【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます! ーヘイズ留学 暗躍編ー

愚者 (フール)

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第4章  光と闇が混ざる時

第15話 人の噂は千里を走る

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 噂とは伝染病の様な勢いで広まるのだと、彼女は学園にいて知るのであった。

「何処かでお聞きになりまして、プリムローズ様。
亡くなった王弟夫妻は、ある方が手をかけてお亡くなりになられたとか?
それはそれは、恐ろしい噂ですわ」

ライラ様はお昼を食べる手を止めてまで、プリムローズに噂話してきた。

「初めてお聞きします。
ライラ様はそのようなお話を、何方から仕入れましたの?
あら、ごめんなさいね。
無理にとは、申しませんことよ?!」

プリムローズはわざとらしく、ライラに話をさせるよ誘導ゆうどうさせてみた。

「プリムローズ様だけに、お教えしますわね。
今朝、髪を結ってくれたメイドからです。
昨日、休日で外出した時にカフェで客同士が話していたのを偶然に耳にしたそうですの」

カフェですって?!
タルモ殿はどうやって、そんな場所まで噂を広めたというの?

「ライラ様、カフェって…。
平民も入れる場所ですか?
貴族よりも上の、それも王族に関する噂話なんでしょう?
もし、偽りなら問題ではなくって!?」

「それは、そうですわ!
信憑性しんぴょうせいがあると、他の方々も噂されているみたいです」

「それで犯人は、何方どなたなの?
怖いですね。
そのような方が、平気でのうのうと暮らしているのでしょう?」

怖がり震えながら、腕を胸の前にクロスして両手をさす素振そぶりをする。

「本当にそうです。
犯人は例の王弟殿下の遺児いじがご存知ぞんじらしいとの、これまた大変な噂になっています」

ライラは、彼女に近づき小声で二人しか聞こえないようにしゃべってきた。

「そのお方が、もしヘイズ王にお知らせしたら犯人はすぐにでも捕まりそうね。
そうでないと、安心して暮らせませんもの」

彼女はプリムローズの言葉に賛同して、コクコクと頷くのである。

 
 プリムローズはスクード公爵の屋敷に戻ると、学園でライラから伺った噂話を聞かせていた。

「今日の昼、たまたまニーナと連れ立って貴族専用の食事をした。
そこでも、貴族たちが大ぴらに噂していたわい」

スクード公爵は、噂の広まり具合を知りたかったんだわ。

「そんなに知れ渡っているとは、タルモ殿はよほど多方面に流されたみたいですね」

「上位貴族にも、もう知れ渡っていると思うぞ。
そろそろ、ハーヴモーネ侯爵邸に動きがあるやもしれんな」

スクード公爵が言われるとおりだわ。
そうなると、祖父母の屋敷が心配になりますわ。
あまり、私が屋敷に出向いては敵に勘づかれてしまう。

そうだわ、ピーちゃんがいるじゃない。
困った時のピー様だわ。
あの子に頼んで、祖父母と連絡を取り合いましょう。

 
 自室の部屋に入ると、学園や高級食堂にての噂話を書いて報告する。
もう間近に、本当に何かが起こりそうなので気をつけて下さいと追伸を忘れなかった。

指笛を鳴らすと、すぐにピーちゃんが現れてくれる。

「ピーちゃん、祖父にこの手紙を渡してくれる?!
いつも、お願いばかりしてゴメンね」

プリムローズは足に手紙を巻きつけると、そんな事ないとピーちゃんは首を振ってみせた。
そして、天高く夕暮れの空に飛び立って見えなくなる。

 
 翌朝、部屋の中で大人しくプリムローズが目覚めるのを待つピーちゃん。

「おはよー、ピーちゃん昨日は有難う。
あらあら、もうお返事をくれたのね!」

彼女は早速、ピーちゃんの足から手紙をとって中を見た。

「なになに、【人の噂は千里せんりを走る】。
なるほど、千里ではなく万里ばんりではないかしら?!」

これを見る限り、まだ敵は屋敷には危害を加えてないようだ。

「ピーちゃん、メリーに美味しい食事を出すように頼むわ。
それと、お仲間に祖父の屋敷を見張るよう出来ないかなぁ?
ご飯出すので、お願いします!」

プリムローズがピーちゃんに頭を下げてお願いをすると、ピーィと一声だけ鳴く。
どうやら、頼んでくれそうだと賢い鷹に彼女は微笑み返した。

これから、相手がどうするのかを予想してみたりした。
夢の中では、周りはまるで夜みたいに暗かった。
もしかして、森の中だったのか?!
木の上から、誰かを背後から狙っていたようだった。

それから数日後に、事件が起きる。
まさか、あの方がねらわれるとは思いもしない。

一人は予想していたが、もう一人は蚊帳かやの外で予想外でもあったのだ。
何が狙いなのか分かりそうでもあったが、両時刻に起きたせいで慌てる羽目はめになる。

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