婚約者……のはずなのに、正式に発表されないまま月日が過ぎている。
王太子殿下も通う王立学園に入学して数日たったある日、階段から転げ落ちたエレナは、オタク女子高生だった恵玲奈の記憶を思い出す。
『えっ? もしかしてわたし転生してる?』
でも肝心の転生先の作品もヒロインなのか悪役なのかモブなのかもわからない。エレナの記憶も恵玲奈の記憶も曖昧で、エレナの王太子殿下に対する一方的な恋心だけしか手がかりがない。
王太子殿下の発表されていない婚約者って、やっぱり悪役令嬢だから殿下の婚約者として正式に発表されてないの? このまま婚約者の座に固執して、断罪されたりしたらどうしよう!
『婚約者から妹としか思われてないと思い込んで悪役令嬢になる前に身をひこうとしている侯爵令嬢(転生者)』と『婚約者から兄としか思われていないと思い込んで自制している王太子様』の勘違いからすれ違いしたり、謀略に巻き込まれてすれ違いしたりする物語です。
長編ですが、一話一話はさっくり読めるように短めです。
『小説家になろう』『カクヨム』にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる