4 / 15
第一部
第3話:「私相手で勃つんですか?」
しおりを挟む
「タルタロス、様……っ」
訳が分からないまま寝台に押し付けられて、私は戸惑う。
魔力のない私は、この世界では生きていけない。
このまま体が弱って、死ぬ。
だから、いままでありがとうございました――そんな話をしていた、つもりだったのに。
「いきなり服脱いで……どうしちゃったんです?」
「リィン」
「は、はい!」
「じっとしてろ」
名を呼ばれて元気に返事をしてしまうのは、もう十三年の癖だ。
そっと髪に触れられて、そのまま大きな手のひらで梳かれる。心地よくて、うっとりしてしまう。
タルタロス様に触れられると、私の身体は骨がなくなったみたいにぐにゃぐにゃになってしまうのだ。
優しい瞳。タルタロス様、目つき悪いけど本当に格好いいんだよね。うん、やっぱり目つき悪いけど。
ちょっと浅黒い肌。鍛えられてる身体は魔術師っていうより、うん、剣士様みたいだ。背が高くてすごく大きいから、やっぱりドキドキしてしまう。
「これって、あれですか?」
「なんだアレって」
「このまま私、死んじゃうから……最後に”イイ思い出”をくれるってやつです? 本で読んだことあります」
「……。オレの知らねぇ間に、どんな本読んでんだお前」
私の上にのしかかっているタルタロス様があきれたように笑って癖のある赤黒色の前髪を掻き上げた。
「いいから、じっとしてろ」
そのままちゅ、と首筋に唇を寄せられて、身体全体がはねてしまう。
くすぐったいような、気持ちいい、ような。あったかくて、胸がきゅううっと締め付けられる。
「ち、違うんですか? その、だって、え、えっち、するんですよね?」
「――なんか改めてそういわれっと、ちょっと萎えるな」
「ええ? な、なんなんですか一体! タルタロス様!」
私の上から退くと、ひょいっとタルタロス様は今度は自分の膝の上に私の身体を抱き上げた。
大きなタルタロス様に抱っこされると、大きくなってもわたしはやっぱりちっぽけだと実感する。まぁ、タルタロス様が大きいのだけど……。
「いいか、リィン」
「はい!」
「……いい返事だ。いいか、お前は今魔力がないせいで世界から嫌われている。世界はお前の存在を許さない、だから体調が悪くなってる。ここまではわかるか?」
「はい……。でもしょうがないですよね、魔力がない私が異端なんですから」
「黙って聞けって。 でもオレは、そんな世界を許さない」
「はい……???」
何を言ってるんだろう、タルタロス様は。
世界を許さないなんて言える人、たぶんあんまりいないんじゃないかな。
「だから、お前のナカに俺の魔力を与えて、世界に『こいつを消すのは許さんぞ』って知らしめるってわけだ。わかったか?」
「は、はい……わかったような、わからないような。ええと、つまり、タルタロス様が魔力を私に分けてくれるってことですね」
「そういうこったな。まぁ早い話が」
「きゃっ!?」
そっと寝台に下ろされて、両腕を頭の上でまとめられてしまう。
まとめた両手首を軽々と左手一つで押さえ、タルタロス様は私を見下ろして唇の端を上げる。
タルタロス様って格好いいけど、ちょっと人相よくないんだよね。
今だって完全に、悪い悪魔に捕らわれたお姫様気分。
そんなことを思いながら、私はじっとタルタロス様を見つめた。
「せ、……セックスするってことですね?」
「ま、そういうことだ」
「わ、わわわ、私相手で勃つんですか……? だって私、」
娘みたいなものだし――そんなことを言った私の前に、タルタロス様の遠慮ない大きさの陰茎がぶるんと飛び出して、私は言葉を失った。
訳が分からないまま寝台に押し付けられて、私は戸惑う。
魔力のない私は、この世界では生きていけない。
このまま体が弱って、死ぬ。
だから、いままでありがとうございました――そんな話をしていた、つもりだったのに。
「いきなり服脱いで……どうしちゃったんです?」
「リィン」
「は、はい!」
「じっとしてろ」
名を呼ばれて元気に返事をしてしまうのは、もう十三年の癖だ。
そっと髪に触れられて、そのまま大きな手のひらで梳かれる。心地よくて、うっとりしてしまう。
タルタロス様に触れられると、私の身体は骨がなくなったみたいにぐにゃぐにゃになってしまうのだ。
優しい瞳。タルタロス様、目つき悪いけど本当に格好いいんだよね。うん、やっぱり目つき悪いけど。
ちょっと浅黒い肌。鍛えられてる身体は魔術師っていうより、うん、剣士様みたいだ。背が高くてすごく大きいから、やっぱりドキドキしてしまう。
「これって、あれですか?」
「なんだアレって」
