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第4章 光と闇が混ざる時
第18話 腹が減っては戦ができぬ
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不気味な静けさの玄関から居間に移動する時、彼女はそう言えばと1つ疑問を頭に浮かべていた。
もうじき戦の神である祖父グレゴリーが馳せ参じる予定だし、その前に疑念を晴らすことにする。
「失礼ですが、スクード公爵様は戦の経験はお有りですか?」
プリムローズは居間のソファーに座り、東の将軍を務める方に対して失礼極まりない質問をした。
「ハハハ、無い!」
潔い、実に気持ちいい返事だった。
頼りになるのは、これは祖父グレゴリーのみ!
たが、お祖父様は過去にどんな戦をされていたのか?!
不安になる、だって沈黙の間の戦話を伺ったけど冗談にしか聞こえなかったわ。
敵はあらかじめ用意して、私たちを待ち構えているはず。
『これは…、負けるかもしれない!』
プリムローズは背筋が凍り、顔に嫌な汗がにじむのであった。
「旦那様、ハーヴモーネ侯爵様がお見栄になりました。
こちらに、お通しても宜しいですか?!」
魔女さんではなく、イーダさんがお祖父様を連れてきた。
「おぉ、スクード公爵!
大事な子息が、大変な事になってしまったな。
プリムローズよ、兄のブライアンが簡単に敵に落ちたぞ!
ほんに情けない…、男だな。
あれは、ボンクラ決定だな」
第一声から、これか……。
相変わらずハッキリと言うわね、お祖父様。
「ハーヴモーネ侯爵。
ボンクラでも、何かあったら問題ですわ。
これから、戦いの打ち合わせをするんですよね?!」
「そうじゃ、先に座って良いか?
儂は、こう見えても年寄りでのう。
あまり…、皆の役に立ちそうもない。
そうじゃプリム、お前が参謀をやれ!」
「………??はぁい~?!
何を仰いました、お祖父様。
どなたを参謀にですって?!」
「ハーヴモーネ侯爵!
参謀は要であり、戦の戦況を左右する。
作戦を考えたり、時に戦い方を指示もする。
令嬢には経験もなく幼すぎる」
スクード公爵は、常識人でよかったと胸を撫で下ろす。
「プリムローズ、お前なら戦の場は何処だと思うか?!」
公爵を完全に無視して、私に質問する祖父。
「私は、まだヘイズに参って間もないのよ?!」
「儂とて、そのぐらい理解しているわい。
それがどうした!
早う、答えてみよ!!」
戦う場所ねぇ……?!
以前見た夢の中では、草が生い茂っていた。
森のような場所だったわ。
「昼間でも、暗い森の中かしら?!
罠を仕掛けて、木の上に弓矢を持ち獲物を待つ。
そして、落とし穴や足を引っ掛ける罠も設置できる場所」
プリムローズの具体的な答えに、東の将軍は感嘆するような声を漏らした。
「うむ、そうじゃな!
では、どうその罠を掻い潜り。
お前なら戦いをするのだ!」
全部、私に考えろと言うのかよ!
「ピーちゃんとユキヒョウのヒンメルと、森にいるお仲間さんたちにお願いする」
この発言にはここに居る男たちは、目と口を大きく開けて私を見ていた。
「ピーちゃんは、既に何十羽の舎弟がヘイズにいるわ。
動物は夜目で、私たちよりは役立ちます。
イーダさん、お願いがあります
メリーに私が作っている匂い袋を、急ぎ全部持って来るように頼んで下さい」
イーダは愉快そうに、静かな足取りで部屋から消えていく。
「何故、森と思ったのか?
教えてくれないか!」
公爵は用意していたヘイズの地図を、テーブルの真ん中に広げて彼女に質した。
「明日からタイミング良く、学園が冬休みになります。
領地に帰省する方もいますし、貴族たちに知られず。
ひっそりと戦える場所は、きっとココになります!」
彼女は高らかに宣言すると、指で地図上のある森を示した。
「ミュルクヴィズかー!!
暗い森、または黒い森と呼ばれておる。
海賊たちが昔、覇権争いで戦った場所か……」
スクード公爵は、プリムローズたちに驚く話を持ち出す。
祖父グレゴリーも知らぬのか、わずかに驚きの表情を見せた。
「それだけではございません。
かって一度だけ、ヘイズ国は外国に攻められた場所。
アルゴラの常勝王に。
彼が人生で一度だけ、挫折しヘイズ軍に誘い込まれた。
負けを認めた地でもございます。
そう、王都を目指して後一歩で夢破れた因縁の地。
それが…、ミュルクヴィズ」
「プリムローズ、何故にー?!
