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エピローグ/後日談
25. 時を越えて(9)*
しおりを挟む最奥を激しく貫くような勢いのある挿入に、シアの体は衝撃のままに跳ねた。
いつもより、熱くて、深くて、自分の身体の奥底が震えているのを感じてしまう。
ああ、好き。愛しい。
絶対に――彼は、誰にも渡さない。
離れたくない。離さない。
夫の熱い杭で穿たれるたびに、シアの心の中に湧き上がるのは喜びだった。
本能じみた雌としての快楽だけじゃない。
自分が愛し、愛されている彼に身体のうちがわを明け渡し、繋がっているというこの行為そのものが、ただひたすらに尊くて、嬉しいのだ。
自分よりも十年近く長く、そして世間に晒されて生きてきた夫のことを思う。
自分の知らない彼の姿がそこにはあるのだろう。そして、自分にはきっと理解しえない辛さを生きてきたであろう彼。
その全てを、シアが知ることなどできない。今から、それを癒すこともできない。
それでも。
「ああっ、あっ、ぁっ、やぁ、エ、ル……っ!」
言葉にならない声を紡ぎ、与えられる快楽を享受しながら思う。
この先の人生は、出来るだけ長く、彼と共に在りたい。
全てを理解することはできないけれど、わかちあい、いたわりあうことはきっとできる。
そういう妻でありたい、と愛しい彼に穿たれながら、シアは涙をこぼし、心の内から強くそう思う。
そして――彼にもそう思って欲しいと、そこまで思うのは傲慢かしらと、ほのかに思うのだ。
白く、細く腕が空を掻く。必死に何かを求めるようにさまよったあと、シアのその腕はエルナドに向かって懸命に伸ばされた。
「シア?」
「遠いの、や、いやなの、そば、に……っ、いて……っ」
ナカで深くつながり身体を打ち付けられているというのに、自分の身体と彼の身体、この間の空間すらさみしく思ってしまう。
彼に依存しすぎているわ、という反省めいた気持ちと、だって愛しているのだもの、しょうがないじゃない、という言い訳めいた気持ち。身体全体を熱くゆすられながら、ただシアは、ひたすらにエルナドを求める。
この大きな胸板と力強い腕に抱かれ、ぴったりと重なりたい。
優しい眼差しでうつすその視界が、自分だけを映していればいいと思う。
汗ばんだ肌に時折触れる美しい黒髪を感じながら、唇を合わせてその吐息と感触を味わいたかった。
こらえきれない自分のうちがわからの衝動は、彼の全てを欲している。
「エルっ、エルっ、ごめん、なさいっわたし、わたし」
腰を抑えられ穿たれながら、シアはその首筋に抱き着いて身体を寄せる。
「わたし、絶対に、ぜったいに、あなたから離れない、からっ、ぁあんっ!!」
ばちゅん、っとひときわ勢いよく穿たれ、思わず大きな嬌声を上げてしまった。
か細いながら色めいた声が止まらない。
身体のうちがわが、熱くてたまらない、我慢できない。
ぎゅううっと腕と、自分の膣壁が彼を逃がすまいと絡みつく。
シアの腰を掴み、ぐり、と深くなすりつけるように腰を動かしたエルナドが、一度深く息を吐き、かすかに笑ったのがわかった。
「……シア」
「? なぁ、に……?」
「本当に可愛いな、きみは。私には、きみしかいないというのに、そんなに嫉妬して」
「だって、あなたが、あなたがすきなんだもの……っ、わたしが、おくさん、よね?」
「……ああ」
「わたし、がっ、エルの、おくさん、なんっ、だから……っ」
ぎゅう、と縋りつくように身体を寄せるシアの背を、エルナドはそっと撫で、その額に口づける。
「そうだ。きみが、我が最愛の妻だ」
「え、っ……っ!? ひ、ぃいああっ!?」
そして深くつながったまま、シアの背中にエルナドの腕が回る。
仰向けに寝転んでいたシアは、急に抱き起された。
体が浮いて、膣内をに収まっている屹立がずり、と場所を変える。
「あっ……、エル、あっ、ああっ……!!??」
思わぬ刺激にシアの口がはくはくと動く。
胎奥で何かが動くような。おおきなものがぐりぐりと場所を変え、膣壁を削ぐように動いた。
(続)
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