「このまま私、死んじゃうから……最後に”イイ思い出”をくれるってやつです? 本で読んだことあります」
「……。オレの知らねぇ間に、どんな本読んでんだお前」
私の上にのしかかっているタルタロス様があきれたように笑って癖のある赤黒色の前髪を掻き上げた。
「いいから、じっとしてろ」
そのままちゅ、と首筋に唇を寄せられて、身体全体がはねてしまう。
くすぐったいような、気持ちいい、ような。あったかくて、胸がきゅううっと締め付けられる。
「ち、違うんですか? その、だって、え、えっち、するんですよね?」
「――なんか改めてそういわれっと、ちょっと萎えるな」
「ええ? な、なんなんですか一体! タルタロス様!」
私の上から退くと、ひょいっとタルタロス様は今度は自分の膝の上に私の身体を抱き上げた。
大きなタルタロス様に抱っこされると、大きくなってもわたしはやっぱりちっぽけだと実感する。まぁ、タルタロス様が大きいのだけど……。
「いいか、リィン」
「はい!」
「……いい返事だ。いいか、お前は今魔力がないせいで世界から嫌われている。世界はお前の存在を許さない、だから体調が悪くなってる。ここまではわかるか?」
「はい……。でもしょうがないですよね、魔力がない私が異端なんですから」
「黙って聞けって。 でもオレは、そんな世界を許さない」
「はい……???」
何を言ってるんだろう、タルタロス様は。
世界を許さないなんて言える人、たぶんあんまりいないんじゃないかな。
「だから、お前のナカに俺の魔力を与えて、世界に『こいつを消すのは許さんぞ』って知らしめるってわけだ。わかったか?」
「は、はい……わかったような、わからないような。ええと、つまり、タルタロス様が魔力を私に分けてくれるってことですね」
「そういうこったな。まぁ早い話が」
「きゃっ!?」
そっと寝台に下ろされて、両腕を頭の上でまとめられてしまう。
まとめた両手首を軽々と左手一つで押さえ、タルタロス様は私を見下ろして唇の端を上げる。
タルタロス様って格好いいけど、ちょっと人相よくないんだよね。
今だって完全に、悪い悪魔に捕らわれたお姫様気分。
そんなことを思いながら、私はじっとタルタロス様を見つめた。
「せ、……セックスするってことですね?」
「ま、そういうことだ」
「わ、わわわ、私相手で勃つんですか……? だって私、」
娘みたいなものだし――そんなことを言った私の前に、タルタロス様の遠慮ない大きさの陰茎がぶるんと飛び出して、私は言葉を失った。
26
あなたにおすすめの小説
狼隊長さんは、私のやわはだのトリコになりました。
汐瀬うに
恋愛
目が覚めたら、そこは獣人たちの国だった。
元看護師の百合は、この世界では珍しい“ヒト”として、狐の婆さんが仕切る風呂屋で働くことになる。
与えられた仕事は、獣人のお客を湯に通し、その体を洗ってもてなすこと。
本来ならこの先にあるはずの行為まで求められてもおかしくないのに、百合の素肌で背中を撫でられた獣人たちは、皆ふわふわの毛皮を揺らして眠りに落ちてしまうのだった。
人間の肌は、獣人にとって子犬の毛並みのようなもの――そう気づいた時には、百合は「眠りを売る“やわはだ嬢”」として静かな人気者になっていた。
そんな百合の元へある日、一つの依頼が舞い込む。
「眠れない狼隊長を、あんたの手で眠らせてやってほしい」
戦場の静けさに怯え、目を閉じれば仲間の最期がよみがえる狼隊長ライガ。
誰よりも強くあろうとする男の震えに触れた百合は、自分もまた失った人を忘れられずにいることを思い出す。
やわらかな人肌と、眠れない心。
静けさを怖がるふたりが、湯気の向こうで少しずつ寄り添っていく、獣人×ヒトの異世界恋愛譚。
[こちらは以前あげていた「やわはだの、お風呂やさん」の改稿ver.になります]
【短編】淫紋を付けられたただのモブです~なぜか魔王に溺愛されて~
双真満月
恋愛
不憫なメイドと、彼女を溺愛する魔王の話(短編)。
なんちゃってファンタジー、タイトルに反してシリアスです。
※小説家になろうでも掲載中。
※一万文字ちょっとの短編、メイド視点と魔王視点両方あり。
『階段対策会議(※恋愛)――年上騎士団長の健康管理が過剰です』
星乃和花
恋愛
【完結済:全9話】
経理兼給仕のクラリスは、騎士団で働くただの事務員――のはずだった。
なのに、年上で情緒に欠ける騎士団長グラントにある日突然こう言われる。
「君は転倒する可能性がある。――健康管理対象にする」
階段対策会議、動線の変更、手をつなぐのは転倒防止、ストール支給は防寒対策。
全部合理的、全部正しい。……正しいはずなのに!
