媚薬を作っただけなのに!

さわらにたの

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「は、ぁ……はぁ……メル……。メル嬢……。俺は……何を……これが、媚薬、か? きみを、きみの全てを手に入れたいんです……」

 そういいながら、わたしの口をふさいでいた手を外して、自分の歯で手袋の先を咥えて引き抜いて床に放るアレクディール様。うーん、めちゃくちゃ色っぽくて、格好いい……。
 額にもこめかみにも、そして頬にも、その端正な顔にはぐっしょりと汗がしたたっていた。きっちりと止めていた詰襟の襟元を指で乱暴に緩めると、アレクディール様は自分も文字通りぽんぽん服を脱いでいく。
 綺麗な線の入った胸筋に、めちゃくちゃバッキバキに割れた腹筋。しっかりとしたラインの肩。美しい身体だ。国を守る騎士様の鍛え抜かれた腕と肩と胸板……本当にたくましい。
   アレクディール様ってすらりとして見えたけど、着やせするタイプなのかな。あの騎士団の制服のデザインのせいかもしれないけど、どちらかというと長身痩躯、スラッとしてると思っていたのに。制服を脱いだらこんなに筋肉が……す、すごい。

 でも、そんな呑気なこと言ってる場合じゃない! 
 そのアレクディール様に、わたしは裸にされて絨毯の上で組み敷かれてるわけなんですけども。
 でも、どうして媚薬が作用しちゃってるんだろう??

 こんな状況なのに、やっぱり錬金術師としての探求心がうずいてしまう。
 必死に考えるけど、まったく原因がわからなかった。
 この媚薬にかけた錬金術は完璧なはず。
「双方に恋心」がないと、作用しない術式がちゃんとかけられているはずなのに。 

 わたしはアレクディール様にずっと憧れてたし、これは恋心といっても差し支えはないと思うんだけど、アレクディール様がこんな一介の零細錬金術師に恋心、ううん興味すらあるはずない。
 そもそも今日「メル嬢」って呼ばれて「あっ、わたしの名前覚えていたんだ」なんて思ったくらいだもの。書類を見ただけかもしれないけどね。
 たぶん、量だ。
 本来”一滴”のところを”一瓶”飲んだから、だと思う。
 それ以外に、ぜんぜん思い当たらないもの! 
 今度から「ちゃんと用量は守ってね!!」って太字にしておこう……と思いながら、わたしは目の前のアレクディール様が今度はご自身の下衣をくつろげていくのを見ていた。

 愛の女神として知られる星女神《シュテルン》を守護に抱く我が国・星王国《シュトラール》は、そこそこ性に自由な国だ。でも国家錬金術師としての資格のために、青春を学院生活にささげて必死に勉強してきたわたしに、こういう経験は、その、ちゃんとなくて。

「!」

 ぼろんという効果音がお似合いの、でっかいアレクディール様のソレが姿を現した。
 おっきな肉棒――と言うにふさわしいそそり立つモノ。 
 この上品な、アレクディール様の貴公子然としたお顔の下に、こんなにおっきなものが……。媚薬が効いてるからか、バッキバキのムッキムキだ。錬金術は医学も収めないとだめなので、一応男性の身体の知識や性交の知識だけはある、あるんだけど……なんか医学書でみた大きさと、違いますね? 先端からはだらだらつやつやの先走りが垂れてるし、すごく荒い息を吐いているアレクディール様は、めちゃくちゃにいやらしくて、男らしい。
 無意識にだろう、その茎を片手でしっかり擦り上げてるアレクディール様。でもその視線は優しく甘い色を伴って眼下のわたしに注がれている。
 不釣り合いな仕草と目線が、その、めちゃくちゃ、エッチです……。

「綺麗だ……メル嬢、ああ美しい。女神のようですね。建国の星女神・シュテルンもかくや……」

 なんかすごい口説き文句言われてるけど、大丈夫なのかな? 
 騎士様ってその星女神様に忠誠を誓ってるんじゃないの? 
 これは不敬じゃないの? と思いつつ、身動きが取れないのでどうしようもない。
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