僕はスキルで思い出す

魔法仕掛けのにゃんこ

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三章 陰謀のトライアド王国編

面会

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「お目覚めかね?」

バッシュテンの王城の一室のような、一目で高級な調度品で飾られた部屋で僕は目覚めた。
目の前には下半身は山羊、上半身は角の生えた人間というデクルズが立って僕を見ている。
連れ去られた時に体を拘束していたロープは解かれ、特に動かせない場所はない。しかし……

「君は客として来てもらったので特に拘束などはしていないが、まぁスキル封じの首輪だけはつけさせてもらったよ。」

どういう理屈かはわからないけど、僕のスキルを封じているらしい。持ち物自体は奪われていないようだから、1人になれるチャンスがあったら魔道具である双子の指輪は使えるのか試してみよう。

「何故僕を連れてきた!」

「そう、それだよアルノ君。君が果たして本当に我々の望む者なのか調べなければならんのだが、あいにく担当がまだ帰っていなくてね。もう少しここで待っていて貰おう。」

デクルズはそういうと僕の返事などはなから聞く気はないようで、優雅な足取りで部屋を出て行った。流石に鍵はかけられてしまったようだが。

ここは一体どこなのか、気絶させられていた僕にはわからないけどもしかしたらわかるかも……『Remember思い出す、ダンテリオ』

あれ?変身もしなければ意識も流れてこない。あ、そうかスキル封じは『思い出す』も封じられているのか……
当たり前と言えば当たり前だったな、気絶している間の事がわかるかと思ったのに……双子の指輪はどうだろう。

『ミリス……ミリス聞こえる?』

『アルノ!?どこ!?今どこにいるの?大丈夫なの!?』

『どこにいるかはわからないけど、とりあえず大丈夫。魔族の目的はまだわからないけど、すぐに殺す気はないみたい。そっちは大丈夫だった?』

『私もオーファスさんも御者さんも平気よ!なんとかトライアドの王都デンタークに着いて、今オーファスさんがバッシュテンに連絡して返事まっているところなの。』

『……どこにいるかわからないって言ったけど、ひょっとしたら近いところにいるかもしれない。』

『どうして!?』

『念話の感覚が近い感じがするんだ、確か実験した時は離れれば離れるほど遠い感覚だったよね?』

『っていう事はアルノはデンタークの何処かにいるかもしれないのね?』

『可能性は高いと思う、それと今いる場所は相当豪華な建物なんだ。それこそ王城のような感じ。』

『オーファスさんが戻ってきたら話してみる!』

部屋外からコツコツと誰かが歩いてくる音が聞こえる。

『誰か来たみたいだから念話切るね、また連絡するから!』

『無理だけはしないでね、必ず助けるから!』

念話を切ったタイミングで扉が開き、一人の神官服の男が入ってきた。こいつも魔族なんだろうか。

「待たせたかな?はじめましてアルノ君。それとも……」

あれ?何処かで見たような……

「僕の事を覚えているかい?」

こいつは!いや、この人は……

「パルシュ神父!」

スキルは封じられているはずなのに、僕の中からオーリンが溢れ出した。





ステータス
名前 オーリン・リュカーオ
種族 人間
職業 聖女
ユニークスキル 『神眼Lv7』
スキル     『神聖魔法Lv8』
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感想 3

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