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霊山
9. 昔の道を辿ってみました
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時たま、歪んだピラミッドを発見すると、外れた頂上部分を嵌めなおす。そして、まっすぐに立てるように二人で押した。結界には関係ないのかもしれない。あるいは逆に、結界が強化されてしまうかもしれない。でも何もしないままじゃ、フィオは山の中に閉じこめられたままだ。
傘地蔵様のように、フィオを助けてくれますように。
ピラミッドの周りの雑草まできちんと整えては、二人で真剣に手を合わせるけど……空気感も天候も、さして変化はなし。
だんだんと光るタイルが減って、普通の砂利道と化してきた。フィオのお母さんによると、これも古代の人間が作った道。でも光る道よりは後代なんだって。つまり現代の人間が今でも利用している可能性がずっと高くなる場所。
≪ねぇ、芽芽ちゃん、ここ、大丈夫?≫
≪人気は全然しないんでしょ? それに一応、まだ山の中だし……ってぇ、私、この世界自体が昨夜初!≫
いくら母竜に注意されたからって、私に振るな! しかも君ね、蜂の巣タイルの道も、この砂利道も避けまくって、そいで悪人の巣窟の裏手に出ちゃった挙句、現在進行形で拘束されてるでしょーが!
結界の縁が見当たらないのだけど、ここで探索は打ち切るべきか。夕方になる前に、野宿できそうな場所を検討したほうが賢いのだろうか。
ついつい下を向いてしまう。深刻な顔したって、妙案は生まれないのに。
――背筋を伸ばして、口角は上げる! 景気づけに錫杖を地面に打ちつけ、シャンシャンシャン!
余韻に耳を澄ませていると、コンコンコンと微かな音がした。斜めに倒壊した巨木の幹に、金属枠の虫篭が錆びた釘で打ちつけられてある。その中で紫色のアゲハ蝶が闇雲に飛んでは、透明な壁にぶつかっていた。
≪この子も捕まっちゃったのかな≫
≪つか、罠が多いな! しかもどれも古いし!≫
回収しろよ、人間。蛇杖で叩くと、透明な素材は軽い音がする。プラスチックなのかな。何十年も洗ってない窓ガラスみたいに土ぼこりで汚れているのに、何故か横の一面だけ新品みたいにピッカピカ。
「わわっ!?」
汚れていない側面を杖で突いたら、びよーんびよーんと伸縮する。なんだこれ、透明ゴム? 力加減を間違えて、強く押したらずぼっと中まで食い込んだ! しかも杖をこっちに戻したら、すっかり元通り。穴ひとつ残っていない。
≪何この素材?≫
≪さあ……人間の作った何か? それより芽芽ちゃん、この子も助けてあげようよ≫
うーん。あんまり助けまくると、私たちまで身バレしちゃうんだけどなぁ。純粋無垢なフィオに向かって、気が乗らないとは言いづらい。
虫篭の位置は、まっすぐ立った私の目線あたり。地面に落ちている細い枝を一本、ゴム壁に突き刺してフィオに握っててもらう。もう二本入れて、それぞれ三方へ引っ張ったら……お、穴が広がるぞ。蝶さん、こっから出ておいでませ。
しばらく念じていたら、手の平大のアゲハが飛び出てきた。カラスアゲハのビロードの羽に、濃い紫の光沢。ひらりはらりと私たちの周りを漂う様は天女みたい。
≪わぁ、きれーい!≫
脳裏に響くフィオの声が元気になった。
フィオの力で倒木を地面まで完全に降ろしてもらって、虫篭はその衝撃のせいで亀裂が入って一部が欠けましたって感じに転がしておく。雨宿りで虫や小動物が入りこんだとしても、出たい時に出れる仕様である。
にしても、この二種類の透明素材。文明度は高そうだ。それとも魔法で、ぽんって作れちゃうのかな。どこかに電気ショックや赤外線センサー付きの罠とか設置されていたら、どうしよう。杖でコンコン確認するだけでは対処できない。
~~~っ、しっかりしろ、魔王メメ! フィオに心配させちゃう。もっと別のことを考えるんだ!
