32 / 33
三章 陰謀のトライアド王国編
面会
しおりを挟む
「お目覚めかね?」
バッシュテンの王城の一室のような、一目で高級な調度品で飾られた部屋で僕は目覚めた。
目の前には下半身は山羊、上半身は角の生えた人間というデクルズが立って僕を見ている。
連れ去られた時に体を拘束していたロープは解かれ、特に動かせない場所はない。しかし……
「君は客として来てもらったので特に拘束などはしていないが、まぁスキル封じの首輪だけはつけさせてもらったよ。」
どういう理屈かはわからないけど、僕のスキルを封じているらしい。持ち物自体は奪われていないようだから、1人になれるチャンスがあったら魔道具である双子の指輪は使えるのか試してみよう。
「何故僕を連れてきた!」
「そう、それだよアルノ君。君が果たして本当に我々の望む者なのか調べなければならんのだが、あいにく担当がまだ帰っていなくてね。もう少しここで待っていて貰おう。」
デクルズはそういうと僕の返事などはなから聞く気はないようで、優雅な足取りで部屋を出て行った。流石に鍵はかけられてしまったようだが。
ここは一体どこなのか、気絶させられていた僕にはわからないけどもしかしたらわかるかも……『Remember、ダンテリオ』
あれ?変身もしなければ意識も流れてこない。あ、そうかスキル封じは『思い出す』も封じられているのか……
当たり前と言えば当たり前だったな、気絶している間の事がわかるかと思ったのに……双子の指輪はどうだろう。
『ミリス……ミリス聞こえる?』
『アルノ!?どこ!?今どこにいるの?大丈夫なの!?』
『どこにいるかはわからないけど、とりあえず大丈夫。魔族の目的はまだわからないけど、すぐに殺す気はないみたい。そっちは大丈夫だった?』
『私もオーファスさんも御者さんも平気よ!なんとかトライアドの王都デンタークに着いて、今オーファスさんがバッシュテンに連絡して返事まっているところなの。』
『……どこにいるかわからないって言ったけど、ひょっとしたら近いところにいるかもしれない。』
『どうして!?』
『念話の感覚が近い感じがするんだ、確か実験した時は離れれば離れるほど遠い感覚だったよね?』
『っていう事はアルノはデンタークの何処かにいるかもしれないのね?』
『可能性は高いと思う、それと今いる場所は相当豪華な建物なんだ。それこそ王城のような感じ。』
『オーファスさんが戻ってきたら話してみる!』
部屋外からコツコツと誰かが歩いてくる音が聞こえる。
『誰か来たみたいだから念話切るね、また連絡するから!』
『無理だけはしないでね、必ず助けるから!』
念話を切ったタイミングで扉が開き、一人の神官服の男が入ってきた。こいつも魔族なんだろうか。
「待たせたかな?はじめましてアルノ君。それとも……」
あれ?何処かで見たような……
「僕の事を覚えているかい?」
こいつは!いや、この人は……
「パルシュ神父!」
スキルは封じられているはずなのに、僕の中からオーリンが溢れ出した。
ステータス
名前 オーリン・リュカーオ
種族 人間
職業 聖女
ユニークスキル 『神眼Lv7』
スキル 『神聖魔法Lv8』
バッシュテンの王城の一室のような、一目で高級な調度品で飾られた部屋で僕は目覚めた。
目の前には下半身は山羊、上半身は角の生えた人間というデクルズが立って僕を見ている。
連れ去られた時に体を拘束していたロープは解かれ、特に動かせない場所はない。しかし……
「君は客として来てもらったので特に拘束などはしていないが、まぁスキル封じの首輪だけはつけさせてもらったよ。」
どういう理屈かはわからないけど、僕のスキルを封じているらしい。持ち物自体は奪われていないようだから、1人になれるチャンスがあったら魔道具である双子の指輪は使えるのか試してみよう。
「何故僕を連れてきた!」
「そう、それだよアルノ君。君が果たして本当に我々の望む者なのか調べなければならんのだが、あいにく担当がまだ帰っていなくてね。もう少しここで待っていて貰おう。」
デクルズはそういうと僕の返事などはなから聞く気はないようで、優雅な足取りで部屋を出て行った。流石に鍵はかけられてしまったようだが。
ここは一体どこなのか、気絶させられていた僕にはわからないけどもしかしたらわかるかも……『Remember、ダンテリオ』
あれ?変身もしなければ意識も流れてこない。あ、そうかスキル封じは『思い出す』も封じられているのか……
当たり前と言えば当たり前だったな、気絶している間の事がわかるかと思ったのに……双子の指輪はどうだろう。
『ミリス……ミリス聞こえる?』
『アルノ!?どこ!?今どこにいるの?大丈夫なの!?』
『どこにいるかはわからないけど、とりあえず大丈夫。魔族の目的はまだわからないけど、すぐに殺す気はないみたい。そっちは大丈夫だった?』
『私もオーファスさんも御者さんも平気よ!なんとかトライアドの王都デンタークに着いて、今オーファスさんがバッシュテンに連絡して返事まっているところなの。』
『……どこにいるかわからないって言ったけど、ひょっとしたら近いところにいるかもしれない。』
『どうして!?』
『念話の感覚が近い感じがするんだ、確か実験した時は離れれば離れるほど遠い感覚だったよね?』
『っていう事はアルノはデンタークの何処かにいるかもしれないのね?』
『可能性は高いと思う、それと今いる場所は相当豪華な建物なんだ。それこそ王城のような感じ。』
『オーファスさんが戻ってきたら話してみる!』
部屋外からコツコツと誰かが歩いてくる音が聞こえる。
『誰か来たみたいだから念話切るね、また連絡するから!』
『無理だけはしないでね、必ず助けるから!』
念話を切ったタイミングで扉が開き、一人の神官服の男が入ってきた。こいつも魔族なんだろうか。
「待たせたかな?はじめましてアルノ君。それとも……」
あれ?何処かで見たような……
「僕の事を覚えているかい?」
こいつは!いや、この人は……
「パルシュ神父!」
スキルは封じられているはずなのに、僕の中からオーリンが溢れ出した。
ステータス
名前 オーリン・リュカーオ
種族 人間
職業 聖女
ユニークスキル 『神眼Lv7』
スキル 『神聖魔法Lv8』
0
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる