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「ア、アレクディール様!! 大丈夫ですか!?」
「きもちわるい」
「でしょうね!!!」
駆け寄ってその身体に手を置くと――熱い。ドッドッドッって鼓動の音が手に振動で伝わってくるくらいに、彼の身体が激しく脈打っていた。
「吐きそうです……」
「むしろ吐いちゃってください!」
「……メル、嬢、だめだ、これは……っ、思ったより……あたま、が」
口元を押さえて、机から床に座り込むアレクディール様。
美形が口元を手で押さえて涙目でうずくまってるのって、なんかこうときめいちゃうなぁ……じゃなくて、薬物過剰摂取患者です!
わたしは応急処置に移ることにした。
「部屋から、出て……くれ、たの、む……っ」
「放っておけるわけないじゃないですか! そんなの錬金術師の名折れですよ! 吐いちゃった方がいいです、……ほら、うつ伏せのままでいいので」
「う……っ、うぁ……っ」
だめだ……、アレクディール様の身体、あっつい!
騎士様に不敬かもしれないけど、わたしがやるしかない!
「失礼します!」
うつ伏せてうずくまるアレクディール様の隣に座って、わたしはその顔に触れる。 そしてそっと頬を挟むと、ゆっくり持ち上げた。
うわっ肌白くて美形……! まつ毛も長くて鼻も高い! っていうか目が綺麗……じゃなくて!! その下唇にやわくふれて指で押し開いてその口を開けさせる。そして舌の付け根に指を入れて、力を込めてぐっと押した。
「んぁ、っ、ぁあっ」
苦しそう……うう、でもこれは絶対吐いちゃった方がいい!
「ええと、も少し、強く押しますね!?」
わたしの指を口の中に突っ込まれながら、見つめてくるアレクディール様。
あれ……?
(媚薬が……効いて、きてる?)
さっきまでめちゃくちゃ鋭かったアレクディール様の金の目が、ふにゃりと溶けて薄くピンク色に潤んできてる。
ど、どど、どうしよう!!?? 量のせいかな??
わたしは確かにアレクディール様に憧れてるけど、彼にとっては、わたしはただの回復薬を売りに来る錬金術師のひとり。好意なんてあるはずないのに――だんだん濃いピンク色になっていく、アレクディール様の瞳。
「メル嬢……ああ、メル嬢、メル嬢」
「え……っ!? きゃああっ!!」
ぐるん、と視界が回る。
手首が痛い。なんか重くて、息苦しくて、副団長室の絨毯ってふかふかだぁ……じゃなくて!!!
「メル嬢……、すまない、身体、が、熱くて……っ、ああ、でも本当に可愛いな――星のような金髪、夜空のような碧色の瞳……美しい……」
「あ、アレクディール様!?」
「頬も、白くて……すべらかだ……本当に、愛らしい。女神だ、女神がいるぞ……メル嬢は女神ですね……」
立派な副団長室のシャンデリアの明かりを背にして、アレクディール様がわたしにのしかかってきてる。
あっという間にわたしの手首は頭上でまとめられてしまって身動きが取れないし、脚を掻こうにもそっちも乗られてて動けない。
ちょっとちょっと、ちょっと! 待ってください!!
はぁ、はぁ、と荒い息を吐きながらまるで睦言のようなことを言っていたアレクディール様の手が、いったんわたしの手首から離れて、ちょっとだけホッとした、その瞬間だった。
「びゃあ!!」
きゃあ、でも、わぁ、でもない。淑女らしからぬ悲鳴が出た。
わたしの襟元から、白衣がすごい勢いでひっ剥がされて床に放られる。
待って。待って、待って!? 現役騎士様、さすが力がお強いわ――じゃなくて!
「すみません……メル嬢……っ、ああもっと、触れたい――きみに、触れたくて我慢が……できません……!」
すみません、じゃない!
アレクディール様が、わたしの服どんどん脱がせて――というより破っていく。
こんな勢いで服を、ちぎっては投げ……というか破いては投げされるの初めてなんですけど――!?
下に着ていた白いブラウスのボタンが飛んでいって、ロングスカートがずり下げられて、文字通り飛んでいく。
「な、何するんです、かっ、んぐっ!!」
体をよじって抵抗しようとしたけれど、わたしの口はその白手袋をはめている大きな手でふさがれてしまった。
ちょっと、まって―――この状況。
副団長室の絨毯の上で、のしかかられて、服を破られて―――!
わたし、これ、完全に――一線超えちゃうやつだ!!!
「ああっ……すみません……、手が、勝手に……ああ、メルっ、メル嬢……!」
「んぐっ! ぐぅんっ!?」
「夢のようだ……俺の下で乱れるメル嬢……可愛い、可愛すぎる、メル嬢……。きみの肌は、こんなにもきめ細かくて美しい……ああ、透けるようですね、何を食べたらこんなに綺麗なすがたに……あああ匂いもいい、かわいい、いい、メル嬢」
口元を押さえられて、声がでない。
そんな興奮した顔で、甘い声で囁きつつ、謝りながら、わたしの服を破らないでください!!
情報が多いです!!
ろくに抵抗もできないまま、あっという間にわたしは裸にされてしまった。
真昼間。
騎士団詰め所にある、副団長室。
その絨毯の上。
紅潮した頬と汗水を垂らして、荒い息を吐きながら、完全に媚薬にそまったピンクの瞳でわたしを見下ろすアレクディール様と、真っ裸で組み伏せられてるわたし。
こ、こういうことは、時と場合、節度を保ってする行為では――って、アレクディール様、ご自分でおっしゃってたじゃないですか――!