≪知ってる? 蝶々って神様のお使いなんだって≫
≪じゃあきっと、どっちに行ったらいいのか教えてくれるね!≫
死者の魂が戻ってきたという別解釈は黙っておこう。
紫の蝶が先導役とばかりに、砂利道を舞うように進んでいく。視界も開けてきたので、お互いに人間の気配には警戒しつつ、後を付いていくことにした。
光るタイルが丁寧に敷き詰められた道と比較すると、両端に菱形の細い煉瓦が並んでいるだけで、あとは随分と味気ない砂利道だ。でも、周囲は地球でも見かける針葉樹林で、緩やかに下り坂だからホッとする。
どの樹も、なんとなく薄っすら赤黄青紫の月の色がかっているけど、さっきみたいに極採色じゃない。落ち葉も四色ミックスだけど、全体的に土気色だから深く考えまい。気のせいだ、見ない見ない。
≪もしかして、それなりの数の人間が定期的に趣味で登山しちゃってたりする道?≫
≪そんなことないよ~。残っている古い道は森の中とか山の中が多いの。今の人間は、馬が引っ張る箱に入って移動するから、広い所にうんと大きな道を作ってるの≫
言われてみれば、大人が片手を伸ばしたくらいの道幅だ。駅のエスカレーターと同じくらいの狭さでずっと道が続いている。
だんだんと山の傾斜に沿って、蛇行するようになってきた。しかも今度は岩が突き出て向こうが見えない。
そろそろ鈴を外すべきかな。既に杖を握る手の中に紐を手繰り寄せ、音はほとんど鳴らないようには用心している。
紫天女のアゲハ蝶さんが角で待っていてくれるけど、果たしてこれは曲がってよいものかどうか。
「ふべしっ!?」
迷っていたら、蝶の足元が薄紫色にぼわわんと光りだして、風船みたくなって、そして羽を大きく扇ぐのと同時に足元で凝縮された紫の玉を私へ投げつけた!
≪あ、贈り物だね、芽芽ちゃん≫
≪え。もしかして、さっきの天道虫もあんな感じで、黄土色の飴玉みたいなの出現させてた?≫
フィオが≪そだよ~≫と、ほんわか応える。母竜曰く、自然が豊かなところでは、時々起こる現象らしい。
≪何それ、魔法?! 私の世界だと絶対に起きそうにないことなんだけど! ひょっとして攻撃されてるの?!≫
≪まほう……なのかな。よくわかんない。『贈り物』って呼ばれてたから、攻撃じゃないと思うけど……≫
脱皮間際の対処法といい、教育ママンとしては詰めが甘いぞ、ママ・ドラゴン。
お腹に軽くヒットをかましてくれた石つぶてを、地面から拾いあげた。不透明な薄紫の……岩塩の塊みたい。なんか粉ふいてて、ザラザラしている。
≪えーと、ありがとう、ございます?≫
紫天女と意思疏通を図ろうとしたら、先にカーブを曲がってしまう。
≪待って!≫
慌てて追いかけたけれど、蝶は跡形もなく消えていた。パーカーの腰ポケットに手を入れると、左ポケットには昨夜の団栗、右ポケットには今朝の蛇の髭果実と、水辺の琥珀飴の感触がある。
どんな理由でもらえるのか、なぜぶつけてくるのか、意味が解らない。モンスターのドロップアイテムだって、条件は討伐とか、はっきりしているぞ。
おまけに曲がった先には、さらなる珍事が待ち受けていた。
≪うーんと、コレも普通に時々あること?≫
≪は、はじめて! こんなのはじめて!≫
フィオが慌てて否定する。だよね、なんでこんな所に白髪老人の変死体が横たわっているのだ。しかもリアルな黒猫の剥製まで隣に置いてある。
……魔除けの鈴、鳴らし続けておくべきだったのかもしれない。
大地を踏みしめ、重心を落とし、杖を正面で真っ直ぐ構えた。里宮のお賽銭前の祓串のように両手で握りしめ、陰陽道みたいに人差し指と中指はピンと伸ばして剣印を結ぶ。
念じたら火や水が出てくる世界なのだ。人生ハッタリだ。気合いで勝負だ。
「えええいっ。 悪霊退散、怨敵降伏!」
私は魔王メメ! ホラーは絶対、ダメなんだってば!
****************
傘地蔵様のように、フィオを助けてくれますように。
ピラミッドの周りの雑草まできちんと整えては、二人で真剣に手を合わせるけど……空気感も天候も、さして変化はなし。
だんだんと光るタイルが減って、普通の砂利道と化してきた。フィオのお母さんによると、これも古代の人間が作った道。でも光る道よりは後代なんだって。つまり現代の人間が今でも利用している可能性がずっと高くなる場所。
≪ねぇ、芽芽ちゃん、ここ、大丈夫?≫
≪人気は全然しないんでしょ? それに一応、まだ山の中だし……ってぇ、私、この世界自体が昨夜初!≫
いくら母竜に注意されたからって、私に振るな! しかも君ね、蜂の巣タイルの道も、この砂利道も避けまくって、そいで悪人の巣窟の裏手に出ちゃった挙句、現在進行形で拘束されてるでしょーが!
結界の縁が見当たらないのだけど、ここで探索は打ち切るべきか。夕方になる前に、野宿できそうな場所を検討したほうが賢いのだろうか。
ついつい下を向いてしまう。深刻な顔したって、妙案は生まれないのに。
――背筋を伸ばして、口角は上げる! 景気づけに錫杖を地面に打ちつけ、シャンシャンシャン!
余韻に耳を澄ませていると、コンコンコンと微かな音がした。斜めに倒壊した巨木の幹に、金属枠の虫篭が錆びた釘で打ちつけられてある。その中で紫色のアゲハ蝶が闇雲に飛んでは、透明な壁にぶつかっていた。
≪この子も捕まっちゃったのかな≫
≪つか、罠が多いな! しかもどれも古いし!≫
回収しろよ、人間。蛇杖で叩くと、透明な素材は軽い音がする。プラスチックなのかな。何十年も洗ってない窓ガラスみたいに土ぼこりで汚れているのに、何故か横の一面だけ新品みたいにピッカピカ。
「わわっ!?」
汚れていない側面を杖で突いたら、びよーんびよーんと伸縮する。なんだこれ、透明ゴム? 力加減を間違えて、強く押したらずぼっと中まで食い込んだ! しかも杖をこっちに戻したら、すっかり元通り。穴ひとつ残っていない。
≪何この素材?≫
≪さあ……人間の作った何か? それより芽芽ちゃん、この子も助けてあげようよ≫
うーん。あんまり助けまくると、私たちまで身バレしちゃうんだけどなぁ。純粋無垢なフィオに向かって、気が乗らないとは言いづらい。
虫篭の位置は、まっすぐ立った私の目線あたり。地面に落ちている細い枝を一本、ゴム壁に突き刺してフィオに握っててもらう。もう二本入れて、それぞれ三方へ引っ張ったら……お、穴が広がるぞ。蝶さん、こっから出ておいでませ。
しばらく念じていたら、手の平大のアゲハが飛び出てきた。カラスアゲハのビロードの羽に、濃い紫の光沢。ひらりはらりと私たちの周りを漂う様は天女みたい。
≪わぁ、きれーい!≫
脳裏に響くフィオの声が元気になった。
フィオの力で倒木を地面まで完全に降ろしてもらって、虫篭はその衝撃のせいで亀裂が入って一部が欠けましたって感じに転がしておく。雨宿りで虫や小動物が入りこんだとしても、出たい時に出れる仕様である。
にしても、この二種類の透明素材。文明度は高そうだ。それとも魔法で、ぽんって作れちゃうのかな。どこかに電気ショックや赤外線センサー付きの罠とか設置されていたら、どうしよう。杖でコンコン確認するだけでは対処できない。
~~~っ、しっかりしろ、魔王メメ! フィオに心配させちゃう。もっと別のことを考えるんだ!
≪知ってる? 蝶々って神様のお使いなんだって≫
≪じゃあきっと、どっちに行ったらいいのか教えてくれるね!≫
死者の魂が戻ってきたという別解釈は黙っておこう。
紫の蝶が先導役とばかりに、砂利道を舞うように進んでいく。視界も開けてきたので、お互いに人間の気配には警戒しつつ、後を付いていくことにした。
光るタイルが丁寧に敷き詰められた道と比較すると、両端に菱形の細い煉瓦が並んでいるだけで、あとは随分と味気ない砂利道だ。でも、周囲は地球でも見かける針葉樹林で、緩やかに下り坂だからホッとする。
どの樹も、なんとなく薄っすら赤黄青紫の月の色がかっているけど、さっきみたいに極採色じゃない。落ち葉も四色ミックスだけど、全体的に土気色だから深く考えまい。気のせいだ、見ない見ない。
≪もしかして、それなりの数の人間が定期的に趣味で登山しちゃってたりする道?≫
≪そんなことないよ~。残っている古い道は森の中とか山の中が多いの。今の人間は、馬が引っ張る箱に入って移動するから、広い所にうんと大きな道を作ってるの≫
言われてみれば、大人が片手を伸ばしたくらいの道幅だ。駅のエスカレーターと同じくらいの狭さでずっと道が続いている。
だんだんと山の傾斜に沿って、蛇行するようになってきた。しかも今度は岩が突き出て向こうが見えない。
そろそろ鈴を外すべきかな。既に杖を握る手の中に紐を手繰り寄せ、音はほとんど鳴らないようには用心している。
紫天女のアゲハ蝶さんが角で待っていてくれるけど、果たしてこれは曲がってよいものかどうか。
「ふべしっ!?」
迷っていたら、蝶の足元が薄紫色にぼわわんと光りだして、風船みたくなって、そして羽を大きく扇ぐのと同時に足元で凝縮された紫の玉を私へ投げつけた!
≪あ、贈り物だね、芽芽ちゃん≫
≪え。もしかして、さっきの天道虫もあんな感じで、黄土色の飴玉みたいなの出現させてた?≫
フィオが≪そだよ~≫と、ほんわか応える。母竜曰く、自然が豊かなところでは、時々起こる現象らしい。
≪何それ、魔法?! 私の世界だと絶対に起きそうにないことなんだけど! ひょっとして攻撃されてるの?!≫
≪まほう……なのかな。よくわかんない。『贈り物』って呼ばれてたから、攻撃じゃないと思うけど……≫
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≪えーと、ありがとう、ございます?≫
紫天女と意思疏通を図ろうとしたら、先にカーブを曲がってしまう。
≪待って!≫
慌てて追いかけたけれど、蝶は跡形もなく消えていた。パーカーの腰ポケットに手を入れると、左ポケットには昨夜の団栗、右ポケットには今朝の蛇の髭果実と、水辺の琥珀飴の感触がある。
どんな理由でもらえるのか、なぜぶつけてくるのか、意味が解らない。モンスターのドロップアイテムだって、条件は討伐とか、はっきりしているぞ。
おまけに曲がった先には、さらなる珍事が待ち受けていた。
≪うーんと、コレも普通に時々あること?≫
≪は、はじめて! こんなのはじめて!≫
フィオが慌てて否定する。だよね、なんでこんな所に白髪老人の変死体が横たわっているのだ。しかもリアルな黒猫の剥製まで隣に置いてある。
……魔除けの鈴、鳴らし続けておくべきだったのかもしれない。
大地を踏みしめ、重心を落とし、杖を正面で真っ直ぐ構えた。里宮のお賽銭前の祓串のように両手で握りしめ、陰陽道みたいに人差し指と中指はピンと伸ばして剣印を結ぶ。
念じたら火や水が出てくる世界なのだ。人生ハッタリだ。気合いで勝負だ。
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