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9. 林住期 ~参戦~
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これで遂に元上司と対面出来るかもしれない。
今の自分はアルリーネの夫、グウェンフォール。
代々受け継いだシャンレイという名は、彼女と出会う前に捨てた。万が一覚えている奴がいたとしても、今の実力なら互角に戦える。そう計算して後に従った。
ルウェレンはヴァーレッフェ現国王の弟だった。早々に王位継承権を自ら放棄し、見習いの時から竜騎士宿舎住まいで従者も付けず、第三師団の最年少幹部まで登り詰めたのだと言う。
「まぁ、王族を辞めたって、『帯剣公』なんて妙な肩書を押し付けられましたからね。実力じゃありませんよ、ただの七光です」
わはは、と顔に似合わぬ粗野な笑い方をして見せるが、その身体にはあちこち大きな傷跡があった。七光だとの陰口を封じるがごとく、常に自ら先陣を切って戦に身を投じたのだろう。
ルウェレンがいなくなると、部下たちは我先に、『赤の英雄』の逸話を語り聴かせてくれた。
ヴァーレッフェ側の野営地で暫く待たされてから、国王への目通りが許される。挨拶するや否や、ルウェレンお抱えの特別魔導士として任命されてしまった。
「ワシは誰にも仕える気はない!」
御前だろうが知ったことか。ルウェレンに声を荒げる。
「まぁそう言わず。あくまでこの戦での呼び名ですよ、通称ってやつです」
「では貴様も『王弟殿下』とでも呼んでやろうか? そんなものはいらん。アヴィガーフェの陣営に制裁を加えたいので失礼する」
「いや、だから! 貴方がお探しなのは向こうの国王でしょう? 我々が放った斥候の情報を活用してください」
赤銅色の髪をした竜騎士は、なかなかにしつこく食い下がった。
「ここに立ち寄られたついでです。食事を済ましていかれると良い。睡眠を取られるなら、私が見張りに立ちましょう」
その程度の魔法陣、長年の旅で暇つぶしも兼ねて工夫に工夫を重ねたのだ。今ではたとえ弓矢が飛び交う戦場であろうと独りでぐっすり寝られるわ。
「お願いします。我が国の領土にここまで攻め込まれては後がない。どうしても貴方の御力が必要だ」
――そういえばこの地はヴァーレッフェ側だったか。
「上級魔導士たちがいるだろう」
「それが……」
そこで初めてルウェレンが言葉を濁す。
我々のやり取りを見ていた国王が、まぁまぁと取り成して来た。同じ髪色と瞳だが、赤の竜騎士よりも随分と年を取っている。
思い出した。霊山で殺されかけた前の月、王太子だったこの男の成人の儀に出席したな。華奢で頼りなげな青年が、あの頃に輪を掛けて温厚そうな雰囲気の、陽だまりのような初老の男に成っていた。もうそんなに経つのか。
「私が代わりに説明しよう。実は主だった上級魔導士たちは、神殿に閉じこもっているのだ」
「――は?」
「聖女様をお守りせねばならん。故に、仕方がないと言えば仕方ないのだが」
そんな訣があるか。魔導士が真っ先に戦場に馳せ参じなくてどうする。
「神殿長が亡くなったばかりで、色々と大変なせいもあるらしく――」
「今なんと」
「色々と大変――」
「その前だ!」
「神殿長が亡くなり、まし、て?」
国王が不思議そうな顔をする。無礼極まりないやり取りに、傍に控えた者たちが眉を顰めていた。
仮設の天幕だからと思ったが、家臣の数が少な過ぎる。外を行き交う数多の竜騎士や兵士を除けば、ごく普通の取り巻き貴族と側仕えしか並んでいない。
