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第七章╱杉井豊花(急)
Episode177╱総白会vs最神一家③
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(285.)
粉雪が降りしきるなか、私たちは最寄りの駅に到着していた。
瑠衣と柊は帰宅させ、いま駅のホームにいるのは私たち栗落花と光とあわせて三人しかいない。
「いま、栗落花や光、その他仲間はほとぼりが冷めるまで逃亡生活を余儀なくされているんだ」
私は無抵抗の相手を殺すのは気が引ける。
しかし最神一家と総白会の両者に命を狙われているのを考慮すると、逃走場所が限られる。
現地から離れた地に逃走することしか最善の手段は残されていない。
「わ、私たちどうなるんでしょうか?」
歩きながら光は心配そうに現状を把握している。
総白会も最神一家も人海戦術にはたてけている。
本来なら総白会の下部組織である愛のある我が家ですら今回の敵対勢力だ。
「とにかく暴力団が来そうにない場所……繁華街を歩いていれば似た顔のひともいるので、ひとまず繁華街にまぎれてみよう」
私の意見に賛成なのか。みんなついてきてくれることになった。
本来なら極悪人を庇うこの現状を沙鳥たちはどうかんがえているのろうだ?
繁華街を違和感なく闊歩する
そんなときーー背後から栗落花の要素が可笑しくなった。
胸から出血が突如し鮮血が舞った。
「かはっ!」
栗落花の出血が首もとからあふれでる。
「栗落花にそんなことをして、いったいだれ!? ーーうっ!」
光が辺りを見渡すが犯人は見当たらない。
しかし、光は直後にアイスピックで喉元を穿たれた。
「だれだ!? こんな非常識なことをするのは!」
光と栗落花が今にも死にそうな状態を目の当たりにした私は、あり得ない出来事に激昂する。
「常識で考えれば、親分を殺害した小娘ごとき、死で以てつぐなわなけばならない」
そこにいたこは、人殺しに容赦のない大空静夜であった。
「だからって! 二人は謝罪していたんですよ!」
「ひとり殺害していてごめんなさいで許してくれる人間がどこにいる?」
「……でも」
「でももなにもない。俺の依頼は完了だ」
こんな幕引きなんてあり得るのか?
静夜は殺すまで姿を見せない。影が薄いから接近まで気づかない。
その恐ろしさを初めて実感できた気がした。
こうして最神一家と総白会の抗争は一幕を閉じた。
せっかく仲良さそうにできた栗落花と光はこちらから誘導したとはいえ、たしかに光と栗落花は暴力団を殺した。
因果応報と言えなくもない。
でも会話をしていたかぎり、極々一般人(異能力者)というわけで手厳しいんじゃないだろうか。
辻堂、綺羅星も他の暴力団が殺害しているだろう。
命乞いをしている人間を総白会、最神一家、愛のある我が家が全員ちなまこににってさがっていたんだ。
この頃から愛のある我が家に対して不信感を抱きはじめてしまう。
たしかに悪いのは私にちがいない。
情で敵対勢力を守ろうとしていたのだから一般人にはこちらが悪だ。
ーー愛のある我が家から引き抜きをして、独立組織を使ってもいいんじゃないかという野心が芽生えてくる。
危険ドラッグ覚醒剤の密造密売、未成年の売春斡旋、高利な金貸し要するに闇金、ミカジメ量、犯罪の討伐ーー。
これのどこに愛があるんだ。
愛のある我が家に名前負けしている。
いままで愛のある我が家は敵対勢力を打倒する正義の味方だとしんじてうたがわなかったけど、そろそろ疑問点が沸き上がってしまう。
だけど愛のある我が家の参加である以上、愛のある我が家を抜けるのは厳しい。
「豊かな生活がいる……」
たしかに総白会総白組二代目大会組内愛のある我が家内豊かな生活は、いまのところ下っ端の構成員でしかない。
唯一タメを張れるといっていい組は赤羽組だが、下っ端の下っ端。意見できる立場ではないだろう。
少なくとも、いま私たちにできるのは光と栗落花を地面に埋めて簡易的な墓標をつくるとこしかできない。
もしも光と栗落花が私にとって大切な存在立ったのであれば、静夜の不意討ちに太刀打ちできたかもしれない。
それが悔しい。悔しくてならない。
どうして私の異能力は仲良くなった、友人以上の仲間にしか危機察知能力は活躍できないのだろう。自然と涙が溢れる。
「殺す覚悟がある奴は、いつ死んでもそれなりの覚悟はできていたはずだ」
静夜から慰めとも捉えられる言葉を投げ掛けられる。
静夜の存在感は希薄以上に目の前にいても認識できない。
その才能を生かして光と栗落花を手早く殺害してしまったのだろう。
「光と栗落花の逃亡に手助けてしたのは誉めてやろう。だがそいつらは殺人鬼だ。俺は他者に迷惑をかけない薬物依存者までは許容範囲だ。不倫や浮気も殺害対象には含まれない。今回の逃亡も本来なら気乗りはしなかったが、最神一家と総白会、愛のある我が家の三ヶ所に依頼されたら仕事をしないわけにはいかないんだ」
「だからって……二人は泣いて懺悔していたんですよ!?」
いや、わかっている。
殺人を起こしてすみませんで済むなら警察も殺し屋も復習も掃除屋も存在しない。
「今回の件で最神一家は問題は解決したとして賠償金を総白会に献上している。総白会も不慮の事故ということで、大金を貰いこの件はうやむやになった。敵対しているのは言わずもがなだが、これからは普段どおりの活動に戻るだろう。だから杉井が心配することはなにもない」
「なにもないって! 四人が殺害されて、死体処理されて跡形もなくなったんですよ!? 家族は死に目にも会えないじゃないですか!」
自身の発言に矛盾を抱いているが、そんなのどうだっていい。
だって、誤りで殺した手前だけなのに、罪に対する罰が大きすぎないか!?
