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第二章 冒険者
その十六 龍神の加護
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「な、何ですかコレ……」
「私めも龍神の加護など初めて見ましたぞ。しかし……あまり人に知られない方が良いでしょうな……龍神が加護を与えるなど前例の無いこと……誰かが秘匿していない限りは、ですが」
確かに面倒ごとに巻き込まれる気しかしない・・・
「そもそも何で加護が三つも増えているんでしょうか……」
その言葉に老神官は一瞬呆けた顔をし、戸惑いを表情に浮かべ尋ねた。
「貴方は加護持ちではないのですかな?」
「はい。それは間違いないです」
「…レベルアップで三つの加護を貰うとは……よほど奇妙な、いや信心深い人生を送ってきたのでしょうな」
(今奇妙なって言ったよな?)
(『間違ってはおらんじゃろ』)
(『武神と魔神が加護を与えたくなるのも理解できますね』)
ロベリアは愉快そうに、ラナティアは共感しながらそう言った。
(お前ら……でもなんでこれだけの加護が?魔神や武神はまだしも、龍神まで……)
(『龍神の加護なら前から与えられておったぞ』)
(『レベルアップで与えられたのは魔神と武神の二種だけですね』)
(――はっ?どういうことだ……?ガキの頃は少なくとも加護は持ってなかったはずだが)
(『与えられたのは最近の事ですよ』)
(最近の・・・?)
(『うむ。英霊の島でな』)
英霊の島だと・・・?
龍神に加護を与えられるような機会は・・・
・・・ん?
龍、だと・・・
(オイまさか)
(『そのまさかですね。英霊の島の中心でふんぞり返っていた、私のかつての仲間ですよ』)
(『何百年も勇者の持つ神々の魔力を吸収して神格化したのじゃ。力を得て主神にまで成り上がりおったわ』)
あの龍・・・まさか神だったとは。
(でも何で加護が?)
(『ハク……あの龍の名前です。ハクが勝手に決めてたんですよ。自分の所まで来れた者に、気に入ったら加護を与える、と』)
(気に入られるようなことをした覚えはないが・・・随分厳しい条件だな)
(『事実それを達成したものは主以外におらんからの。そもそもあの島に来る者自体ごく僅かだったのじゃが』)
・・・やっぱり神様は気まぐれなんだろう。
英霊の島の中央に行くのが条件とか、正気の沙汰じゃない。
(『主はどうなんじゃ?ん?』)
それにしてもあの龍の名前ハクって言うんだな。
白龍だからか。単純だな。
(『おい無視するな主』)
(なぁ、よく考えたら龍神の加護ってどんな効果があるんだ?)
(『すみません。ハクが教えてくれなくて・・・そっちの方が面白いだろう、とか言ってました』)
(神って・・・というかそれって加護を与えた奴に剣を持たせる前提じゃないのか)
(『主よ』)
(『外の世界が見たいと言っていたのは私たちですから・・・自身が認める相手に渡すつもりだったのでしょう』)
(なるほどな)
(『・・・主ぃ』)
ロベリアの声から涙目になっているのが伝わってきた。
ちょっとやりすぎたかもしれない。
「私めも龍神の加護など初めて見ましたぞ。しかし……あまり人に知られない方が良いでしょうな……龍神が加護を与えるなど前例の無いこと……誰かが秘匿していない限りは、ですが」
確かに面倒ごとに巻き込まれる気しかしない・・・
「そもそも何で加護が三つも増えているんでしょうか……」
その言葉に老神官は一瞬呆けた顔をし、戸惑いを表情に浮かべ尋ねた。
「貴方は加護持ちではないのですかな?」
「はい。それは間違いないです」
「…レベルアップで三つの加護を貰うとは……よほど奇妙な、いや信心深い人生を送ってきたのでしょうな」
(今奇妙なって言ったよな?)
(『間違ってはおらんじゃろ』)
(『武神と魔神が加護を与えたくなるのも理解できますね』)
ロベリアは愉快そうに、ラナティアは共感しながらそう言った。
(お前ら……でもなんでこれだけの加護が?魔神や武神はまだしも、龍神まで……)
(『龍神の加護なら前から与えられておったぞ』)
(『レベルアップで与えられたのは魔神と武神の二種だけですね』)
(――はっ?どういうことだ……?ガキの頃は少なくとも加護は持ってなかったはずだが)
(『与えられたのは最近の事ですよ』)
(最近の・・・?)
(『うむ。英霊の島でな』)
英霊の島だと・・・?
龍神に加護を与えられるような機会は・・・
・・・ん?
龍、だと・・・
(オイまさか)
(『そのまさかですね。英霊の島の中心でふんぞり返っていた、私のかつての仲間ですよ』)
(『何百年も勇者の持つ神々の魔力を吸収して神格化したのじゃ。力を得て主神にまで成り上がりおったわ』)
あの龍・・・まさか神だったとは。
(でも何で加護が?)
(『ハク……あの龍の名前です。ハクが勝手に決めてたんですよ。自分の所まで来れた者に、気に入ったら加護を与える、と』)
(気に入られるようなことをした覚えはないが・・・随分厳しい条件だな)
(『事実それを達成したものは主以外におらんからの。そもそもあの島に来る者自体ごく僅かだったのじゃが』)
・・・やっぱり神様は気まぐれなんだろう。
英霊の島の中央に行くのが条件とか、正気の沙汰じゃない。
(『主はどうなんじゃ?ん?』)
それにしてもあの龍の名前ハクって言うんだな。
白龍だからか。単純だな。
(『おい無視するな主』)
(なぁ、よく考えたら龍神の加護ってどんな効果があるんだ?)
(『すみません。ハクが教えてくれなくて・・・そっちの方が面白いだろう、とか言ってました』)
(神って・・・というかそれって加護を与えた奴に剣を持たせる前提じゃないのか)
(『主よ』)
(『外の世界が見たいと言っていたのは私たちですから・・・自身が認める相手に渡すつもりだったのでしょう』)
(なるほどな)
(『・・・主ぃ』)
ロベリアの声から涙目になっているのが伝わってきた。
ちょっとやりすぎたかもしれない。
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