いや、右端に塊まった『ごく普通』の若者三人は下級魔導士といったところか。左で睨み付けている中年男二人は中級だな。魔導士の数が足らん。魔力も足らん。なんだここは。
「訊くが、死んだ神殿長の名は」
「カドックだが、知り合いなのか?」
「――いや」
あんな男が『お知り合い』なんぞであってたまるか。
霊山から命からがら逃れた当初は、痛めつけ心行くまで嘲ってやりたいと復讐の念に燃えた。だがアルリーネと過ごし、自分のやるべきは私怨にかられた殺し合いではなく、自らの愚行の尻拭いなのだと気が付いた。
大切なのはカドックの悪行を暴き、神殿の暴走を止めることであって、カドック本人がどうなろうと関係はない。
そう思っていたつもりだが、死んだと聞かされるとやはり悔しさが胸に込み上げる。
どこかに小さく巣食っていた復讐心が盛んに渦巻くのだ。あの男の息の根を止めるのは自分でありたかった、と。
「許せ、然様に悲しむとは……」
眉を寄せ、唇を噛み締めていたのを、悲嘆にくれた姿だと勘違いされたらしい。どこまでも御目出度い王だ。
「参戦した魔導士をすぐに呼び集められよ。その間に戦場の竜騎士と兵士の配置を詳しく説明していただこう」
王に指図すると、ルウェレンが天幕から急いで駆け出して行った。
その日は情報を掻き寄せられるだけ集めた。
夜になりルウェレンを天幕から誘き出し、見晴らしのいい野原に移動した。辺りに人の気配がないことを確認してから、小声で話し出す。
「ルウェレン、今から青い馬の連峰まで飛べるか」
「へ? まあそれは……」
「隠密行動が得意な部隊を連れて行け。訪問の口実はそうだな、上級魔導士の域に到達している僧侶の戦争への参加だ」
流石に難しいのでは、と竜騎士が渋る。
あそこの僧侶たちは常に中立を表明し、決して戦に手を貸そうとはしなかった。
それがシャンレイ様の教えだと声高に唱えているが、戦場で名を馳せた天才魔導士様がそんな言葉を残したとは到底信じられない。あの方の戦闘狂っぷりは、晩年に書かれた指南書の端々から伝わってきた。
「別に断られても構わん。いや、むしろ断られろ。どれほどアヴィガーフェが残虐か、市井の人々が虐げられ苦しめられているか訴え、涙ながらに懇願して断られて来い」
「はあ……」
「貴様が猿芝居を演じている間に、信頼の置ける部下たちを使い、霊廟の奥の間に展示されたシャンレイ様の魔杖を盗ませるのだ」
「え? は、はい?!」
「大体の建物の配置と、霊廟内の詳しい在処はこの紙に記した。警備の穴は分からんが、お前たちの方がそちらは得意だろうから任せる。まぁ暫く欺くために、王宮に保管してある魔杖の一つを持参してすり替えるのも悪くないかもな」
「いや、確実にバレますよね、それ!」
「なんじゃ、案外神経の細い奴だな」
「そーいう問題じゃないでしょうっ」
煩い男だ。百戦錬磨の英雄じゃなかったのか。部下が聞いたら泣くぞ。
「分かった。今から王宮に連れて案内しろ。出来るだけ似てそうな魔杖を見繕って、さらに幻影の術でも掛けてやる」
無駄な魔力を消耗しそうだが、仕方ない。あの年季の入った偽魔杖が必要不可欠なのだ。
反論を諦めた竜騎士が溜息を吐き、胸元の魔石で出来た竜笛を吹く。人の耳には何も聴こえないが、やがて大きな赤竜が現れた。
「これぞまさしく竜って奴でしょう、フェルンって言うんです」
「――さっさと行くぞ」
竜の名前なぞどうでもいい。『これぞまさしく』が、どんなまさしくなのかも知らん。
少し恨めしげにこちらをねめつけた男を無視し、野原から魔術で空中へと駆け上がった。
すぐさま追い越してくる火の竜騎士と騎竜の後ろに回り、風除けとする。王宮まで数刻もかからずに到着した。
