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第5章 常勝王の道
第2話 餅は餅屋
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夕暮れになりかかる空を見上げて、彼はここで野営することに決めた。
スクード公爵が全軍の進軍を止めるてから、近くにいる白馬に乗る場違いな少女に言いづらそうに話しかける。
「公爵令嬢に、こんな場所で一晩過ごさせるとは申し訳ない。
軍を率いると、思ったより動きに時を要するな」
「無理もありません。
大人数での進軍です。
狩りをしながら森で3日間の修行をした経験がありますから、私のことは気にしないで下さい」
「しかし、どうしてこんな事になってしまったのか。
穏やかに、国を統治していたと信じていたのにのう」
焚火の炎を見つめて、東の将軍は本音を漏らした。
『それを、私に聞かないでよ。
私も長寿の水を手に入れて、穏やかなヘイズ留学をしたかったのよ』
愚痴を聞かされたせいか、1度タメ息つくと頭を切り替えた。
「それはこの戦いでなく、演習が終わったら考えましょう。
森の入口で、チューダー将軍とお祖父様と合流なさいますのね」
「そうじゃ、そこにおるサンドラ嬢を交渉材料に使う。
演習する前に投降してくれると、無駄な血を流さずに済むが…」
プリムローズは、目で睨みつけるサンドラの様子を見ていた。
「貴女は、本当に我がお強いのね。
貴女のお父上は、王に背いた謀反人なのよ。
終わったら、貴族でなくなり平民にされる。
投獄されて、死罪です」
彼女の話にサンドラは震えだして、その瞳は潤んで炎のせいか輝いていた。
早朝から私たちは、ミュルクヴィズを目指した。
途中に休みをいれながらの進軍。
兵士たちに戦う前から、疲労を与えないためだった。
「南の将軍マーシャル伯爵の軍勢は、森を抜けないとコチラには来られないのですね」
プリムローズは、スクード公爵と地図を見ながら確認している。
「大々的に、軍は進められない。
本来は、儂等に声がけするのが礼儀じゃあ。
王の許可はあるが、勝手に動かしているのだからな。
王と儂らが、どこまで繋がっているか分からんと思う」
「だとしたら森でピーちゃんたちが暴れてくれたら、兵の数を減らせる。
彼らは、森に罠が仕掛けてあるのを知っているはずです」
「慎重に進軍せざるを得ない。
そこに、獣たちで脅せば必ずや混乱する!」
プリムローズは、ピーちゃんたちの無事を祈る。
「大丈夫かしら?
あの子は好戦的な性格で、今頃誰かの頭でも突ついてるんじゃ。
あまり無理しないで欲しいわ」
ミュルクヴィズの方向をまた眺め、ピーちゃんたちを心から心配していた。
「スクード将軍ー!!
今、先に向かった偵察隊から伝達がありました。
到着しているハーヴモーネ様とチューダー将軍が、森で中で敵と対戦中でございます!」
「お祖父様がー!!!」
彼女は立ち上がると、悲鳴にも似た声を出す。
スクード公爵は、儂らもミュルクヴィズへ急ぐぞと兵士たちに命じた。
ヴァンブランに跨ると、プリムローズは逸る気持ちで走らせる。
主の緊張感と気配で気付いたのか、愛馬は物凄い勢いで駆けてくれた。
「あそこよー!!
ヴァンブラン、もっと速く!
お願い、急いでー」
後ろから付いていく、スクード公爵が引き離される程の速さであった。
陣を構えている場所で、ドーンと2つの椅子に座っている人たちが談笑しているような姿を発見する。
「お祖父様ー!」
プリムローズがヴァンブランから飛び降り、直ぐさま駆け出していた。
「おー、プリムローズ!
先に着いたので、始めさせて貰ったぞ!ハハハ」
笑い事ではないわよ!!
森の中に入って、戦っていたのではないの?!
「お祖父様、森の中で誰が戦っていますか?
それに、あの者たちは何ですか?!」
プリムローズは、縄にぐるぐる巻きにされている何十人もの兵士たちを指差した。
「森にはピーちゃんとヒンメルだったか?
獣たちとニルスが、陣頭指揮を取っておる!」
「ニルスってトンボなの?」
ニルスは、お祖父様の子分の1人である。
あのピーちゃんが、私以外で唯一話ができるものであった。
「そうじゃあ!
あやつは森に住み着いておったから、森は家みたいなものじゃな。
慣れておるからのう。
【餅は餅屋】じゃな!」
えーっ!だったら、私はいらないんじゃない!?
確かに、ニルスは動物好きで動物にも好かれているわよ。
任せるのがいいと思うけど…。
プリムローズは膨れっ面したら、祖父の隣に座る人が大笑いをしてきた。
「こちらが、娘が世話になった令嬢か。
貴女の作戦は奇抜で素晴らしかったぞ。
軍の兵士は休めて、こうして敵が慌てて逃げてくるのを縛ればよい!」
黒髪にクルクルのクセ毛、まさに遺伝子爆発!
あの三大悪女、黒ユリのフレデリカ様の父親。
この方が、北の将軍チューダー侯爵か!
「はい、クルクルくせ毛の遺伝子爆発。三大悪女の父親です!」
「……。あらっ、イヤです!
口に出てましたのね?
ごめん遊ばせ!オーホホホ」
高笑いをする孫娘を、黙って呆れて見る祖父グレゴリー。
戦況はまだ見えてこない。
戦いは水面下で、すでにもう始まっていた。
スクード公爵が全軍の進軍を止めるてから、近くにいる白馬に乗る場違いな少女に言いづらそうに話しかける。
「公爵令嬢に、こんな場所で一晩過ごさせるとは申し訳ない。
軍を率いると、思ったより動きに時を要するな」
「無理もありません。
大人数での進軍です。
狩りをしながら森で3日間の修行をした経験がありますから、私のことは気にしないで下さい」
「しかし、どうしてこんな事になってしまったのか。
穏やかに、国を統治していたと信じていたのにのう」
焚火の炎を見つめて、東の将軍は本音を漏らした。
『それを、私に聞かないでよ。
私も長寿の水を手に入れて、穏やかなヘイズ留学をしたかったのよ』
愚痴を聞かされたせいか、1度タメ息つくと頭を切り替えた。
「それはこの戦いでなく、演習が終わったら考えましょう。
森の入口で、チューダー将軍とお祖父様と合流なさいますのね」
「そうじゃ、そこにおるサンドラ嬢を交渉材料に使う。
演習する前に投降してくれると、無駄な血を流さずに済むが…」
プリムローズは、目で睨みつけるサンドラの様子を見ていた。
「貴女は、本当に我がお強いのね。
貴女のお父上は、王に背いた謀反人なのよ。
終わったら、貴族でなくなり平民にされる。
投獄されて、死罪です」
彼女の話にサンドラは震えだして、その瞳は潤んで炎のせいか輝いていた。
早朝から私たちは、ミュルクヴィズを目指した。
途中に休みをいれながらの進軍。
兵士たちに戦う前から、疲労を与えないためだった。
「南の将軍マーシャル伯爵の軍勢は、森を抜けないとコチラには来られないのですね」
プリムローズは、スクード公爵と地図を見ながら確認している。
「大々的に、軍は進められない。
本来は、儂等に声がけするのが礼儀じゃあ。
王の許可はあるが、勝手に動かしているのだからな。
王と儂らが、どこまで繋がっているか分からんと思う」
「だとしたら森でピーちゃんたちが暴れてくれたら、兵の数を減らせる。
彼らは、森に罠が仕掛けてあるのを知っているはずです」
「慎重に進軍せざるを得ない。
そこに、獣たちで脅せば必ずや混乱する!」
プリムローズは、ピーちゃんたちの無事を祈る。
「大丈夫かしら?
あの子は好戦的な性格で、今頃誰かの頭でも突ついてるんじゃ。
あまり無理しないで欲しいわ」
ミュルクヴィズの方向をまた眺め、ピーちゃんたちを心から心配していた。
「スクード将軍ー!!
今、先に向かった偵察隊から伝達がありました。
到着しているハーヴモーネ様とチューダー将軍が、森で中で敵と対戦中でございます!」
「お祖父様がー!!!」
彼女は立ち上がると、悲鳴にも似た声を出す。
スクード公爵は、儂らもミュルクヴィズへ急ぐぞと兵士たちに命じた。
ヴァンブランに跨ると、プリムローズは逸る気持ちで走らせる。
主の緊張感と気配で気付いたのか、愛馬は物凄い勢いで駆けてくれた。
「あそこよー!!
ヴァンブラン、もっと速く!
お願い、急いでー」
後ろから付いていく、スクード公爵が引き離される程の速さであった。
陣を構えている場所で、ドーンと2つの椅子に座っている人たちが談笑しているような姿を発見する。
「お祖父様ー!」
プリムローズがヴァンブランから飛び降り、直ぐさま駆け出していた。
「おー、プリムローズ!
先に着いたので、始めさせて貰ったぞ!ハハハ」
笑い事ではないわよ!!
森の中に入って、戦っていたのではないの?!
「お祖父様、森の中で誰が戦っていますか?
それに、あの者たちは何ですか?!」
プリムローズは、縄にぐるぐる巻きにされている何十人もの兵士たちを指差した。
「森にはピーちゃんとヒンメルだったか?
獣たちとニルスが、陣頭指揮を取っておる!」
「ニルスってトンボなの?」
ニルスは、お祖父様の子分の1人である。
あのピーちゃんが、私以外で唯一話ができるものであった。
「そうじゃあ!
あやつは森に住み着いておったから、森は家みたいなものじゃな。
慣れておるからのう。
【餅は餅屋】じゃな!」
えーっ!だったら、私はいらないんじゃない!?
確かに、ニルスは動物好きで動物にも好かれているわよ。
任せるのがいいと思うけど…。
プリムローズは膨れっ面したら、祖父の隣に座る人が大笑いをしてきた。
「こちらが、娘が世話になった令嬢か。
貴女の作戦は奇抜で素晴らしかったぞ。
軍の兵士は休めて、こうして敵が慌てて逃げてくるのを縛ればよい!」
黒髪にクルクルのクセ毛、まさに遺伝子爆発!
あの三大悪女、黒ユリのフレデリカ様の父親。
この方が、北の将軍チューダー侯爵か!
「はい、クルクルくせ毛の遺伝子爆発。三大悪女の父親です!」
「……。あらっ、イヤです!
口に出てましたのね?
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