発情紋章を刻まれた真面目な召喚士ですが、契約精霊たちに甘やかされて困ってます。

さわらにたの

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第5章

9*

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 シェラのあらぬ場所に飲み込まれていく自分の指を思うと、このようなヒトじみた行為に夢中になってしまうなど、自分はどうしてしまったんだろうか、と一瞬だけ冷静になる。
 だがシェラを放っておく、あるいは他の誰かにこの役目を明け渡す――そう考えると身がちぎれそうな思いがする。
 ――同胞ならまだしも――あんな人間風情に、シェラ様は触れさせない。

「シェラ様……」
「ひ、ひぃっ、ひうっ、ああっ、ねえ、あくあ、さんっ、ぁう、あ……っ」

 攻められ、浅い息を吐く。真っ赤に染まったシェラの顔は、絶頂の近さを物語っていた。
 視線がとろけている。喘ぎ声が言葉の体を成していない。
 だらしない口の端からつう、と涎が蜜を垂らした。
 胸が絞られるように熱くなる――自分以外の誰にも、こんな顔を見せないで欲しいと思う。
 あの人間の男と一緒にいるシェラを見てからか、指の動きを優しくしてやれない。いつもだったら本当にゆっくり、いたわるような手つきで愛せるのに、今の自分には余裕がなかった。

「いっ、ぎ!? ひ、~~~っ!?? あぁっ、あぁ、ぁ……っ」

 膣内をずりずりと擦り上げるように三本指での出し入れを繰り返されながら、腰から手を外すと、アクアリアスはもう片方の指でシェラの陰核を同時に擦りあげた。
 突然の刺激に、シェラの食いしばった喉奥から甘い声が漏れる。
 シェラの身体が一瞬かしいだ。そのままシェラは腕をアクアリアスの首に回しぎゅう、としがみつくように身体を寄せてくる。
 胸元に埋まる顔。吐息が、熱かった。

「いやらしいですね、声を抑えないといけませんよ? わたくしの胸に顔を埋めてもかまいませんから」
 
 そう言えば、シェラはコクンと頷き、素直にアクアリアスの胸元に顔を埋めてふうふうと熱い息を吐き出す。
 縋りつかれて、身体を震わせて、シェラの全身が自分に委ねられている。
 可愛い、と思った。
 愛しい、とも思う。
 ずっとこの人間に似せた体に欲が引っ張られているだけだと思っていたけれど、そうではないのかもしれない。
 
 指をうごかせば、ぐぼっぐぼっと甘い水音が立つ。わざと大きな音が立つように乱暴に動かせば、それも刺激になるのかシェラはいやいやとかぶりを振った。
 はずかしいのか、耳まで真っ赤に染まっている。だがアクアリアスの首に腕を回してしがみつき、揺さぶられるシェラの身体、その膣はそのままキュウキュウと甘く締め付けてきていた。秘部からとろとろと伝う蜜が、ぐっしょりと、まるで小水のように座っているアクアリアスの上に垂れていく。

「ねえ、ねえっ、恥ずかしい、から、やめ、って、あぁっ、ご、ごめんな、さいっ、アクアさんの服ぬれちゃ、うっ」
「いいのですよ、シェラ様」
「ひゃうんっ!」

 汗を滴らせるシェラの華奢な首元に顔をうずめ、アクアリアスはその耳を食んだ。

「んんうぅっ!」
「………本当に、かわいらしい」
「ひっ、ぃ、いいんっ!!」

 耳に吸いつかれて舌で舐められ、シェラの背をゾクゾクと快感が走った。
 その合間にも、息つく暇もなく愛撫される膣内と陰核。
 顔をアクアリアスの胸元に沈めているためわからないが、惚けてとろけているシェラの吐息とあえぎを聞いて、彼は目を眇めた。膣の内側に挿し入れる指を増やし、内側から指をまげて膣の上をなぞるようにして出し入れを繰り返す。一気に四本に増やされたそこは、みっちりとシェラの膣を埋め、ぐぽっぐぽっといやらしい水音を出し始めた。
 完全に挿入と同じ刺激と衝動と質量。
 奥までをひっかくようなその行為に、シェラは身体をよじった。

「やあ、ああ……、裂け、ちゃうっ、おなか、おなかまで、きちゃう、やだっ、あっ」
「大丈夫ですよ、シェラ様」
「やだやだっ、ぜんぜん、だいじょうぶ、りゃないよぉっ」

 まるで性交しているかのような刺激と水音に、身体が共に揺れる。
 アクアリアスに身体を支えられながらも、シェラの身体はもうされるがままだった。
 肌が熱い。汗がしたたり、全身が濡れている。

「ひぃっい、いっ、……いっ ~~~~~っ!!!!」

 シェラの顔が完全にとろけ、大きくのけぞると同時に身体全体が激しく痙攣した。
 再び、声をふさぐようにアクアリアスは口づける。
 プシッ、プシ、と不規則に潮を吹き、シェラはぐったりとアクアリアスに体重を預けた。

「ひ、ぅ、……う、うっ、んっ………っ、はぁ……はぁ……」

 唇を離し、くたりと弛緩する絶頂にあえぐ身体。
 胸の紋章はようやく光を失い、力を失っていた。


「あくあ、ひゃん……。ありが、と……」
「いいのですよ、シェラ様」

 しな垂れかかるシェラ、抱きかかえるアクアリアス。
 はらりと顔に掛かるその長い黒髪を指先で払い、アクアリアスは引き寄せられるようにその身体を抱え、唇を重ねる。


 ――そのふたりを、物陰から見るひとりの姿があった。
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