後に『九年大戦』と呼ばれるようになった国境争いの5年目。アヴィガーフェ勢の包囲網は、ヴァーレッフェ王都陥落まであと少しのところに迫っていた。
今の自分はアルリーネの夫、グウェンフォール。
代々受け継いだシャンレイという名は、彼女と出会う前に捨てた。万が一覚えている奴がいたとしても、今の実力なら互角に戦える。そう計算して後に従った。
ルウェレンはヴァーレッフェ現国王の弟だった。早々に王位継承権を自ら放棄し、見習いの時から竜騎士宿舎住まいで従者も付けず、第三師団の最年少幹部まで登り詰めたのだと言う。
「まぁ、王族を辞めたって、『帯剣公』なんて妙な肩書を押し付けられましたからね。実力じゃありませんよ、ただの七光です」
わはは、と顔に似合わぬ粗野な笑い方をして見せるが、その身体にはあちこち大きな傷跡があった。七光だとの陰口を封じるがごとく、常に自ら先陣を切って戦に身を投じたのだろう。
ルウェレンがいなくなると、部下たちは我先に、『赤の英雄』の逸話を語り聴かせてくれた。
ヴァーレッフェ側の野営地で暫く待たされてから、国王への目通りが許される。挨拶するや否や、ルウェレンお抱えの特別魔導士として任命されてしまった。
「ワシは誰にも仕える気はない!」
御前だろうが知ったことか。ルウェレンに声を荒げる。
「まぁそう言わず。あくまでこの戦での呼び名ですよ、通称ってやつです」
「では貴様も『王弟殿下』とでも呼んでやろうか? そんなものはいらん。アヴィガーフェの陣営に制裁を加えたいので失礼する」
「いや、だから! 貴方がお探しなのは向こうの国王でしょう? 我々が放った斥候の情報を活用してください」
赤銅色の髪をした竜騎士は、なかなかにしつこく食い下がった。
「ここに立ち寄られたついでです。食事を済ましていかれると良い。睡眠を取られるなら、私が見張りに立ちましょう」
その程度の魔法陣、長年の旅で暇つぶしも兼ねて工夫に工夫を重ねたのだ。今ではたとえ弓矢が飛び交う戦場であろうと独りでぐっすり寝られるわ。
「お願いします。我が国の領土にここまで攻め込まれては後がない。どうしても貴方の御力が必要だ」
――そういえばこの地はヴァーレッフェ側だったか。
「上級魔導士たちがいるだろう」
「それが……」
そこで初めてルウェレンが言葉を濁す。
我々のやり取りを見ていた国王が、まぁまぁと取り成して来た。同じ髪色と瞳だが、赤の竜騎士よりも随分と年を取っている。
思い出した。霊山で殺されかけた前の月、王太子だったこの男の成人の儀に出席したな。華奢で頼りなげな青年が、あの頃に輪を掛けて温厚そうな雰囲気の、陽だまりのような初老の男に成っていた。もうそんなに経つのか。
「私が代わりに説明しよう。実は主だった上級魔導士たちは、神殿に閉じこもっているのだ」
「――は?」
「聖女様をお守りせねばならん。故に、仕方がないと言えば仕方ないのだが」
そんな訣があるか。魔導士が真っ先に戦場に馳せ参じなくてどうする。
「神殿長が亡くなったばかりで、色々と大変なせいもあるらしく――」
「今なんと」
「色々と大変――」
「その前だ!」
「神殿長が亡くなり、まし、て?」
国王が不思議そうな顔をする。無礼極まりないやり取りに、傍に控えた者たちが眉を顰めていた。
仮設の天幕だからと思ったが、家臣の数が少な過ぎる。外を行き交う数多の竜騎士や兵士を除けば、ごく普通の取り巻き貴族と側仕えしか並んでいない。
いや、右端に塊まった『ごく普通』の若者三人は下級魔導士といったところか。左で睨み付けている中年男二人は中級だな。魔導士の数が足らん。魔力も足らん。なんだここは。
