ゲームの世界に行く話ってあるじゃないですか！

右を向いても左を向いても

「おらー！待てこの食い逃げ野郎ー！」

俺、平内 凡太（ひらうち ぼんた）は街中を猛ダッシュで逃げていた…
ちなみにあだ名はヘイボンだ。

食い逃げ呼ばわりされているわけだが、俺は腹ペコである。
このゲームに入ってしまってから既に二日たってしまっているがまだ一食も食べていないのだ。
つまり食い逃げ野郎とは俺じゃないのだが…それを証明する手立てがない
俺の左右で食い逃げ候補の二人の男が一緒に逃げているのだが、
俺と非常に良く似た見た目…というか全く同じだ。

ちなみに現在の俺のステータス
名前　ライスハルト
職業　戦士
etc…

俺と一緒に走っている二人のステータス
名前　ライスハルト
職業　戦士
etc…

俺が入ってしまったゲームとは最初に四人のキャラクターから一人を選んで遊ぶタイプのRPGだったのだ
果たして何人がこのゲームに入ってしまっているのかはわからないが
この街はNPC以外は四種類の人間しか存在しない状態である、
ちなみに、昼間にいた広場には百人は超えるであろう四種の人で溢れかえっていた、カオスだね。

そうこうしているうちに前方に三方向に分岐する分かれ道が見えてきた、
「はぁ、はぁ、じゃあ俺は右に行くから！」
右にいるライスハルトが言う

「じゃあ俺は左に！」
左のライスハルトも良い笑顔でそんな事を言って…口の端に魚の骨くわえてやがる！こいつじゃねぇか！

しかし今となってはどうしようもない、流れ的に真っ直ぐ行く事にした、
俺のゲームの世界へのトリップは始まったばかりなのだ、
とりあえず逃げ切る事に全力を尽くす事にした…