「頬が赤い。必要だ」
「君を、大事にしたい」
真顔で“強い言葉”を投下してくる団長に、乙女心を隠すクラリスの心拍数は業務超過。
さらに副団長ローレンは胃薬片手に「恋は会議にするな!!」と絶叫中!?
これは健康管理?それとも恋愛?
――答え合わせの前に、まず“階段(概念)“をご確認ください。
『完結・R18』公爵様は異世界転移したモブ顔の私を溺愛しているそうですが、私はそれになかなか気付きませんでした。
カヨワイさつき
恋愛
「えっ?ない?!」
なんで?!
家に帰ると出し忘れたゴミのように、ビニール袋がポツンとあるだけだった。
自分の誕生日=中学生卒業後の日、母親に捨てられた私は生活の為、年齢を偽りバイトを掛け持ちしていたが……気づいたら見知らぬ場所に。
黒は尊く神に愛された色、白は"色なし"と呼ばれ忌み嫌われる色。
しかも小柄で黒髪に黒目、さらに女性である私は、皆から狙われる存在。
10人に1人いるかないかの貴重な女性。
小柄で黒い色はこの世界では、凄くモテるそうだ。
それに対して、銀色の髪に水色の目、王子様カラーなのにこの世界では忌み嫌われる色。
独特な美醜。
やたらとモテるモブ顔の私、それに気づかない私とイケメンなのに忌み嫌われている、不器用な公爵様との恋物語。
じれったい恋物語。
登場人物、割と少なめ(作者比)
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
ドルイデスは忌み子将軍に溺愛される
毒島醜女
恋愛
母の死後引き取られた叔父一家から召使として搾取され、手込めにされそうになった少女、羽村愛梨。
馴染みの場所であった神社に逃げると、異世界にいた。「神樹により導かれたのね」とドルイデスと呼ばれる魔女が愛梨を拾った。異世界に救われ、ドルイデスから魔法を教わりながら田舎で過ごしていく。現世では味わえなかった温かな人の温もりに、もう何も望むまいと思っていた。
先代のドルイデス=先生が亡くなり、村の外れで静かに暮らすアイリ。
そんな彼女の元に、魔獣討伐で負傷した将軍、ウルリクが訪ねてくる。
離れで彼を看病していくうちに、不器用で、それでいて真っすぐな彼に惹かれていくアイリ。
こんな想いを抱く事はないと、思っていたのに。
自分の想いに嘘がつけず、アイリはウルリクに縋りつく。
だがそれは、ウルリクにとって願ってもない頼みであり、もう決して逃れる事の出来ない溺愛の始まりであった…
美醜逆転の世界で騎士団長の娘はウサギ公爵様に恋をする
ゆな
恋愛
糸のような目、小さな鼻と口をした、なんとも地味な顔が美しいとされる美醜逆転の世界。ベルリナ・クラレンスはこの世界では絶世の美少女だが、美の感覚が他の人とズレていた。
結婚適齢期にも関わらず、どの令嬢からも忌避される容姿の公爵様が美形にしか見えず、歳の差を乗り越え、二人が幸せになるまでのお話。
🔳男女両視点でかいています。
場面が重複する場合があります。
🔳"美醜逆転の世界で純情騎士団長を愛でる"のスピンオフとなります。本作を読んでいなくてもお楽しみいただける内容となっています。
🔳R18は後半 ※を付けますので、苦手な方はご注意ください
覇王に執着される傾国の男装騎士〜忘却の接吻を、愛しき宿敵へ〜
甘塩ます☆
恋愛
男装騎士アーサーは、かつての宿敵・カイル王に捕らわれ、「専属メイド」として屈辱的な奉仕を命じられる。しかし、復讐のために自分を弄ぶはずのカイルが向けたのは、狂気にも似た深い愛だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる