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第一部
8話:集配魔術士は旅に出る
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心地よい日差しが窓から流れ込む。部屋の中はいよいよ明るくなっていき、鳥たちのさえずりが聞こえる。朝か。俺はベットから起き上がる。
「ルヴェンさん、遅いですよー。もうみんな起きてます。先に朝食いただいてますよ」
まだ6時だぞ。もう少し寝かせてほしいのだが、、。
「分かった。すぐ行く」
俺は下に降りていく。そこにいたのはエステラの父バルカス、騎士のフェリペ、イフリーナとエステラだった。フェリペは名前は聞いていたが、見るのは初めてだった。
「いい知らせと悪い知らせがあるのだ。どちらから聞きたいか」
バルカスがよくある台詞を言う。
「じゃあルヴェンに聞こう。お主はどちらがいい?」
イフリーナはムッとした表情を隠せない。
来たばかりの客人に選ばせたくないらしい。
この空気が嫌なので俺はすぐに結論を出す。
「はい。いい知らせから聞きたいです」
後味が悪いかもしれないが、俺が険悪な空気に巻き込まれるのは御免だ。
「よし、では話そう。いい知らせというのは姉のシアンが王国騎馬隊の隊長に選ばれたということだ。
これは家のためにもなるし、彼女もよくやってくれているということだ。皆で祝うように」
「それは誠ですか!シアン様ならやってくれると思いました」
フェリペもイフリーナも喜びを隠せない。
「姉様がもうそこまで……」
エステラがため息をつく。
確かにアメジス家にとって良くてもエステラにとっては自分が劣っていると思うきっかけになってしまったかもしれない。今はそっとしておく。
「そして次に悪い知らせである。ザラード家がついに動き出したのじゃ」
「なんだと!奴ら何を企んでやがる」
イフリーナが声を漏らす。
「サルサス王の息子レイジと奴らの娘のメイベルを婚姻させようとしているのだ。もしこれが実現すれば当然仲の悪い我々一族は排除されるだろう。」
「絶対に許さない!すぐに手を打ちましょう!!」
フェリペが口に出す。それに対して一同が顔を合わせる。
「まあまて。決まったわけではない。王国議会の話に出ただけだ」
「しかしッーー!」
「早まってはならん。敵の手の内を見極めるのだ」
フェリペは納得のいかない顔でこの場を立ち去る。
「フェリペ殿、お待ちください!」
エステラが呼び止めるが行ってしまった。
「他に聞きたいことはあるか?」
俺とエステラが頷く。パーティのことを話すことにした。
「父上、折り入ってご相談があるのですが…」
「何だ。珍しいな。結婚したいとでもいい出すのか。ハッハッハ!」
「けけけ結婚ですか!?違いますよね?ルヴェンさん。」
「全くご冗談を。相談したいことというのは、お嬢様を私が作るパーティに入れたいのです」
イフリーナが鋭く反応する。
「貴様!エステラ様を連れ出していろいろするつもりなのだな。父上、許してはなりません」
「なるほど。だがお主には娘の安全を保障できると言い切れるのか?」
「はい。クエストはSからDランクまであると聞きます。主にDランクのクエストでレベルを上げたいと我々は考えています」
「だがな、クエストはいつ何が起こるかわからない。確かにエステラにとってそれがいいのかもしれない。ただ娘を危険な目に合わせるわけにはいかない」
「ほらな。言っただろルヴェン。お前にエステラはやらんと。フフフ」
得意げなイフリーナを後に、バルカスが言う。
「というわけで、パーティにはイフリーナも参加してもらう!彼女は強いし、今まで通り護衛もできる。これでいいな」
突拍子も無いことを言うな。と俺は思った。
「ッーー!嫌です、バルカス様!あんな薄汚い男と一緒になんていきたくありません」
(いや、俺昨日この鎧もらったばかりだぞ。少なくとも見た目は汚く無いはずだ。)
「じゃあイフリーナよ。屋敷に残るか?エステラはいないぞ。ハッハッハ」
「うぅ父上酷いです~」
「来なくてもいいんだぞ。リーナ。屋敷にいた方がバルカス様も喜ぶぞ」
完全に立場が逆になった俺はこの好機を逃さない。要するに、言いたい放題だ。
「リ、リーナだと?もう何なのだーーー!はぁ~分かりましたバルカス様。そうします。ただし、あの男がちょっとでもエステラ様に手を出したら容赦しませんから。(殺気)」
