前代未聞の異能力者-自ら望んだ女体化だけど、もう無理!-

砂風

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最終章

Episode198╱報道

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(300.)
 翌日。
 珍しく朝まで寝過ごしてしまった。
 寝た時間的に夜中には目が覚めそうだったのに……まあ、疲れていたんだろうなぁ。
 と、朝っぱらからドアを乱暴に叩かれた。

「ハイハイ、なに?」

 ドアを開けると、なぜか普段着に着替えた瑠奈が立っていた。

「テレビ局来るから、着替えて着替えて」

 よく見ると、瑠奈の背後には愛のある我が家の一員が皆勢揃いしていた

「は? え?」
「急遽朝のニュース番組でインタビューを受けることになりました」

 沙鳥が困惑している私にそう告げてきた。
 ヤバい。理解が追い付かない。

「これから警察とも手を組むから、一般市民に向けてポジティブなイメージを付けるんだってさ」
「う、うん? ちょ、ちょっと待ってて」

 頭が働かないまま立ち上がり着替えをはじめる。
 待て。待て待て待って!
 いきなり過ぎない!?
 なるべくまともな見た目になるよう、高価そうな冬服をチョイスした。

「すみません。テレビ朝方ですが?」

 玄関から声が聴こえる。

「どうも、はじめまして。愛のある我が家のリーダー嵐山沙鳥です」
「あ、あなたが。きょうはよろしくお願いいたします」

 テレビ局のスタッフが何人も上がり込む。
 中には有名なインタビュアーの男性もいた。よくテレビで見るひとだ。

「生放送ですから、いきなりなので悪いのですが、中継繋げていいですか?」
「はい、どうぞ」

 待って、緊張がヤバい。胸がバクバクする。私以外はあまり緊張していないのか、普段どおりの出で立ちだ。

「練馬(ねりま)さーん? はい。こちら、愛のある我が家の面々です」
『ほう、こう見るとアイドルたちみたいにみんな綺麗ですね』
「ありがとうごさいます」

 沙鳥がお辞儀する。

「この方たちは、現在世間を震撼させている神造人型兵器とやらの悪者たちを倒しているんです!」
「まあ、犯罪組織ですけどね」
「ま、まあまあ。あはは」

 沙鳥の迷いない呟きに戸惑うスタッフ。

「どの方がリーダーなんでしたっけ?」

 先ほど知ったことも、改めて視聴者に伝えるためにもう一度問う。

「わたしです」
「ありがとうごさいます。つまり神造人型兵器もあなた主導で?」
「いえ、それはこちらの」私を前に引きずり出した。「杉井豊花が主導でやっています」
「はじめまして、杉井さん」
「あ、ああ、はじ、はじめましてーー」

 緊張のあまり声が上擦る。

 そして、ここからあまり記憶がない。

 カッチコチになりながらインタビューに応じていったのだけは覚えている。






「豊花さん、SNSとか見てます?」

 インタビューを終え、呆然としたまま昼過ぎまで過ごしたあと、唐突にまだいる沙鳥がそう言ってきた。

 え?
 と思いながら、スマホを手に取る。

 普段つかっているツイッターにログインし、タイムラインをざっと流し見する。
 そこには、今朝のインタビューの感想が多数書き込まれていた。

『沙鳥ってやつ、すべてを見下してそうで草』

『それより杉井ちゃんかわいい』

『超緊張してるやん。かわいい』

『この子に守られてるんやなー』

 な、な、な……大半が緊張している私を見た感想だった。
 YouTubeにまで動画が流れ、コメントが大量になされている。
 それらも緊張している私がかわいいなどと茶化すものばかりだ。
 と、電話が鳴った。画面には宮下の文字。
 震えながら電話に出る。

『おい杉井! おまえ愛のある我が家のメンバーだったのかよ!?』
「う、うん、今まで言えなくてごめん」
『変なやつらとつるんでいる気はしてたけどよー』

 なんだかんだあり、一生忘れられないであろう一日になってしまった。

 殺し殺されの日常よりストレスがかかったかもしれない。 
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