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第一部
5話:集配魔術士は王都を巡る
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授与式から一週間、俺は王都へ行く準備をしていた。用意したのは、かねてから貯めてきた20ジェラ(1ジェラ=1万円)と1モータル(約4リットル)の水、そして保存食として父が持たせてくれた兎肉のジャーキーである。王都までの道のりは村唯一の運び屋のトニーに任せてある。運賃は5ジェラだったが、なんとか頼み込んで3ジェラまで減らしてもらった。道中は険しいため、三日間、馬車での移動となる。出発の時を迎えた俺を父が見送りに来てくれた。
「ルヴェン、王都へ行っても元気でな」
「うん父さん。俺にはやるべきことができたんだ」
馬車へと向かう俺を父が引き止めた。
「ル、ルヴェン!俺はお前に一つ言ってないことがある。どうか聞いても驚かないでくれ。俺はお前の…」
俺は父に近づいてそっと肩を叩く。
「ああ、全部知ってたよ。でも俺にとっては父さんが実の父さんだよ。だから心配しないでくれよ」
「ルヴェン。今まで騙していて悪かった。こんな父を許してくれ!」
あの頑固な父が珍しく泣いている。
「さよなら父さん。」
俺はそう言い残して馬車に乗った。馬がヒヒィーンと甲高い声をあげ、ひづめの音と共に勢いよく出発する。父はその間もずっと俺の姿を見ていた。
(これから楽しくなりそうだ)
王都への道は困難を極めた。一つの馬で移動できる距離はせいぜい一日20ファー(1ファー=1キロ)が限界だったので60ファー離れた王都までは丸三日かかった。用意した食料は二日で底をつき、少ない水でだけで残り一日は何も食べずに王都へ着いた。俺はあまりの王都の大きさに言葉を失う。
「ありがとうトニー。それにしても王都は広いな。またいつか村で会おう!」
俺たちは握手して別れた。
さて、俺は1ヶ月前アメジス家に訪問させて欲しいとの手紙を送った。エステラを助けてあげたこともあって、返事は『よろしい』との事だった。アメジス邸に向かおうと思ったが、身体は思うように動かなかった。お腹が鳴る(そういえば俺、昨日から何も食べていないんだったな。移動がてら、どこかで食べよう。)俺は王都の散策がてら、店を探すことにした。町は活気に溢れ、あちこちから店を宣伝する声が聞こえる。俺は改めて集配魔術が役に立ちそうだなと思った。しかし、王都をよく見ていると、王城に向かうにつれて人や亜人奴隷の数が多くなっていった。ここは貴族の邸宅が多いため、彼らに雇われたものたちなのだろう。(王都内でもここまで身分の差があるのか。)と俺は思った。でもそっちの方が都合がいい。俺を捨てたのは貴族であることに変わりはないのだから。
ここから先は値段がドンと跳ね上がる。この辺で食べていこう。人が盛んに行き来する場所だけあって、料理店は多かった。その中の一つに入る。
『アルバ料理店』
中に入ると、デミグラスソースの香ばしい匂いがしてくる。俺は店の一番人気、『コルコットのシチュー』を頼んだ。値段は13コルク(1コルク=100円)で少々高かったが、王都の標準的な味を知るためにはちょうど良かった。
料理が運ばれてくる。ああいい匂いだ。とろとろになるまで煮込まれたコク深いシチューからは香草や数種類の野菜の旨味が溢れ、何よりイノシシに似た姿が特徴のコルコットの肉は口の中でほろほろと崩れる。ウマい。ウマすぎる!初めての王都の味に感動しながら俺はゆっくりと食べ終える。
王都の生活はこれからだ。俺はエステラ家へと向かう。
「ルヴェン、王都へ行っても元気でな」
「うん父さん。俺にはやるべきことができたんだ」
馬車へと向かう俺を父が引き止めた。
「ル、ルヴェン!俺はお前に一つ言ってないことがある。どうか聞いても驚かないでくれ。俺はお前の…」
俺は父に近づいてそっと肩を叩く。
「ああ、全部知ってたよ。でも俺にとっては父さんが実の父さんだよ。だから心配しないでくれよ」
「ルヴェン。今まで騙していて悪かった。こんな父を許してくれ!」
あの頑固な父が珍しく泣いている。
「さよなら父さん。」
俺はそう言い残して馬車に乗った。馬がヒヒィーンと甲高い声をあげ、ひづめの音と共に勢いよく出発する。父はその間もずっと俺の姿を見ていた。
(これから楽しくなりそうだ)
王都への道は困難を極めた。一つの馬で移動できる距離はせいぜい一日20ファー(1ファー=1キロ)が限界だったので60ファー離れた王都までは丸三日かかった。用意した食料は二日で底をつき、少ない水でだけで残り一日は何も食べずに王都へ着いた。俺はあまりの王都の大きさに言葉を失う。
「ありがとうトニー。それにしても王都は広いな。またいつか村で会おう!」
俺たちは握手して別れた。
さて、俺は1ヶ月前アメジス家に訪問させて欲しいとの手紙を送った。エステラを助けてあげたこともあって、返事は『よろしい』との事だった。アメジス邸に向かおうと思ったが、身体は思うように動かなかった。お腹が鳴る(そういえば俺、昨日から何も食べていないんだったな。移動がてら、どこかで食べよう。)俺は王都の散策がてら、店を探すことにした。町は活気に溢れ、あちこちから店を宣伝する声が聞こえる。俺は改めて集配魔術が役に立ちそうだなと思った。しかし、王都をよく見ていると、王城に向かうにつれて人や亜人奴隷の数が多くなっていった。ここは貴族の邸宅が多いため、彼らに雇われたものたちなのだろう。(王都内でもここまで身分の差があるのか。)と俺は思った。でもそっちの方が都合がいい。俺を捨てたのは貴族であることに変わりはないのだから。
ここから先は値段がドンと跳ね上がる。この辺で食べていこう。人が盛んに行き来する場所だけあって、料理店は多かった。その中の一つに入る。
『アルバ料理店』
中に入ると、デミグラスソースの香ばしい匂いがしてくる。俺は店の一番人気、『コルコットのシチュー』を頼んだ。値段は13コルク(1コルク=100円)で少々高かったが、王都の標準的な味を知るためにはちょうど良かった。
料理が運ばれてくる。ああいい匂いだ。とろとろになるまで煮込まれたコク深いシチューからは香草や数種類の野菜の旨味が溢れ、何よりイノシシに似た姿が特徴のコルコットの肉は口の中でほろほろと崩れる。ウマい。ウマすぎる!初めての王都の味に感動しながら俺はゆっくりと食べ終える。
王都の生活はこれからだ。俺はエステラ家へと向かう。
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