そんな話を、お前が知っとるのだ」
祖父グレゴリーは孫娘の知識の深さに、思わずうわずった声をする。
「お祖父様……。
私は、ロイヤル・ゴッド・アイの継承者よ。
アルゴラ神殿の最奥に入れるのは、大神官と私のみ!
それだけ言えば、お分かりになりますわよね」
話していたら、メリーとイーダさんが籠いっぱい匂い袋を持って部屋に現れる。
「二人とも、有難うございます。
これはラベンダーの匂い袋です。
此方の孤児院のバザーに、寄付しようと作ってましたの。
これを兵士に持たせます。
ピーちゃんとヒンメルに、この匂いがしない者だけ襲撃するように命じます!」
「ワーハハハ!
プリム、面白い作戦だな。
そちは、将軍になる器があるのう!
上手くいけば、敵の勢力はかなり落ちる。
後は、いかにどう戦い勝つだけじゃな」
「しかし、まだ我らは不利です。
ブライアン殿と愚息が人質に囚われておる」
スクード公爵は、地図の上に手をつきながら下を向く。
「なら、奪いにこちらから行けばいいですわ。
彼らは、まだ生きています。
勝敗が決まるまでは、大事な大切な人質ですもの」
スクード公爵は、クラレンス家のこの二人を恐れた。
自分はこんなにも狼狽えていて、彼女は笑っているではないか?!
「……。腹が減ったたのう。
【腹が減ったら戦ができぬ】。
のう、スクード公爵」
「お祖父様、私も同じです。
夕食を取りながら、詳しく作戦を練りませんか。
スクード公爵様!」
「そう……しますかな。
よい働きをするには、腹ごしらえが必要だ。
イーダや、急ぎ食事を用意するように申し伝えよ」
「畏まりました、旦那様」
彼女は素直に返事しているが、内心は笑いを堪えていた。
そして、一人部屋を出ていく。
それを見ていたプリムローズは、外へ出たらきっとニヤニヤするんだろうと思っていた。
『この場で、飯の催促をするか?』
普通は有り得ん感覚の持ち主たちだな。
スクード公爵は、二人の化け物たちを目の前にしてそう指示するしかなかった。
もうじき戦の神である祖父グレゴリーが馳せ参じる予定だし、その前に疑念を晴らすことにする。
「失礼ですが、スクード公爵様は戦の経験はお有りですか?」
プリムローズは居間のソファーに座り、東の将軍を務める方に対して失礼極まりない質問をした。
「ハハハ、無い!」
潔い、実に気持ちいい返事だった。
頼りになるのは、これは祖父グレゴリーのみ!
たが、お祖父様は過去にどんな戦をされていたのか?!
不安になる、だって沈黙の間の戦話を伺ったけど冗談にしか聞こえなかったわ。
敵はあらかじめ用意して、私たちを待ち構えているはず。
『これは…、負けるかもしれない!』
プリムローズは背筋が凍り、顔に嫌な汗がにじむのであった。
「旦那様、ハーヴモーネ侯爵様がお見栄になりました。
こちらに、お通しても宜しいですか?!」
魔女さんではなく、イーダさんがお祖父様を連れてきた。
「おぉ、スクード公爵!
大事な子息が、大変な事になってしまったな。
プリムローズよ、兄のブライアンが簡単に敵に落ちたぞ!
ほんに情けない…、男だな。
あれは、ボンクラ決定だな」
第一声から、これか……。
相変わらずハッキリと言うわね、お祖父様。
「ハーヴモーネ侯爵。
ボンクラでも、何かあったら問題ですわ。
これから、戦いの打ち合わせをするんですよね?!」
「そうじゃ、先に座って良いか?
儂は、こう見えても年寄りでのう。
あまり…、皆の役に立ちそうもない。
そうじゃプリム、お前が参謀をやれ!」
「………??はぁい~?!
何を仰いました、お祖父様。
どなたを参謀にですって?!」
「ハーヴモーネ侯爵!