やっぱりコイツは来ないほうがいいわ。と思いながらも俺は内心喜んでいた。
これでやっと俺も冒険者になれるのだと……
「ルヴェンさん、遅いですよー。もうみんな起きてます。先に朝食いただいてますよ」
まだ6時だぞ。もう少し寝かせてほしいのだが、、。
「分かった。すぐ行く」
俺は下に降りていく。そこにいたのはエステラの父バルカス、騎士のフェリペ、イフリーナとエステラだった。フェリペは名前は聞いていたが、見るのは初めてだった。
「いい知らせと悪い知らせがあるのだ。どちらから聞きたいか」
バルカスがよくある台詞を言う。
「じゃあルヴェンに聞こう。お主はどちらがいい?」
イフリーナはムッとした表情を隠せない。
来たばかりの客人に選ばせたくないらしい。
この空気が嫌なので俺はすぐに結論を出す。
「はい。いい知らせから聞きたいです」
後味が悪いかもしれないが、俺が険悪な空気に巻き込まれるのは御免だ。
「よし、では話そう。いい知らせというのは姉のシアンが王国騎馬隊の隊長に選ばれたということだ。
これは家のためにもなるし、彼女もよくやってくれているということだ。皆で祝うように」
「それは誠ですか!シアン様ならやってくれると思いました」
フェリペもイフリーナも喜びを隠せない。
「姉様がもうそこまで……」
エステラがため息をつく。
確かにアメジス家にとって良くてもエステラにとっては自分が劣っていると思うきっかけになってしまったかもしれない。今はそっとしておく。
「そして次に悪い知らせである。ザラード家がついに動き出したのじゃ」
「なんだと!奴ら何を企んでやがる」
イフリーナが声を漏らす。
「サルサス王の息子レイジと奴らの娘のメイベルを婚姻させようとしているのだ。もしこれが実現すれば当然仲の悪い我々一族は排除されるだろう。」
「絶対に許さない!すぐに手を打ちましょう!!」
フェリペが口に出す。それに対して一同が顔を合わせる。
「まあまて。決まったわけではない。王国議会の話に出ただけだ」
「しかしッーー!」
「早まってはならん。敵の手の内を見極めるのだ」
フェリペは納得のいかない顔でこの場を立ち去る。
「フェリペ殿、お待ちください!」
エステラが呼び止めるが行ってしまった。
「他に聞きたいことはあるか?」
俺とエステラが頷く。パーティのことを話すことにした。
「父上、折り入ってご相談があるのですが…」
「何だ。珍しいな。結婚したいとでもいい出すのか。ハッハッハ!」
「けけけ結婚ですか!?違いますよね?ルヴェンさん。」
「全くご冗談を。相談したいことというのは、お嬢様を私が作るパーティに入れたいのです」
イフリーナが鋭く反応する。
「貴様!エステラ様を連れ出していろいろするつもりなのだな。父上、許してはなりません」
「なるほど。だがお主には娘の安全を保障できると言い切れるのか?」
「はい。クエストはSからDランクまであると聞きます。主にDランクのクエストでレベルを上げたいと我々は考えています」
「だがな、クエストはいつ何が起こるかわからない。確かにエステラにとってそれがいいのかもしれない。ただ娘を危険な目に合わせるわけにはいかない」
「ほらな。言っただろルヴェン。お前にエステラはやらんと。フフフ」
得意げなイフリーナを後に、バルカスが言う。
「というわけで、パーティにはイフリーナも参加してもらう!彼女は強いし、今まで通り護衛もできる。これでいいな」
突拍子も無いことを言うな。と俺は思った。
「ッーー!嫌です、バルカス様!あんな薄汚い男と一緒になんていきたくありません」
(いや、俺昨日この鎧もらったばかりだぞ。少なくとも見た目は汚く無いはずだ。)
「じゃあイフリーナよ。屋敷に残るか?エステラはいないぞ。ハッハッハ」
「うぅ父上酷いです~」
「来なくてもいいんだぞ。リーナ。屋敷にいた方がバルカス様も喜ぶぞ」
完全に立場が逆になった俺はこの好機を逃さない。要するに、言いたい放題だ。
「リ、リーナだと?もう何なのだーーー!はぁ~分かりましたバルカス様。そうします。ただし、あの男がちょっとでもエステラ様に手を出したら容赦しませんから。(殺気)」
やっぱりコイツは来ないほうがいいわ。と思いながらも俺は内心喜んでいた。
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