「きもちわるい」
「でしょうね!!!」
駆け寄ってその身体に手を置くと――熱い。ドッドッドッって鼓動の音が手に振動で伝わってくるくらいに、彼の身体が激しく脈打っていた。
「吐きそうです……」
「むしろ吐いちゃってください!」
「……メル、嬢、だめだ、これは……っ、思ったより……あたま、が」
口元を押さえて、机から床に座り込むアレクディール様。
美形が口元を手で押さえて涙目でうずくまってるのって、なんかこうときめいちゃうなぁ……じゃなくて、薬物過剰摂取患者です!
わたしは応急処置に移ることにした。
「部屋から、出て……くれ、たの、む……っ」
「放っておけるわけないじゃないですか! そんなの錬金術師の名折れですよ! 吐いちゃった方がいいです、……ほら、うつ伏せのままでいいので」
「う……っ、うぁ……っ」
だめだ……、アレクディール様の身体、あっつい!
騎士様に不敬かもしれないけど、わたしがやるしかない!
「失礼します!」
うつ伏せてうずくまるアレクディール様の隣に座って、わたしはその顔に触れる。 そしてそっと頬を挟むと、ゆっくり持ち上げた。
うわっ肌白くて美形……! まつ毛も長くて鼻も高い! っていうか目が綺麗……じゃなくて!! その下唇にやわくふれて指で押し開いてその口を開けさせる。そして舌の付け根に指を入れて、力を込めてぐっと押した。
「んぁ、っ、ぁあっ」
苦しそう……うう、でもこれは絶対吐いちゃった方がいい!
「ええと、も少し、強く押しますね!?」
わたしの指を口の中に突っ込まれながら、見つめてくるアレクディール様。
あれ……?
(媚薬が……効いて、きてる?)
さっきまでめちゃくちゃ鋭かったアレクディール様の金の目が、ふにゃりと溶けて薄くピンク色に潤んできてる。
ど、どど、どうしよう!!?? 量のせいかな??
わたしは確かにアレクディール様に憧れてるけど、彼にとっては、わたしはただの回復薬を売りに来る錬金術師のひとり。好意なんてあるはずないのに――だんだん濃いピンク色になっていく、アレクディール様の瞳。
「メル嬢……ああ、メル嬢、メル嬢」
「え……っ!? きゃああっ!!」
ぐるん、と視界が回る。
手首が痛い。なんか重くて、息苦しくて、副団長室の絨毯ってふかふかだぁ……じゃなくて!!!
「メル嬢……、すまない、身体、が、熱くて……っ、ああ、でも本当に可愛いな――星のような金髪、夜空のような碧色の瞳……美しい……」
「あ、アレクディール様!?」
「頬も、白くて……すべらかだ……本当に、愛らしい。女神だ、女神がいるぞ……メル嬢は女神ですね……」
立派な副団長室のシャンデリアの明かりを背にして、アレクディール様がわたしにのしかかってきてる。
あっという間にわたしの手首は頭上でまとめられてしまって身動きが取れないし、脚を掻こうにもそっちも乗られてて動けない。
ちょっとちょっと、ちょっと! 待ってください!!
はぁ、はぁ、と荒い息を吐きながらまるで睦言のようなことを言っていたアレクディール様の手が、いったんわたしの手首から離れて、ちょっとだけホッとした、その瞬間だった。
「びゃあ!!」
きゃあ、でも、わぁ、でもない。淑女らしからぬ悲鳴が出た。
わたしの襟元から、白衣がすごい勢いでひっ剥がされて床に放られる。
待って。待って、待って!? 現役騎士様、さすが力がお強いわ――じゃなくて!
「すみません……メル嬢……っ、ああもっと、触れたい――きみに、触れたくて我慢が……できません……!」
すみません、じゃない!
アレクディール様が、わたしの服どんどん脱がせて――というより破っていく。
こんな勢いで服を、ちぎっては投げ……というか破いては投げされるの初めてなんですけど――!?
下に着ていた白いブラウスのボタンが飛んでいって、ロングスカートがずり下げられて、文字通り飛んでいく。
「な、何するんです、かっ、んぐっ!!」
体をよじって抵抗しようとしたけれど、わたしの口はその白手袋をはめている大きな手でふさがれてしまった。
ちょっと、まって―――この状況。
副団長室の絨毯の上で、のしかかられて、服を破られて―――!
わたし、これ、完全に――一線超えちゃうやつだ!!!
「ああっ……すみません……、手が、勝手に……ああ、メルっ、メル嬢……!」
「んぐっ! ぐぅんっ!?」
「夢のようだ……俺の下で乱れるメル嬢……可愛い、可愛すぎる、メル嬢……。きみの肌は、こんなにもきめ細かくて美しい……ああ、透けるようですね、何を食べたらこんなに綺麗なすがたに……あああ匂いもいい、かわいい、いい、メル嬢」
口元を押さえられて、声がでない。
そんな興奮した顔で、甘い声で囁きつつ、謝りながら、わたしの服を破らないでください!!
情報が多いです!!
ろくに抵抗もできないまま、あっという間にわたしは裸にされてしまった。
真昼間。
騎士団詰め所にある、副団長室。
その絨毯の上。
紅潮した頬と汗水を垂らして、荒い息を吐きながら、完全に媚薬にそまったピンクの瞳でわたしを見下ろすアレクディール様と、真っ裸で組み伏せられてるわたし。
こ、こういうことは、時と場合、節度を保ってする行為では――って、アレクディール様、ご自分でおっしゃってたじゃないですか――!
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