一般人を殺害したなら大問題だけど、殺害したのは次期会長筆頭の幹部なんだぞ?
それに最神一家が抱えている異能力犯罪組織だと目される輝く星をこうもスンナリ気軽に殺害してしまうなんて、気が狂っている。
「それがお前の心情だと理解できなくもない。でも裏社会では裏社会のルールがあるんだ。おまえは異能力の世界に住んでいるからいまいちピンと来ないかもしれないが、裏社会には裏社会なりのルールがあるんだ」
「……私は……今は豊かな生活のリーダーを張っています。そのルールでは無抵抗の人間を殺してはいけないというものがあります」
「新生組織のルールと、今まで培ってきた総白会の心情と枝の愛のある我が家のルールが逸脱している。おまえはもう少し非情になる必要があるだろう」
……ぐぅの根も出ない……。
「まあ、最神一家は輝く星を殺処分してケジメを取らせるらしい。総白会も勘違いをしてやらかしたら耀く星がいなくなれば溜飲も下がるだろ」
静夜は掃除屋に連絡をして、「さっさとこの場から離れるぞ」と言われたとおり現場から駆け足で立ち去った。
粉雪が降りしきるなか、私たちは最寄りの駅に到着していた。
瑠衣と柊は帰宅させ、いま駅のホームにいるのは私たち栗落花と光とあわせて三人しかいない。
「いま、栗落花や光、その他仲間はほとぼりが冷めるまで逃亡生活を余儀なくされているんだ」
私は無抵抗の相手を殺すのは気が引ける。
しかし最神一家と総白会の両者に命を狙われているのを考慮すると、逃走場所が限られる。
現地から離れた地に逃走することしか最善の手段は残されていない。
「わ、私たちどうなるんでしょうか?」
歩きながら光は心配そうに現状を把握している。
総白会も最神一家も人海戦術にはたてけている。
本来なら総白会の下部組織である愛のある我が家ですら今回の敵対勢力だ。
「とにかく暴力団が来そうにない場所……繁華街を歩いていれば似た顔のひともいるので、ひとまず繁華街にまぎれてみよう」
私の意見に賛成なのか。みんなついてきてくれることになった。
本来なら極悪人を庇うこの現状を沙鳥たちはどうかんがえているのろうだ?
繁華街を違和感なく闊歩する
そんなときーー背後から栗落花の要素が可笑しくなった。
胸から出血が突如し鮮血が舞った。
「かはっ!」
栗落花の出血が首もとからあふれでる。
「栗落花にそんなことをして、いったいだれ!? ーーうっ!」
光が辺りを見渡すが犯人は見当たらない。
しかし、光は直後にアイスピックで喉元を穿たれた。
「だれだ!? こんな非常識なことをするのは!」
光と栗落花が今にも死にそうな状態を目の当たりにした私は、あり得ない出来事に激昂する。
「常識で考えれば、親分を殺害した小娘ごとき、死で以てつぐなわなけばならない」
そこにいたこは、人殺しに容赦のない大空静夜であった。
「だからって! 二人は謝罪していたんですよ!」
「ひとり殺害していてごめんなさいで許してくれる人間がどこにいる?」
「……でも」
「でももなにもない。俺の依頼は完了だ」
こんな幕引きなんてあり得るのか?