参謀は要であり、戦の戦況を左右する。
作戦を考えたり、時に戦い方を指示もする。
令嬢には経験もなく幼すぎる」
スクード公爵は、常識人でよかったと胸を撫で下ろす。
「プリムローズ、お前なら戦の場は何処だと思うか?!」
公爵を完全に無視して、私に質問する祖父。
「私は、まだヘイズに参って間もないのよ?!」
「儂とて、そのぐらい理解しているわい。
それがどうした!
早う、答えてみよ!!」
戦う場所ねぇ……?!
以前見た夢の中では、草が生い茂っていた。
森のような場所だったわ。
「昼間でも、暗い森の中かしら?!
罠を仕掛けて、木の上に弓矢を持ち獲物を待つ。
そして、落とし穴や足を引っ掛ける罠も設置できる場所」
プリムローズの具体的な答えに、東の将軍は感嘆するような声を漏らした。
「うむ、そうじゃな!
では、どうその罠を掻い潜り。
お前なら戦いをするのだ!」
全部、私に考えろと言うのかよ!
「ピーちゃんとユキヒョウのヒンメルと、森にいるお仲間さんたちにお願いする」
この発言にはここに居る男たちは、目と口を大きく開けて私を見ていた。
「ピーちゃんは、既に何十羽の舎弟がヘイズにいるわ。
動物は夜目で、私たちよりは役立ちます。
イーダさん、お願いがあります
メリーに私が作っている匂い袋を、急ぎ全部持って来るように頼んで下さい」
イーダは愉快そうに、静かな足取りで部屋から消えていく。
「何故、森と思ったのか?
教えてくれないか!」
公爵は用意していたヘイズの地図を、テーブルの真ん中に広げて彼女に質した。
「明日からタイミング良く、学園が冬休みになります。
領地に帰省する方もいますし、貴族たちに知られず。
ひっそりと戦える場所は、きっとココになります!」
彼女は高らかに宣言すると、指で地図上のある森を示した。
「ミュルクヴィズかー!!
暗い森、または黒い森と呼ばれておる。
海賊たちが昔、覇権争いで戦った場所か……」
スクード公爵は、プリムローズたちに驚く話を持ち出す。
祖父グレゴリーも知らぬのか、わずかに驚きの表情を見せた。
「それだけではございません。
かって一度だけ、ヘイズ国は外国に攻められた場所。
アルゴラの常勝王に。
彼が人生で一度だけ、挫折しヘイズ軍に誘い込まれた。
負けを認めた地でもございます。
そう、王都を目指して後一歩で夢破れた因縁の地。
それが…、ミュルクヴィズ」
「プリムローズ、何故にー?!
そんな話を、お前が知っとるのだ」
祖父グレゴリーは孫娘の知識の深さに、思わずうわずった声をする。
「お祖父様……。
私は、ロイヤル・ゴッド・アイの継承者よ。
アルゴラ神殿の最奥に入れるのは、大神官と私のみ!
それだけ言えば、お分かりになりますわよね」
話していたら、メリーとイーダさんが籠いっぱい匂い袋を持って部屋に現れる。
「二人とも、有難うございます。
これはラベンダーの匂い袋です。
此方の孤児院のバザーに、寄付しようと作ってましたの。
これを兵士に持たせます。
ピーちゃんとヒンメルに、この匂いがしない者だけ襲撃するように命じます!」
「ワーハハハ!
プリム、面白い作戦だな。
そちは、将軍になる器があるのう!
上手くいけば、敵の勢力はかなり落ちる。
後は、いかにどう戦い勝つだけじゃな」
「しかし、まだ我らは不利です。
ブライアン殿と愚息が人質に囚われておる」
スクード公爵は、地図の上に手をつきながら下を向く。
「なら、奪いにこちらから行けばいいですわ。
彼らは、まだ生きています。
勝敗が決まるまでは、大事な大切な人質ですもの」
スクード公爵は、クラレンス家のこの二人を恐れた。
自分はこんなにも狼狽えていて、彼女は笑っているではないか?!
「……。腹が減ったたのう。
【腹が減ったら戦ができぬ】。
のう、スクード公爵」
「お祖父様、私も同じです。
夕食を取りながら、詳しく作戦を練りませんか。
スクード公爵様!」
「そう……しますかな。
よい働きをするには、腹ごしらえが必要だ。
イーダや、急ぎ食事を用意するように申し伝えよ」
「畏まりました、旦那様」
彼女は素直に返事しているが、内心は笑いを堪えていた。
そして、一人部屋を出ていく。
それを見ていたプリムローズは、外へ出たらきっとニヤニヤするんだろうと思っていた。
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