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タケノコご飯

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       第一話

ようこそ、クソッたれな裏世界へ。5

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すでに指先は消滅しかかっている。
土が落ちるように砂嵐ノイズの濃いところからバラバラと落ち、消えて行く。
(ど、どうなってるんだ、これ...?)
俺はもう一度ヨロヨロと大木にもたれかかった。
そんな俺にさらに追い討ちをかけるように、
「このままじゃアンタ、バグに侵食されて全身も消滅するわよ。」
彼女はトンデモない言葉を浴びせてきた。
「は?」
おいおい、
「だから、アンタ消滅するっていってんの。」
ちょっと待て、
「消滅って、その...『死ぬ』ってこと...か?」
まさか本気で、

「そうよ、それ以外、なんかある?」

...じょ、冗談じゃない!
こんなところで消えてたまるか!
何のためにここまできたと思ってるんだ!?
「な、何とかならないのか!?」
ああ、今の俺はすげぇみっともない顔してんだろうなぁ。
「バグに侵食された以上、治すことは不可能ね。」
な、なんてこった...。
こんなことになるなら彼女がバグにひん剥かれてあられもない姿になるのを見てた方がまだマシだったじゃないかという気さえ起こってくる。
でも、今さら何を言ってもダメ。
もう、おしまい。
END。

ははっ、終わった...。

俺は頭から、ガックリと崩れ落ちた。
「ちょ、ちょっとアンタ?」
流石に引け目を感じたのか、彼女が覗きこんできた。
もう何も言わないでくれ、どうせ俺は助からーー

「別に『治らない』からと言って、『助からない』とは言ってないでしょう?」

ガバッ!
「そ、それは本当か!?」
勢いよく頭を上げすぎて彼女の顔面に当たりそうになったが、
「あ、危ないじゃない!」
そんなことはどうでもいい!
「ほ、本当か?」
俺の目は本気だ。
「ーーほ、本当よ。」
よ、良かった...。
父さん、母さん、俺まだ生きていられるよ...。
「でも、そうなるともう元の生活には戻れないわよ。」
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