ゲームの世界に行く話ってあるじゃないですか！

世界観とシューティング

ゲームトリップという謎の現象が起こるようになってもう何年経つのだろう…
それはなんの前触れもなく、同じタイミングでゲームをしている者全員をそのゲーム内に引きずり込むという現象の事を指している。

現実世界に戻ってこれる方法はいくつかある
１、誰かがそのゲームをクリアすると全員が現実世界に戻れる
２、ゲーム内で死んだ場合（実際死んだ時の痛みなどを感じるためこの方法を嫌がる人は多い）
３、ログアウトがあるタイプのゲームの場合それでも戻れる（再ログインはできない）
４、クリアの概念がないタイプのゲームはリタイアできる（俺はやったことないが感覚でできるらしい）

俺こと平内 凡太（あだ名はヘイボン）はそんな世界に生きている普通の高校生だ。
狙ってトリップできるわけではないけれど、ちょっとしたスリルを求める人々はこぞってゲームをしている感じだ。もちろん俺もそうだ。
ゲームをとっかえひっかえしながらその時が来るのを待つのが休日の俺のスタイルである。




操縦桿を握る俺の手のひらは汗でぐっしょりと濡れている
棺おけのように狭いコクピット内で（棺おけに入ったことはないが）ミサイルボタンを連射している

今回はシューティングゲームを遊んでいる時にトリップしてしまったのだ
有名国産シューティングゲーム「ゼノディウス２」
この骨太シューティングには…パワーアップ要素がない
敵の弾に当たったら一撃死だし、こっちの弾はワイドになったりレーザーになったりする事もない
ミサイルのみだ（しかもオート連射もない）硬派すぎる。

ひたすら連射しながらなんとか１面の葉巻型UFOを撃墜する事ができた俺だが
すでに右手が腱鞘炎寸前になってしまった…このゲームは確か…全８面だったはずだ、先は長い。

今度は絶対「俺強ぇー！」が出来るゲームにトリップするようにしよう
敵の極太レーザーの光に包まれながら俺はそう決心した。