「訊くが、死んだ神殿長の名は」
「カドックだが、知り合いなのか?」
「――いや」
あんな男が『お知り合い』なんぞであってたまるか。
霊山から命からがら逃れた当初は、痛めつけ心行くまで嘲ってやりたいと復讐の念に燃えた。だがアルリーネと過ごし、自分のやるべきは私怨にかられた殺し合いではなく、自らの愚行の尻拭いなのだと気が付いた。
大切なのはカドックの悪行を暴き、神殿の暴走を止めることであって、カドック本人がどうなろうと関係はない。
そう思っていたつもりだが、死んだと聞かされるとやはり悔しさが胸に込み上げる。
どこかに小さく巣食っていた復讐心が盛んに渦巻くのだ。あの男の息の根を止めるのは自分でありたかった、と。
「許せ、然様に悲しむとは……」
眉を寄せ、唇を噛み締めていたのを、悲嘆にくれた姿だと勘違いされたらしい。どこまでも御目出度い王だ。
「参戦した魔導士をすぐに呼び集められよ。その間に戦場の竜騎士と兵士の配置を詳しく説明していただこう」
王に指図すると、ルウェレンが天幕から急いで駆け出して行った。
その日は情報を掻き寄せられるだけ集めた。
夜になりルウェレンを天幕から誘き出し、見晴らしのいい野原に移動した。辺りに人の気配がないことを確認してから、小声で話し出す。
「ルウェレン、今から青い馬の連峰まで飛べるか」
「へ? まあそれは……」
「隠密行動が得意な部隊を連れて行け。訪問の口実はそうだな、上級魔導士の域に到達している僧侶の戦争への参加だ」
流石に難しいのでは、と竜騎士が渋る。
あそこの僧侶たちは常に中立を表明し、決して戦に手を貸そうとはしなかった。
それがシャンレイ様の教えだと声高に唱えているが、戦場で名を馳せた天才魔導士様がそんな言葉を残したとは到底信じられない。あの方の戦闘狂っぷりは、晩年に書かれた指南書の端々から伝わってきた。
「別に断られても構わん。いや、むしろ断られろ。どれほどアヴィガーフェが残虐か、市井の人々が虐げられ苦しめられているか訴え、涙ながらに懇願して断られて来い」
「はあ……」
「貴様が猿芝居を演じている間に、信頼の置ける部下たちを使い、霊廟の奥の間に展示されたシャンレイ様の魔杖を盗ませるのだ」
「え? は、はい?!」
「大体の建物の配置と、霊廟内の詳しい在処はこの紙に記した。警備の穴は分からんが、お前たちの方がそちらは得意だろうから任せる。まぁ暫く欺くために、王宮に保管してある魔杖の一つを持参してすり替えるのも悪くないかもな」
「いや、確実にバレますよね、それ!」
「なんじゃ、案外神経の細い奴だな」
「そーいう問題じゃないでしょうっ」
煩い男だ。百戦錬磨の英雄じゃなかったのか。部下が聞いたら泣くぞ。
「分かった。今から王宮に連れて案内しろ。出来るだけ似てそうな魔杖を見繕って、さらに幻影の術でも掛けてやる」
無駄な魔力を消耗しそうだが、仕方ない。あの年季の入った偽魔杖が必要不可欠なのだ。
反論を諦めた竜騎士が溜息を吐き、胸元の魔石で出来た竜笛を吹く。人の耳には何も聴こえないが、やがて大きな赤竜が現れた。
「これぞまさしく竜って奴でしょう、フェルンって言うんです」
「――さっさと行くぞ」
竜の名前なぞどうでもいい。『これぞまさしく』が、どんなまさしくなのかも知らん。
少し恨めしげにこちらをねめつけた男を無視し、野原から魔術で空中へと駆け上がった。
すぐさま追い越してくる火の竜騎士と騎竜の後ろに回り、風除けとする。王宮まで数刻もかからずに到着した。
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