静夜は殺すまで姿を見せない。影が薄いから接近まで気づかない。
その恐ろしさを初めて実感できた気がした。
こうして最神一家と総白会の抗争は一幕を閉じた。
せっかく仲良さそうにできた栗落花と光はこちらから誘導したとはいえ、たしかに光と栗落花は暴力団を殺した。
因果応報と言えなくもない。
でも会話をしていたかぎり、極々一般人(異能力者)というわけで手厳しいんじゃないだろうか。
辻堂、綺羅星も他の暴力団が殺害しているだろう。
命乞いをしている人間を総白会、最神一家、愛のある我が家が全員ちなまこににってさがっていたんだ。
この頃から愛のある我が家に対して不信感を抱きはじめてしまう。
たしかに悪いのは私にちがいない。
情で敵対勢力を守ろうとしていたのだから一般人にはこちらが悪だ。
ーー愛のある我が家から引き抜きをして、独立組織を使ってもいいんじゃないかという野心が芽生えてくる。
危険ドラッグ覚醒剤の密造密売、未成年の売春斡旋、高利な金貸し要するに闇金、ミカジメ量、犯罪の討伐ーー。
これのどこに愛があるんだ。
愛のある我が家に名前負けしている。
いままで愛のある我が家は敵対勢力を打倒する正義の味方だとしんじてうたがわなかったけど、そろそろ疑問点が沸き上がってしまう。
だけど愛のある我が家の参加である以上、愛のある我が家を抜けるのは厳しい。
「豊かな生活がいる……」
たしかに総白会総白組二代目大会組内愛のある我が家内豊かな生活は、いまのところ下っ端の構成員でしかない。
唯一タメを張れるといっていい組は赤羽組だが、下っ端の下っ端。意見できる立場ではないだろう。
少なくとも、いま私たちにできるのは光と栗落花を地面に埋めて簡易的な墓標をつくるとこしかできない。
もしも光と栗落花が私にとって大切な存在立ったのであれば、静夜の不意討ちに太刀打ちできたかもしれない。
それが悔しい。悔しくてならない。
どうして私の異能力は仲良くなった、友人以上の仲間にしか危機察知能力は活躍できないのだろう。自然と涙が溢れる。
「殺す覚悟がある奴は、いつ死んでもそれなりの覚悟はできていたはずだ」
静夜から慰めとも捉えられる言葉を投げ掛けられる。
静夜の存在感は希薄以上に目の前にいても認識できない。
その才能を生かして光と栗落花を手早く殺害してしまったのだろう。
「光と栗落花の逃亡に手助けてしたのは誉めてやろう。だがそいつらは殺人鬼だ。俺は他者に迷惑をかけない薬物依存者までは許容範囲だ。不倫や浮気も殺害対象には含まれない。今回の逃亡も本来なら気乗りはしなかったが、最神一家と総白会、愛のある我が家の三ヶ所に依頼されたら仕事をしないわけにはいかないんだ」
「だからって……二人は泣いて懺悔していたんですよ!?」
いや、わかっている。
殺人を起こしてすみませんで済むなら警察も殺し屋も復習も掃除屋も存在しない。
「今回の件で最神一家は問題は解決したとして賠償金を総白会に献上している。総白会も不慮の事故ということで、大金を貰いこの件はうやむやになった。敵対しているのは言わずもがなだが、これからは普段どおりの活動に戻るだろう。だから杉井が心配することはなにもない」
「なにもないって! 四人が殺害されて、死体処理されて跡形もなくなったんですよ!? 家族は死に目にも会えないじゃないですか!」
自身の発言に矛盾を抱いているが、そんなのどうだっていい。
だって、誤りで殺した手前だけなのに、罪に対する罰が大きすぎないか!?
一般人を殺害したなら大問題だけど、殺害したのは次期会長筆頭の幹部なんだぞ?
それに最神一家が抱えている異能力犯罪組織だと目される輝く星をこうもスンナリ気軽に殺害してしまうなんて、気が狂っている。
「それがお前の心情だと理解できなくもない。でも裏社会では裏社会のルールがあるんだ。おまえは異能力の世界に住んでいるからいまいちピンと来ないかもしれないが、裏社会には裏社会なりのルールがあるんだ」
「……私は……今は豊かな生活のリーダーを張っています。そのルールでは無抵抗の人間を殺してはいけないというものがあります」
「新生組織のルールと、今まで培ってきた総白会の心情と枝の愛のある我が家のルールが逸脱している。おまえはもう少し非情になる必要があるだろう」
……ぐぅの根も出ない……。
「まあ、最神一家は輝く星を殺処分してケジメを取らせるらしい。総白会も勘違いをしてやらかしたら耀く星がいなくなれば溜飲も下がるだろ」
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